ホーム > 世界の電気事業の動き > 2014 年度

2014 年度

海外電力調査会が収集した世界各地の電気事業情報を、エリア別、項目別にフィルタリングできます。各年度毎の表示となります。

エリアを選択:
項目を選択:

2014年度

2015.03.31
豪州:競争政策の見直しに関する最終報告書
連邦政府の諮問委員会は 2015 年 3 月 31 日、競争政策の見直しに関する最終報告書を提出した。548 ページに及ぶ今回の報告書は、競争導入のための種々の規制緩和を提言した1993 年の「全国的な競争導入に関する再検討(通称:ヒルマ-・レポート)」以来、約 20年ぶりの包括的なものとなる。アジア諸国ならびに新興国の台頭、オーストラリア国内での高齢化、IT 等の技術革新といった環境変化がオーストラリア経済に与える影響を踏まえ、56 項目の提言がなされている。電気事業については、電気・ガス・水道・通信の価格を規制する組織を新たに設立することが提案されている。現在、送配電についてはエネルギー規制局(AER)、小売料金については各州の規制機関が担当している。 印刷用PDF
2015.03.27
EU:EU の 2014 年太陽光導入量は前年から 3 割以上減少
2015 年 3 月 27 日付業界紙などによると、欧州太陽光産業協会(EPIA)がとりまとめた2014 年における EU 域内の太陽光設備導入量は 700 万 kW であった。同設備導入量は 2011年以降減少が続く。2014 年実績は 2013 年(1,100 万 kW)より 3 割以上少なく、過去最高を記録した 2011 年(2,240 万 kW)の 3 分の 1 以下の水準。世界の太陽光設備導入量は、中国、日本、米国での導入拡大により、2014 年は前年比 8%増の 4,000 万 kW となった。EU の割合はそのうち 17%で、ドイツ、イタリアの 2 カ国で 60%を占めた 2011 年から大きく縮小した。導入量減少の背景には、各国政府による再エネ支援策の見直しがある。欧州では再エネ電力買取コストの増加に伴って電力価格が上昇傾向にあることから、各国政府は FIT 制度を見直し、買取コストの抑制を図っている。その一方、英国では 2015 年 2月末時点の累積設備導入量が 523 万 kW となり前年同月末時点(306 万 kW)から 71%増加した。EPIA は、英国はかつての太陽光大国ドイツ、イタリアを追い抜き、欧州最大の太陽光市場となろうとしていると述べている。 印刷用PDF
2015.03.26
インドネシア:バイオディーゼルの混合率、4 月 1 日から引き上げへ
エネルギー鉱物資源省(MEMR)は 2015 年 3 月 26 日、2013 年 9 月から輸送用ディーゼル油に義務付けているバイオ燃料の混合率を、今年の 4 月 1 日から 15%に引き上げると発表した。現在の混合率は 10%。 印刷用PDF
2015.03.23
トルコ:原子力発電所、2022 年以降に完成
トルコエネルギー当局は 2015 年 3 月 23 日、トルコ初の原子力発電所の完成は 2022 年以降になると発表した。トルコはロシアの国営企業であるロスアトムと、120 万 kW の原子炉を 4 基建設する契約を 2013 年に結んでおり、初号機の運開を 2019 年としていた。遅れた原因は、福島事故後に設けられた高い規制ハードルと、ウクライナ問題による欧米諸国のロシアへの金融制裁にあると報道されている。 印刷用PDF
2015.03.23
中国:中広核集団公司、原子炉 3 台基が試運転
2015 年 3 月 23 日付の中国広核集団公司(CGNPC)の広報によると、建設中の陽江原子力所(福建省)2 号機(CPR1000)と寧徳原子力発電所 3 号機(CPR1000)、紅沿河原子力発電所 3 号機(CPR1000)の 3 基がそれぞれ、3 月 10 日、21 日、23 日に系統連系し、試運転に入った。所定の試験を行った後、審査に通れば、年内にも商業運転される見込みである。これで、CGNPC が保有する運転中(試運転を含む)の原子力炉は 14 基、発電設備容量 1,491.8 万 kW となる。 印刷用PDF
2015.03.22
米国:テキサス州が再エネに対する支援廃止を検討
2015 年 3 月 22 日付の報道によると、テキサス州の Troy Fraser 上院議員は再エネに対する州の支援を廃止する法案を提出した。テキサス州は国内で最大の風力発電導入量を誇っており、設備容量の 20%を占めている。同州では 2025 年までに 1,000 万 kW の再エネ導入を目指していたが、既に風力発電の設備量は 1,280 万 kW に達している。Fraser 氏は、これ以上の支援は不要として、州の再エネクレジットプログラム(小売事業者が再エネ事業者から再エネクレジットを購入)の終了と CREZ(競争的再エネ開発地域)における送電線開発プロジェクトの正式な終了を提案している。法案は、上院での審議の前に州の天然資源委員会で議論される予定である。 印刷用PDF
2015.03.20
イタリア:日食発生日にすべての太陽光発電所の運転を停止
送電系統運用者の Terna は日食が発生した 2015 年 3 月 20 日、出力 100kW 以上のすべての太陽光発電設備と一部の風力発電設備を午前 7 時から 14 時までの 7 時間にわたり系統から解列した。欧州送電系統運用者ネットワーク(ENTSO-E)は、約 1,800 万 kW の太陽光発電設備が設置されているイタリアでは出力が最大で 21%減少する可能性があると予想していた。ENTSO-E は太陽光設備の全面的な停止までは勧告していないが、Ternaは「出力の急激な減少により系統が不安定化するのを防ぐため」に、送電系統運用規則に基づき今回の運転停止命令を発令したと説明している。今回のケースのように、系統の安全を理由とした緊急時の解列措置に対しては補償は行われない。 印刷用PDF
2015.03.19
中南米:エネル、中南米事業を拡大
イタリアのエネルギー大手エネルは 2015 年 3 月 19 日、2015~2019 年の事業戦略を発表した。その中で、海外事業投資額の 49%を中南米地域向けにするとしている。再エネ分野への投資額の 53%を中南米向けとし、ブラジル、チリ、メキシコでの事業を中心に進めるとしている。2014 年末時点で、エネルグループが保有する発電設備容量 8,600 万 kW の18%に当たる 1,510 万 kW が中南米地域にある。同地域には、2014 年末時点で再生可能エネルギーによる発電設備容量は約 170 万 kW あり、近く運開が予定されているものが100 万 kW、建設中・計画中のものが 1,240 万 kW ある。エネルは中南米地域の事業を進めるため、再生可能エネルギー事業についてはチリの首都サンティアゴに子会社エネル・グリーンパワー、発送配電事業とガス事業についてはは持株会社エネルシス(本社在地はチリ)をそれぞれ拠点として事業を展開している。 印刷用PDF
2015.03.19
米国:世論調査は安定した原子力支持を示す
米国原子力エネルギー協会(NEI)は 2015 年 3 月 19 日、原子力に関する世論調査の結果を公表した。この調査は、NEI の依頼により調査会社により 2 月 18 日から 3 月 1 日にかけて実施された。米国での電力供給源の一つとして原子力に 68%が賛成(反対は 30%)しており、安定して高い支持を受けている。特に中西部は 76%、新規原子力発電所が建設中の南部では 71%が賛成している 印刷用PDF
2015.03.10
EU:EU の最終エネルギー消費に占める再エネ比率、2013 年は 15%
欧州統計局(Eurostat)の 2015 年 3 月 10 日付発表によれば、2013 年における EU 加盟国の最終エネルギー消費に占める再エネの割合が前年から 0.7 ポイント上昇し 15.0%となった。上位 3 カ国はスウェーデン 52.1%、ラトビア 37.1%、フィンランド 36.8%、下位 3カ国はルクセンブルク 3.6%、マルタ 3.8%、オランダ 4.5%であった。EU は 2020 年までに同再エネ比率を 20%へ引き上げることとし、加盟国ごとの目標値を設定している。28カ国のうちブルガリア 19.0%(2020 年目標 16%)、エストニア 25.6%(同 25%)、スウェーデン 52.1%(同 49%)の 3 カ国が既に 2020 年目標を達成している。また、リトアニア 23.0%(同 23%)、ルーマニア 23.9%(同 24%)、イタリア 16.7%(同 17%)が目標到達まで 0.5 ポイント未満に迫っている一方、英国 5.1%(同 15%)、オランダ 4.5%(同14%)、フランス 14.2%(同 23%)、アイルランド 7.8%(同 16%)は目標値との間に 8ポイント以上の乖離がある。 印刷用PDF
2015.03.09
豪州:再生可能エネルギー目標、350 億 kWh に引き下げか
2015 年 3 月 9 日付の報道によると、連邦議会において 2015 年 3 月現在、2020 年までの再生可能エネルギーの導入目標の引き下げが議論されている。先週の議会で与党が提示した 310 億 kWh 案を野党が拒否したため、妥協策として目標値を 350 億 kWh 程度とし、再生可能エネルギー証書(REC)価格の下落防止策を講じることが検討されている模様である。現在の再生可能エネルギーの導入目標は、労働党政権時代の 2009 年に、「2020 年までに供給電力量の 20%」である 410 億 kWh に設定された。しかし、政府の諮問委員会は 2014 年、最新の需要予測に基づいて再計算した結果、270 億 kWhまで引き下げ可能という報告書を提出した。これに対し、産業界は目標の大幅な引き下げは、再生可能エネルギー証書(REC)の価格下落を招き、再生可能エネルギープロジェクトへの投資が回収できなくなるとして反発していた。 印刷用PDF
2015.03.05
トルコ:変圧器から油盗難、長時間の停電が発生
2015 年 3 月 5 日付の地元紙報道によると、トルコ中南部を供給区域とするトロスラール配電会社のアダナ県にある変電所の変圧器 8 台から絶縁・冷却用の油が盗まれたことから変圧器が焼け、県内で長時間の停電が発生した。変圧器内には 200~300kg の油が封入されており、盗まれた油の量は全部で 2t を超えると見られている。この油は燃料として利用可能なことから、犯人は盗んだ油を kg 当たり 2 リラ(約 92 円)以上の値段で横流ししているものと推測されている。 印刷用PDF
2015.03.04
韓国:小型原子炉、サウジアラビアと共同開発
韓国外交部(MOFA)は 2015 年 3 月 4 日、中東 4 カ国(アラブ首長国連邦、カタール、クェート、サウジアラビア)を歴訪中の朴大統領は 3 日にサウジアラビアの Salman bin Abdulaziz Al Saud 国王と会談し、韓国が開発した 10 万 kW の小型原子炉(SMART:System Integrated ModularAdvanced Reactor)の共同開発に関する覚書に署名したと発表した。将来的に 2 基をサウジアラビアに建設することも視野に入っているとされる。SMART は、韓国原子力研究院(KAERI:Korea AtomicEnergy Research Institute)と国内の原子力関係企業数社が輸出を目的に共同開発した原子炉で、発電や海水淡水化など多目的に活用でき、水あるいは空気で冷却することができるとされる。 印刷用PDF
2015.03.04
欧州:欧州委員会、電力安定供給のストレステストを計画
2015 年 3 月 4 日付報道によると、欧州委員会(EC)は電力安定供給のストレステストを計画している。EC 副委員長・エネルギー同盟担当のマレシュ・シェフチョビチ委員は 3月 3 日にブリュッセルで開催された会議のなかで、電力供給が大きく失われた場合に何が起こるかをモデル化し、どのようにその問題を解決するかを加盟国へ示す必要があると述べた。EC は、加盟国において電力安定供給が損なわれた場合の緊急時対応計画や、加盟国の国境間電力取引を活用した対策なども精査する予定。なお、ガス安定供給に関するストレステストの取り組みは、既に 2014 年から開始している。 印刷用PDF
2015.03.03
米国:カリフォルニア州で自由化範囲を拡大する法案が提出
2015 年 3 月 3 日付の報道によると、カリフォルニア州のボブ・ハーツバーグ上院議員(民主党)が、家庭用以外の需要家に対する電力小売を完全に自由化する法案 SB286 を提出した。同州は 2000 年の電力危機を受けて小売自由化を中断していたが、2010 年 4 月以降、家庭用以外の需要家に対する部分自由化を再開しており、現在は州内の電力需要の 12%を自由化範囲の上限としている。ハーツバーグ議員は、「この上限を撤廃することで、現在、地元電力会社からの電力購入を余儀なくされているグーグルやカリフォルニア大学などの大規模需要家にメリットをもたらすとともに、再生可能エネルギーの導入を促進させることができる」と述べている。この法案に対しては、電力会社のほか、消費者保護団体も、電力会社に残った需要家に更なる費用負担を強いるおそれがあるとして反対を表明している。しかし、小売事業者やグーグル、アップルなどのテクノロジー企業 70 社を代表する業界団体である TechNet は、歓迎の意向を示している。 印刷用PDF
2015.02.26
米国:イリノイ州議会が原子力支援法案を提案
イリノイ州議会は 2015 年 2 月 26 日、低炭素電源利用基準設立法案を提案した。法案は、電力会社に対し販売電力量(ただし配電系統に限る)のうち 70%を原子力、太陽光、風力、水力、潮力、波力、クリーン石炭といった低炭素電源から調達することを義務付ける。電力会社が、それら発電事業者から購入する「低炭素電源クレジット」のコストを需要家からサーチャージとして回収する。いわば再生可能エネルギー利用基準(RPS)の低炭素電源版である。ただし、イリノイ州では年間電気料金単価上昇率が 2009 年単価比 2.015%(約2 ドル/月)という上限があるため、法案はこれを踏襲している。また、低炭素電源利用基準の有効期限は、環境保護局(EPA)が設定したイリノイ州の CO2 排出基準を達成するための実行計画が開始されるまで、または 2021 年 12 月末までのどちらか遅い方としている。法案に対し環境団体や他の発電事業者からは、「公的機関、民間のエネルギーコストを増やす一方、法案の受益者はエクセロン社 1 社のみである。」、「原子力発電への補助金である。市場競争を歪める」といった批判の声が上がっている。 印刷用PDF
2015.02.25
欧州:欧州委員会、「エネルギー同盟」の政策方針を発表
欧州委員会は 2015 年 2 月 25 日、EU が構築を目指す「エネルギー同盟」の政策方針に関する文書を発表した。「エネルギー同盟」とは、欧州委員会が優先課題のひとつに掲げる政策的枠組みであり、その構想の下で、エネルギー安全保障、域内単一エネルギー市場形成、エネルギー効率化、低炭素経済、研究開発という相互補完的な 5 つの課題を、EU 加盟国が一体となって目指していくことがうたわれる。今回の政策文書の中で、欧州委員会は、電力・ガス事業、エネルギー・インフラ、再エネ・省エネ、気候変動政策など様々な政策分野における 2015 年以降の行動計画を示しており、その中には、2030 年に向けた新たな再エネ指令の提案なども含まれる。また、今回は「エネルギー同盟」の戦略的方針に関する政策文書に加え、電力国際連系線の拡充に関する政策文書、パリ気候変動会議(COP21)における国際合意に向けた、EU の気候変動政策と温室効果ガス排出削減目標に関する政策文書も、個別に発表されている。 印刷用PDF
2015.02.23
欧州:3 月 20 日の日食、電力安定供給に対するかつてない試練となる見込み
2015 年 2 月 23 日、欧州送電系統運用者ネットワーク(ENTSO-E)は、2015 年 3 月 20日に発生する日食が、欧州における電力安定供給に対するかつてない試練となると発表した。欧州では、3 月 20 日 8 時 40 分~12 時 50 分(CET)に日食が発生する。ENTSO-Eの分析によると、仮に当日が晴天となった場合、最大 3,500 万 kW 相当の太陽光発電が日食により急激に発電不能となる見込み。ENTSO-E は、この試練を乗り越えるためには、欧州の送電系統運用者(TSO)が協力してネットワーク運用を行うことが極めて重要になると述べた。 印刷用PDF
2015.02.20
米国:デュークエナジー社、石炭灰流出に対し 1 億ドルの罰金支払いに合意
米司法省は 2015 年 2 月 20 日、デュークエナジー社に対し水質浄化法(Clean Water Act)の違反で刑事訴訟を起こし、デュークエナジー社は 1 億 220 万ドルの罰金を支払うことに合意した。問題となったのは、2014 年の 2 月に起きたデュークエナジー社が所有するノースカロライナ州の石炭火力発電所(Dan River Steam Station、2012 年に閉鎖済み)から大量の有毒な石炭灰がダン川に流出した事故。なお今回の合意による和解に関しては、ノースカロライナ州東部の連邦地方裁判所によって再検討され、承認されることが条件となっている。 印刷用PDF
2015.02.18
コロンビア:発電会社 Isagen、東芝などと地熱開発に向けた覚書を締結
国有発電会社 Isagen は 2015 年 2 月 18 日、重電大手の東芝、技術コンサルタント西日本技術開発(ウエストジェック)、油田探査の世界大手である Schlumberger の 3 社とコロンビア初となる地熱発電所の建設に向けた覚書を締結した。Isagen が計画している地熱発電所は首都ボゴタから西に 200km ほど離れたカルダス県のビジャマリア市に立地し、発電設備容量は 5 万 kW、商業運転の開始が 2020 年を予定されている。 印刷用PDF
2015.02.16
インド:再生可能エネルギーの開発、5 年間で 1,000 億ドルを投資
2015 年 2 月 16 日付の報道によると、ゴヤル電力相は今後 5 年間で国内の再生可能エネルギーへの投資額が 1,000 億ドル(約 12 兆円)に上ると明らかにした。政府は再生可能エネルギー投資計画(RE-Invest Programme)において、太陽光、風力、バイオマス等の再生可能エネルギーによる電源を、5 年間で 2 億 6,600 万 kW 導入することを目標として掲げている。この目標に対し、リライアンス・パワー等の国内企業の他、米国系の Sun Edison社、First Solar 社等の複数の企業から、約 300 件の計画が表明されている。 印刷用PDF
2015.02.13
ドイツ:再エネ大量導入で信頼度不安が高まる
国内専門誌は 2015 年 2 月 13 日、送電系統運用者(TSO)が送電系統の信頼度維持に要する費用が次第に増していると報じた。国内 4TSO のうちの 1 社である Tennet だけでも、計画外の火力焚き増しなどによる再給電(計画外の系統運用)の回数が、エネルギー転換政策(脱原子力と再エネの大量導入)を決めた 2011 年以前の 300 回程度から、現在は年間 1,000 回程度に増加、そのための費用は年間 2 億ユーロに及んでいる。その費用は最終的には電力需要家が負担している。ドイツでは福島原発事故直後に停止した原子力発電所8 基のうち 5 基が南部に位置していたため、南部の供給力が足りない一方、北部では風力発電設備が集中しているため供給過剰。そのため、特に風況が良い時には北部から南部への重潮流がたびたび発生し、送電線の混雑が発生している。その対策として、北部から南部に送電するための送電線の増強計画を進めている。しかし、その計画は遅々として進まず、送電線混雑には北部の火力の出力を下げ、南部の火力を焚き増すことで対応している。Tennet のスポークスマンによれば、送電線の増強工事が進まず、再エネ導入がさらに進んだ場合には系統運用上のリスクが高まるとしている 。同じくドイツの TSO であるAmprion のスポークスマンは、再エネの導入により火力設備の閉鎖が増加しているため、将来は信頼度の維持が困難となる、供給支障も完全には排除できないとコメントしている。 印刷用PDF
2015.02.12
中国:風力発電、上半期に 1 億 kW に
国家能源局の関係者は 2015 年 2 月 12 日、2015 年上半期に風力発電設備容量が 1 億 kWを突破することが確実であると語った。2014 年末時点で、風力発電設備容量は前年より1,981 万 kW 増えて 9,637 万 kW で、総発電設備容量の 7%を占めた。また、「第十三次 5カ年計画」期間である 2016~2020 年の 5 年間で、華北地区と西北地区、東北地区で陸上風力 6,000 万 kW、洋上風力(中東部地区と南方地区)4,000 万 kW の計 1 億 kW を開発し、2020 年までに風力発電の総設備容量を 2 億 kW にすると述べた。 印刷用PDF
2015.02.11
米国:Tesla 社、家庭用蓄電池に参入
電気自動車・モデル S セダンの製作で最も知られているテスラモーターズ社は、新興エネルギー貯蔵市場におけるフロントランナーとして自らを位置付けるため、リチウムイオン電池技術を使用している。この電力貯蔵技術は、従来の送電網を補完し、最終的にはそれを脅かすことになる可能性もある。2015 年 2 月 11 日現地報道によれば、最高経営責任者イーロン・マスク氏は、決算に関する報告会でアナリストに対し「当社は、家庭用蓄電池、家や企業で使用できる消費者用のバッテリーをすぐにも発表する予定である」と語った。別の技術者は、さらに大きな市場は電気事業者かもしれない、としている。 印刷用PDF
2015.02.10
インドネシア:石炭の国内供給義務量は 9,200 万 t
エネルギー鉱物資源省(MEMR)は 2015 年 2 月 10 日、今年の石炭会社の国内供給義務量(DMC:Domestic Market Obligation)を前年比 21%増の 9,200 万 t(生産量の 21.6%)にすると発表した。今年の国内供給割当量は、国営電力会社(PLN)5,740 万 t(全体の62%)、IPP 1,990 万 t(同 22%)、セメント会社 980 万 t(同 11%)、セメント以外の産業490 万 t(同 5%)。 印刷用PDF
2015.02.10
EU:EU 域内の新規風力導入量、前年比 3.8%増の 1,179 万 kW
欧州風力エネルギー協会(EWEA)の 2015 年 2 月 10 日付発表によれば、EU28 カ国で 2014年に系統連系された風力発電設備量は前年比 3.8%増の 1,179 万 kW、年末時点の累積導入量は 1 億 2,875 万 kW(うち洋上風力が約 800 万 kW)となった。年間導入量は陸上風力が前年比 7.5%増の 1,031 万 kW となった一方で、洋上風力は同 5.3%減の 148 万 kW であった。国別ではドイツが 528 万 kW で最も多く、英国が 174 万 kW で続く。一方、デンマークやスペイン、イタリアでは新規導入量が激減(それぞれ 90%減の 7 万 kW、84%減の 3万 kW、75%減の 11 万 kW)しており、上位 2 カ国の年間導入量が全体に占める割合は前年比 14 ポイント増の 60%となった。 印刷用PDF
2015.02.09
欧州:EU域内のエネルギー消費量、1990年代初めと同水準に
欧州統計局は2015年2月9日、2013年における欧州連合(EU)のエネルギー消費量を16億6,620万石油換算トン(toe)と発表した。これは1990年代初めとほぼ同水準で、ピークであった2006年の18億3,220万toeと比較して9.1%減少している。EUの2013年のエネルギー生産量は7億8,970万toeで、エネルギー消費の53%をEU域外からの輸入で賄った。EU域内のエネルギー生産量の内訳は、最も生産量の大きかった原子力発電が29%、再エネ24%、固形燃料20%、ガス17%、石油9%、再エネ以外廃棄物1%となっている。国別でみると、最も生産量の大きかった国はフランス(1億3,510万toe)であった。エネルギー輸入依存率が最も低かった国はエストニア(11.9%)で、最も依存率が高かった国はマルタ(104.0%)であった。主要国では、英国(46.4%)、フランス(47.9%)、ドイツ(62.7%)、スペイン(70.5%)、イタリア(76.9%)となっている。 印刷用PDF
2015.02.06
欧州:欧州と米国の規制機関、卸電力・ガス市場の監視で覚書締結
欧州エネルギー規制者協力機関(ACER)は 2015 年 2 月 6 日、米国の連邦エネルギー規制委員会(FERC)と、卸電力・ガス市場の国境を跨いだ取引の監視について、相互の情報交換・共同作業・コンサルテーションを促進していく旨の覚書を締結したと発表した。この覚書締結により、欧州と米国における卸電力・ガス市場のより効果的な監視が可能となり、グローバルなエネルギー市場における顧客保護と健全な市場の促進が期待されている。 印刷用PDF
2015.02.05
米国:米国予算案が原子力への傾倒を反映
2015 年 2 月 5 日の報道よると、米国エネルギー省(DOE)の 2016 年予算案は前年比で 9%増額となる 300 億ドルが割り当てられている。このうち米国原子力規制員会(NRC)の要求予算は、新規原子炉建設に関する作業量が減少しているため前年比 3%減の 10 億ドルである。DOE の予算案で原子力関連のものの内訳は、原子力安全についての研究を含む重要な技術分野での研究開発に 50 億ドル、国内の研究機関で DOE の支援を行うために 53 億ドル、小型モジュール原子炉のライセンス取得や技術支援などの先進的原子炉や核燃料サイクルについての研究開発に 9 億 800 万ドルである。また DOE の国家核安全保障局(NNSA)には前年比 10.2%増となる 126 億ドルが割り当てられている。NNSA は MOX 燃料製造工場建設や海軍の潜水艦用原子炉を含む核動力の支援を管轄している。NRC の要求予算の内訳は、原子炉安全についての取り組みに 7 億 9,340 万ドル、核物質と核廃棄物関連に 2 億2,670 万ドル、NRC の取り組みの効率性と健全性を独立審査する監察総監室に 1,210 万ドルとなっている。予算案は伝統的に 2 月初めに大統領から各議院に送られ、10 月 1 日の会計年度開始に向け最終的な割り当てが決議される。 印刷用PDF
2015.02.02
中国:2014 年の消費電力量、前年比 3.8%増
中国電力企業連合会は 2015 年 2 月 2 日、2014 年の電力需給状況を発表した。それによると、年間消費電力量は前年 3.8 ポイント低い 3.8%増の 5 兆 5,233 億 kWh となった。第一次産業用は前年比 0.2%減の 994 億 kWh、第二次産業用は同 3.7%増の 4 兆 650 億 kWh、第三次産業用は同 6.4%増の 6,660 億 kWh、生活用は同 2.2%増の 6,928 億 kWh であった。発電電力量は同 3.6%増の 5 兆 5,459 億 kWh。2014 年末時点の、全発電設備総容量は 13.60億 kW となった。新規運開した発電設備容量は 1 億 350 万 kW で、水力 2,185 万 kW、火力 4,729 万 kW、原子力 547 万 kW、風力(系統に接続)2,072 万 kW、太陽光発電(同)817 万 kW。発電所の平均利用時間は 4,286 時間で前年より 235 時間減、特に火力が 4,706時間と前年より 314 時間減となった。電力設備への投資額は前年比 0.5%増の 7,764 億元(約 14.7 兆円)。 印刷用PDF
2015.02.02
EU:エネルギー安全保障確保のため LNG の利用を検討
2015 年 2 月 2 日付記事によると、EU エネルギー担当副委員長 Maros Sefcovic 氏は、欧州委員会が EU レベルでのエネルギー安全保障の強化のため、液化天然ガス(LNG)の利用の見直しを含む提言を 2 月 25 日に発表すると表明した。欧州には十分な LNG 受入基地が存在するものの、有事にこれらの基地から欧州各国へガスを供給するためのガスパイプライン等の設備が不足している。安全保障の強化のため、EU は各国に対し、こうした設備の整備を求めていくものと見られる。 印刷用PDF
2015.01.30
ブラジル:2014 年の消費電力量、前年比 2.2%増
エネルギー調査公社(EPE)は 2015 年 1 月 30 日、2014 年の消費電力量が前年比 2.2%増の 4,734 億 kWh であったと発表した。ただし、前年比の伸び率は 2010 年以降では最低であった。用途別では、産業用が同 3.6%減となったものの、商業用は同 7.3%増、住宅用は同 5.7%増となった。地域別では、サンパウロを含む南東部・中西部が同 1.0%増にとどまったものの、南部では同 5.6%増、北部では同 5.3%増、北東部では同 4.6%増となった。 印刷用PDF
2015.01.29
米国:電源設備は天然ガス火力の伸びが堅調
連邦エネルギー規制委員会(FERC)の 2015 年 1 月 29 日発表によれば、2014 年の全米の系統に並列された発電容量は 1,538 万kWで、天然ガス火力が 59 基、749 万kWで最大であり、風力が 408 万kW、太陽光が 314 万kWであった。天然ガスは、前年比 101.5%であったが、風力は 241.4%と 2 倍以上の大きな伸びとなった。太陽光は、前年比-18%と若干減少した。これにより、2014 年末全米の発電容量は、11 億 6,876 万kWとなり、そのうち、天然ガスは、4 億 9,297 万kWで 42.18%を占め、石炭火力は、3 億 2,660 万kWで 27.94%を占めた。 印刷用PDF
2015.01.28
メキシコ:電力公社、プロジェクト 12 件を公表
メキシコ電力公社(CFE)は 2015 年 1 月 28 日、総投資額は 33 億ドルに及ぶ電力・ガス関連の 12 プロジェクトを発表した。ガス導管は、米国テキサスの Waha から天然ガスを供給する Samalayuca-Sasabe パイプライン(528km)他 3 件、送電線は、同国北西部ソノラ州との連系線(400kV・230kV、421km)他 3 件、配電網は同国北部チワワ州の配電網整備他 2 件、発電は Topolobampo ガスコンバインドサイクル(2018 年 7 月運開予定)である。いずれのプロジェクトも 2017~2018 年に運用開始もしくは運転開始を予定している。 印刷用PDF
2015.01.28
EU:EURELECTRIC が投資環境の整備を EU に求める
欧州電気事業者連盟(EURELECTRIC)は 2015 年 1 月 28 日にブリュッセルで主催した会議において、電気事業における投資環境について議論を行った。EURELECTRIC は、エネルギー転換の過程において、大規模な設備投資が求められる中、卸価格の低迷等により事業者が十分な設備投資ができない環境にあることを指摘。EURELECTRIC のウルセスエネルギー政策・発電委員長は、「欧州全体で 2035 年までに 7.4 億 kW の追加容量が必要であるが、そのためには、EU が事業者による費用対効果の高い設備投資を促進する規制の枠組を構築する必要がある。」と述べ、早期の対応を求めた。また、会議では、欧州排出量取引(EU-ETS)を改革し、低炭素技術に対する投資を促進する底固い排出枠価格を形成すること、およびデマンドレスポンス、出力の調整が可能な電源、電力貯蔵、国際連系線の整備を通じ、電力の長期的な供給力を確保できる柔軟な統合市場を形成することの重要性等が指摘された。 印刷用PDF
2015.01.26
インドネシア:今後 5 年間のインフラ投資額は 6,451 兆ルピア
公共事業・公営住宅省(MOPWPH:Ministry of Public Works and Public Housing)は2015 年 1 月 26 日、今後 5 年間のインフラ整備に総額 6,541 兆ルピア(約 62 兆円)を投資すると発表した。主なものとして、道路整備事業(投資額 1,274 兆ルピア:約 12 兆 2,440億円)、灌漑設備整備事業(同 1,091 兆ルピア:約 10 兆 3,400 億円)、地方電化を中心にした電力設備整備事業(同 1,080 兆ルピア:約 10 兆 2,370 億円)がある。 印刷用PDF
2015.01.22
中国:2015 年の消費電力量、前年比 5.5%増
2015 年 1 月 22 日付の報道によると、国網能源研究院の経済・エネルギー需給研究所所長は、2015年の年間消費電力量の伸びを 2014 年比 5.5%と予測している。これは、中国電力企業聯合会の予測である 4%増より 1.5 ポイント高い。一方、年間消費電力量の対前年比伸び率が 2013 年の 7.5%に対し2014 年は 3.8%と 3.7 ポイント低下したのは、年間の平均気温が例年より低かったことが主因であるとしている。産業別の年間消費電力量の対前年比伸び率について、2014 年には第 1 次産業 0.7%、第2 次産業 3.7%、第 3 次産業 6.4%、家庭用 2.2%であったのに対し、2015 年はそれぞれ 2.5%、4.5%、11.4%と 10.1%と予測している。 印刷用PDF
2015.01.21
米国:EPRI が自動デマンドレスポンスのソフトウェアを開発
米国の電気事業における研究・開発機関である EPRI(Electric Power Research Institute)は 2015 年 1 月 21 日、家電などの機器を電力価格や天候、需給状況に応じて自動的に制御できる自動デマンドレスポンス(ADR:Automated Demand Response)ソフトウェアを開発したと発表した。ADR により系統運用者はデマンドレスポンスの運用コストを抑えられると同時に、需給調整用の手段としての信頼性を高められるという。本ソフトウェアは、ADR の普及を目指す事業者団体である Open ADR アライアンスによる基準(Open ADRStandard)に準拠しており、開発には米国の主要電気事業者や系統運用者(ISO)、東京電力などが協力している。 印刷用PDF
2015.01.20
ドイツ:経済エネルギー省次官、中長期的には容量市場の検討が必要と表明
連邦経済エネルギー省のバーケ事務次官は 2015 年 1 月 20 日に開かれた会合で、2~5 年の短期では供給余剰が続くため容量市場は不要とする一方、中長期的には再エネの増加に伴い現在の卸電力市場が十分に機能しなくなると考えられるため、検討していくことが必要との見解を示した。なお、欧州大で電力市場の統合を進めている欧州では、自国の発電事業者が隣国の供給事業者と契約を交わす、ないしはその逆も考えられるため、容量市場ないしはそれに代わる市場設計をドイツだけではなく周辺諸国や EU と協調して検討する重要性も指摘した。 印刷用PDF
2015.01.20
ドイツ:RWE、長期的には E.ON 型会社分割の可能性も否定せず
2015 年 1 月 20 日付報道は、ドイツの大手エネルギー会社 RWE が発電事業と顧客サービス事業を分割することもあり得るとする同社 CFO ギュンター氏の発言を伝えた。ただし同氏は、組織再編を考える以前に負債の削減が必要であり、現行の発電・小売一体型の方がコスト削減が容易である、として当面は現状を維持する考えを示している。また、別の報道によれば、シュミッツ COO も同社の組織再編に関して、従来型発電事業と再エネ事業を統合する考えを認めた一方で、E.ON 型の会社分割については「今のところそのような計画はない」と述べている。シュミッツ氏によれば、長引く経営危機への対応策として、オランダのガス火力発電所の売却やドイツのガス火力発電所を解体し、国外に売却・輸送することなどを検討している模様。 印刷用PDF
2015.01.16
ベネズエラ:ロシアとの石油開発協力に合意
ロシアの通信社は 2015 年 1 月 16 日、ロシアのプーチン大統領とベネズエラのマドゥーロ大統領がモスクワにて、ベネズエラでの石油開発にロシアが協力していくことで合意したと伝えた。ロシア企業は今後、ベネズエラ国内で膨大な重質油の埋蔵量があるとされるオリノコベルトを中心に掘削や精製などに参画することになる。ベネズエラでは輸出額全体の 9 割以上を原油が占め、最近の急激な原油価格の下落によって外貨流入が著しく減少、価格の低迷が続けば経済に深刻な影響を及ぼすと懸念されている。国家財政の見通しが厳しい中、ロシア企業による参画はベネズエラ石油産業にとって大きな支援になると見られている。 印刷用PDF
2015.01.16
中国:2014 年の消費電力量、前年比 3.8%増
国家能源局は 2015 年 1 月 16 日、2014 年度の電力需給状況を発表した。2014 年の消費電力量は前年比 3.8%増の 5 兆 5,233 億 kWh で、第一次産業用は同 0.2%減の 994 億 kWh、第二次産業用は同 3.7%増の 4 兆 650 億 kWh、第三次産業用は同 6.4%増の 6,660 億 kWh、生活用は同 2.2%増の 6,924 億 kWh であった。6,000kW 以上の発電所の設備利用時間は平均 4,286 時間で前年より 235 時間減となった。水力は平均 3,653 時間で前年より 293 時間増えたが、火力は 4,763 時間で同じく 314 時間減少であった。2014 年の 1 年間に新規運開した発電設備容量は 1 億 350 万 kW(水力 2,185 万 kW、火力 4,729 万 kW など)となった。 印刷用PDF
2015.01.15
ポーランド:大手事業者による国外エネルギー事業買収の可能性
2015 年 1 月 15 日付の報道によれば、ポーランド国有財産省のカルピンスキ大臣は、2015年 1 月 14 日、同国の電気事業者が、欧州のエネルギー市場で勝ち抜くナショナルチャンピオン企業となるため、政府主導のもと、国外事業を買収する可能性に言及した。同省は、政府が株式を保有する自国の電気事業者の再編を検討しており、2015 年 1 月末までにその内容を公表する予定。これまで、最大手の PGE と 4 番手の Energa、PGE に次ぐ Tauronと Enea の統合等の選択肢が報道された(PGE は、2011 年に Energa を買収しようとしたが、競争当局に当該計画を却下された経緯がある)が、これらの事業者が国外事業を買収する可能性も出てきた。2015 年 1 月 16 日には、スウェーデンの Vattenfall が所有するドイツ東部の褐炭発電事業(約 900 万 kW)を PGE が取得する可能性も報道されている。 印刷用PDF
2015.01.14
ネパール:IFC とインド企業、ネパールで小水力発電所を開発
2015 年 1 月 14 日付の記事によると、世界銀行グループの IFC とインドの GMR グループは、ネパールの UpperKarnali 水力発電所(90 万 kW)と送電線 2 本(UpperKarnali 発電所からの送電線と UpperMarsyangdi 水力発電所(60 万kW)からの送電線)を開発すると発表した。総投資額は 17 億ドルに上るとみられる。ネパールには豊富な水力資源があるが、開発済は1%未満といわれている。なお、電力需要は年率 9%で増加しているが、供給が追い付いていない。 印刷用PDF
2015.01.14
米国:カリフォルニア大学が電力小売事業を実施
2015 年 1 月 14 日付の報道によると、カリフォルニア大学は、自身のキャンパスや大学病院への電力小売りを実施する予定である。カリフォルニア大学は 2014 年に小売事業者としての登録を行っており、既存の小売事業者からの切替えを行い、5 つのキャンパス、3 つのメディカルセンターへ電力を供給するとしている。大学スタッフによると、切替えによって 2015 年に 10%のコスト削減が期待できるとしている。同大学は 2025 年までにカーボンニュートラルを達成する目標を立てており、今回の取り組みはその一環とされている。 印刷用PDF
2015.01.12
タイ:カタール産 LNG の輸入開始
タイ国営石油会社(PTT)は 2015 年 1 月 12 日、Qatar Liquefied Gas Co.(QLGC:カタール国営石油会社の全額出資子会社)から LNG の輸入を開始したと発表した。契約では、PTT は年間 200 万 t の LNG を 20 年間購入することになっている。PTT が LNG の長期購入契約を結ぶのは初めてである。 印刷用PDF
2015.01.08
中国:陸上風力発電、卸電気料金を引き下げ
2015 年 1 月 8 日付報道によると、国家発展改革委員会は「陸上風力発電所の基準卸電気料金の調整に関する通知」を発表、卸電気料金が引き下げられることになった。現在、4 種類の卸料金が定められており、このうち第Ⅰ類と第Ⅱ類、第Ⅲ類の卸電気料金が 0.02 元/kWh 引き下げられ、第Ⅰ類 0.49元/kWh、第Ⅱ類 0.52 元/kWh、第Ⅲ類 0.56 元/kWh となる。第Ⅳ類については現行料金(0.61元/kWh)が維持される。新しい料金は、2015 年 1 月 1 日以降に認可された発電所、2015 年 1 月 1日以前に認可され 2016 年 1 月 1 日以降に運開する発電所に適用される。 印刷用PDF
2015.01.05
米国:カリフォルニア州知事が「2030 年までに 50%」とする RPS を提案
カリフォルニア州のジェリー・ブラウン州知事は 2015 年 1 月 5 日、現在の「2020 年までに 33%」という再生可能エネルギー利用基準(RPS)を「2030 年までに 50%」とするよう提案した。これは、1 月 5 日から開始した州議会での就任演説での発言である。州知事は、「現在、目標達成に向け着実に進んでいる。今後 2030 年および 2030 年以降を考える時期に来た」と述べ、RPS のほか、「州内の自動車、トラックの石油使用量を 2030 年までに半減」、「既存ビルのエネルギー効率化 2 倍」なども提案した。知事は、屋上太陽光やマイクログリッド、蓄電装置と低炭素車などを含む電気事業者の様々な革新的技術が、これらの目標を達成するために必要とされるであろうと指摘している。なお現州知事は、この 1 月からカリフォルニア州初の通算 4 期目(1 期は 4 年間)に入った。 印刷用PDF
2015.01.02
英国:ナショナル・グリッド社、容量市場入札の結果を発表
英国ナショナル・グリッド社は 2015 年 1 月 2 日、2018 年 10 月から一年分の供給力確保を目的として、2014 年 12 月 16~18 日に実施された容量市場(CM:Capacity Market)入札の結果を発表した。この入札を通じて契約された容量は合計で 4,926 万 kW、均衡価格は 19.4 ポンド(約 3,500 円)/kW/年であった。契約容量の技術別内訳は、CCGT が2,226 万 kW、石炭バイオマスが 923 万 kW、原子力が 788 万 kW 等である。容量支払い総額は 9 億 6000 万ポンド(1,730 億円)に上る。 印刷用PDF
2014.12.18
シンガポール:南洋工科大学、発電と蓄電が可能な窓を開発
南洋工科大学(NTU:Nanyang Technological University)は 2014 年 12 月 18 日、発電と蓄電ができる窓を開発したと発表した。これは、液体電解質(Liquid Electrolyte Solution)を使ったガラス 2枚で構成され、外部電源がなくても発電可能で、蓄電することもできる。NTU は、今後、発電・蓄電能力を高めて商業化を図るとしている。 印刷用PDF
2014.12.12
ブラジル:EDF、水力発電事業に参画
フランスエネルギー大手EDFは 2014 年 12 月 12 日、ブラジル現地子会社(EDF Norte Fluminense)を通じて、ブラジル中西部マトグロッソ州北部のテレス・ピレス川の SINOP 水力発電所プロジェクト(40 万 kW)に参画すると発表した。着工は 2014 年 3 月、運開予定は 2017 年下期。EDF は、同プロジェクトの株式の 51%を買収し、ブラジルの電力会社であるエレトロノルテと CHESF(いずれも連邦電力持株会社エレトロブラス傘下)が 24.5%ずつ保有する。既に関係当局による環境・社会評価は終了している。ダム建設に伴う住民への移転補償については、今のところ反対の声は出ていないとみられる。 印刷用PDF
2014.12.12
韓国:原賠法の事業者責任限度額を 10 倍に引き上げ
2014 年 12 月 12 日の報道によると、原子力安全委員会(NSSC)が原子力発電所事故時の賠償責任限度額を 10 倍に引き上げると発表したことを受け、韓国水力原子力発電(KHNP)は、今後、20 億ドル超の損害賠償保険をかけることになると見られる。NSSC は、原子力損害賠償法を改定し、賠償責任保険でカバーすべき限度額を1サイトにつき 500 億ウォン(約 5,000 万ドル)から 5,000 億ウォン(約 5 億ドル)にするとしている。改正法は 2015 年 7 月 1 日に発効し、KHNP は、5 サイトについて保険を掛けることになる。 印刷用PDF
2014.12.11
ドイツ:3,000 軒以上が原子力 100%の電気料金メニューに加入
ドイツ有力紙は 2014 年 12 月 11 日、同月 1 日付でドイツ初となる原子力 100%の電気料金メニューの販売が開始されたと報じた。同メニューの販売に乗り出したのはマックスエナジー社。同社は、ドイツ南部のアウグスブルク市に拠点を置き、石油販売を手掛けるザイラーの子会社。同社のスポークスマンによれば、同メニューの販売開始後 1 週間で 3,000軒以上が加入しており、毎日、数百軒以上の加入申し込みがある。同社のメニューはスイスに立地する 2 つの原子力発電所と電力購入契約を結び組成されているが、必ずしもドイツ国内の他の料金メニューに比べて料金水準が安い訳ではない。それにもかかわらず加入申し込みがあるのは、「CO2 排出量を削減するためには、原子力を含め排出原単位が低いすべての電源を利用すべき」とする同社の方針に賛同が得られたためとみられている。同社の支持者には、1976 年にノーベル物理学賞を受賞したバートン・リヒター氏などの著名な科学者のほか、グリーンピースの共同創設者であるパトリック・ムーア氏、グリーンピース英国元代表のシュテファン・ティンデール氏などの環境保護派も名を連ねている。 印刷用PDF
2014.12.11
スペイン:スペイン電事連、電気料金の 6 割は電気事業以外のコストと主張
2014 年 12 月 11 日付の報道によると、スペイン電気事業連合会(UNESA)のモンテス会長は、スペインの電気料金には多くのその他費用が含まれているため、欧州の中でも高い料金になっている。発電、送電、配電、小売コストだけなら、現行の電気料金水準の 39%にとどまると語った。残りの 61%は、従来の規制料金の下で発生した赤字の解消費用や再エネ賦課金などである。会長は、これらの要素を除けば、スペインの電気料金は欧州の中でも安くなると主張した。 印刷用PDF
2014.12.09
米国:DR に対する FERC の権限を強化する法案が提出
2014 年 12 月 9 日付の報道によると、Martin Heinrich 上院議員(民主党、ニューメキシコ州選出)は、デマンドレスポンス(DR)に対する FERC の権限を明確にする法案(S.2947)を同氏が所属するエネルギー・天然資源委員会に提出した。これは、2014 年 5 月に控訴裁判所がオーダー745(電力量市場で DR に電源と同一条件での競争を認めるもの)に対する無効判決を下したことが発端となっている。同法案は連邦動力法(FPA)の用語の定義にDR を追加するとともに、DR が FERC の権限内であることを明確にするものである。これ「ホワイトハウスとしても、DR の規制権限は FERC にあると信じており、裁判所の判断は誤りであると考えている。今後の裁判手続きの行方によっては、法的手続きも視野に入れなければならない」と述べている。 印刷用PDF
2014.12.08
ドイツ:ヴァッテンファル、ドイツにおけるエネルギー事業を継続
2014 年 12 月 8 日付の報道によると、スウェーデンの大手国有電力会社ヴァッテンファルのハル社長は、ドイツにおける褐炭事業を売却した後も、同国から撤退する意思はないことを明らかにした。ヴァッテンファルはドイツ第二の規模を誇るラウジッツ炭鉱等で褐炭の露天掘り採掘を行っていたが、本国の社民・緑の党連立政権が 2014 年 10 月に褐炭事業からの撤退を要請したことから、採掘施設および火力発電所の売却を決定していた。政府予算案が否決されたことを受け、2015 年 3 月にスウェーデンで行われることになった総選挙の結果、政権が交代したとしても、売却の決定が翻ることはないという。売却後もドイツがヴァッテンファルにとって最も重要な市場であることに変わりはなく、今後も同国において電力事業、小売り、再生可能エネルギー事業を継続する。 印刷用PDF
2014.12.07
インド:計画委員会の廃止を検討、5 カ年計画策定に地方の意向を反映
インド政府は 2014 年 12 月 7 日、2015 年 1 月末までに計画委員会を廃止し、新たな組織の設立を検討していると明らかにした。インド中央政府の組織である計画委員会は、旧ソ連に倣って独立後の1950 年に設立され、国家の開発計画である 5 カ年計画を策定してきた。新たな組織の名称は Niti Ayog(ヒンディー語で政策委員会)で、州の首相が参加することになる。モディ首相は、州の経済成長なくして国の成長はないとし、計画の策定においても地方の声を反映すべきとコメントしており、5 カ年計画の策定においては州政府の役割が増すとみられる。 印刷用PDF
2014.12.04
米国:デトロイト市の中心部で停電が発生
2014 年 12 月 4 日付の記事によると、12 月 2 日の午前 10 時 30 分頃、ミシガン州デトロイト市の中心部で停電が発生した。市役所、裁判所、州立大学など約 100 軒の建物が最大で約 6 時間停電した。事故の原因は、市電力局(Detroit Public Lighting)の系統の電力ケーブルにトラブルが発生したためとしている。市電力局は別の回線に負荷を移行しようとしたが、その回線の遮断器も遮断されてしまい、停電に至ったとしている。 印刷用PDF
2014.12.03
ベトナム:2020 年まで年間 3,500 万 t の輸入炭が必要
商工省(MOIT)は 2014 年 12 月 3 日、石炭火力発電所が数カ所運開することから、燃料を確保するには、2020 年まで毎年 3,500 万 t の石炭を輸入する必要があると発表した。これまで、国営石炭鉱産グループ(VINACOMIN)などは、インドネシア、豪州およびロシアの企業約 10 社と年間 3,000 万t の輸入契約を締結済みである。 印刷用PDF
2014.12.03
ドイツ:RWE、ライバル E.ON とは異なる独自路線を選択
ドイツの大手エネルギー会社 RWE のテリウム社長は 2014 年 12 月 3 日、その 3 日前にライバル E.ON が発表した従来型電源部門(ガス火力、石炭火力、原子力)を将来、市場に売却し、再エネなどの事業に集中する戦略と類似した方針を 2 年前に既に検討していたと地元紙に語った。ただし、同社は検討の結果、従来型電源部門の売却はグループ全体のためにならないと判断。再エネ部門と従来型電源部門をグループ内に維持する一方、資源ビジネスを将来、手放す選択を下した。RWE は E.ON と同様、再エネ大量導入による卸電力価格の低下の影響で、石炭火力とガス火力の運用で利益を出しにくい状況に苦しんでいるが、それでも同社長は卸電力市場の設計が今と何も変わらなくても、卸電力価格が将来はピーク時には高騰すると想定し、従来型電源の将来を信じている。従来型発電事業者は、各発電所の発電量(kWh)に応じて対価が支払われる現在の卸電力市場に加えて、発電能力(kW)に対する対価が得られる容量市場の導入を望んでいるが、連邦政府は現時点では同市場の導入に前向きな見解を示していない。 印刷用PDF
2014.12.03
米国:ハワイアン・エレクトリック社とネクストエラ・エナジー社が合併
2014 年 12 月 3 日付ホノルル発の報道によれば、ハワイアン・エレクトリック社(オアフ島)、マウイ・エレクトリック社(マウイ島)、およびハワイ・エレクトリック?ライト社(ハワイ島)の親会社であるハワイアン・エレクトリック・インダストリー(HEI)社と、フロリダ・パワー&ライト社の親会社であるネクストエラ・エナジー社が、合併することを発表した。合併した後も、ハワイ諸島のこれらの会社は、呼称、本社所在地ともそのまま残り、また最低 2 年間は従業員の削減もないという。ただし、現在 HEI グループの一員であるアメリカン・セイビング・バンク(ASB)は合併の対象からは除かれる。合併の目的としては、両社とも、それぞれの地域社会にクリーンエネルギーをもたらすという共通の目標を実現すること、としている。地元では、ディビッド・イゲ・ハワイ州知事やメイジー?ヒロノ上院議員などがこれを歓迎している。両社は、今後 60 日以内にハワイ州公益事業委員会(HPUC)に合併承認申請を提出する予定である。HPUC の承認に加えて、HEI の株主による承認、独禁法上の届け出義務、連邦エネルギー規制委員会の承認、証券取引委員会の承認や、ASB 除外に伴う規制当局の諸手続きなどがある。 印刷用PDF
2014.12.01
中南米:エネル・グリーンパワー、チリとブラジルで風力開発
イタリアの再エネ事業者エネル・グリーンパワー(エネル子会社)は 2014 年 12 月初旬、チリとブラジルでの風力開発に関してプレス発表を行った。チリでは、同国北部のアントファガスタ州で同国最大級規模の Taltal 風力発電ファーム(9 万 9,000kW)が運開した。総工費は 1 億 9,000 ドルで、20年間の電力供給契約が締結されており、年間発電電力量は 3 億 kWh と見込まれている。ブラジルでは、2014 年 11 月に実施された 5 年後に運開予定の発電所を対象とした電源入札(A-5)において、北東部地域・バイア州の Morro do Chapeu 風力発電ファーム(11 万 4,000kW)の建設を応札した。投資額は 2 億 5,000 万ドルで、20 年間の電力供給契約が締結され、年間発電電力量は 5 億 kWh と見込まれる。エネル・グリーンパワーはブラジルでの風力事業に 2010 年から参入し、2014 年 12 月現在で約 49 万 kW の設備を所有・運転している。 印刷用PDF
2014.11.30
ドイツ:E.ON、下流中心のビジネスへ大転換、火力は売却へ
ドイツの大手エネルギー会社 E.ON は 2014 年 11 月 30 日、従来型電源、国際エネルギー取引、資源掘削・探査ビジネスを手放し、今後は再エネ、配電、顧客サービスに集中する経営戦略を発表した。同戦略は既に E.ON の監査役会で承認されている。再エネ大量導入による卸電力価格の低下の影響で、E.ON は石炭火力とガス火力の運用で利益を出しにくい状況に苦しんでいた。また、E.ON は連邦政府の脱原子力政策によって最も大きな費用負担を強いられている事業者でもある。同社は福島原発の事故直後に、同社が保有するウンターヴェーザー原子力、イザール原子力 1 号機を 3 カ月間、運転停止を命じられたことに対して、連邦政府と州政府に対して約 3 億 8,000 万ユーロの損害賠償を求める訴訟を起こしている。 印刷用PDF
2014.11.28
中国:国家電網公司、イタリア CDP RETI 社の 35%の株式を取得
2014 年 11 月 28 日付の報道によると、国家電網公司はイタリアの CDP 社から CDP RETI 社の全株式の 35%を 11 月 27 日に取得した。これは、国家電網公司による最大の海外投資となる。CDP RETI社はイタリア国家送電網公司(TERNA)の全株式の 29.85%、イタリア天然ガスネットワーク会社(SNAM)の全株式の 30%を保有している。 印刷用PDF
2014.11.19
欧州:国際エネルギー機関、本部移転を検討
2014 年 11 月 19 日付報道によると、国際エネルギー機関(IEA)の本部を移転することが検討されている。移転の理由は、1974 年から契約している IEA パリ本部建物のリース期間が 2017 年に切れるため。複数の移転先候補が検討されており、その一つとしてハンガリーのブダペストが浮上している。ハンガリー政府は、IEA がブダペストへの本部移転を決定した場合、オフィスを無償提供し移転に伴うコストを負担する意向を示しているという。移転先の最終決定は 2015 年に行われる見込み。 印刷用PDF
2014.11.18
米国:IKEA、テキサス州の風力発電所を買収
2014 年 11 月 18 日付の報道によると、家具販売大手の IKEA は、テキサス州南部に建設中の Cameron 風力発電所を Apex Clean Energy 社から買収した。同発電所の出力は 16.5 万kW で、2015 年末までに建設完了予定である。なお、IKEA は今後も様々な国において再エネ発電設備を積極的に購入する意向であり、2015 年末までに風力と太陽光に対し 19 億ドルを投資する計画である。 印刷用PDF
2014.11.17
インドネシア:石油・ガス改革委員会を設置
エネルギー鉱物資源省(MEMR)は 2014 年 11 月 17 日、石油・ガス部門への投資環境の整備を主目的として、「石油・ガス部門改革委員会」(仮称:OGSRC:Oil & Gas Sector Reform Commission)を 12 月中に設置すると発表した。委員会には、MEMR のほか、競争監視委員会(KPPU:KomisiPengawas Persaingan Usaha)などが参加する。同委員会は、投資環境の整備以外に、石油・ガス政策の見直しや「2001 年石油ガス法」(2001 Oil & Gas Law)の改定について助言する。 印刷用PDF
2014.11.15
中国:10 月の消費電力量、前年比 3.1%増
国家能源局は 2014 年 11 月 15 日、10 月分の電力需給状況を発表した。それによると、今年 10 月分の消費電力量は前年比 3.1%増の 4,508 億 kWh、1~10 月の消費電力量は同 3.8%増の 4 兆 5,484 億kWh。産業別では、第一次産業用は前年比 1.1%増の 853 億 kWh、第二次産業用は同 3.9%増の 3 兆3,205 億 kWh、第三次産業用は同 6.0%増の 5,558 億 kWh、生活用は同 1.7%増の 5,867 億 kWh。1~10 月の発電設備の平均利用時間は 3,547 時間で、前年より 199 時間減少した。そのうち、水力は3,103 時間で前年より 227 時間増えたが、火力は 3,867 時間で前年より 235 時間減少した。今年 1~10 月に新規運開した発電設備容量は 5,771 万 kW(水力 1,698 万 kW、火力 2,811 万 kW)。 印刷用PDF
2014.11.14
南アフリカ:アフリカ最大級の太陽光プロジェクトが完成
2014 年11 月14 日付の記事によると、アフリカ最大級の太陽光プロジェクトであるJasper発電所(9.6万 kW)が全面運開した。発電所は北ケープ州に位置し、今年 5 月に運開した Lesedi 太陽光発電所(7.5万 kW)と、計画中の Redstone 集光型太陽熱発電所(10 万 kW)に隣接している。太陽光モジュール 32.5 万個以上が使われており、一般家庭約 8 万軒分の電力を供給することができるとされる。プロジェクトには Google 社が 1,200 万ドルを投資している。 印刷用PDF
2014.11.14
ブラジル:2050 年までの長期エネルギー計画を策定へ
鉱山エネルギー省(MME)は 2014 年 11 月 14 日、2050 年までの長期エネルギー計画(PNE 2050:Plano Nacional de Energia 2050)の策定に向けて関係機関が検討に入ったと発表した。検討会には、MME の他、電力規制機関 Aneel やエネルギー調査公社(EPE)の各担当責任者が参加する。ブラジルでは、国内初の長期エネルギー計画である「PNE 2030」が 2007 年にまとめられた。PNE 2050では、長期的に増加する需要に対応してどのようにエネルギーを確保していくかという課題に対するシナリオが求められている。風力や太陽光などの再生可能エネルギーの導入、シェールガスの活用、気候変動対策、将来にわたる社会経済の変化への対応などが検討されると見られる。 印刷用PDF
2014.11.12
ドイツ:ドイツ経済諮問委、非効率な再エネ導入支援策を酷評
ドイツの経済諮問委員会(通称、5 賢人委員会)は 2014 年 11 月 12 日、同日に公表した年次報告書の中で、現在のドイツの再エネ導入支援策は非効率であると指摘した。特に問題視したのは、固定価格買取制度(FIT)などで再エネの種類ごとに支援額を決定し、いずれの再エネを利用しても再エネ発電事業者が利益を得られる仕組みを取っているため、最も効率的な発電技術の組み合わせが阻まれていること。2014 年 8 月には FIT などが規定される再エネ法(EEG)が改正されているが、発電技術ごとに個別に支援額を決めている点は従来どおりとなっている。同諮問委は、技術中立的かつ再エネ導入量が管理できる制度として、RPS 制度の導入が望ましいとの見解を示した。ドイツ経済諮問委員会は連邦政府への経済政策等の諮問を目的として、5 人の経済学者から成る組織。各委員は連邦政府の提案に基づき連邦大統領によって任命されている。 印刷用PDF
2014.11.10
スペイン:エンデサ、CCGT の運転休止に対して補償の必要性を訴える
2014 年 11 月 10 日付の報道によると、スペイン大手電力のエンデサは、所有する 5 基(347万kW)のガス・コンバイン・ドサイクル発電設備(CCGT)の内、2 基(Huelva:39.8万 kW と Foix:52 万 kW)の運転を休止させると発表した。近年スペインでは、電力需要が減少する一方で、再エネ発電電力量が増加しており、CCGT の設備利用率が大幅に悪化していることがその理由。同様の理由から、スペイン大手電力のイベルドローラでも2013 年 7 月に CCGT(80 万 kW)の運転休止を運開からわずか 7 年で産業省に申請している。このような状況についてエンデサは、再エネ発電の間欠性を補完し安定供給に寄与するコンバインドサイクルに対して何らかの補償が必要だと訴えた。 印刷用PDF
2014.11.10
米国:テキサス州、最大 500 万 kW の電力貯蔵設備導入で純便益の見込み
米国コンサルティング会社の Brattle 社は 2014 年 11 月 10 日、テキサス州における電力貯蔵に関する報告書を公表した。同報告書はテキサス州の送配電会社 Oncor Electric Delivery社の委託によって作成されたもので、(1)小売需要家、(2)卸電力市場の参加者、(3)社会全体の観点から、系統に接続された電力貯蔵設備導入の費用対効果が試算されている。Brattle 社の調査によると、将来的に電力貯蔵の設備費用が 350 ドル/kWh まで下がると見込んだ際、テキサス州 ERCOT 管内に 300~500 万 kW の設備を導入する場合が最も費用対効果が高いという予測がされている。 印刷用PDF
2014.11.08
英国:シェールガス開発収入を原資とした政府系ファンド設立を発表
エネルギー・気候変動相のエド・デイビー氏は 2014 年 11 月 8 日、同国でシェールガスの商業生産が開始された場合、この収益を原資とした政府系ファンドを設立する予定であることを明らかにした。英国ではシェールガス開発の受入自治体に対して試掘井1本当たり10 万ポンド、商業生産開始後はシェールガス開発による売上の 1%の供与が約束されているが、今回のファンドはこれとは別に設けられる。オズボーン財務相はファンドの役割について、シェールガス開発が主に見込まれる英国北部への投資や雇用対策を通じた地元への利益還元を示唆した。 印刷用PDF
2014.11.07
南アフリカ:中国と原子力協力協定を締結
南アフリカエネルギー省は 2014 年 11 月 7 日、2030 年までの原子力発電の 960 万 kW の増設計画に向けて中国の国家能源局と原子力協力協定を締結したと発表した。これまで、南アフリカは原子炉調達を前提とした協定をフランスとロシアの間で締結しており、日本との締結も計画しているとされる。南アフリカの原発建設にはフランスのアレバとフランス電力会社(EDF)、東芝傘下のウエスチングハウス・エレクトリック(WH)、中国広核電集団(CGN)、韓国電力公社(KEPCO)が関心を示している。 印刷用PDF
2014.11.04
世界:CCS プロジェクトが倍増
2014 年 11 月 4 日報道によれば、地球温暖化を遅らせるために二酸化炭素回収隔離(CCS)に関心のある政府や企業で構成された、オーストラリアを本拠地とするグローバル CCS インスティテュートは、二酸化炭素回収・貯留の大規模産業プロジェクト数が、2010 年の 11 件から 2014 年には 22 件になり、その技術は CCS を装備した世界初の石炭火力発電所の運転開始で節目を過ぎた、と報告した。カナダのサスカチュワン・パワー社は、13.5 億カナダ・ドル(11.8 億ドル)をかけて、2014 年 10月に初の CCS プロジェクトをバウンダリー・ダム石炭火力発電所で開始、二酸化炭素排出量の 90%の回収を目指している。回収された二酸化炭素のほとんどは、石油増進回収のためカナダのコンバース・エナジー社に売却される。同研究所は、ミシシッピ州ケンパー郡のエネルギー施設が 2015 年に運転開始し、テキサス州のペトラ・ノヴァ炭素回収プロジェクトが 2016 年に始動するとしている。同研究所の最高経営責任者(CEO)は、「CCS なしでは、気候変動への取り組みに効果的に対応することはできない」としている。同研究所のプレス・リリースでは、2014 年報告書は、日本で実施中の「注目に値する」プロジェクトに焦点を当てているとしている。 印刷用PDF
2014.11.04
タイ:ADB、エネルギー輸入依存度の低下には原発が最適
大手経済紙は 2014 年 11 月 4 日、アジア開発銀行(ADB)が発表した「Asian Development Outlook「タイのエネルギー輸入依存度の低下を図るには原発の導入が最適な選択である」と指摘していると報じた。それによると、アジア諸国の中で 2035 年時点で現在のエネルギー自給率を維持できる国はカザフスタンとアゼルバイジャン、ブルネイの 3 カ国しかなく、タイについては自給率が現在の 60%から 2035 年には 20%に低下すると予測されている。環境団体の反対により石炭火力発電所の建設が困難なタイでは、原発が最適な選択肢であるとしている。 印刷用PDF
2014.11.04
米国:EnerNOC 社、World Energy Solutions 社の買収を発表
米国大手のデマンドレスポンス・プロバイダーである EnerNOC 社は 2014 年 11 月 4 日、エネルギー管理技術・サービス会社の World Energy Solutions 社を買収することで合意に至ったと発表した。World Energy Solutions 社のエネルギー供給管理ソフトウェアは 4,000以上の企業によって利用されている。EnerNOC 社は、World Energy Solutions 社のソフトウェアを自社の基盤と統合することで、年間約 3,000 万ドルの追加収益を見込んでいる。なお、買収額は 1 株当たり 5.5 ドル、現金でおよそ 7,600 万ドルになる見通しである。 印刷用PDF
2014.11.03
ブラジル:エネル・グリーンパワー、再エネプロジェクトに6 億ドル投資
イタリアの再エネ事業者エネル・グリーンパワー(エネル子会社)は 2014 年 11 月 3 日、ブラジルで約 6 億ドルをかけて再エネプロジェクト(太陽光、風力)を実施すると発表した。政府の競争入札で落札したのは、ブラジル北東部・バイーア州で建設予定の Ituverava 太陽光発電プロジェクト(25万 4,000kW、約 4 億ドル)と Delfina 風力発電プロジェクト(9 万 kW、約 2 億ドル)の 2 案件である。エネル・グリーンパワーは 20 年供給契約を締結している。ブラジルの電力需要は今後 10 年間に平均年率 4.2%で増加すると見られており、再エネは大型水力に次ぐ電源として期待されている。 印刷用PDF
2014.10.31
ドイツ:連邦経済エネルギー省、新たな電力市場設計のオプションを提示
連邦経済エネルギー省は 2014 年 10 月 31 日、将来の電力市場設計に係るグリーンブックを公表した。同省は、再エネが大量導入される中、従来電源が不採算となり閉鎖に追い込まれ、安定供給が危ぶまれるため、現在の電力市場設計の改変案を同書で提示。改変案のオプションとして、大きく分けて 2 つの案を示した。第一案が将来発電することができる能力(kW)を取引する「容量市場」の導入、第二案が供給量(kWh)を取引する現在の「卸電力市場(前日市場・当日市場・需給調整市場)」の改変である。その改変案には、当日市場における取引締め切り時間の延長や、各主体が同時同量を自ら果たすインセンティブをより強める制度の導入などが挙げられている。どちらの案を最終的に採択するにせよ、卸電力市場に投入しない電源を「容量リザーブ」として送電系統運用者が確保できる市場を別途、創設する案も提案されている。これは、卸電力市場を改変ないしは容量市場を導入したとしても、実際に機能させるには制度の再修正などが必要となる可能性もあり、相当な時間がかかると同省はみており、その間の供給力確保のために同市場が必要と判断したため。同省はグリーンブックのコンサルテーションを 2015 年 3 月 1 日まで続けた後、具体的な市場設計を盛り込んだホワイトブックを提示。ホワイトブックのコンサルテーションは 2015 年 9 月まで行われ、その後、法案が策定される予定。容量市場を導入する場合には、欧州委員会や各 EU 加盟国との協議も必要となる見込み。同委員会は、各加盟国による独自の容量市場の設計が EU の電力市場統合の障害になりかねないと危惧し、容量市場導入に当たっての必要要件として、国内の発電設備だけではなく、他の EU 加盟国の発電設備も市場に参加できることなどを挙げている。 印刷用PDF
2014.10.29
米国:エネルギー情報局が LNG 輸出増加に対する影響解析結果を発表
エネルギー情報局(EIA)は 2014 年 10 月 29 日、LNG 輸出増加に対する国内エネルギー価格への影響解析結果を発表した。EIA は 2012 年 1 月、輸出量が日量 12Bcf まで増加した場合の影響解析を行い、エネルギー価格への影響は小さいとの報告書を発表した。今回は、DOE が多くの非 FTA 締結国向け LNG 輸出計画の承認手続きを進めていることから、DOEの依頼により、最高日量 20Bcf まで増加した場合について検討した。EIA によると、ガス需要が増加する一方、産出量も増加するため、2015 年から 2040 年の間で需要家のガス料金負担は 1~8%増加する。一方、需要家の電気料金負担は天然ガス価格の上昇により、石炭や再エネ等への他の電源へのシフトが進むことから、0%~3%増加するのみであり、エネルギー価格への影響は小さいと述べている。 印刷用PDF
2014.10.29
EU:EU が主要エネルギーインフラに対し 6.47 億ユーロを助成
欧州委員会は 2014 年 10 月 29 日、域内の主要なエネルギーインフラプロジェクト 34 件(調査プロジェクト 28 件、建設プロジェクト 6 件)に対し、コネクティング・ヨーロッパ・ファシリティ(CEF)の枠組みのもと、合計で 6.47 億ユーロ(約 900 億円)を助成することで各加盟国が合意したと公表した。助成額の大部分がバルト地域、東欧、南欧のパイプライン等のガスプロジェクト(16 件)に向けられ、ノルウェー・英国間の海底送電ケーブルならびにアイルランドおよび英国におけるスマートグリッド等の電力プロジェクト(18 件)も助成対象となっている。欧州委員会のエッティンガー・エネルギー担当委員は、「エネルギーの安定供給に係る地域的な懸念が生ずる中、エネルギーネットワークの整備は重要な課題となっており、また消費者に価値をもたらすエネルギー市場の統合のためにも必要である。」と述べ、この合意を歓迎した。 印刷用PDF
2014.10.27
中国:1~9 月の発電電力量、前年比 4.4%増
中国電力企業連合会は 2014 年 10 月 27 日、「2014 年 1 月~9 月の電力需給概要」を発表した。2014 年 9 月単月の発電電力量(6,000kW 以上の発電所が対象)は前年比 4.1%増の 4,542 億kWhで、1~9 月は前年に比べ 2.4 ポイント低い 4.4%増の 4 兆 755 億 kWh となった。1~9 月の水力発電電力量(7,155 億 kWh)は前年比 20.8%の高い伸びを示したが、火力発電電力量(3 兆 1,372億 kWh)は同 0.7%の低い伸びにとどまった。1~9 月の全国の消費電力量は 4 兆 975 億 kWhで前年に比べ 3.3 ポイント低い 3.9%増となった。このうち、第二次産業用は同 4.0%増の 2 兆9,827 億 kWh であった。全体的に需給は均衡したが、2014 年 7~9 月には気温が例年より低くなったことから消費電力量の伸び率が鈍化し、9 月単月では 8 省で前年比マイナスとなった。製造業では、日平均消費電力量が 3 カ月連続して前月に比べ減少した。1~9 月に新規運開した発電設備容量は 5,249 万 kW で、前年に比べ 207 万 kW 減となった。 印刷用PDF
2014.10.26
豪州:再エネ導入目標の修正を検討
2014 年 10 月 26 日付の記事によると、オーストラリア連邦議会では 10 月現在、再生可能エネルギー目標(RET)制度の見直しについて議論が行われている。現行の RET 制度では、2020年の再生可能エネルギーの導入目標は供給電力量の 20%とされている。これは、2009 年時点の電力需要予測に基づいて決められたもので、年間 410 億 kWh となる。保守党政権は、近年電力需要が減少していることから、年間 270 億 kWh に引き下げるべきと主張しているが、野党である労働党は関連産業への影響が大きいとして反対している。 印刷用PDF
2014.10.24
EU:電気事業者団体、2030 年気候変動・エネルギー政策枠組みを評価
欧州電気事業者連盟(EURELECTRIC)は 2014 年 10 月 24 日、前日の欧州理事会における 2030 年の気候変動・エネルギー政策枠組み(1.温室効果ガスを 1990 年比で 40%以上削減、2.エネルギー消費に占める再エネ比率を 27%以上に拡大、3.エネルギー効率を27 %以上改善 、 4 .市場統合を進めるためのインフラ整備 )の合意を歓迎した 。EURELECTRIC のタイセン会長(ドイツ E.ON 会長)は、「この決定は、すべての加盟国に対する明確な温室効果ガス削減目標を設定するもので、また、低炭素技術に対する必要な投資シグナルとなる。最も重要なことは、欧州排出量取引(EU-ETS)の速やかな改革である」と述べるとともに、EU-ETS において、排出枠市場を安定させる排出枠の自動調整システムとなる「市場安定リザーブ(Market Stability Reserve)」について 2017 年から導入する必要があるとの認識を示した。また、2030 年の野心的な目標設定が自国に与える影響を懸念してきたポーランドの電気事業協会(PKEE)のヴォシュチュク会長(PGE会長)も、「排出枠の無償割当の継続および発電所の近代化のための EU 基金の利用に合意できたことで、自国の競争力に重大な影響を与えることなく温室効果ガスの削減ができる。」と述べ、この合意を評価した。 印刷用PDF
2014.10.21
米国:男性職場で働く女性労働力が増
2014 年 10 月 21 日現地報道によれば、ノースイースト・ユーティリティズ社(マサチューセッツ州)の事業会社である NSTAR 社では、本来女性のすべき業務でないと考えられている分野で働く 26 人の女性がいる。配電工、運転技術者、電力系統技術者、フィールドエンジニアやガス供給作業者を含む合計 1,200 の持ち場のうち、女性が約 2%を占めている。NSTAR 社の広報担当によると、ケープ・コッドとマーサズ?ヴィニヤードに電気を供給する同社は、女性労働力比率を高め、さらにはアメリカ電気事業労働者組合と地元コミュニティ・カレッジとの共同トレーニングプログラムへの女性労働力参加比率を高めるために努力しているという。ケープ・コッドで天然ガスを供給し、ナンタケット島へ電気の供給を行うナショナル?グリッド(NG)社には、女性のすべき業務ではないと考えられる仕事で働く 180 人の女性がおり、合計 2,111 の持ち場のうち 8.5%を占め、NSTAR 社よりも高い比率となっている。NG 社は、業界で女性に働きやすい職場を作ることを目指しており、同社ガス事業部上級副社長は、米国内の工学部の女子学生の比率 13%と比べると、同社のエンジニアリング部門の従業員の 3 分の 1 は女性であり、最近のこの上昇機運を社内の別の職場にも適用したいと考えている。 印刷用PDF
2014.10.21
ベルギー:政府が脱原発政策による卸電力料金の上昇を予測
2014 年 10 月 21 日付の記事によると、ベルギー連邦計画管理局は同月、2025 年までの段階的な脱原発により、2020 年には卸電力料金が 2010 年の 1.6 倍、2030 年には同 1.7 倍となるとの見通しを示した。同国には約 590 万 kW の原子力発電所が存在し、同国発電電力量全体の約 5 割を賄っているが、2015 年のドエル発電所(43 万 kW)を皮切りに、2025年には原子力はすべて廃止される予定である。代替エネルギーとして再エネに加えガス火力の確保が急務となっていることから、前政権時代の 2014 年 6 月には 80 万 kW のガス火力入札が実施され、種類に応じて運転開始後 6~7 年の間補助を受ける予定であったが、10 月に発足した新政権は原子力・再エネ政策の状況を見極めるとしてこの入札プロセスを一時停止している。 印刷用PDF
2014.10.17
南アジア:インド電力大臣、国際連系線の必要性を確認
2014 年 10 月 17 日付の報道によると、インドで各国のエネルギー閣僚が集まる南アジア地域協力連合(SAARC:South Asian Association for Regional Cooperation)が 10 月 16~17 日の 2日間開催された。席上、インド電力大臣の Piyush Goyal 氏は、加盟国間における国際連系線の整備の重要性を訴え、各国の同意を得たと報じている。SAARC はインド、アフガニスタン、パキスタン、バングラデシュ、スリランカ、ネパール、ブータン、モルディブの 8 カ国で構成されている。多くの国では、電力不足に悩まされており、国家間の電力融通により現状の改善を望んでいる。Goyal 氏は、「インド北東部にある水力発電所の電力をアフガニスタンまで送電し、スリランカの洋上風力発電所の電力をパキスタンやネパールに融通することができる」と説明した。アフガニスタンとパキスタンは本会議の 1 週間前に、送電容量 130 万 kW の連系線建設について契約を締結している。 印刷用PDF
2014.10.16
米国:FERC がカリフォルニア ISO の需給調整電源確保ルールを承認
連邦エネルギー規制委員会(FERC)は 2014 年 10 月 16 日、カリフォルニア ISO(CAISO)が申請していた需給調整電源確保ルールを承認した。このルールは、小売事業者に対し需給調整電源確保を義務づけるもので、CAISO が月ごとに必要容量を決定し(各月の正味需要変動分(3 時間)の最大値から算出)、各事業者に割り当てる。さらに CAISO は、需給調整電源を 3 つのカテゴリー(ベース調整電源、ピーク時調整電源、超ピーク時調整電源)に分類し、それぞれの必要容量を決定する。CAISO が需給調整電源が不足すると判断した時は、バックストップ(入札)により CAISO が調達し、そのコストを不足した小売事業者らに割り当てる。ただし FERC は、調達義務量の割り当て、バックストップコスト、系統外部からの輸入による調達の可否などについて 2016 年 1 月 1 日までにレポートを提出するよう要求した。 印刷用PDF
2014.10.13
ノルウェー:ノルウェー政府、英国およびドイツ向けの国際連系線建設を承認
2014 年 10 月 13 日付の記事によると、ノルウェー政府は英国およびドイツ向けの国際連系線建設を承認した。英国向けについては、世界最長となる亘長 740km の海底ケーブルを連系する予定である。送電容量は 140 万 kW であり、年間 120 億 kWh 以上の電力輸出入が可能となる。運用開始は 2020 年を予定している。また、ドイツ向けについては、亘長 500km、送電容量 140 万 kW の海底ケーブルを連系する予定である。この連系線を用いて、ノルウェーの水力発電とドイツの風力発電の取引を行う予定である。運用開始は2018 年もしくは 2019 年を予定している。なお、ノルウェーは 2008 年からオランダとの間で送電容量 70 万 kW の海底ケーブルによる連系線を運用している。 印刷用PDF
2014.10.09
ブラジル:南米最大規模のスマグリプロジェクトが進展
ブラジルの電力会社 Light 社は 2014 年 10 月 9 日、供給エリアであるリオデジャネイロ州におけるスマートグリッドプロジェクトについて、ランディス・ギア社と 5 年間のスマートグリッド関連製品の供給・設置・運用・メンテナンス契約を締結したと発表した。契約金額は 750 百万レアル(約 325 億円)に上ると見られる。Light 社はこのプロジェクトにより電力のロスを抑えることが可能となり、将来的には、需要家への多様な電気料金の提示などによって需要家によるエネルギーの利用と管理に役立てたいとしている。 印刷用PDF
2014.10.09
東南アフリカ:ザンビア、タンザニア、ケニア連系線の建設覚書を締結
2014 年 10 月 9 日付の記事によると、ザンビア、タンザニア、ケニア政府は 9 月 30 日に 3 カ国にまたがる国際連系線(ZTK 連系線)の建設覚書の締結を行った。ZTK 連系線は南部アフリカ開発共同体(SADC)における優先実施プロジェクトであり、概算工事費は約 8 億 6,000 万ドルである。具体的には、タンザニアの Mbeya とザンビアの Kasama の間に電圧 400kV、亘長 301km の送電線、また、タンザニアの Singida とケニアの Isinya の間に電圧 400kV、送電容量 240 万 kW、亘長 508kmの送電線を建設する予定である。本プロジェクトにより、東南アフリカ地域における電力コストの低減が期待されている。なお、タンザニアとケニアの間の連系線は、既にアフリカ開発銀行と JICA が2 億 7154 万ドルを資金提供している。 印刷用PDF
2014.10.08
英国:欧州委員会、ヒンクリーポイント C 原子力発電所の固定価格買取制を承認
欧州委員会は 2014 年 10 月 8 日、EDF エナジーが計画しているヒンクリーポイント C 原子力発電所(EPR,165 万kW×2 基)について、英国政府の一連の支援策を承認した。支援策には、固定価格買取制と政府による債務保証が含まれる。固定価格買取制は 35 年間にわたって同原子力発電所からの電力を固定価格で買い取るもの。価格は 92.5 ポンド/MWh(他のサイトでも同様の原子力を建設した場合には 89.5 ポンド)。なお、欧州委員会は承認に当り、債務保証の保証料を投資リスクに見合ったレベルにまで引き上げること、60 年間にわたって利益還元メカニズム(利益率が一定以上に達した場合には需要家に還元等)を適用することを条件として付加した。 印刷用PDF
2014.10.07
米国:PJM がデマンドレスポンスのルール変更を発表
地域送電機関(RTO)である PJM は 2014 年 10 月 7 日、デマンドレスポンスのルール変更を発表した。デマンドレスポンスをめぐっては、連邦控訴裁判所が 2014 年 5 月、「デマンドレスポンスの大部分は小売事業に由来するものであり、小売事業は州政府管轄の領域である。連邦エネルギー規制委員会(FERC)のオーダー745(デマンドレスポンスの対価に対する一般的な算定ルールなどを規定)は州政府権限の規制範囲に不当に介入するものである。」として、オーダー745 の無効判決を下した。現在 FERC では、最高裁判所に上告するかどうか検討している。今回提案されたルールでは、デマンドレスポンスを発電機のような供給側資源とみなすのではなく、負荷としての需要側資源とみなし、電力量市場および容量市場へは、小売供給事業者(LSE)を通して参加することとしている。なお、アンシラリーサービス市場への参加は、その趣旨から鑑み、これまでと同様としている。 印刷用PDF
2014.10.05
ドイツ:送電線増強が進まない場合にはドイツ南部の電気料金が上昇
南北送電線の建設が進まないドイツでは、南北で市場が分割される可能性があり、その場合、バイエルン州やバーデンビュッテンベルク州などの南部の電気料金が 10%上昇するとの想定が 2014 年 10 月 5 日に報道された。これは、欧州委員会の委託調査が一部のマスコミに流れて明らかになったもので、その理由として、5 基の原子力発電所が閉鎖された南部で供給力が大幅に不足しており、その対策費用として数億ユーロかかることがあげられている。2022 年までにはバイエルン州でさらに 3 基の原子力発電所が閉鎖される予定であり、事態はさらに悪化する模様である。こうした状況の中でも、同州のゼーホーファー首相は、南北送電線の増強計画に反対する意向を変えていない。同首相は対案として南部にガス火力発電所を建設する案を示している。 印刷用PDF
2014.10.03
欧州:EU 加盟国の電気料金の赤字、2007 年から 2012 年にかけて増加
欧州委員会(EC)の経済・金融総局は 2014 年 10 月 3 日、EU 加盟国における電気料金赤字に関する報告書を発表した。2007 年に赤字となっていた国は 4 カ国であったが、2012年には 11 カ国へと増加している。具体的にはフランス、ドイツ、ギリシャ、イタリア、ポルトガル、スペイン、ブルガリア、ハンガリー、ラトビア、マルタ、ルーマニア。特にスペインの赤字は EU の中で最も深刻であり、2013 年末時点での累積赤字は 300 億ユーロ(約 4 兆 1,100 億円)に達している。この額は GDP の約 3%に相当する。また、これらの国にはおおむね、再エネ電源の割合が高い、多くの需要家が規制料金で契約している、規制の体制が不十分であるなどの共通点がみられるという。報告書では、赤字を発生させないためには、規制料金を定める規制機関の独立性が重要であると指摘している。 印刷用PDF
2014.10.01
モロッコ:世界銀行、集光型太陽熱発電に 5 億ドルを融資
2014 年 10 月 1 日付の記事によると、世界銀行はモロッコの太陽エネルギー庁(MASEN)に集光型太陽熱発電所(CSP、35 万 kW)の建設に 5 億 1,900 万ドルの融資を承認した。これは、Noor プロジェクトの一環で、2013 年 5 月に建設が開始されたトラフ型 CSP(16 万 kW)に隣接して、トラフ型 CSP(20 万 kW)とタワー型 CSP(15 万 kW)を建設するものである。これらが完成すれば、1サイトとしては世界最大の CSP となる。モロッコは、輸入した化石燃料による発電電力と他国からの輸入電力で需要の多くを賄っている。なお、政府は、2020 年までに電力の 20%を再生可能エネルギーで賄うという方針を打ち出している。 印刷用PDF
2014.09.30
米国:EPA が 2013 年の大規模施設からの温室効果ガス排出量を公表
環境保護局(EPA)は 2014 年 9 月 30 日、温室効果ガス報告書「Greenhouse Gas ReportingProgram2013」を公表した。これは温室効果ガス排出量のトレンドを部門、地域、施設ごとに整理したものであり、国内排出量の約半分を占める約 8,000 カ所の大規模施設が対象となっている(このうち火力発電所は 1,572 カ所)。火力発電所における 2013 年の温室効果ガス排出量は約 21 億 CO2 換算トンであり全体(約 32 億 CO2 換算トン)の約 66%を占めている。特に石炭火力発電所の発電電力量増加の影響により、前年比 2,000 万 CO2 換算トンの増加となった。 印刷用PDF
2014.09.30
米国:DOE が先進的原子力事業に対する債務保証の募集案を公表
米国エネルギー省(DOE)は 2014 年 9 月 30 日、最高 126 億ドルの先進的原子力事業への債務保証の募集案を発行した。同案はオバマ政権の all-of the-above(あらゆるエネルギー源を活用する)戦略を支援し、低炭素社会を実現するためのもの。債務保証は、改良型原子炉、小型モジュール原子炉(SMR)、既存設備の出力増強と更新、原子力のフロントエンド、のいずれかの分野に該当するプロジェクトであれば申し込める。先進的原子力技術は、その規模が大きく革新的技術を使用するため十分な商業的融資金を確保できないことが多いが、同案が成立すればこれらの債務保証により商業化に決定的な融資金を供給できる見込み。 印刷用PDF
2014.09.29
中国:専門家、風力発電の卸料金値下げ方針に懸念
2014 年 9 月 29 日付の報道によると、国家発展改革委員会が陸上風力発電の卸電気料金を引き下げる方向で検討している中、電力関係者の多くは現段階での引き下げは不適切であるとしている。近年、風力発電設備の価格は下がっているが、国による規制や CDM 収入が激減していることから、多くの風力プロジェクトが赤字に陥っている。また、送電系統への並列が困難な状況は変わっていないこともあり、陸上風力発電の卸電気料金を引き下げると、風力発電事業への投資意欲の減退を招き、風力発電の発展にとって好ましくないとして、国家発展改革委員会に慎重な対応を求めている。 印刷用PDF
2014.09.27
インドネシア:国営企業 3 社、バリ島に LNG 受け入れ基地
国営電力会社(PLN)は 2014 年 9 月 27 日、バリ島で建設中の Pesanggaran Bali ガス火力発電所(30万 kW:2016 年末運開予定)の燃料を確保するため、国営石油会社(PERTAMINA)と国営港湾会社(Pelind Ⅲ:PT Pelabuhan Indonesia Ⅲ)の 2 社と共同で、2016 年 10 月末までに Tanjung Benoa港に LNG 受け入れ基地を建設すると発表した。LNG は、PERTAMINA が運営する東カリマンタン州の Badak ガスターミナルから調達される。 印刷用PDF
2014.09.26
中国:風力発電、卸料金を引き下げか
2014 年 9 月 26 日付の報道によると、国家発展改革委員会は、陸上風力発電所に適用されている 4 種類の卸電気料金について、0.02 元/kWh~0.05 元/kWh 引き下げる方向で検討している。改定後の料金水準は、0.47 元/kWh、0.5 元/kWh、0.54 元/kWh、0.59 元/kWh になるとされ、2015 年6 月 30 日以降に運開する発電所に適用される見通しである。 印刷用PDF
2014.09.21
英国:欧州委員会、原子力の固定価格買取制を承認の方向
2014 年 9 月 21 日付仏経済紙は、欧州委員会のアルムニア競争委員が、EDF エナジーが英国ヒンクリーポイントに建設を計画している EPR に関して、EDF エナジーと英国政府が合意した長期買取価格を保証する FIT-CfD を条件付きで承認する意向であることをEDF プログリオ会長に伝えたと報じた。報道によれば、付された条件は、この EPR 計画を白紙に戻すような重要なものではない。アルムニア委員は、今後 10 日間程度かけて欧州委員会内の意見を集約し、現委員の任期終了間際の今年 10 月中旬に結論を発表する。 印刷用PDF
2014.09.17
アラブ首長国連邦:初の原子力発電所、工事進捗率が 57%に
2014 年 9 月 17 日の報道によると、原子力公社(ENEC)は、アブダビで建設中の Barakah 原子力発電所 1 号機の建設工事の総合進捗率が 57%以上で、建設中の 2 号機も含め、全体計画は計画どおりに進んでいると発表した。1 号機は 2017 年に運転開始する予定になっている。最終的には 4 基が建設されることになっており、すべてが完成すると、UAE の全電力需要の約 25%の供給が可能となりし、毎年 1,200 万 t の温室効果ガスを削減することができるとされる。なお、1 号機は、2020 年までに運開する見込み。 印刷用PDF
2014.09.17
ミャンマー:電力省が石炭火力発電所の建設地点を発表
電力省(MOEP)は 2014 年 9 月 17 日、2020 年までに計 200 万 kW(50 万 kW×4 基)の石炭火力発電所を建設する計画について、建設地点をヤンゴン管区に隣接するエーヤワディー管区の沿岸部のNga Yoke Kaung に決定したと発表した。同省は、住民に対する説明会を早急に開催するとしている。 印刷用PDF
2014.09.17
ドイツ:早ければ 2018 年に供給力不足に
バーデンビュッテンベルク州政府は 2014 年 9 月 17 日、将来の電力安定供給に係る委託報告書を公表した。同報告書では、送電線の増強が計画通りに進み、電力需要が年率 1.25%で減少すると仮定した楽観的なシナリオでも脱原子力政策による原子力発電所の閉鎖と再エネ大量導入により経済性を失った火力発電所の閉鎖により、2021 年に供給力が需要を下まわる想定が示された。送電線増強に遅延が生じ、電力需要が横ばいで推移すると仮定した悲観的なシナリオでは、2018 年に供給力不足が発生し、同州が位置するドイツ南部が特に厳しい状況に陥る可能性が指摘された。同州のウンターシュテラー環境・エネルギー相は、連邦政府が供給力確保にこれまで積極的な姿勢を示していないことを遺憾とし、即座に将来の電力市場の枠組みを決定するよう求め、その決定が遅れれば、ドイツの産業立地を脅かしかねないとの警鐘を発した。 印刷用PDF
2014.09.17
ドイツ:国内初の商業用蓄電システムの運用を開始
ドイツの地域電気事業者 Wemag 社と蓄電システム専門事業者 Younicas 社は 2014 年 9 月17 日、ドイツ北部のシュヴェーリン地域において、同国初の商業用蓄電システム(5,000kW、韓国サムスン製のリチウムイオン電池を採用)の系統連系を行った。風力・太陽光発電の増加が著しい同地域において電力の需給調整に貢献し、5 万 kW のタービンに相当する効果が期待されている。連邦政府は、このプロジェクトの総事業費 650 万ユーロ(約 9.1 億円)のうち、130 万ユーロ(約 1.8 億円)を助成しており、運開式に出席したガブリエル経済大臣は、この規模の蓄電システムの系統連系が同国のエネルギー転換の重要なステップになると述べた。 印刷用PDF
2014.09.16
ブラジル:7 月の天然ガス生産、過去最高
ブラジルの鉱山エネルギー省(MME)は 2014 年 9 月 16 日、天然ガス 7 月の月間生産量が過去最高になった発表した。それによると、7 月の月間生産量は前年比 9.5%増の平均日量 8,790 万 m3、前月比でも 1.5%増となった。7 月の天然ガスの国内消費量は、前月比 2.9%増の日量 1 億 131 万 m3と、1億 m3 の大台を超えた。MME は、天然ガス消費量が伸びた理由について、発電用と産業用のガス需要が増えたことによるものとしている。 印刷用PDF
2014.09.15
米国:デューク・エナジー社、太陽光発電に 5 億ドルの投資を計画
米国大手電力会社のデューク・エナジー社(本社:ノースカロライナ州)は 2014 年 9 月15 日、ノースカロライナ州の太陽光発電事業拡大に約 5 億ドルを投資する計画を発表した。同社は、ノースカロライナ州に 3 つの太陽光発電所(合計 12 万 8,000kW)を建設する予定である。さらに、同州において 5 つの新たな太陽光発電プロジェクト(合計 15 万 kW)と電力購入契約(PPA)を結んだ。発電所の建設開始は 2015 年初めを予定しており、現在デューク・エナジー社はノースカロライナ州公益事業委員会の承認を待っている。 印刷用PDF
2014.09.07
米国:需要家を狙った新手の詐欺
需要家に電話して、請求書を完済しない場合は電気を止める、と脅して詐欺を行うのは、もう古いらしい。2014 年 9 月 7 日現地報道によると、PNM 社(ニューメキシコ州)は先週、家庭用エネルギー診断と称して、PNM 社社員を装う個人に用心するよう需要家に警告する記者発表を行った。「お客さまが、心に留めておく最も重要なことは、当社の社員が伺う日付と時刻を覚えておくことです。当社は、連絡をしないでお客さまのお宅に伺うことはありません」と PNM 社の広報担当者は現地紙に語っている。この家庭用エネルギー診断プログラムは人気のある制度で、40 ドルの手数料で、住宅所有者は電気使用の包括的な見直しのほか、プログラム可能なサーモスタット、電球型蛍光灯、低流量シャワーヘッドと泡沫金具を受けとる。PNM 社は需要家に対し、以下の注意を喚起している。 (1)接触してきた人に、あなたの電気料金に関する情報や個人データを提供しない(2)PNM 社家庭用エネルギー診断の事前予約なしに、あなたの家になじみのない人を入れない(3)PNM社との業務だとして、別の会社の名前で請求されるエネルギー診断の費用を払わない(4)その人物が許可なしにあなたの家に入ろうとした場合、警察を呼ぶ(5)迷惑な電話が掛かってきた場合は、後で電話すると応え、一旦電話を切り、PNM 社家庭用エネルギー診断プログラム(1-855-775-6491)に電話する。(当社は、その人物が実際 PNM 社の担当かどうかを調べて回答します)(6)社員のシャツや車に付いている PNM 社のロゴを確認し、社章を見せるよう言う(7)玄関先に現れた人物の身元について懸念がある場合、直接 PNM 社家庭用エネルギー診断プログラムに連絡する。 印刷用PDF
2014.09.07
ドイツ:系統運用者、来年の日食時の系統運用に危機感
2014 年 9 月 7 日付の現地紙は、ドイツの系統運用者は 2015 年 3 月 20 日に現われることになっている部分日食に危機感を募らせている、と報じている。もし当日日食時に一点の雲も空にかかっていなかったとしたら、全国の太陽光設備からの出力は数分のうちに劇的に減少し、系統は危機的なまでに不安定化するおそれがある。太陽光設備の累計設置容量は日食の頃までには 4,000 万 kW 近くにまで増加すると見られるが、これほどの出力の急激な低下に対して、系統のバランスを維持することは系統運用者にとって非常に困難となる。そのため、系統運用者は日食の日に大規模太陽光設備からの電力を一切受け付けないことを検討しているという。 印刷用PDF
2014.09.03
ウクライナ:首相が 2014 年末までに西欧型原子炉導入を目指す意向を表明
ウクライナのヤツェニュク首相は 2014 年 9 月 3 日の閣僚会議で、同国の発電電力量の約半分を占めている原子力発電所のすべてがロシア製であることを問題視し、西欧諸国の原子炉導入の可能性を示唆するとともに、2014 年末までに新規建設のための合意を目指すと述べた。同国で全 15 基の原子力発電所を運営しているエネルゴアトムは、原子燃料をロシア企業 TVEL のみならず米国ウェスチングハウスからも購入しており、今年 7 月には西欧の原子炉技術導入に対しても前向きな姿勢を示している。しかし、同国では今年 7 月に連立与党が崩壊し、ヤツェニュク首相は辞意を表明したが議会に認められず続投するなど、政情はいまだ安定していない。 印刷用PDF
2014.09.02
サウジアラビア:原子力発電所建設に向け加速
エネルギー当局は 2014 年 9 月 2 日、原子力の平和利用を前提として主要な原子力発電国になるための計画を発表した。それによると、迅速に実行に移す予定で、今年末までに建設工事を開始するとしていう。 サウジ王室は、20 年以内に国内の発電電力量の 15%を原子力発電(1800 万 kW)で、同じく 15%を太陽光発電(4000 万 kW)で賄うという方針を打ち出しており、最初の原子力発電所を今後 8 年以内に完成させ、原子炉 10 基以上を可能な限り早く建設するため、800 億ドルを投資するとしている。 印刷用PDF
2014.08.28
豪州:再生可能エネルギーの導入量目標の見直しを提言
再生可能エネルギー目標制度(RET)の見直しを検討している政府の諮問委員会は 2014年 8 月 28 日、連邦政府に報告書を提出した。RET については、2 年に 1 度、制度が見直されることになっており、昨年 9 月に首相に就任したアボット首相は、国民負担を軽減するため、再生可能エネルギーの導入量目標制度の廃止や導入量目標を縮小する意向を示し、諮問委員会に検討を指示していた。現行の RET では、2020 年までに電力供給量の 20%を再生可能エネルギーにするため、小売電力会社に販売電力量に応じたグリーン証書の調達が義務付けられており、この制度は 2030 年まで継続することになっている。グリーン証書は、風力などの大規模電源(LRET)の他、家庭用の太陽光パネルや温水器等の小規模設備(SRES)に対しても発行されるが、再生可能エネルギーの導入量目標は大規模電源が対象となっている。報告書では、大規模電源について次の 2 案が示されている。(1)グリーン証書の新規申請の終了、(2)2020 年まで 1 年単位で設定していた段階的な導入量目標を、需要予測に応じたものとし、需要増加分の 50%とし、電力需要が伸びている時のみ再生可能エネルギーを追加導入する。小規模電源(SRES)については、(1)制度の廃止あるいは段階的廃止、(2)制度を継続する場合は、終了年を 2030 年から 2020 年に変更、対象となる設備の有効期間の短縮などが提言されている。連邦政府は、数週間以内に方針を決定するとしている。 印刷用PDF
2014.08.27
インドネシア:地熱法を改正へ
エネルギー鉱物資源省(MEMR)は 2014 年 8 月 27 日、保護林地域での地熱開発を可能にするため、2 年以内に「地熱法」(GEL:Geothermal Energy Law:2003 年制定)を改正すると発表した。同省の関係者は「インドネシアには 2,900 万 kW の地熱埋蔵量があり、これまでに開発されたのは 134 万 1,000kW(埋蔵量の 4.6%)に過ぎないので、GEL を改正することにより地熱の開発可能地域を拡大する」とコメントしている。 印刷用PDF
2014.08.26
米国:エクセル社、ボルダー市による市営電力化に FERC の介入を求める
ボルダー市は市営電気事業を設立しようとしているが、地域の電力供給者であるエクセル・エナジー(エクセル)社は、ボルダー市の周りの送電システムおよび配電システムの売却を拒んでいる。2013 年秋、エクセル社はコロラド州公益事業委員会(CPUC)に対し、ボルダー市内の送電線、変電所とその他の送電線関連インフラストラクチャの権利確認を依頼し、ボルダー市の提案した価格見積もりに疑問を呈したが、CPUC がその管轄を認める前にボルダー市はこの件を地裁に持ち込んだ。2014 年 8 月 26 日現地報道によれば、ボルダー市は、エクセル社の配電システムだけでなく、土地収用を介して 9 つの変電所や送電線の全部または一部を取得するための申請を先月地裁に提出した。これを受けてエクセル社は 8 月 26 日、ボルダー市はまず最初に、連邦規制当局の許可を得ることなく、市を取り巻く高圧送電線を収用することはできないという決定を下すことを連邦エネルギー規制委員会(FERC)に求めた。その申請では、(1)ボルダー市は FERC の承認なしに送電設備を取得することはできない、(2)FERC の承認はコストと系統の供給信頼度への影響を考慮しなければならない、そして(3)FERC の管轄権は無視することはできない、とエクセル社は主張している。連邦電力法 203 条では、1,000 万ドルを超える資産の譲渡にはFERC の事前承認が必要である、となっている。エクセル社は(1)ボルダー市は地方裁判所が命じた強制収容手続きを通じて、市域内の電気事業者のインフラ設備の所有権を得ること、(2)ボルダー市がコロラド州憲法を使い、その付与された地方自治を行う権利を駆使してエクセル社を押し出し、自治体営電気事業を設立することを阻止するため、FERCが送電線の管轄権を行使すること、を求めている。 印刷用PDF
2014.08.24
中国:ネパールの水力電源開発に意欲
中国共産党中央対外連絡部 陳鳳翔副部長は 2014 年 8 月 24 日、ネパールのメディアとの会談において、中国とネパール、インドの三国による経済分野におけるパートナーシップの構、ネパール国内での水力開発に意欲を示した。ネパールには約 8,300 万 kW の包蔵水力があるとされるが、ネパール国内の電力需要は約 100 万 kW で、将来的にはインドに電力を輸出する計画がある。 印刷用PDF
2014.08.22
米国:ダイナジーがデューク・エナジーとECPから合計1,250万kWの発電設備を取得
独立系発電事業者(IPP)大手のダイナジー社(本社テキサス州)は2014年8月22日、デューク・エナジー社およびエナジー・キャピタル・パートナーズ(ECP)社(北米のエネルギー・インフラを対象とした未公開株式投資会社)からそれぞれ610万kW、28億ドルおよび640万kW、34億5,000万ドルの発電設備を取得することで合意した。デューク・エナジー社の11発電所はPJM管内に、ECP社の10発電所はISOニューイングランド(ISO-NE)管内に位置する。デューク・エナジー社からは小売供給会社も取得する。この取得により、ダイナジー社は全米に約2,600万kWの発電設備を所有することになり、現在の所有規模から倍増する。取得発電設備のうち、505万kWは近代的なコンバインド・サイクル天然ガス火力であり、379万kWは環境規制に対応済みの石炭火力である。また小売供給会社の取得によりイリノイ、オハイオ、ペンシルベニア、ミシガン州の自由化市場で小売供給事業を展開することになる。今後、連邦規制エネルギー委員会(FERC)による承認、ハート・スコット・ロディノ法(独占禁止法)に基づく手続き等が必要となるが、2015年第1四半期末までに一連の手続きが完了するものと見込まれている。 印刷用PDF
2014.08.21
トルコ:7 月の電力需要、昨年に比べ 13%増
エネルギー大臣は 2014 年 8 月 21 日、2014 年 7 月のトルコの電力需要が 232.3 億 kWh に達し、昨年の 205.8 億 kWh を 13%上回ったと発表した。トルコの国有系統運用者 TEIAS によると、2014 年7 月の発電電力量は前年比 2.1%増の 226.8 億 kWh で、内訳は、ガス 46.8%、石炭 28.2%、水力 17.8%、風力 3.7%、液体炭化水素燃料 2.2%、再エネ 1.2%。2014 年 7 月の発電電力量の部門別比率は、民間69.4%、国有 30.6%。 印刷用PDF
2014.08.20
米国:PJMが容量市場ルールの見直しに着手
米国最大の地域送電機関(RTO)であるPJMは2014年の1月、記録的な寒波によって安定供給が脅かされる電力系統の危機に直面した。寒波が到来した1月7日には調達した供給力のうち予想を3倍以上も上回る22%の電源が計画外停止するとともに冬季最大需要電力を記録した。天然ガスに大きく依存していたPJMは、系統運用が困難になった上、極度の寒さのために発電所の機械的なトラブルや石炭や天然ガスの輸送にも問題が生じ、多くの発電所が停止を余儀なくされた。当日はデマンドレスポンス、隣接系統からの電力融通、電圧を下げての系統運用などにより負荷遮断は回避したものの、PJMにとっては苦い経験となった。PJMでは供給力確保策として容量市場を導入しているが、1月の経験から現行の容量市場ルールでは年間を通して供給信頼度を維持するためのインセンティブとペナルティが十分ではないと判断し、容量市場のルール見直しに着手した。原子力発電所は寒波時でもトラブルなく運転を継続した高い信頼性を実証したことから、今回のルール見直しにおいて他のベース電源とは差別化された有利な評価を獲得する可能性もある。 印刷用PDF
2014.08.20
ドイツ:電力業界は容量市場の早期導入を要求
連邦エネルギー・水道事業連合会(BDEW)のクールマン戦略・政策部長は 2014 年 8 月20 日、連邦政府に対して、遅くとも 2015 年までに分散型容量市場を導入するよう求めた。分散型容量市場は各小売供給事業者にそれぞれの契約需要家に見合った電源を確保することを義務付ける制度で、フランスが同様の制度導入を決めている。連邦経済・エネルギー省は将来の電力安定供給の確保について検討した委託報告書を 2014 年 7 月 31 日に公表しているが、BDEW は同報告書をもとに早急に具体的な施策を検討・導入すべきとし、施策導入が遅れれば既存の従来型電源の閉鎖や新規プロジェクトの中止が相次ぐだろうとの警鐘を鳴らした。 印刷用PDF
2014.08.19
ブラジル:2050 年の電力需要、現在の 3 倍以上に
ブラジルのエネルギー調査公社(EPE)は 2014 年 8 月 19 日、2050 年までのエネルギー需要見通し"Demanda de Energia 2050"を発表した。それによると、電力需要は 2013 年の 5,130 億 kWh から、 2050 年には 3 倍以上の 1 兆 6,240 億 kWh になるとしている。2013~2050 年の年平均増加率は 3.2%で、用途別では商業部門が 4.5%と高い伸び率を見込んでいる。2050 年時点の用途別比率は、住宅用 21.4%、工業用 37.5%、商業用 26.6%、その他 14.6%になるとしている。一次エネルギー消費量は 2013 年の 2 億 6,700 万石油換算トンから、2050 年には 6 億 500 万石油換算トンになり、年平均増加率は 2.2%と想定している。 印刷用PDF
2014.08.18
ドイツ・スイス・オーストリア:再エネの導入で揚水の重要性増すも新設が困難化
ドイツ・スイス・オーストリアの 3 カ国の政府は 2014 年 8 月 18 日、揚水発電所をめぐる現状を調査した共同報告書を公表した。同報告書によれば、揚水発電所は出力変動を伴う再エネの導入増加により調整電源として重要性が増しているものの、太陽光発電の導入増加などでピーク時間帯の卸電力価格が低下しているため、収益性を確保できず新設のプロジェクトを進めることが困難化している。同報告書では、揚水発電所などの調整能力に優れた発電設備の収益性を向上させるための電力市場設計のあり方について更なる研究が必要と提言された。 印刷用PDF
2014.08.14
中国:国家電網、欧州での送電網整備に参画
2014 年 8 月 14 日付の地元紙によると、国家電網公司は欧州債務危機後に一部の国が国有資産の私有化を急いでいることから、欧州での自社の国際化戦略を進めようとしている。例えば、ベルギーの電力系統運用会社Elia 等 5 社と共同でギリシアの電力系統運用会社Edimi の株式の 66%の買収を計画している。今年 6 月まで、国家電網公司による海外での株式の買収額は 110 億ドル超で、海外資産規模は 230 億ドルを超えた。2013 年の海外投資による利益は 32 億人民元、リターン率は 13%に達した。同社は、2015 年に海外資産規模を総資産の 8%に拡大するという目標を掲げている。 印刷用PDF
2014.08.13
ドイツ:エネルギー大手の RWE、本社ビル売却の意向
2014 年 8 月 13 日付の地元経済紙は、ドイツのエネルギー事業者大手の RWE はエッセン市にある本社ビルを売却する意向と伝えた。大量の再エネ電力が市場に流入し、卸電力市場価格が低下傾向にある中、これまで発電事業を経営の柱としてきた RWE は近年業績が悪化してきており、2013 年は不採算の火力設備を減損処理したことなどもあって 1959 年以来初の赤字決算となったのに続き、2014 年上期も前年同期と比べ 3 割ほどの減益となっている。同社の本社ビルである RWE タワーは、高さ 127m、30 階建ての円柱形の高層ビルで、約 1 億 5,000 万ユーロを費やして 1996 年に完成し、以来、エッセン市のランドマーク的存在となっている。RWE の広報担当者は、現在、国内外の投資家と交渉中であることを認めた上で、売却後も賃貸契約により本社ビルを長期間使い続ける方針であることを明らかにした。RWE は、直前の 8 月 12 日にも卸市場価格低迷を理由に 3 火力発電設備(100 万 kW 相当)の停止を決定している。 印刷用PDF
2014.08.05
インドネシア:高温ガス炉開発、日本と協力へ
2014 年 8 月 5 日付の報道によれば、日本とインドネシア間で高温ガス炉(HTGR)開発に関する協力協定が合意され、実証炉がインドネシアに建設されるかもしれない。日本原子力開発機構(JAEA)は、インドネシア原子力庁(Batan)と 2007 年 5 月に締結した HTGR 研究開発に関する協力協定を延長すると発表した。Batan は原子力発電所の建設を推進しており、ジャワ島、マドゥーラ島、バリ島およびスマトラ島の人口が多い離島に、2027 年以降、従来型大型軽水炉の導入を計画している。カリマンタン島、スラウェシ島などの離島では、小型 HTGR(100MWe 以下)を計画している。 印刷用PDF
2014.08.05
スペイン:イベルドローラが 300 万個のスマートメーター設置を完了
スペインの大手エネルギー事業者 Iberdrola は 2014 年 8 月 5 日、同国における配電系統のスマート化プロジェクト"STAR"(Sistema de Telegestion y Automatizacion)の枠組みのもと、第一段階として、スマートメーター300 万個の設置を 7 月に完了したことを公表した。同社はスマートメーターの遠隔管理、自動化を可能にするために、14,500 カ所の基地局も既に設置している。同社は、2018 年までに総額で 20 億ユーロ(約 2,800 億円)を投資、スマートメーターを 1,030 万個、基地局を 8 万カ所に導入する計画である。スマートメーターが導入された需要家は、ウェブサイトにアクセスすることにより、これまでの電力の使用量、近隣の他の需要家との比較等が可能となる。また、事業者が系統の故障をより速く確認することができるので、需要家サービスが向上する等の効果が期待されている。 印刷用PDF
2014.08.03
中国:電気自動車充電向け電気料金
2014 年 8 月 3 日付の報道によると、国家発展改革委員会は「電気自動車向けの電気料金に関する通知」を発表した。それによると、充電ステーションでは大口工業用料金とし、2020 年まで基本料金は免除される。個人住宅と団地等に設置された充電施設については、生活用電気料金表が適用される。 印刷用PDF
2014.08.01
米国:PJM 容量市場の問題点についての報告書(草案)が公表される
PJM は 2014 年 8 月 1 日、PJM 容量市場の問題点をまとめた報告書(草案)を公表した。PJM は、同年 1 月に米国を襲った寒波による実例とともに、現 PJM 容量市場で定められている発電事業者へのインセンティブおよび罰則では、年間を通して供給信頼度が保たれる保証が十分でないと述べている。具体的には、ピーク時間帯の計画外停止率が、過去 5年間の計画外停止率の平均値を超えた場合にのみ(ガスの供給遮断等、発電事業者の管轄外と見なされる要因による計画外停止は、計算から除外される)、発電事業者への罰則が適用されるという規則を PJM は問題視している。PJM は、現行の規則では、保守整備や利用率向上の設備投資に対するインセンティブが十分でなく、発電事業者が計画外停止の原因を、できるだけ管轄外のものであると説明(あるいは隠ぺい)しようとする動機を与えると述べている。上記のような理由から、PJM は、現容量市場の制度を見直す必要があるとしている。 印刷用PDF
2014.07.31
台湾:第 4 原発 1 号機、安全検査が終了
経済部(MOEA)は 2014 年 7 月 31 日、第 4 原子力発電所(龍門原発:270 万 kW:135 万 kW×2基:ABWR)について、3 月に工事が完工した 1 号機の 262 項目にわたる安全検査が終了し、問題がないことを確認したと発表した。この検査結果については、政府の原子能委員会(AEC:AtomicEnergy Council)が審査することになっている。2 号機については、反対運動の激化により住民投票の実施まで建設工事を停止することを、政府が今年 4 月に決定している。 印刷用PDF
2014.07.31
英国:2013 年の再エネ発電電力量が前年比 30%増
英国エネルギー・気候変動省(DECC: Department of Energy and Climate Change)は2014 年 7 月 31 日、2013 年の再生可能エネルギーによる発電電力量が 2012 年比で 30%上昇し、電源構成(kWh)全体に占める割合が 14.9%(537 億 kWh)になったと発表した。中でも、陸上風力が 121 億 kWh から 170 億 kWh へ、洋上風力が 76 億 kWh から 114億 kWh へ(導入量の増加と 2013 年を通して安定した風速が得られたことが要因)と、それぞれ大きな伸びを見せている。これにより、英国の最終エネルギー消費量に占める再エネ比率は 2012 年比 1 ポイント増の 5.2%となった。しかし、2009 年 EU 再エネ利用促進指令において、英国は 2020 年までに再エネ比率を 15%まで引き上げることを義務付けられており、現状では大きな隔たりがある。 印刷用PDF
2014.07.30
ベトナム:500kV 基幹送電線が完成
国営電力グループ(EVN)傘下の国家送電会社(NPT:National Power Transmission Co.)は 2014年 7 月 30 日、北部の Quang Ninh-Hiep Hoa 間の 500kV 基幹送電線拡張工事が 29 日に完工したと発表した。この送電線には、年内に運開予定の Mong Duong 石炭火力発電所(100 万 kW:50 万kW×2 基:EVN 所有)の電源線が接続することになっている。 印刷用PDF
2014.07.29
ミャンマー:陸上石油・ガス鉱区の開発、海外企業 5 社に認可
ミャンマー政府は 2014 年 7 月 29 日、海外企業 5 社による陸上石油・ガス鉱区(合計 5 カ所)の開発を認可したと発表した。認可を受けたのは、(1)インドの ONGC Videsh Ltd.(開発鉱区は B-2:Zebyutaung-Nandow 鉱区)、(2 )ブルネイの Brunei National Petroleum Co. (同 EP-1 :( 3)カナダの Pacific Hunt Energy Co.(同 C-1:Indaw-Yenan 鉱区)( 4)ルクセンブルグの CAOG Sarl(同 MOGE-4:Myintha 鉱区)、(5)ロシアの JSOC Bashneft(同EP-4:Mayaman 鉱区)。 印刷用PDF
2014.07.29
ロシア・中国:ロシアと中国が浮揚式原子力発電所を共同開発
ロシア国営原子力企業ロスアトム傘下のルスアトム・オーバーシーズ社は 2014 年 7 月 29日、ロシアと世界最大エネルギー消費国である中国が、6 基の浮揚式原子力発電所を共同開発することを明らかにした。「浮揚式原子力発電所は、遠隔施設だけでなく、石油プラットフォームのような大規模産業施設に対しても、安定した電力を供給可能である。」とルスアトム・オーバーシーズ社 CEO の Aliev 氏は語った。ウクライナ危機に対する欧米の制裁が打撃を与え、ロシアは経済活動を、西欧から多様化を進めており、5 月には、ロシア国営ガスプロム社が、中国と 4,000 億ドルの契約を行っている。なお、ロスアトムは、2018年に世界初の浮揚式原子力発電所事業を開始する計画をしている。この移動可能な、小容量の原子炉は遠隔地の電力供給に最適であり、ロシア極東チュコチ自治管区に配備予定である。 印刷用PDF
2014.07.29
スペイン:FIT 価格の改定により、2014 年 4~6 月に新設された風力は 1 基のみ
2014 年 7 月 29 日付の報道によると、2014 年 4~6 月にスペインで新設された風力発電所は、北西部に位置するガリシア州の 1 基(80kW)のみであった。これにより、2014 年 6月時点の累積風力発電設備容量は 2,297 万 kW と前年から微増したにすぎなかった。同国では、固定価格買取制度(FIT)による再エネ電力買取コストが増加し、2012 年 1 月に再エネ電力の買取を一時中断した。このため、買取適用対象となる事前登録を済ませた風力発電所約 110 万 kW のうち、17.7 万 kW のみが 2013 年に建設され、残りの 92.8 万 kW は建設を断念した。同国では 2014 年 6 月に買取を再開したが、新設の風力発電所は買取の対象外となり、既設の風力発電所に対する買取も、適切な収益性が見込める価格に引下げられた。これにより産業省は、年間 61 億 800 万ユーロの風力電力買取コストを削減できると試算している。 印刷用PDF
2014.07.28
米国:テキサス州の小売事業者が需給逼迫時の割り戻しプログラムを提供
2014 年 7 月 28 日付の報道によると、テキサス州の小売事業者アンビット・エナジー社は、ERCOT 管内でパワーペイバックと称する需給逼迫時の割り戻し(リベート)プログラムを立ち上げた。需給逼迫時に負荷抑制が必要な場合、抑制量に応じて 1 ドル/kWh が次回請求時に割り戻しされる。抑制量は同期間における過去の平日 5 日平均をベースに決められ、参加条件としては需給逼迫の連絡を受ける電話またはメールアドレスを登録すればよく、抑制不能時もペナルティは発生しない。同社の全需要家にスマートメーターが設置されており、希望すれば誰でも参加可能となっている。また、ERCOT 管内の別の小売事業者アミーゴ・エナジー社は、同社のスマートスタットと呼ばれるスマートメーターを保有し、遠方から負荷の自動制御を行える需要家に対して需給逼迫時リベートプログラムを導入した。このプログラムでは、ERCOT のリアルタイム市場価格と需要家の契約単価との差額に抑制量×50%をかけた金額が割り戻される。また、同社は最も累積抑制量が多かった需要家に3,000 ドルの報奨金を用意している。 印刷用PDF
2014.07.25
メキシコ:エネルギー分野で日本と協力
中南米を歴訪中の安倍首相は 2014 年 7 月 25~26 日、メキシコでペニャ・ニエト大統領と首脳会議を行った。両首脳は二国間における経済、投資、貿易分野で更なる協力を推進していくことで一致。エネルギー分野では、メキシコでの石油増産、シェールガス生産が世界のエネルギー市場にとって重要で、日本の技術と資金が有効に活用されることが期待されるとした。メキシコ国内ではエネルギー改革が進められており、今後、日本企業による石油・ガス開発への参画、メキシコ石油公社(PEMEX)との連携が期待されている。米国エネルギー情報局(EIA)の試算によると、メキシコのシェールガス推定埋蔵量はカナダに次ぐ世界第 6 位(約 15 兆 m3)であり、米国産シェールガス(ガス田は南部ルイジアナ州など中心)に比べ輸送コストなどの面で優位性があることから、将来的には日本へのLNG 供給源の 1 つになると期待されている。また、原子力協定締結に向けた交渉も引き続き推進していくとになった。気候変動分野では、両国間での二国間クレジット制度を新たに創設し、温室効果ガス削減策として、高効率石炭火力発電技術の活用も図るとされた。 印刷用PDF
2014.07.23
EU:EU 域内では 2020 年までに 7,500 万 kW の風力発電が新設される見込み
欧州風力発電事業者協会(EWEA)は 2014 年 7 月 23 日、2020 年までの EU 域内の風力発電の建設見通しを発表した。会員企業への調査結果によれば、今後 7 年間平均年 1,000万 kW 程度の新設が見込まれ、2020 年までの新設設備容量は 7,500 万 kW 程度に達する。これは、EWEA が 2009 年および 2011 年に発表した見通しの 5 分の 1 程度に止まる。大幅な下方修正の原因として長引く経済危機と主要国の風力発電市場における規制政策のブレが上げられる。しかし、一方で各国の市場は秩序を回復しつつあるとして、ドイツ、フランス、英国およびポーランドを有望な陸上風力市場として挙げ、さらに洋上風力では今後、英国を筆頭にドイツ、フランス、オランダでの拡大が見込まれるとした。この結果 2020年における風力の設備容量は 1 億 9,240 万 kW、発電量は 4,420 億 kWh に達し、EU 電力需要の 15%を賄うと見込まれる。 印刷用PDF
2014.07.23
EU:欧州委員会、2030 年のエネルギー効率目標として 30%を提案
欧州委員会は 2014 年 7 月 23 日、2030 年に向けたエネルギー効率目標を 30%とする提案を行った。当該目標に法的拘束力を持たせるかどうかはまだ決まっていない。欧州委員会のエッティンガーエネルギー政策担当委員は、「この提案は、経済的な方法で EU のエネルギーセキュリティ、イノベーション、持続可能性を実現するものであり、野心的な目標ではあるが達成可能である。我々の目的は、市場へのシグナルを発信することで省エネ技術等の投資を引き出し、ビジネス、需要家、環境の面で利益をもたらすことである。」と述べている。欧州委員会は、これまで、2030 年までの温室効果ガスの削減目標を 1990 年比で40%、エネルギー消費に占める再エネの割合を 27%とする提案を行っており、今回提案されたエネルギー効率目標とあわせて、2014 年 10 月に向けて EU 首脳間の合意を目指す。これらの目標は、気候変動に関する目的のみではなく、今日のウクライナ危機に鑑み、ロシアへのエネルギー依存を低減するうえでも重要な役割を果たすものとされている。 印刷用PDF
2014.07.21
エジプト:原子力発電所新設の競争入札、年内に実施か
2014 年 7 月 21 日の報道によると、エジプトでは、同国初となる原子力発電所の建設工事について競争入札が2014年末までに実施される予定になっている。入札が公開でされるかどうかは未定である。発電所出力は 100?120 万kW、建設地点は地中海沿岸のアレクサンドリア西の Dabaa が予定されている。 国際原子力機関(IAEA)の専門家は、同地点が国際要件に準拠しており、建設に適すると評価している。 印刷用PDF
2014.07.17
豪州:炭素価格制度を廃止
上院は 2014 年 7 月 17 日、炭素価格制度を廃止する法案を 39 対 32 で可決した。この制度は、二酸化炭素の排出量に応じて企業に金銭的負担を求めるもので、前労働党政権時代の 2012 年 7 月に施行された。2015 年からは排出量取引制度に移行し、将来的には EU の排出量取引制度(EU-ETS)と連携することになっていたが、2013 年 9 月の総選挙で制度の廃止を公約に掲げて自由党と国民党の保守連合が政権交代を実現していた。法案は、2014 年 7 月 11 日に否決されたが、反対する少数派議員が制度廃止の条件として消費者への負担分の返金を求め、アボット政権がそれに応じることで合意し、今回の可決に至った。制度は 7 月 1 日に遡って廃止された。 印刷用PDF
2014.07.16
米国:米国の電力会社に対する顧客満足度が増加
大手市場調査会社の J.D.パワー社は 2014 年 7 月 16 日、電力会社に対する家庭用需要家の顧客満足度調査結果(2014 年版)を発表した。それによると、電力会社の社会的貢献、停電時のコミュニケーションなどの改善により、顧客満足度は前年より増加した。調査は 16年間実施しており、6 つの指標(電力品質と信頼度、価格、料金請求と支払、企業の社会的貢献、コミュニケーション、顧客サービス)を用いて評価している。特にコミュニケーションに対する満足度が 6 年連続増加した。これは、電話や電子メールのほか、近年テキストメッセージ、ソーシャルメディアといった情報伝達手段が多様化してきたことから、それに電力会社が対応すべく取り組んできたためと説明している。ただし同社は、ケーブルテレビやインターネットサービスプロバイダーの顧客満足度の増加割合に比べ、電力業界の増加割合は低いとも述べている。 印刷用PDF
2014.07.14
中国:6 月の消費電力量、前年比 5.9%増加
国家能源局は 2014 年 7 月 14 日、6 月の電力需給状況を発表した。6 月の消費電力量は前年比 5.9%増の 4,639 億 kWh となった。1~6 月の累計では、同 5.3%増の 2 兆 6,276 億 kWh、第一次産業用は同 4.6%減の 435 億 kWh、第二次産業用は同 5.1%増の1兆 9,325 億 kWh、第三次産業用は同 6.9%増の 3,138 億 kWh、生活用は同 6.6%増の 3,378 億 kWh であった。1~6 月の発電設備の平均利用時間は 2,087 時間で前年より 79 時間減少した。その内、水力は 1,430 時間で、前年より 101 時間、火力は 2,375 時間で前年より 26 時間それぞれ減少した。1~6 月に新規運開した発電設備容量は 3,670万 kW で、水力 1,301 万 kW、火力 1,503 万 kW であった。 印刷用PDF
2014.07.14
米国:アイオワ州最高裁が太陽光発電電力の直接販売を認める判決
2014 年 7 月 14 日付業界誌によると、アイオワ州最高裁は太陽光発電会社が発電電力を直接需要家に販売することを認める判決を下した。この判決により特に市、学校、非営利団体などによる屋根置き太陽光発電設備の採用が促進されると予想されている。争点はイーグルポイント・ソーラー社がダビューク市と市庁舎に太陽光パネルを設置する契約を締結できるかという点であった。取り決めに従い、市はイーグルポイント社の太陽光電力を購入し、高価な初期設置コストを回避できる。イーグルポイント社は一定期間設備を所有、運転した後、所有権を市に移譲する。アライアント・エナジー社や他の電力会社はそうした販売契約は規制電力会社だけに電力販売を認める州法に違反すると主張、州公益事業委員会も同意していた。 印刷用PDF
2014.07.10
米国:スマートメーターを利用した世界初のモバイルアプリ展開
シーメンスは 2014 年 7 月 10 日、スマートメーターから収集した情報を消費者のスマートフォンに表示するアプリケーションである Energy Engage Mobile をリリースしたと発表した。ユーザーはスマートフォン上で電気、ガス、水の使用量や料金についてリアルタイムに近い状況で確認することができることに加え、ピーク料金時の警告や使用量削減方法のアドバイスなどを受け取ったりできる。コロラド州の市営電気事業者である Fort Colins社が世界で初めて同アプリを利用した顧客向けサービスを開始し、顧客は 15 分ごとの電力使用状況にアクセスできるとしている。同社のマネージャーは、「同アプリは顧客により賢いエネルギーマネジメントを促し、我々にとってもより高いレベルのサービスを提供する機会を与えるものだ」と語っている。 印刷用PDF
2014.07.10
インド:モディ政権初の予算案、太陽光に 170 億円投資
インド政府は 2014 年 7 月 10 日、2014 年度(2014 年 4 月~2015 年 3 月)の予算案を発表した。歳出額は 17 兆 9,489 億ルピー(約 30 兆 5,100 億円)、財政赤字を GDP 比 4.1%に抑え、今後 3~4 年の経済成長率 7~8%を目指すとしている。エネルギー分野では、太陽光関連のプロジェクトに 100億ルピー(約 170 億円)、超々臨界圧石炭火力発電技術に 10 億ルピー(約 17 億円)が充てられた。インフラ分野では、スマートシティ 100 カ所の建設に 706 億ルピー(約 1,200 億円)を投じるとされている。 印刷用PDF
2014.07.10
中国:大型水力発電所の運開相次ぐ
中国長江三峡集団公司は 2014 年 7 月 10 日、渓洛渡(XILUODU)水力発電所(77 万 kW ×18 台)で全ユニットが稼働したと発表した。最大電力 1,386 万 kW で、国内の水力発電所では三峡発電所に次ぐ 2 番目の規模となる。常時出力 698.07 万 kW で、年間発電電力量は 570 億 kWh とされる。ダム規模は、ダム高 285.5m、総貯水容量 128 億 m3。2014 年上半期に運開した糯扎渡発電所 585 万 kW(65 万 kW×9 基)、向家?水力発電所 640 万 kW(80 万 kW×8 基)、錦屏一級水力発電所 360 万 kW(60 万 kW×6 基)などを加えると、総出力は三峡水力発電所(発電設備容量 2,250 万 kW)の 1.5倍におよぶ。 印刷用PDF
2014.07.09
コロンビア:エルニーニョ対策を準備
中南米エネルギー情報サイトは 2014 年 7 月 9 日、コロンビア鉱山・エネルギー省は、南米大陸の北部に被害を及ぼすエルニーニョ現象について、国内で起こりうる被害への対策を講じていると伝えた。コロンビアでは、エルニーニョ現象が発生すると夏季(6~8 月)に降水量が大幅に減少し、水力発電が影響を受ける。政府は対応策として、火力発電を増強するための施策を進める一方、省エネなどを推進している。また、夏季には隣国ベネズエラへの天然ガス輸出を一部中断、国内にある発電所向けの燃料に充てるとしている。国際連系送電線については、既にベネズエラとエクアドル間が連系されており、現在、パナマとの連系線の建設が計画されている。政府は、パナマとの連系が実現すれば、将来的には他の中米諸国やメキシコとの連系も可能になるとしている。 印刷用PDF
2014.07.07
米国:FERC が大規模停電発生に対する APS 社への 325 万ドルの罰金を承認
連邦エネルギー規制委員会(FERC)は 2014 年 7 月 7 日、2011 年 9 月に米国南西部で発生した大規模停電に関して、発生原因となったアリゾナ・パブリック・サービス(APS)社に対して 325 万ドル(約 3.3 億円)の罰金を承認した。大規模停電は、APS 社の作業員の操作ミスに起因するカスケーディング(連鎖事象)が発生し、カリフォルニア州南部、アリゾナ州南西部およびメキシコの一部の広範なエリアが停電した(合計 270 万軒、最大12 時間)。FERC および北米電力信頼度協会(NERC)は、同社に対し重大な信頼度基準義務違反があったとして罰金を決定した。罰金 325 万ドルのうち、NERC と財務省にそれぞれ 100 万ドルずつ支払われ、残り 125 万ドルを供給信頼度改善(同期位相計測装置や電圧維持のための電力用コンデンサの新設、系統図や地図のパネル化など)への投資に使用される。 印刷用PDF
2014.07.04
スペイン:スペイン政府、エネルギー効率化基金を設立
2014 年 7 月 4 日付の報道によると、スペイン閣僚会議はエネルギー効率化基金の設立を承認した。同基金は、2020 年までに 11.3 石油換算 100 万 t(Mtep)のエネルギー輸入(77億ユーロ相当)削減を目標に、エネルギー効率化プロジェクトへの投資(24.5 億ユーロ)を支援するためのもの。同基金には年間 3 億 7,000 万ユーロの資金が拠出され、うち省エネ義務が課せられる電気・ガス小売会社は毎年約 2 億ユーロを負担することになっている。同国は、EU 全体におけるエネルギー効率の 20%改善を目指した 2012 年の EU エネルギー効率化指令に沿って、2020 年の一次エネルギー消費量を、16Mtep 減(2014 年から 2020年までに 9%減)の約 128Mtep にする目標を立てている。 印刷用PDF
2014.07.02
ミャンマー:総発電電力量に占める石炭火力の割合を引き上げへ
電力省(MOEP)は 2014 年 7 月 2 日、現在、総発電電力量の 74%を水力発電が占めているため、乾季(10~12 月)に電力が不足することから、石炭火力発電所を建設し、総発電電力量に占める石炭火力の割合を現在の 3%から 2019 年に 33%に引き上げると発表した。 印刷用PDF
2014.07.02
ギリシア:ギリシア電力会社のストライキにより複数の地域で停電
2014 年 7 月 2 日深夜より、ギリシア電力会社(PPC)労組は 48 時間ストライキを開始した。ギリシア政府は 2015 年に PPC の分割・民営化を計画しており、今回のストライキは、この計画に対する抗議行動として実行に移された。これにより、国内の 13 カ所の発電所(約 200 万 kW 相当)が運転を停止し、7 月 3 日夕刻のピーク負荷時には、首都アテネを含む複数の地域で、最大 1 時間程度の停電が発生している。PPC 労組は 7 月 4 日深夜から、再び 48 時間ストライキを実施しているが、これに対してギリシア政府は、今回のストライキが違法行為であるとして、労働者に対して職場に戻るよう強い調子で要求している。 印刷用PDF
2014.07.01
ドイツ:2014 年上半期の再エネ発電シェアは 31%
フラウンホーファー太陽エネルギーシステム研究所(Fraunhofer ISE)が 2014 年 7 月 1日に報告したところによると、2014 年上半期の再エネ発電量が 810 億 kWh に上り、総発電量に占めるシェアが 31%となった。そのうちの 5 割以上が太陽光と風力で、同期間の両電源による発電量は約 450 億 kWh であった。他方、従来型電源の前年同期比は、原子力がほぼ横ばい、褐炭火力 4%減、石炭火力 11%減、ガス火力が 25%減となった。ガス火力の発電量は 2010 年上半期と比べるとおよそ 5 割減となっている。 印刷用PDF
2014.06.30
米国:FERC が ISO-NE の容量市場価格高騰の実態を調査
2014 年 6 月 30 日付の報道によると、連邦エネルギー規制委員会(FERC)は ISO ニューイングランド(ISO-NE)が 2014 年 2 月に決定した 2017‐2018 年容量市場価格に対して調査を開始している。同地域では、バーモントヤンキー原子力やブレイトンポイント石炭火力の廃止によって将来の供給力不足が懸念されており、2017‐2018 年の容量市場オークションでは、調達量が不足し容量市場価格は上限の 15 ドル/kW・月となった。FERC はISO-NE に対して、価格決定に不正がなかったかどうかを判断するため、時系列ごとの既設電源の供給可能量および de-list bids(廃止予定電源が仮に運転を維持する場合に必要な最小限の価格。容量市場価格がこの値を上回れば、対象電源に対して運転継続をオファー)等の提出を要求している。 印刷用PDF
2014.06.25
アンゴラ:ブラジルから水力発電所の建設資金調達
エネルギー大臣 Joao Baptista Borges 氏は 2014 年 6 月 25 日、訪問先のブラジルにおいて、アンゴラで計画中の水力発電所 2 カ所について、ブラジル政府が最高限度額 20 億ドル(約 2,040 億円)を貸し出す用意があると語った。この 2 件は、Cambambe 水力発電所の増強(18 万 kW から 96 万 kW)と Lauca 水力発電設備(212 万 kW)。 印刷用PDF
2014.06.24
中国:直流送電、最大負荷 840 万 kW
2014 年 6 月 24 日付の報道によると、800kV 直流送電線の最大負荷試験で、送電端 840 万 kW、受電端 786.5 万 kW を記録した。この送電線は、双竜鎮変換所(四川省宜賓市)と武義県変換所(金華市)を結び、渓洛渡水力発電所の左岸側(77 万 kW×9 基)の電力を送電するもので、亘長 1,652km、公称送電容量は 800 万 kW、年間 400 億 kWh が浙江省に送られる。 印刷用PDF
2014.06.23
豪州:排出量取引制度の廃止法案を再上程
オーストラリア政府は 2014 年 6 月 23 日、2012 年 7 月に労働党政権時代に導入された排出量取引制度の廃止法案を下院議会に再度上程した。下院では与党が多数を占めるため、法案が通過すると見られる。アボット政権(自由党と国民党による保守連合)は、2013 年 9 月の総選挙で排出量取引制度の廃止を選挙公約に掲げて政権交代を果たし、2013 年 11 月に議会に法案を提出したが、2014 年 3月に労働党と緑の党の反対により上院で否決(反対 33、賛成 29)された。改選された上院議員が同年 7 月 7 日から始まる通常国会に登院することから、野党のうち労働党と緑の党に属さない議員 8 名が賛成すると成立が見込まれる。オーストラリアでは同じ法案が国会で二度否決された場合には、両院を解散して総選挙を実施する権限が首相に付与されている。 印刷用PDF
2014.06.21
フランス:アルストムが GE との提携を決定
フランス重電大手アルストムの取締役会は、2014 年 6 月 21 日、米国のゼネラル・エレクトリック(GE)によるエネルギー部門の買収提案を受けることを決定した。ドイツのシーメンスと日本の三菱重工も共同でエネルギー部門の買収を提案していたが、フランス政府は 20 日、GE の提案を支援する方針を示した。買収額は 123 億 5,000 万ユーロ(約 1 兆7,000 億円)で、原子力、送電網、再生可能エネルギーの分野で合弁会社を設立するほか、GE が鉄道信号部門をアルストムへ譲渡する。またフランス政府は、国内の複合企業ブイグからアルストムの株式 20%を取得することで 22 日に合意し、同社の筆頭株主になることにより、海外企業である GE による同社エネルギー部門の買収を認める方針である。 印刷用PDF
2014.06.19
韓国:使用済燃料の貯蔵施設、2016 年には満杯
2014 年 6 月 19 日付の報道によると、国内にある原子力発電所の使用済燃料は、何も策を講じない場合、2 年先にセットされた時限爆弾のようになるという。現在、23 基の原子力発電所が運転中で、年間に発生する使用済燃料は約 700t に達する。1978 年に運開した最古の古里原子力発電所では貯蔵施設が 2016 年までに満杯になるとされる。月城発電所は 2017 年、韓蔚発電所は 2018 年、そのほかの発電所も近い将来、満杯になると見られる。政府は 2050 年までに使用済燃料の恒久処分施設の建設を計画しているが、それまでの間、中間貯蔵施設が必要になる。貿易・産業・資源省は 2013 年 10 月、専門家の助言を得て年内に解決策を見出すため、"使用済燃料管理に関する国民契約委員会"を設置した。この委員会では、様々な調査・研究が行われており、最新の取り組みとして、2014 年 6 月 17 日にソウル市内で初の公聴会が開催された。 印刷用PDF
2014.06.17
米国:NYISO では 1,000 万 kW の電源新設にもかかわらず供給予備力が低下
ニューヨーク ISO(NYISO)は 2014 年 6 月 17 日、現在の卸電力市場の状況について纏めたレポート(POWER TRENDS 2014:Evolution of the Grid)を発表した。レポートでは、ピーク需要の伸び、発電所の新設を上回る廃止、分散型電源の普及、天然ガスへの依存といった現在直面する課題について述べている。2000 年以降 1,041 万 kW の電源新設があったもののそれを電源廃止が上回っている。2014 年は目標供給予備率を上回るものの予備力は低下していると述べている。また、天然ガス依存を懸念しており、現在 50%以上が天然ガス火力であるが、新設計画の 70%が天然ガスであり、益々天然ガス火力のシェアが大きくなり、天然ガス価格の高騰が卸電力価格に大きく影響を与えることを懸念している。 印刷用PDF
2014.06.16
フランス:EDF、仏国内の CO2 排出量を 2016 年に対 1990 年比で半減
フランスの大手エネルギー会社 EDF は 2014 年 6 月 16 日、同社の国内における年間 CO2排出量が 2016 年までに 1990 年比で半減する見通しであると発表した。2013 年実績は排出量が 1,692 万 t-CO2、排出原単位が 0.035kg-CO2/kWh(1990 年実績は 0.067kg-CO2/kWh)で、後者は既に半減に近い水準に達している。ただし、発電電力量が 1990~2016年に 26%増加する見通しであるため、同社は 2016 年までに効率の悪い石炭火力発電所約300 万 kW をコンバインドサイクルに置き換え、排出原単位をさらに 3 分の 1 以上低下させる考えである。なお、同社のフランス国内における電源構成(発電電力量ベース、2013年実績)は原子力 85%、水力 11%と CO2 を排出しない電源が 96%を占めており、CO2排出原単位は EDF グループ全体の平均の約 3 分の 1、欧州のエネルギー会社平均の約 10分の 1 の水準と非常に低い。 印刷用PDF
2014.06.10
英国:ナショナルグリッド、新たなバランシングサービスを導入
英国の送電系統運用者ナショナルグリッドは 2014 年 6 月 10 日、同社が提供するバランシングサービスに、デマンドレスポンスを活用した新たな「需要反応による需給調整予備力」を導入することを発表した。予備力確保サービスのためのデマンドレスポンス契約はこれまでも存在したものの、新サービスは 11~2 月の平日 16~20 時の冬季ピークを対象とした新しい契約形態となる。また同時に、休廃止を予定する発電所と冬期の平日 6~20 時を対象とした予備力確保契約「追加的需給調整予備力(SBR:Supplementary Balancing Reserve)」サービスも導入する。両サービスともに需給調整の最終手段として緊急時に備える。同社は、2014 年 6 月中に 2014-2015 年冬期に向けた最大 33 万 kW の DSBR の入札を行うほか、2014 年秋までと 2015年初めの入札を通じて、DSBR と SBR により合計 180 万 kW の容量を確保する。 印刷用PDF
2014.06.07
インド:クダンクラム 1 号機、100%出力に到達
クダンクラム原子力発電所 1 号機(ロシア製 VVER-1000、100 万 kW)は 2014 年 6 月 7 日、初めて 100%出力に達した。同発電所は 2011 年には建設工事が完工したが、福島事故に伴う抗議活動や法的手続きのため試運転が遅れていた。昨年 7 月に初臨界に達し、10 月には送電が開始されていた。来月に予定されている商業運転に入ると、国内では 21 基目の原子炉となり、最も出力が大きいものとなる。なお、2 号機は 2015 年 3 月に商業運転される予定になっている。 印刷用PDF
2014.06.04
米国:大手小売事業者が送配電費用込のフラットプランを提供
業界紙の 2014 年 6 月 4 日の報道によると、テキサス州の大手小売事業者リライアント社(IPP 事業者 NRG 社傘下)が州内の家庭用需要家向けに、送配電費用を含む電気料金全体を 12 カ月固定するプラン(Reliant Predictable 12 plan)の提供を開始した。同社担当者は同プランについて「固定収入で生計を立てる需要家からの要望に応えたもの」としている。需要が高まる夏季を前に、各社が料金変動リスクを低減したプランを推す傾向があるが、同社が提案するように、送配電費用を含め、従量部分を全く排除したプランは、特に家庭用向けとして、ほとんど前例が無いと報じられている。なお、月額料金は、同需要場所の過去の電力使用実績に応じて決定される。 印刷用PDF
2014.06.03
欧州:欧州の温室効果ガス削減、2020 年目標が達成間近
欧州環境機関(EEA)は 2014 年 6 月 3 日、2012 年における EU 域内の温室効果ガス(GHG)排出実績を発表した。EU28 カ国の GHG 排出量は前年比 1.3%減の 45 億 4,420 万 t-CO2となった。1990 年比では 19.2%減となり、2020 年に向けた目標(20%削減)が達成間近となった。また、京都議定書にかかわる EU15 カ国の同年 GHG 排出量は前年比 0.8%減の 36 億 1,950 万 t-CO2 となった。基準年(おおむね 1990 年)比 15.1%減、第一約束期間(2008~2012 年)平均で同 11.8%減となり、目標とされた 8%減を達成している。EEAは 1990 年以来 EU の GHG 排出量が 19%減少した一方で同地域の GDP が 45%増加している点を挙げ、EU は経済成長と GHG 削減が両立可能であることを証明したと強調している。 印刷用PDF
2014.06.02
米国:EPA、CO2 排出規制案を発表、目標達成方法は柔軟性を重視
環境保護局(EPA)は 2014 年 6 月 2 日、既設発電所からの二酸化炭素(CO2)排出量を2030 年までに 30%削減(2005 年比)することを目標とした規制案「クリーン・パワー・プラン(CPP)」を発表した。CO2 削減ポテンシャルや電源構成等を勘案し、州ごとに CO2排出原単位目標値を設定することが提案されている(例えば、石炭火力が多いノースダコタ州の目標値は 1,783 lb/MWh、水力の多いワシントン州は 215 lb/MWh)。発電所が個別に課せられる目標値はない。目標達成方法としては、1)発電機の熱効率を向上させる、2)石炭火力からガス火力へシフトする(ガス火力の設備利用率を高める)、3)原子力や再エネ等の低炭素電源を開発する、4)デマンドレスポンスや省エネ促進により電力需要を抑制すること等が認められている。また複数州が合同で目標を達成することも認められている。本規制の施行により、年間 73 億から 88 億ドルの費用が発生するが、国民の健康や気候変動にもたらされる便益は 550 億~930 億ドルに上ると試算されている。EPA は 2013年 9 月に新規発電所に対する排出規制案を発表したが、排出基準が厳しく事実上 CCS 設置を求めるものであるとして批判を浴びていた。エジソン電気協会(EEI)は本規制案について目標達成方法に柔軟性があるとして一定の評価をしている。米国原子力協会(NEI)は、温室効果ガス排出削減では、どのような戦略をとったとしても、原子力がなければ目標達成は不可能であるとのコメントを出した。今後、120 日間、パブリックコメントが受け付けられ、4 都市での公聴会を開催後、2015 年 6 月までに最終規則が発表される予定である。 印刷用PDF
2014.06.02
アルゼンチン:アトゥチャ発電所 2 号機、試運転段階に
アルゼンチン国営原子力発電会社 Nucleoelectrica Argentina は 2014 年 6 月 2 日、アトゥチャ原子力発電所 2 号機(74 万 5,000kW、圧力容器型加圧重水炉)の試運転ライセンスを得たと発表した。連邦計画・公共投資・サービス省のフリオ・デ・ヴィド大臣は 60 日以内に初送電できると述べた。アトゥチャ 2 号機は、独シーメンスとの契約に基づき 1981 年に工事が着工されたが、資金不足のため1994 年に中断、2006 年にカナダ原子力公社との契約により再開された。完成すればアルゼンチンで3 基目の発電炉となる。 印刷用PDF
2014.05.29
中国:2011~2012 年の電力工事費
国家能源局は 2014 年 5 月 29 日、2011~2012 年の電力設備工事費を公表した。それによると、火力発電所の建設費は 3,824 元/kW と 2009~2010 年の 3,768 元/kW より若干上昇した。水力発電所については、6,637 元/kW と 2009~2010 年の 7,027 元/kW より 5.55%低減した。風力は 8,103元/kW で、2009~2010 年の 9,056 元/kW より 10%以上低減した。太陽光発電については 14,788元/kW と、2009~2010 年より 13.26%低減した。交流送電線の工事費は 120.07 万元/km と、2009~2010 年に比べ上昇した。 印刷用PDF
2014.05.28
欧州:欧州委員会、エネルギー安全保障のための包括的戦略を発表
欧州委員会は 2014 年 5 月 28 日、エネルギー安全保障のための包括的戦略"EuropeanEnergy Security Strategy"を発表した。EU 域内ではウクライナ情勢に端を発して、域内のエネルギー安全保障、ロシアへのエネルギーの輸入依存の問題が重要な論点となっている。欧州委員会が提出した本戦略は 2014 年 6 月 26~27 日に開催される EU 首脳会議で審議される予定である。この戦略の主眼点として、域外からのエネルギー供給の多角化、エネルギーインフラの強化、域内エネルギー市場の統合、エネルギー効率化の推進が挙げられている。さらに具体的な方策として、EU 加盟国間の連携強化を図り、域内のガスパイプラインや LNG 受け入れ基地の建設などを強化する他、中期的にはカスピ海沿岸地域からのガスパイプラン建設も視野に入れている。また欧州委員会は、次の冬にガスの供給が停止した場合のリスク評価(ストレステスト)の実施も提案しており、緊急時のガス備蓄や代替燃料がどの程度確保されているかの確認が目的としている。エッティンガー・エネルギー担当委員は本戦略の主眼点を強調するとともに、「我々は EU 域外からのエネルギー供給(特にガス)の多角化をもっと進める必要があり、具体的な行動を起こすしかない」と述べている。 印刷用PDF
2014.05.27
ベトナム:ロシア企業と石油の長期供給契約
ベトナム国営石油・ガスグループ(PV:Petro Vietnam)は 2014 年 5 月 27 日、ロシアの国営石油会社(Rosneft:Rosneft Oil & Gas Group)と石油の長期供給契約を締結したと発表した。それによると、2039 年までの 25 年間、年間 600 万 t の原油が PV に供給される。Rosneft は、シベリア産原油を ESPO(East Siberia-Pacific Oil Pipeline)でナホトカの Kozmino 港まで陸送し、同港からベトナム中部にある Dung Quat 製油所に海上輸送する。 印刷用PDF
2014.05.27
欧州:欧州の再エネ、2013 年は電源構成で最大を占める
2014 年 5 月 27 日および 28 日付報道によれば、エネルギー関連コンサルタントが発表した 2013 年の欧州の電源構成(発電電力量ベース)で、再生可能エネルギーが 28%となり原子力や石炭を上回って初めて首位を占めた。欧州における風力および太陽光発電の累計設備導入量はそれぞれ 1 億 2,000 万 kW、8,000 万 kW に達する一方、火力発電所は採算悪化等で 2010 年以降 2,000 万 kW の電源が閉鎖・一時停止され、2017 年までに更に 1,300万 kW 分の停止が決定しているとも報じている。 印刷用PDF
2014.05.23
米国:卸電力市場における需要抑制への優遇報酬制度に無効判決
連邦控訴裁判所は 2014 年 5 月 23 日、連邦エネルギー規制委員会(FERC)による、卸電力市場における需要抑制に対する報酬制度の統一化を目的としたオーダー745(2011 年 3月発効)を無効とする判決を下した。オーダー745 では、従来、需要抑制に対する報酬について、電力量市場の市場価格(地点別限界価格)から需要家が支払を予定していた小売価格を差し引いた額と設定されていたものを、一定の条件を満たす場合に、地点別限界価格全額を支払うと規定したもので、電力量市場への需要抑制の参加を促す効果が期待されていた。今回の判決ではまず、FERC が電力小売販売に影響する需要抑制への規制を行うことについて、連邦動力法で卸取引に関する規制権のみを授けられた FERC の権限を際限なく広げることにつながるとの懸念が示された。一方で、仮に、FERC の規制権限を認めたとしても、需要抑制に対し、小売価格を差し引かない地点別限界価格を支払うことは、連邦動力法が求める公正かつ合理的な料金規制とは言えないとの立場が示された。今回の判決に対しては、今後、需要抑制を扱う事業者等からの再審理要求が予想され、既にオーダー745 に即した報酬制度が運用されている各市場への即時的な影響は無いものの、今後、FERC は、需要抑制に対する卸市場規制に消極的にならざるを得ないだろうとの見方がされている。 印刷用PDF
2014.05.23
英国:Ofgem が国際連系線の新設を促進する新たな規制枠組みを提案
英国のガス・電力市場規制局(Ofgem)は 2014 年 5 月 23 日、国際連系線の新設を促進するための新たな規制枠組み「キャップ&フロア(cap and floor)」を提案した。この枠組みは、特定の国際連系線事業について、事業者の収入に上限および下限を設定、事業者の収入が上限を超えた場合、事業者は需要家に超過額を還元し、収入が下限を下回った場合は、需要家がその不足額を負担する仕組み。上限および下限の水準については、個々の国際連系線事業に応じて、事業者の計画を査定したうえで設定する。Ofgem は、市場に委ねるだけでは、国際連系線への十分な投資が引き出せないと判断、2014 年秋頃に運用を開始する見込み。同国は既に4系統の国際連系線(容量合計 400 万 kW)を保有しているが、国際連系網をさらに強化し、電力の安定供給強化等を図る。 印刷用PDF
2014.05.21
欧州:EURELECTRIC、電気料金上昇の要因は諸税・賦課金の増加と分析
欧州電気事業者連盟(EURELECTRIC)は 2014 年 5 月 21 日、近年問題化している電気料金上昇の最大の要因は 、諸税 ・賦課金の増加であるとの分析結果を発表した 。EURELECTRIC によると、2008~2012 年における家庭用電気料金に占めるコストを分析したところ、発電・小売コストは 4%減少、送配電コストは 10%増加したのに対し、諸税・賦課金は 31%増加したことが分かった。その結果、2012 年における EU 平均の家庭用電気料金のうち、諸税が 3.9 ユーロ・セント(約 5.4 円)/kWh 、賦課金が 2.5 ユーロ・セント(約 3.5 円)/kWh を占めている。賦課金の増加は主に再エネ支援策に伴うコストの増加によるものである。EURELECTRIC は、電気料金に占めるコストの透明性を高める必要があると述べた。また、再エネ支援策などのエネルギー政策に伴う負担をどのコストとして計上するかについて、EU 加盟国内で統一されていないことを指摘。例えば、エネルギー政策に伴う負担を英国では発電・小売コストに、スペインでは送配電コストに織り込んでおり、コスト計上に関する基準が必要だと述べた。 印刷用PDF
2014.05.19
アフリカ:アフリカの未電化人口 6 億人
コートジボワール電力会社(CIE)の社長は 2014 年 5 月 19 日、電気事業の発展を阻害している問題の克服をテーマに同国のアビジャン市で開催された会議の席上「世界中で電気の恩恵を受けることができない人が 12 億人いる。2014 年には、アフリカのサハラ以南に電気を使うことができない住民が5 億 8,900 万人いる。2030 年には世界の未電化人口 7 億 3,000 万人~8 億 8,000 万人の大部分が、アフリカ・サハラ以南の住民となる」と語った。その対策としてインフラの整備とともに、効率的かつ経済的に需給バランスを図るため「アフリカ・スマート・グリッド」計画が紹介された。コートジボワールは最近の 20 年間にわたる電源投資によりトーゴ、ガーナ、ベナン、ブルキナファソ、マリなど近隣諸国へ電力を輸出する国になったが、国内で 400 万軒と推定される一般家庭のうち、供給契約をしているのは 110 万軒にすぎない。電化を妨げる要因のひとつに、接続工事費(120~183 ユーロ)の負担がある。このため CIE は 2014 年以降、約 1 億 5,200 万ユーロをかけて工事を無料で行い、2017年には需要家数を倍増することにしている。 印刷用PDF
2014.05.17
ミャンマー:2 月の総発電電力量、前年比 6.7%減
電力省(MOEP)は 2014 年 5 月 17 日、2 月の総発電電力量が前年比 6.7%減の 9 億 7,135 万 kWhに落ち込んだと発表した。それによると、渇水の影響で、主要水力発電所の稼働率が低下したことが主な原因。なお、水力は前年比 10.7%減の 6 億 4,914 万 kWh、火力は同 8.2%増の 3 億 2,221 万 kWhであった。 印刷用PDF
2014.05.17
フィリピン:再エネ発電設備容量を 3 倍に
エネルギー省(DOE)は 2014 年 5 月 17 日、民間企業に対する新たな優遇策により民間資本の導入を図り、再エネ発電設備容量を現在の 552 万 kW から 2030 年には 1,650 万 kW に拡大すると発表した。 印刷用PDF
2014.05.16
米国:FERC が ERCOT 系統と東部系統を結ぶ連系線開発計画を承認
2014 年 5 月 16 日付の報道によると、テキサス州と他州とを結ぶ高圧直流連系線の開発計画が連邦エネルギー規制委員会(FERC)によって承認された。この連系線は、サザンクロス社(本社:カリフォルニア州)がテキサス州の風力発電電力を東部需要地域(ミシシッピ州、アラバマ州)に輸送するための直流送電線(容量 300 万 kW)であり、ERCOT 系統と東部系統を接続する新たな連系線となる。計画では、ERCOT 系統への接続のためテキサス州の送電事業者オンカー社が自社送電線付近に開閉所を建設し、オンカー社およびセンターポイント社が ERCOT 系統に流出入する電力の送電サービスを提供するとしている。なお FERC によると、本連系線接続後も ERCOT が FERC の管轄外であることに変わりはないとしている。 印刷用PDF
2014.05.16
インド:10 年ぶりに選挙交代か、電力部門は引き続き重要課題
インドで下院の任期満了に伴う総選挙が 2014 年 4 月から 5 月にかけて実施され、5 月 16 日に一斉に開票される。現地報道は、最大野党のインド人民党(BJD)を中心とする国民民主連合(NDA)が過半数の議席(272 議席)を獲得すると見込まれ、10 年ぶりに政権が交代すると予想している。いずれの党も、電力不足問題への対応を選挙公約のひとつに取り上げている。BJD は選挙公約で、発電、配電部門を改革して、安価な料金で電力を提供するための新しいエネルギー政策を公表すると明言している。 印刷用PDF
2014.05.15
中国:1~4 月の消費電力量 、前年比 5.2%増
国家能源局は 2014 年 5 月 15 日、1~4 月の電力需給状況を発表した。消費電力量は前年同期比 5.2%増の 1 兆 7,145 億 kWh となった。増加率は、前年より 0.3 ポイント大きい。産業別では、第一次産業用は前年同期比 4.9%減の 254 億 kWh、第二次産業用は同 5.0%増の1兆 2,398 億 kWh、第三次産業用は同 6.5%増の 2,116 億 kWh、家庭用は同 6.6%増の 2,378 億 kWh。4 月末時点で、単機容量6,000kW 以上の発電設備容量は 12.3 億 kW と、前年比 9.1%増となった。内訳は、水力 2.47 億 kW、火力 8.69 億 kW、原子力 1,569 万 kW、風力(系統に接続)8,151 万 kW。 印刷用PDF
2014.05.13
欧州:北西欧と南西欧の卸電力前日取引市場が統合される
欧州送電系統運用者ネットワーク(ENTSO-E)、ドイツ・オーストリア・フランス・スイスの卸電力市場を運営する EPEX SPOT など、欧州域内の卸電力市場統合を進めるプロジェクト関係者によると、北西欧(NWE)地域と南西欧(SWE)地域における前日取引市場が、2014 年 5 月 13 日に統合され運用開始した。対象となる国は、ベルギー、デンマーク、エストニア、フィンランド、フランス、ドイツ、オーストリア、英国、ラトビア、リトアニア、ルクセンブルク、オランダ、ノルウェー、ポーランド、ポルトガル、スペイン、スウェーデンの 17 カ国。この統合により、NWE 地域と SWE 地域における各国間の国際連系線容量の割当が最適化されるとともに、前日取引市場の価格決定プロセスが統一(価格結合)された。 印刷用PDF
2014.05.08
台湾:金山 1 号機、来年にも廃炉か
台湾電力公司(TAIPOWER)の陳副社長は 2014 年 5 月 8 日、「台湾初の原子力発電所の金山 1 号機(BWR、65.7 万 kW)は、使用済燃料の貯蔵場所が確保されないと、予定の 2018 年より早い来年2015 年に閉鎖することになる」と立法院公聴会で証言した。1 号機の使用済燃料貯蔵プールには 2,982体の燃料を納めることができるが、現在 101 体余りの空きスペースしかなく、今年 11 月に原子炉から取り出されることになっている 120 体を受け入れることができないことになる。ドライキャスク貯蔵施設の建設計画を台北市政府が承認しない場合、94~98 体の燃料を交換することによって 2015 年末まで運転を継続することは可能であるが、使用済燃料は原子炉内に残るとしている。一方、チャン経済大臣は、年内に市政府が貯蔵施設を承認するかどうかについては、今年 11 月 29 日に市長選挙を控えており、依然不透明だと述べた。 印刷用PDF
2014.05.07
米国:コンシューマーズ社、電話による詐欺をお客さまに警告
コンシューマーズ・エネルギー(コンシューマーズ)社は 2014 年 5 月 7 日、ミシガン州の住民にプリペイド・クレジットカードを使用して光熱費をすぐに支払うよう要求する電話詐欺に警戒するよう HP にて警告し続けていると公表した。不正にコンシューマーズ社を名乗る事件が今年 300 件以上発生している。典型的な詐欺師は通常、強引に 1 時間内にコンシューマーズ社の料金の支払いを済ませることを要求し、英語とスペイン語を話すことができる。電話を受けた人間はグリーン・ドット・プリペイド・クレジットカード、または別の特定のカードを購入するように言われ、これらのカードを使用して自分の料金を支払うために 866 フリーダイヤル番号に電話するように指示される。同社は詐欺を避けるために、お客さまに次のガイドを提供している(1)コンシューマーズ社は、特定のカードを使用して、電話で支払いをお願いすることは決してありません(2)お客さまは、知らない人に電話で、お金や口座やクレジットカード情報などの個人情報を教えてはいけません(3)お客さまには更なる被害を防ぐために、友人、家族、近所の人にこの詐欺に関する情報を共有することをお勧めします(4)この詐欺の被害にあったかもしれない、または巻き込まれていると思われるお客さまは、コンシューマーズ社 800-477-5050 または地元の法執行機関に連絡願います。 印刷用PDF
2014.05.07
ベトナム:米国と原子力協力協定を締結
ベトナム外務省(MOFA)は 2014 年 5 月 7 日、米国政府と「原子力協力協定」を 6 日に締結したと発表した。これにより、米国はベトナムの原発開発や放射線利用などに協力することになる。 印刷用PDF
2014.05.07
欧州:EU28 カ国の CO2 排出量、2013 年は前年比 2.5%減少
欧州統計局は 2014 年 5 月 7 日、EU28 カ国の化石燃料の燃焼に伴う CO2 排出量が 2013年は前年比 2.5%減の 33 億 5,000 万 t であったとの推計を発表した。2012 年(同 1.6%減)に続く減少となった。最も排出量が多かったのはドイツ(7 億 6,000 万 t)で、英国(4 億、フランス(3 億 4,600 万 t)、イタリア(3 億 4,200 万 t)、ポーランド(2 億9,000 万 t)、スペイン(2 億 2,400 万 t)、オランダ(1 億 6,200 万 t)と続く。上位 7 カ国の排出量は EU28 カ国の 77%を占めている。排出量が前年比増となったのはデンマーク(6.8%増)、エストニア(4.4%増)、ポルトガル(3.6%増)、ドイツ(2.0%増)、フランス(0.6%増)、ポーランド(0.3%増)の 6 カ国で、その他の 22 カ国は前年から減少した。 印刷用PDF
2014.05.04
中国:上海市、個人の分散型太陽光発電に補助金
上海市は 2014 年 5 月 4 日、「上海市再エネおよび新エネ発展専用資金扶助条例」を発表した。それによると、分散型太陽光発電設備を設置した場合、発電電力量に応じて、企業に 0.25 元/kWh、個人や学校に 0.4 元/kWh が 5 年間にわたって補助される。そのほか、国から 0.42 元/kWh の補助金が支給される。余剰電力を送電会社に売る場合、単価は 0.39 元/kWh で、これは上海市にある石炭火力発電所(脱硫装置付)の卸電気料金に相当する。上海市政府は、2014 年の 1 年間で分散型太陽光発電設備 20 万 kW を開発する計画を立てている。 印刷用PDF
2014.04.28
米国:テキサス州の電気事業者が民事再生手続き開始へ
テキサス州の電気事業者エナジー・フューチャー・ホールディングズ(EFH 社、本社:ダラス、総資産額 360 億ドル)は 2014 年 4 月 28 日、連邦破産裁判所に対し、民事再生手続き(Chapter 11)の開始を申請した。負債総額は約 409 億ドルで、1980 年以降、産業全体では 8 番目の規模、電気事業関連では 2001 年のエンロン社(負債額 655 億ドル)に次ぐ規模の破たんとなる。同社は、電力市場規制緩和を受けた発送電分離実施後も、発電、送配電、小売事業者を傘下に有する州内最大の電気事業持株会社として運営を続けてきたが、近年のエネルギー価格低迷に伴い、発電事業に由来する負債が経営を圧迫し、破たんは時間の問題とされてきた。今後、今回の手続きの対象から除外されている送配電部門会社(Oncor 社)の扱いを含む、事業運営の方向性について債権者との協議が続けられる予定である。 印刷用PDF
2014.04.21
英国:DECC、2014 年内に事業者変更手続きの期間を半分に短縮
英国エネルギー・気候変動省は 2014 年 4 月 21 日、家庭用需要家の事業者変更にかかる期間を 2014 年内に現行の約 5 週間から 2 週間半へ短縮する方針を示した。同省のエド・デイビー氏が昨年 10 月に行ったエネルギーに関する方針演説の中で、需要家による積極的な行動が料金値上げに対する需要家自身の保護につながると述べ、手続き期間の大幅な短縮を事業者に求めたことが背景にある。その後、事業者がこの提案に同意したことで、契約先変更期限の短縮化を盛り込んだライセンスの改正へ向けた作業が OFGEM により開始されている。なお、同省は 2015~2020 年に設置されるスマートメーターにより、24 時間以内での契約先変更が可能としている。 印刷用PDF
2014.04.16
ドイツ:従来型電源の閉鎖申請が 47 基に増加
ドイツ有力紙は 2014 年 4 月 16 日、石炭火力やガス火力をはじめとする従来型電源の閉鎖計画が 47 基に上り、2013 年 10 月時点に比べて 19 基増加したと報道した。これは連邦系統規制庁が公開した発電所閉鎖計画のリスト(2014 年 4 月 14 日現在)で明らかにされたもの。ドイツでは、再エネ大量導入による影響で卸電力価格が低迷していることに加えて、従来型電源の稼働時間が減少しているため、採算が取れなくなった発電設備の閉鎖を計画する事業者が増加している。 印刷用PDF
2014.04.11
メキシコ:PEMEX、GDE スエズと Total の 2 社と MOU
メキシコ国営石油会社 PEMEX は 2014 年 4 月 11 日、仏エネルギー大手 GDF スエズと仏石油大手Total の 2 社と共同事業を進めるための MOU を締結したと発表した。MOU では、GDF スエズとはガス液化設備などのインフラ施設やガス火力発電所の建設を、Total とは特に深海の資源探査と生産に関して技術移転をそれぞれ行うとされている。PEMEX は、シェールガスに関して精製や脱硫黄設備などの分野で既に Total と協力している。なお、MOU 締結の発表と同時に、総額 140 億ドルを投じてメキシコ湾と太平洋を結ぶ炭化水素の輸送能力を拡張すると発表した。 印刷用PDF
2014.04.10
米国:3つの州で原子力利用拡大に関する法案が可決
2014 年 4 月 10 日の報道によると、米国の3つの州において、原子力利用の拡大を目指した法案が可決している。バージニア州では、原子力と洋上風力の過去 6 年間の建設前費用の 70%を 2013,2014 年の 2 か年で電気料金に上乗せできるようになった。ドミニオン社は、検討中のノースアンナ原子力発電所 3 号機の研究開発費用約 3 億ドルを電気料金に上乗せできる。ワシントン州議会の上院は 8 名から構成される特別委員会を設立し、廃棄物の処理処分費用まで含めた原子力のライフサイクル費用をもとに、化石燃料発電から原子力発電に移行するメリットを検討することとなり、12 月 1 日までに報告書を発行する予定である。ニューメキシコ州では、州議会が州のエネルギー、鉱山、天然資源省に対して、小型原子炉の実現可能性を評価することを求めた決議を採択した。ニューメキシコ州には現在原子力発電所はないが、小型原子炉は、初期投資が少なく、サイト選定に制約が少ないという利点があるとの観点から今回の決議がなされた。 印刷用PDF
2014.04.09
中国:徐大堡原子力発電所、核安全局の審査に合格
国家核安全局は 2014 年 4 月 9 日、「徐大堡原子力発電所 1、2 号機立地審査意見書」を公表、建設計画が関係核安全法規の規定を満たしているとして、建設サイトについて同意した。徐大堡原子力発電所は遼寧省葫芦島市興城市濱海郷に位置し、一期工事で AP1000 型 PWR が 2 基建設される。この発電所は、中国核工業集団公司が東北で開発する最初の原発で、100 万 kW 級原子炉 6 基が設置されることになっている。 印刷用PDF
2014.04.09
欧州:欧州委員会、エネルギー分野の国家補助ガイドラインを採択
欧州委員会は 2014 年 4 月 9 日、エネルギー・環境分野の国家補助ガイドラインを採択した。新たなガイドラインでは、加盟国によるエネルギー・環境分野の助成措置(再生可能エネルギー、コジェネ、地域熱供給、エネルギー・インフラ、CCS、電力供給力の確保などに対する助成や再生可能エネルギー課徴金の減免措置など)が、域内市場の適正な機能の観点から、合理的と認められるための条件・基準が示されている。例えば、再生可能エネルギーに対する助成措置については、一定の移行期間を経て、また、一定の例外を除いて、受益者が競争入札プロセスを経て選定されること、市場価格に上乗せされる割増金の形態で助成が与えられること、などの条件が示されている。本ガイドラインは、2014 年 7月から 2020 年末までの期間において適用される。 印刷用PDF
2014.04.07
豪州:南オーストラリア州の世論調査で原子力賛成が多数
2014 年 4 月 7 日の報道によると、南オーストラリア鉱山・エネルギー会議所(South AustralianChamber of Mines and Energy: Sacome)の委託によって市場調査会社 ReachTel が実施した世論調査によると、南オーストリア州の住民 1,216 人のうち 48%が原子力利用に賛成、33%が反対であった。Sacome の会長は「本調査のカギとなるのは、原子力に強く賛成する割合が 29%、強く反対が 20%で、断固とした原子力賛成派が、原子力反対派を上回ったことである」と述べた。また、63%が原子力は気候変動に重要な役割を果たす、または、選択肢として考慮すべきと回答した(反対派 35%)。南オーストラリア州でのウラン採掘には 55%が賛成、25%が反対である。Sacome の会長は「南オーストラリア州住民は、原子力の可能性を認めており、少なくとも将来の利用を政策課題に取り上げる必要がある」との見解を示した。 印刷用PDF
2014.04.04
米国:今冬の大寒波による需給逼迫時に石油火力が活躍
2014 年 4 月 4 日の報道によると、ISO ニューイングランド(ISO-NE)管内において、この冬の度重なる大寒波の襲来に伴う需給逼迫時に、石油火力が需給運用上重要な役割を果たしたとされる。この冬の期間中、ISO-NE 管内の石油火力はフル稼働に近い状態であり、需要の低い夜間帯でも運転を継続していた。これは、天然ガス価格の上昇により石油火力の経済性が相対的に高まったことおよび天然ガスパイプラインの許容量が上限に達しガス火力の燃料調達が困難となったことが要因と考えられている。ISO-NE は、2013 年 9 月に策定した冬季信頼度計画(Winter Reliability Program、2013 年 12 月 1 日より有効)の中でガスの需給逼迫リスクを考慮しており、あらかじめ石油の燃料調達先および不足時の補充先の確保を事業者に義務付けていたことが、冬季の系統信頼度維持に大きく役立ったとしている。 印刷用PDF
2014.04.04
エジプト:石炭火力発電所の建設計画
電力・再生可能エネルギー大臣は 2014 年 4 月 4 日、1,300 万 kW 分の石炭火力発電所を 2027 年までに建設するという計画を発表した。これまで、エジプトでは石炭火力発電所の建設が認められていなかった。第一号となる石炭火力発電所は、2022 年までに建設される計画になっている。電力省は発電所サイト 3 カ所を選定している。 印刷用PDF
2014.04.04
英国:英国政府、ソーラー戦略を発表、今後 10 年で 2,000 万 kW へ
英国政府は 2014 年 4 月 4 日、新たなソーラー戦略を発表し、今後 10 年間で太陽光の導入量を現在の 270 万 kW から 2,000 万 kW へ増加させる方針を示した。EU は英国に対して、2020 年までに最終エネルギー消費量に占める再エネ比率を 15%へ引き上げることを義務付けている。現在、英国の太陽光は、一般家庭での発電が大部分を占めているが、政府主導の新しい太陽光導入計画では、中規模の商業・産業用建物の屋根や屋上にも太陽光パネルを設置していくことが示されている。政府はこの新計画により、政府所有の建物分のみでさらに 100 万 kW が上乗せされると概算している。今後、政府はこの目標の達成に向け、制度面の改善や設備の低コスト化を含め、あらゆる方策を探っていくとしている。 印刷用PDF
2014.04.04
ドイツ:家庭用電気料金、過去 10 年間で 60%上昇
ドイツのエネルギー・通信分野の消費者ポータルサイト Verivox は 2014 年 4 月 4 日、家庭用需要家(年間電力使用量を 4,000kWh とするモデル世帯の場合)の電気料金(年間)が 2004 年の 712 ユーロから 2014 年は 1,136 ユーロと約 60%上昇したことを明らかにした。値上がりの原因は公租公課や賦課金等の増加が挙げられている。電気料金に占める公租公課の割合は 2004 年時点で約 39%であったが、2014 年は約 53%となった。特に、再生可能エネルギー法(EEG)に基づく再エネ支援費用(サーチャージ料金)は 2004 年時点で年間支払額は 22 ユーロであったが、2014 年の年間支払額は 250 ユーロに上昇している。 印刷用PDF

ページトップへ