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最新情報 - 2021 年度

海外電力調査会が収集した世界各地の電気事業情報を、エリア別、項目別にフィルタリングできます。各年度毎の表示となります。

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2021年度

2021.05.29
韓国:新古里4号機、火災発生で稼働停止
2021年5月29日付の現地紙によると、同日午前9時28分頃、蔚山市蔚州郡の新古里原子力発電所4号機(140万kW)のタービンで火災が発生し、自動停止した。1時間後の午前10時29分頃には火が消し止められ、火災による放射能の漏出は回避されたと見られる。原子力安全委員会は、タービンが停止した原因について「発電機に付属する機器(励磁機)の火災」と推定しているが、調査団を現地へ派遣して正確な火災原因を調査し、再発防止策を運転者の韓国水力原子力発電に確認するとしている。同号機は2019年8月に運開し、UAEに輸出したAPR1400と同じ炉型である。
2021.05.28
ノルウェー・ドイツ:ノルウェーとドイツを結ぶ国際連系線が運用開始
エネルギー情報誌は2021年5月28日、ノルウェーとドイツを結ぶ国際連系線の運用開始に伴うセレモニーが、両国首相が参加してオンラインで開催されたと報じた。NordLinkと呼ばれる送電線は長さ623km、送電容量140万kWの直流送電線で、交流変換後にノルウェー、ドイツの電力系統と接続する。本事業はノルウェーのTSOであるStatnett SFが50%出資し、残りの50%はドイツとオランダで送電事業を行うTenneTとドイツの開発銀行KfWのJVが出資している。NordLinkの運用開始により、水力が豊富なノルウェーと風力発電が多いドイツ北部を連系することになり、再生可能エネルギーの活用が促進されることになる。ノルウェーはオランダと70万kWの連系線と、デンマークとは4本の連系線(合計容量170万kW)と接続しており、2021年後半には英国とも接続する予定である。StatnettのHilde Tonne CEOは、今回の送電線接続により、我々は欧州における再エネのハブとなり、さらに洋上風力の活用が可能になると話している。
2021.05.26
フランス:Total、水素モビリティ事業会社Hysetcoの株式20%を取得
フランスの石油大手Totalは2021年5月26日、トヨタ自動車、パリの電気タクシー会社STEP、産業ガス製造会社Air Liquide、投資会社Kourosが出資するフランスの水素モビリティ事業会社Hysetcoの株式20%を取得したことを発表した。取得金額は明らかにされていない。同社は2015年に設立され、フランスのパリを含むイル・ド・フランス地域圏において「Hype」というブランドの水素タクシーや水素ステーション等を運営している。同社はパリ市内で約700台のタクシーを保有しており、現時点ではその多くはディーゼル車であるが、これらをパリ五輪が開催される2024年までにすべて水素自動車へ入れ替えることを計画している。Totalは今回の出資を通じて水素モビリティを加速していくとしており、具体的には、自社が保有するサービスステーション内にHysetcoの水素ステーションを設置するなどして水素供給インフラの拡充を図るとしている。
2021.05.26
米国:NERC、2021年夏季は一部の地域で電力不足のリスクがあると警告
北米電力信頼度協議会(NERC)は2021年5月26日、2021年夏季信頼度評価(2021 Summer Reliability Assessment)を発表した。本レポートにてNERCは今夏(6~9月)、米国西部、テキサス州、ニューイングランド地域、および中西部の一部地域において、電力不足が発生するリスクが高まっていると警告している。中でもカリフォルニア州は、ピーク需要発生時や太陽光発電の出力が低下する夕方の時間帯は電力不足のリスクが高いとしている。また、風力発電設備が大量に導入されているテキサス州では、風力出力が低下する時間帯の供給力確保が必要であると指摘している。このほかニューイングランド地域およびMISO管轄エリア(米中西部)は、ピーク需要に対して十分な予備力を確保しているが、異常気象が発生した場合は、周辺地域からの電力融通が必要になる可能性があるとしている。
2021.05.24
米国:天然ガス火力の発電電力量が減少
米国エネルギー情報局(EIA)は2021年5月24日、2021年1~4月の天然ガス火力による発電電力量を公表し、2020年の同時期と比較して7%の減少となった。冬場が低気温であったことから同時期の米国全体の発電電力量は6.6%の増加となったものの、天然ガス価格の上昇と再エネとの価格競争激化により、天然ガス火力の発電電力量は2017年以来の減少となった。一方、2020年春からの天然ガス生産量減少と冬場の低気温により、この期間の天然ガス価格は2.83ドル/MMBtu(ヘンリーハブ価格)と上昇したため、相対的に石炭火力の競争力が高まったことで、石炭火力は同時期で前年比40%の増加となった。EIAは天然ガス火力による発電電力量の減少は2022年まで続くとし、2021年全体では対前年比9.1%の減少、2022年はさらに0.7%の減少を予測している。
2021.05.21
パキスタン:カラチ原子力発電所2号機、商業運転を開始
パキスタンのイムラン・カーン首相は2021年5月21日、カラチ原子力発電所2号機(110万kW)の商業運転開始を公式に発表した。同号機は中国が開発した「華龍1号」型(HPR1000)原子炉で中国国外向けの初号機であり、中国核工業集団有限公司(CNNC)が建設にあたってきた。発表はパキスタンと中国を通信回線で結んで開催された両国の外交関係樹立70周年式典で行われ、カーン首相は中国との関係強化にも言及した。同発電所では同型の3号機(110万kW)が建設中であり、パキスタン原子力委員会は2022年初め頃には発電を開始できるとの見方を示している。
2021.05.21
中国:各省別の2021年のRPS目標を発表
国家発展改革委員会(NDRC)と国家能源局は2021年5月21日、同年における各省別の年間消費電力に占める再エネ発電電力の消費義務比率(再エネ消費割合基準=RPSに相当)を公表した。消費義務比率は「再エネ発電全体」、「水力以外の再エネ発電」の2項目に分けられ、それぞれ「最低値」、「奨励値」という数値目標が提示されている。これは、水力資源の賦存が乏しい地域に対する配慮とともに、水力資源が豊富な地域に対しては、水力以外の再エネ電力の普及を促す目的があるものとみられている。各省は電力市場取引による目標達成も可能で、最低値を達成した省にはインセンティブが与えられる。
2021.05.20
中国:全国大の炭素排出権取引開始に向け詳細規定を発表
現地紙は2021年5月20日、生態環境部(日本の環境省に相当)が全国大の炭素排出権取引に関する詳細規定を発表したと報じた。中国政府は2021年から全国大での炭素排出権取引を開始する予定であり、同年2月にはそのベースとなる「全国炭素排出権取引管理規則(試行版)」が施行されている。今回、制定された詳細規則は、「登録管理規則(試行)」、「取引管理規則(試行)」、「決済管理規則(試行)」の3規則である。生態環境部は3規則の発表とあわせて、取引機関および登録機関が設立されるまでの当面の期間、取引は上海環境エネルギー取引所が、登録は湖北炭素排出権取引センターが代行することも示した。これら詳細規定の完成を踏まえて、生態環境部は2021年5月26日、全国大の排出権取引を6月末までに開始する意向を明らかにしたと現地有力紙は報じている。
2021.05.20
米国:カリフォルニア州、ライドシェア事業者にEV導入を義務付ける規則を承認
カリフォルニア州大気資源局(CARB)は2021年5月20日、UberやLyftなどのライドシェア事業者に対し、電気自動車(EV)の導入を義務付ける米国初の規則「クリーンマイル基準(Clean Miles Standard)」を承認した。規則は、交通機関からの二酸化炭素の排出量を減らすための施策の実施を定めた州法(SB1014、2018年制定)に基づき導入された。ライドシェア事業者は総走行距離に占めるEV走行分の割合を、実施初年度の2023年に2%、2030年には90%と段階的に引き上げていく必要がある。すでにUberやLyftは将来、米国内のすべての車両をEVに切り替えることを表明している。
2021.05.19
中国・ロシア:VVER-1200の2サイト同時着工セレモニーに中ロ首脳が参加
中国政府は2021年5月19日、習近平国家主席とロシアのプーチン大統領がロシア型VVER-1200型原子炉(120万kW)を採用する田湾原子力発電所(江蘇省、連雲港市)7、8号機と徐大堡原子力発電所(遼寧省、葫蘆島市)3、4号機のオンライン着工セレモニーに参加したと明らかにした。習氏は、品質の高い原子力発電開発を継続する前提条件は安全第一との方針を強調した上で、技術革新やデジタル化と融合した原子力利用は、環境保護、気候変動などの分野で期待され、ロシアとの戦略的協力の下、両国による低炭素プロジェクトの推進は、グローバルな持続可能開発目標達成の上で建設的役割を果たすとコメントした。プーチン大統領は、両国の善隣友好協力条約調印20周年を迎え、原子力の平和利用はカーボンニュートラルという気候変動目標の対応策でもあり、中国と協力してプロジェクトの建設を円滑かつ安全に進めることに自信を持つと強調した。
2021.05.18
フランス:Engie、2045年カーボンニュートラル他中長期目標を発表
エネルギー大手Engieは2021年5月18日、同年2月に示された予定通りに同社の中長期的な戦略ロードマップならびに今後3年間(2021~2023年)の経営目標・活動計画について発表した。まず、大きな方向性として2045年までのカーボンニュートラル達成や、シンプルかつ効率的な組織を目指し現在25ある事業部門を4つに集約すること、顧客ソリューション部門を分社しマルチテクニカルサービス分野(空調・電気設備関連工事、建物改修、ファシリテーションマネージメント等)のリーディングカンパニーBrightを新設すること、再エネの年間導入目標を現在の平均300万kWから2022~2025年には400万kW、2026~2030年には600万kWと大幅に引き上げること等の目標が掲げられるとともに、今後3年間の具体的な目標としては、90億~100億ユーロ(1ユーロ=約130円)の資産売却、150億~160億ユーロの設備投資(再エネとネットワークが約70~80%を占める)、業務の効率化による6億ユーロのEBIT増等が示された。さらに、同社は未来のエネルギーのフロントランナーを目指すとして、2030年までに400万kWのグリーン水素製造設備導入をはじめ、ネットワークからモビリティまで広範囲の水素関連の事業開発も進める構えである。
2021.05.18
米国:気候変動担当補佐官、再エネ拡大には既設原子力運転継続が不可欠と説明
米国マッカーシー気候変動担当大統領補佐官は2021年5月18日、コロンビア大学主催の会議において、「再エネを今後さらに拡大するための現実的な方向性を見定めるには時間が必要であり、環境・安全性能が認められている限り、重要なベースロード電源である既設原子力発電所を継続して活用していくことが必要不可欠である」と述べた。気候変動担当の大統領補佐官と大統領特使は、2021年1月のバイデン政権発足で新たにホワイトハウスに設けられたポストである。気候変動対策の諸課題について、マッカーシー補佐官が国内担当、元国務長官のケリー特使が外交担当として主導している。同補佐官の上記発言は、2021年5月6日にエネルギー省(DOE)のグランホルム長官が、既設原子力発電所に対する連邦政府による支援策検討を表明したことに関する質問への回答としてなされたものである。
2021.05.17
フィンランド:TVO、オルキルオト3号機の完工条件でアレバ側と合意
フィンランド電力大手TVOは2021年5月17日、オルキルオト原子力発電所3号機(EPR、172万kW)建設プロジェクトの完工条件について、アレバ・シーメンスのコンソーシアムと合意に達したと発表した。同号機は2021年3月に燃料装荷を完了しており、2021年10月に送電網に接続、2022年2月に商業運転を開始する予定である。今回の合意では「アレバが(建設費用として)約6億ユーロ(約800億円)を補填する」、「2021年7月から2022年2月末までに生じた費用はそれぞれが自己負担する」、「2022年2月末までに完工しない場合は、コンソーシアが遅延日数に応じた遅延補償金をTVOに支払う」としている。TVOによると、2021年5月末までに最終合意書が締結される予定で、その後、合意書の発効には一定の条件が満たされる必要があるとしている。同号機の建設は2005年より固定価格でのターンキー契約に基づき進められているが、建設遅延とコスト超過に関してTVOとコンソーシアム間で訴訟に発展し、2018年に「コンソーシアムが建設の遅延補償金として4億5,000万ユーロ(約600億円)をTVOに支払う」等の和解が成立していた。
2021.05.14
台湾:経済部、輪番停電のきっかけはヒューマンエラーと発表
現地紙は、電気事業を管轄する経済部が2021年5月14日午後に記者会見を開催し、13日の輪番停電の原因となった台湾電力の変電所トラブルは、同社職員のヒューマンエラーであると発表したと報じた。記者会見の席上で経済部の王部長は今回のトラブルについて、南部・高雄市の変電所で台湾電力の職員がスイッチを間違えたために発生したとの初期調査結果を明らかにした。また、台湾電力は停電の影響を受けた需要家への補償金について、その総額が当初の予想である2億台湾ドル(約7億円)から4億7,000万台湾ドル(約16億5,000万円)に膨らむとの見通しを明らかにした。補償金支払いは、需要家の電気料金請求額から差し引く形で行われる予定である。
2021.05.14
アジア:アジア開発銀行、原子力発電開発には融資しないとの政策文書案発表
2021年5月14日付の報道によると、アジア開発銀行(ADB)は、原子力発電には融資しないとする政策文書のドラフトを発表した。「アジア太平洋における低炭素移行支援に関するエネルギー政策」と題するドラフト文書では、「原子力発電は、低炭素ベースロード電力を供給できるが、社会的受容性、核拡散リスク、廃棄物管理、安全性の問題、高い投資コスト、長期にわたる準備・建設期間など、多くの障壁に直面している」とし、「同障壁の結果、ADBがこの技術を支援することを途上国の加盟諸国から強く求められていない」と結んでいる。
2021.05.14
ポーランド:エネルギー法改正、需要家保護、スマートメーター導入促進へ
気候省は2021年5月14日、上院でエネルギー法改正案が可決されたことを明らかにした。同改正法では、電力、ガス、熱供給における需要家保護が優先されることが明記された他、エネルギー貯蔵の開発、分散型エネルギーと再生可能エネルギー源の開発のための包括的な解決策をもたらすことを目的としている。また、配電事業者に対して、2028年末までに最終需要家の80%にスマートメーターを設置するという目標も記載された。クルティカ気候相は、1,300万人の最終需要家に対してスマートメーターを設置する場合の経済的利益は、15年間で約113億ズロチ(約3,400億円)に達するという試算があり、導入コストよりもメリットが高いことを説明している。今後、ポーランドでは再エネ導入量を増やすため、最終需要家(プロシューマ)の役割に期待が寄せられており、EU内でも遅れてきたスマートメーター導入が必須とされている。
2021.05.14
ドイツ:Uniper、石炭火力発電所Datteln4号機の廃止前倒し検討を公表
2021年5月14日付のエネルギー情報誌によると、ドイツのエネルギー事業者Uniperは連邦政府が脱石炭期限に設定している2038年よりも前倒しで同社の石炭火力発電所Datteln 4号機(発電設備容量110万kW)の廃止を検討することを公表した。同機は地域の反対等で着工・建設が遅れ、当初の運開予定から約10年遅れで2020年5月に運開したばかりの石炭火力発電所であり、同国最後の石炭火力発電所と称される。同社CEOのMaubach氏によると、「新政権が脱石炭加速を望む場合、利害関係の公平なバランス模索に向け、我々はいつでも議論に応じる準備がある」と、緑の党の政権入りが濃厚であることなどを受け、廃止前倒し検討に応じる姿勢を示している。ドイツ政府は2021年5月12日、気候保護法を改正し、カーボンニュートラル達成期限を5年前倒して2045年とすること、また、2030年の1990年比GHG削減目標を55%から65%に引き上げ、さらに2040年のGHG削減目標を88%に新たに設定することを閣議決定した。気候関連のシンクタンクE3Gによると、この2030年目標(65%)達成に脱石炭は不可避であり、事実上、脱石炭期限を2038年から2030年に前倒すことに相当する。
2021.05.13
英国:政府、エネルギー関連の世論調査結果を公開
ビジネス・エネルギー・産業戦略省(BEIS)は2021年5月13日、同省が四半期ごとに実施している世論調査の結果を公開した。今回の調査は、英国のエネルギー問題に関して国内の16歳以上、4,029人を対象に2021年3月、初となる完全オンライン形式で実施された。調査結果によると、気候変動問題に関しては80%が危機意識を持っていると回答した。エネルギー価格の高騰など、エネルギーセキュリティーについて懸念していると答えたのは82%であった。再エネ開発に関しては79%が支持すると回答、太陽光が84%と最も高く、続いて洋上風力76%、潮力・波力75%、陸上風力70%、バイオマス67%となった。原子力については38%が支持、17%が反対を示した。シェールガス開発に関しては23%が賛成、反対は36%であった。炭素回収・貯留技術(CCS)について65%が知っていると答え、知っていると答えた人のうち65%が開発を支持すると答えた。エネルギー小売のスイッチングについては71%(1年以内:26%、1年以上前45%)が行ったことがあると答えた一方、23%は一度も行ったことがないと回答した。
2021.05.12
米国:バイデン氏、サイバーセキュリティ強化の大統領令に署名
バイデン大統領は2021年5月12日、大手石油パイプライン(Colonial Pipeline)がサイバー攻撃を受けたことに鑑み、サイバーセキュリティ向上と連邦政府のネットワーク保護を目的とした大統領令に署名した。同大統領令は、サイバーセキュリティ対策の近代化、米国政府と民間企業間の情報共有の改善、およびサイバー事象発生時の対応能力の強化を目的とするもので、政府と民間企業が共同で議長を務める「サイバーセキュリティ安全審査委員会」(Cybersecurity Safety Review Board)を設置し、重大なサイバー事象が発生した場合には、事象の分析とサイバーセキュリティ向上のための提言を行うこととした。私営電気事業者の業界組織であるエジソン電気協会(EEI)は同日、同大統領令を支持する声明を発表した。
2021.05.12
米国:米国初の大規模洋上風力発電事業を連邦政府が承認
エネルギー情報誌は2021年5月12日、連邦政府が米国で初となる大規模洋上風力発電事業「Vineyard 1(発電出力:80万kW)」の実施計画を承認したと報じた。デンマークのCopenhagen Infrastructure PartnersとスペインのIberdrolaの米国子会社が共同で開発を進めてきた同事業は、マサチューセッツ州の入札で事業選定を受け、連邦政府の環境影響審査が進んでいた。しかし、トランプ前政権下で2019年8月、補完資料の提出を要請され、審査手続きが遅れていた。バイデン政権は2030年までに洋上風力3,000万kWの導入を目標とすることを明らかにし、連邦政府の審査手続きを迅速化することを約束している。一方で、漁業者団体は今回の事業承認を受けて声明を発表し、これまでヒアリングなどで要望してきた環境への影響を抑制するための方策がほとんど反映されていないとして、環境審査を実施した海洋エネルギー監督局(BOEM)を批判している。
2021.05.11
ベトナム:出力抑制により民間再エネ発電事業者の経営が悪化
2021年5月11日付の現地紙によると、ベトナムで系統安定を理由とする電源の出力抑制により、民間の再エネ発電事業者の経営が悪化しており、今後もその傾向が継続する見通しである。一例としてシンガポール系企業のSinergy社は、総出力の20%減で運用していると述べている。2021年1~4月に出力抑制された再エネ(太陽光・風力)電力量は計4億7,000万kWhにのぼり、年末までに計17億kWhに膨らむ見通しである。ベトナム国内における太陽光発電の導入量は2021年5月時点で総発電設備の30%(約1,700万kW)を占め、正午の総発電電力量の40~60%に相当する。
2021.05.08
中国:電力スポット取引市場の第2次パイロット実施省を選定
現地紙は2021年5月8日、政府当局が電力スポット取引市場の第2次パイロット実施省を選定したと報じた。それによると、国家発展改革委員会と国家能源局は2021年4月26日付で「電力スポット市場パイロットの更なる取組みに関する通知」(第336号)を発行、その中で上海、江蘇、安徽、遼寧、河南、湖北の各市・省をスポット市場の第2次パイロット実施省(直轄市)とすることを示した。中国政府は2017年8月に第1次パイロット実施省として広東省、山東省など8省を指定している。今回の通知では、上海市、江蘇省、安徽省に対して、長江デルタ地域としての連携強化を求めるなど、広範な市場形成も視野に置かれている。
2021.05.06
フランス:EDF、新型EPR建設に係るFS報告書を政府に提出
2021年5月6日付の報道によると、大手エネルギー企業EDFのレヴィ会長がフランス政府に対し、新型EPR原子炉(EPR2)6基の建設に係るFS報告書を提出した。同報告書は、政府が原子炉新設要否の判断材料の一つとしてEDFに提出を求めたものである。政府は2023年に予定されているフラマンビル原子力発電所3号機(EPR、約163万kW)の運転開始以降に新設要否の判断を下すとしている。EPR2は、EDFが開発を進めているEPRの改良版であり、設計の簡素化、建設工法の改善、設備の標準化等を図っている。
2021.05.05
ドイツ:連邦政府、温室効果ガス排出削減目標を引き上げる方針
2021年5月5日付の報道によると、連邦政府は気候保護法を修正し、温室効果ガス削減目標を引き上げる方針である。2030年の温室効果ガス排出削減目標を現在定められている1990年比55%から65%に引き上げ、2040年までに88%とした上で、さらにカーボンニュートラル達成を2050年から2045年に前倒しするとしている。2021年3月24日に連邦憲法裁判所は、現行法は不十分であり、2030年以降の温室効果ガス排出削減目標について詳細を明らかにする必要があるとの判断を下していた。
2021.04.29
米国:イリノイ州知事、原子力発電所への支援法案を発表
イリノイ州のプリツカー知事(民主党)は2021年4月29日、エクセロン社が同州内で運営し、2021年中に早期閉鎖する方針を示しているバイロン、ドレスデン両原子力発電所に対し、期間を区切り補助金を支払うことを含む法案「Consumers and Climate First Act」を発表した。本法案は2050年までに州内のエネルギーを100%クリーンなものとすることを目標としており、原子力をそのための手段として位置付けている。法案に「(補助金の支払いは)短期間で、かつ必要性が明確に証明されたものに対してでなければならない」と明記し、発電所の財務状況を確認するための独立監査を毎年受けることを条件に、2021年から2025年の間、バイロン発電所には1kWh当たり0.001ドル(年間換算で約1,900万ドル)、ドレスデン発電所には同0.0035ドル(同5,200万ドル)の補助金をエクセロン社に支払う内容となっている。
2021.04.27
中国:南方電網、2025年までにEV用充電インフラに4000億円の投資を予定
国有大手送配電事業者である南方電網有限責任公司は2021年4月27日、2025年までに電気自動車(EV)用充電インフラ向けに、M&Aを含めて251億元(約4,016億円)を投じる計画を発表した。同社はすでに充電スタンドは2020年度に1万3,000基を新設し、年度末時点で4万2,000基を所有しているが、今回の計画では2025年度末までに10倍近くに及ぶ38万基の新設を謳っている。
2021.04.27
韓国:政府、中長期天然ガス需給計画を改定
産業通商資源部(日本の経済産業省に相当)は2021年4月27日、天然ガスの中長期計画である「第14次長期天然ガス需給計画(2021~2034年)」を発表した。同計画は、都市ガス事業法に基づき2年ごとに策定が求められているが、同計画の更新は2018年4月以来で、電力需給計画と同様に2034年までを対象としている。今回の計画では、総天然ガス需要は基準ケースで2021年の4,559万tから2034年に5,253万tに達し、そのうち、発電用ガス需要は2,001万tから2,088万t(期間は同上)と総需要よりやや低い伸びが予想されている。需要増を踏まえて、西部の忠清南道・タンジン市に2025年の運開を目指して新規LNG受入基地の建設が計画されているが、その貯蔵容量の50%は競争促進の観点から、韓国ガス公社を通さない直接取引への優先的な割り当てについても触れられている。
2021.04.27
米国:ニュージャージー州、原子力発電所への支援策を3年間延長
ニュージャージー州の公益事業委員会(NJBPU)は2021年4月27日、州内で運転中のすべての原子力発電プラントに対して2022年まで適用することにしている「ゼロエミッション証書(ZEC)」を3年間延長することを承認したと発表した。ゼロエミッション電源としての対価を電気料金の中から受け取るこの制度は、セーラム1、2号機(PWR)とホープクリーク(BWR)の3基を対象に、2019年4月18日から2022年5月末まで適用されることとなっていた。今回承認された期間は2022年6月1日から2025年5月末であり、補助内容は現在と同じく、発電電力1kWh当たり0.004ドルで1基当たり年間最大約1億ドルの補助金が支払われる。3基を運営するPSEG社は同日、自社のホームページ上で、「NJBPUが全会一致で州最大のカーボンフリー電源を支援することを決定したことに満足している」とのコメントを発表した。
2021.04.23
中国:2大送配電事業者間の新規連系プロジェクトを着工
中国の2大送配電事業者である国家電網有限公司と南方電網責任有限公司は2021年4月23日、福建省と広東省における両社500kV基幹系統のBack To Back連系設備の着工式を開催した。この連系プロジェクトは新規500kV交流2回線(延長303km)と福建省に建設される交直変換所などで構成され、総投資額は32億元(約510億円)であり、2022年度中の運開を目標としている。プロジェクトの送電容量は200万kWであり、完成後の両社系統間の連系容量は、既存部分を含め500万kWに増加する。
2021.04.22
中国:習主席、気候変動サミットで環境政策について演説
中国政府は2021年4月22日、気候変動サミット(Leaders’ Summit on Climate、米国でオンライン開催)における習近平国家主席の演説内容を公表した。習氏は地球環境問題への対応が前例のない困難に直面しているとして、国際的に積極的な行動を取り、責任を持って人間と自然の共同体を構築するための協力が必要であると呼びかけた。さらに、自らが2020年に宣言した気候変動目標達成に向けて中国政府が現在、行動計画を策定中であり、地方政府や企業による目標の前倒し達成向けて支援を行っていく方針であることを明らかにするとともに、現行の5カ年計画(第14次五カ年計画:2021~2025年)期間中に石炭火力発電量の伸びに厳しい制約をかけ、次期5カ年計画(第15次五カ年計画:2026~2030年)にはそれを減少に転じさせるという新たな目標を示した。
2021.04.22
米国: 2030年までにGHG排出量半減の目標を発表
バイデン大統領は2021年4月22日、米国主催のオンラインで開いた「気候変動サミット」の中で、2030年までに米国の温室効果ガス(GHG)排出量を50~52%削減(2005年比)する目標を発表した。同目標は2050年のGHG排出実質ゼロを実現するための中間目標であり、米国のパリ協定復帰後の新たな国別削減目標(NDC)として、国連気候変動枠組条約(UNFCCC)事務局へ正式に提出する。パリ協定離脱前のオバマ政権下では、2025年までに26~28%削減(2005年比)としていた。私営電気事業者の業界団体であるエジソン電気協会(EEI)は「EEIの会員企業は、顧客が重視する信頼性や電気料金を損なうことなく、より多くのクリーンエネルギーをできる限り早く提供することに取り組んでいる。バイデン政権や議会と協力することで、クリーンなエネルギーへの転換とそれを取り入れた経済社会の実現に向け、最も効率的、安価、かつ信頼性の高い道筋をつけることできると期待する」との声明を出した。
2021.04.21
EU:2030年GHG排出量を55%減とすることで非公式合意
欧州議会およびEU理事会は2021年4月21日、EUの気候変動対策目標等を定めるEU気候法案について代表者間で合意に達したと発表した。同法案は、EUが2050年までにカーボンニュートラル(CO2排出実質ゼロ)を目指すこと、および2030年のGHG排出量を1990年に比べて少なくとも55%削減すること等を規定している。現在のEUの2030年GHG排出削減目標は1990年比40%削減であり、この目標値引き上げが合意された。2030年のGHG削減目標に関しては森林等によるCO2吸収量も算入されるが、排出量自体の削減を促すため算入量に上限が設定される一方で、CO2吸収量拡大に向けた施策は推進するため、実質的には1990年比57%の削減が実現される見通しとなる。この他、GHG削減状況を監督するための独立科学諮問委員会を設置することや、2050年カーボンニュートラル達成に向けた産業別のロードマップ策定を推進すること、2023年に予定されるパリ協定に基づく全世界の実施状況確認後にEUの2040年目標を提案すること、2050年以降はカーボンネガティブ(CO2排出実質マイナス)に取り組むことなども合意された。同法案は今後、欧州議会、EU理事会の採択を経て成立する見通しである。
2021.04.21
米国:全米12州知事、バイデン大統領に2035年までのガソリン車販売禁止を要請
カリフォルニア州をはじめとする米12州知事は2021年4月21日、2035年までに温室効果ガスを排出する新車販売の禁止を求める書簡をバイデン大統領に提出した。知事らは書簡で、2035年までにすべての乗用車と小型トラックの新車をゼロエミッション車にするための基準設定、および進捗状況を監視するための中間目標の設定を要請している。また、2045年までにすべての中型車および大型車の新車販売をゼロエミッション車にするための基準設定とインセンティブの付与を求めた。この書簡に対して、民主党から11知事(メイン州、ロードアイランド州、コネチカット州、ニューヨーク州、ニュージャージー州、ノースカロライナ州、ニューメキシコ州、ワシントン州、オレゴン州、カリフォルニア州、ハワイ州)、共和党から1知事(マサチューセッツ州)が署名した。
2021.04.20
韓国:2021年10月からRPS義務供給比率が25%に上方修正
産業通商資源部(MOTIE、日本の経済産業省に相当)は2021年4月20日、再エネ利用基準(RPS)を上方修正した「新エネルギーと再生可能エネルギーの開発・利用・普及促進法」の一部改正法を公布した。同法改正により、RPSは現行の10%から25%に引き上げられるが、RPSの変更は、2012年の設定以来9年ぶりである。同法改正は、10月21日から施行される。
2021.04.20
オランダ:Uniper、オランダ政府の石炭火力段階的廃止法に対し提訴を示唆
2021年4月20日付のエネルギー情報誌によると、ドイツのエネルギー企業Uniperは、オランダ政府の2030年石炭発電廃止政策が企業に対して十分な補償を手当していないとして、エネルギー憲章条約(Energy Charter Treaty)に基づく国際仲裁手続きを行うことを示唆した。手続きが実行されれば、ドイツのエネルギー企業RWEがオランダ政府に対して行った同年2月の提訴に続き2例目となる。廃止政策の対象となるUniperの設備は2016年に運転開始したMaasvlakte3であり、40年間の稼働期間を前提としていた。廃止政策が可決された2019年12月当時、Uniperは「円満な解決策」を求めて政府へ書簡を送り、合意に至らなければ国際仲裁手続きの手段もあり得るとコメントしていた。
2021.04.20
英国:政府、第6期カーボン・バジェットの草案発表、2035年78%削減目標
英国政府は2021年4月20日、第6期カーボン・バジェット(2033~2037年)における温室効果ガス(GHG)排出削減量の草案を発表した。これによると、政府は諮問機関である気候変動委員会(CCC)の2020年12月の提案に沿い、2035年までに1990年比78%の排出削減を目標として定める方針で、2033~2037年における総排出量を9億6,500万トン(CO2換算)に抑える。政府は発表翌日(4月21日)にこの削減目標を法案として国会に提出しており、2021年6月までの成立を目指すとしている。
2021.04.19
スペイン:2050年カーボンニュートラル目標を含む気候変動法が成立
地元紙は2021年4月19日、気候変動法が下院を通過し、成立する見通しとなったと報じた。今後上院で審議されるが、成立はほぼ確実である。主な内容は2050年にカーボンニュートラルの達成、および達成のための中間目標などである。これらの目標は達成状況などにより5年ごとに見直すことになる。具体的には、2030年の温室効果ガス排出削減目標は23%、最終エネルギー消費に対する再生可能エネルギーの比率は最低42%(現状は20%)、電力供給における再エネ比率は現状の約40%を少なくとも74%まで拡大すると謳っている。また、2040年にはガソリンエンジンなど内燃機関による自動車の販売を禁止し、一定の人口を持つ自治体にはEV充電装置の整備など持続可能な運輸計画の策定を義務付けている。
2021.04.14
中国:2021年第1四半期の電力消費は前年比で大幅増加
国家能源局(NEA)は2021年4月14日、同年1~3月期の電力消費データを発表した。電力消費量は1兆9,219億kWh(うち3月は6,631億kW)で、2020年同期比で21.2%増(うち3月は19.4%増)となった。2020年1~3月期は新型コロナの影響で前年同期比マイナス6.5%と落ち込んでおり、今回は経済活動の本格回復によるものと見られる。分野別では、第1次産業、第2次産業、第3次産業および民生分野における電力消費量は2020年同期比でそれぞれ、26.4%、24.1%、28.2%、4.7%といずれも増加した。
2021.04.14
米国:テキサス州、2021年2月に続き電力需給が逼迫
テキサス州の独立系統運用事業者であるERCOTは2021年4月14日午後、同日夕方から夜にかけて需要が供給を上回ると予測されたため、需要家に対し節電を呼び掛けた。前日13日にも需給が逼迫し、電力価格は午後5時時点で一時的に2ドル(約220円)/kWh近くまで高騰した。しかし、14日は約4時間にわたる節電要請に需要家が応えたこともあり、電力価格は0.8ドル(約90円)/kWh程度に留まった上、同日午後9時に節電要請は解除された。翌15日も予備力低下が見込まれたが、節電の呼び掛けは見送られている。テキサス州は2021年2月にも寒波の影響で電力価格が高騰し、輪番停電が実施された。
2021.04.13
中国・ラオス:南方電網系企業、国際鉄道のラオス側区域への電力供給で契約
中国の送配電事業者大手である南方電網有限責任公司は2021年4月13日、同社傘下の南方電網雲南国際公司とラオス電力公社(EDL)との合弁企業であるラオス中国電力投資公司が、ラオス政府との間で中国・ラオス鉄道(China-Laos Railway)のラオス側区域への電力供給における特定事業権契約を9日付で締結したと発表した。南方電網は、両国の外交関係樹立60周年にあたって、両国の電力分野における相互協力を促進する一歩であると述べている。
2021.04.13
米国:DOE長官、クリーンエネルギー基準にインセンティブの組み込みを検討
エネルギー省(DOE)のグランホルム長官は2021年4月13日、バイデン政権が電気事業者に脱炭素電源を促すために連邦大で導入を検討しているクリーンエネルギー基準(CES:Clean Energy Standard)に、各州の目標達成を促すインセンティブを盛り込むことも考えられると述べた。バイデン大統領は2兆ドル規模のインフラ計画「米国雇用計画(American Jobs Plan)」の中でCESを提案しており、2022会計年度の予算案で、CESを支援するためにDOEの取り組みに19億ドルを要求した。民主党は、上院においてフィリバスター(法案に反対する議員から議事妨害)を受けることなく単純過半数(100議席中51議席以上)で可決できる財政調整措置をインフラ計画法案に適用することも検討している。同長官は「(上院で)CESが通過できるか、まだ分からない」としたうえで、同様のインセンティブの例として、オバマ政権が導入した教育改革プログラム(連邦政府が掲げる教育政策に対して最善の実施計画を提案した州にインセンティブが付与される)を挙げた。
2021.04.21
中国・サウジアラビア:国家電網、サウジでスマートメーター大量設置完了
現地専門メディアは2021年4月12日、国有送配電大手の国家電網有限公司がサウジアラビア国内で行うスマートメーター500万台と関連システムの設置工事が3月30日までに完了したと報じた。このスマートメータープロジェクトは、サウジアラビアの経済改革長期計画である「ビジョン2030」においてスマートグリッドとスマートシティの構築を実現するための重要な項目と位置付けられており、国家電網有限公司傘下の中国電力技術装備有限公司がこれを請け負った。また、通信関係は中国の通信大手である中興通訊(ZTE)が技術協力を行っている。当該プロジェクトは、設備の約3割を現地生産調達という条件のもとで2019年12月に契約(金額約11億ドル)が締結され、2020年2月に着工していた。
2021.04.21
ロシア:政府、気候変動対策に向けた戦略プログラムの策定へ
ロシア連邦政府のノバク副首相は2021年4月12日、連邦エネルギー省との年次総括会合で、政府が「新たなエネルギー」と呼ばれる戦略プログラムの策定を準備していることを伝えた。同プログラムは、ロシアの燃料エネルギー部門における気候変動問題への対応を示すものとなる。ノバク副首相は、「我々は今日、温室効果ガス排出の問題、またCO2排出の観点から燃料エネルギー部門の効率向上という問題を抱えていることを理解しており、我々はこれに真剣に取り組み、戦略プログラム『新たなエネルギー』の中で複合的なアプローチをもってこれを検討しなければならない」と述べた。
2021.04.12
コロンビア:2050年に向けてカーボンニュートラルを目指す
エネルギー情報サイトは2021年4月12日、コロンビアの環境・持続可能な開発省(Minambiente)が2050年のカーボンニュートラルの実現に向けて、公的および民間部門、市民社会における温室効果ガス(GHG)削減への取り組みを開始したと報じた。その中にはスペイン資本の石油・ガス大手レプソルや公社系の送電会社ISAなどが含まれる。同国は2020年11月に国別削減目標(NDC)を更新し、2030年までにGHG排出量をBAU シナリオと比較して51%削減する目標を設定した。これは同国が掲げる2050年までにカーボンニュートラルを達成するという長期目標に則ったものである。当初のNDCでは2030年までに少なくとも20%削減という目標が掲げられていたが、国際社会からの協力や支援もあり、目標引き上げが可能になったとされる。また、2050年の長期目標の達成については、隣国パナマと協力して取り組むとしている。
2021.04.09
アイルランド:2025年に石炭火力を停止し、洋上風力発電製造拠点に転換
エネルギー情報誌は2021年4月9日、アイルランドの大手電力事業者ESBが最後の石炭火力発電所を2025年に停止し、跡地を洋上風力発電の設備建設に活用、グリーン水素製造も検討すると発表したことを報じた。アイルランドで最大のMoneypoint石炭火力発電所(発電出力合計:91万5,000kW)は1985~1987年に運転を開始し、ピーク時には同国の25%の電力を供給したが、アイルランド政府は2025年までにすべての石炭火力を停止する方針を明らかにしている。ESBは政府の方針に沿って石炭火力を停止するが、Moneypoint石炭火力発電所は石炭受け入れのため水深の深い港湾を有していることから、発電所跡地を浮体式洋上風力発電の建設拠点として整備する計画で、ノルウェーの石油メジャーEquinorと共同で140万kWの洋上風力を設置する予定である。また、グリーン水素製造の拠点として運輸部門や産業部門への水素供給も検討する。アイルランドではESBの他にもEDF、Iberdrola、Shell、Totalなど多くの事業者が洋上風力発電事業を検討中である。
2021.04.08
英国:ナショナル・グリッド、2021年夏季需要想定を発表
英国の系統運用者であるナショナル・グリッドESO(NGESO)は2021年4月8日、2021年夏季の電力需要想定を発表した。これによると、送電線への負荷想定から見積られる今夏の電力需要は、最大電力が3,210万kW、最小需要は1,720万kW(夜間)であり、2020年夏季の実観測値(最大:3,150万kW、最小:1,620万kW)よりは高めの見通しとなった。NGESOは、新型コロナ感染蔓延による影響は続くとしながらも、ロックダウン時においても経済活動が続けられる状況にあることから、2020年3~6月のロックダウン時のような急激な需要減少はほぼ発生しないとみている。
2021.04.07
米国:財務省、再エネ税制優遇等を含む税制改革案を発表
米国財務省は2021年4月7日、バイデン大統領が発表したインフラ投資計画「米国雇用計画(American Jobs Plan)」の財源を説明する「メイド・イン・アメリカ税制(Made in America Tax Plan)」報告書を発表した。現行の法人税制度について、企業が生産や利益を海外移転させてしまうインセンティブが含まれており、また法人税収の減少が、インフラ、技術開発、およびグリーンエネルギーへの投資を妨げていると指摘している。この対策として、法人税率の引き上げ(現行21%から28%)、大企業の利益への課税強化などのほか、化石燃料への補助金を廃止し、クリーンエネルギーへの税制優遇措置の拡大を挙げている。同省の試算では、同補助金の廃止により今後10年間で税収が350億ドル以上増加するとの予想が示されている。
2021.04.06
アラブ首長国連邦:バラカ1号機、営業運転を開始
アラブ首長国連邦(UAE)の原子力公社(ENEC)は2021年4月6日、バラカ原子力発電所1号機(韓国製APR1400、140万kW)が営業運転を開始したと発表した。同発電所の建設は2012年7月に開始され、同号機は2020年8月の起動と系統接続を経て同年12月に定格出力に達していた。
2021.04.06
米国:ERCOT、大寒波下で相次いだ発電機停止の原因を報告
テキサス電力信頼度協議会(ERCOT)は2021年4月6日、同年2月にテキサス州で大寒波の下での広域停電を招いた、最大5,000万kW超に及ぶ発電機の停止について、州規制当局へ報告した。報告によると停止の原因は、気象条件:54%、気象条件以外を原因とする設備障害:14%、燃料供給支障:12%、送電設備の喪失と系統周波数の低下:それぞれ2%、計画内停止:15%であった。気象条件による停止は、火力発電所の制御系ラインや水配管の凍結、風力発電のブレードへの着氷、および太陽光パネルへの積雪等が原因として挙げられているほか、その他の設備障害として、タービン振動や制御システムの不具合も発生している。燃料供給支障は、天然ガス供給圧力の低下、石炭の凍結によるものであった。
2021.04.05
米国:EIA、2020年の年間エネルギー消費量が前年比7%減少と発表
米国エネルギー情報局(EIA)は2021年4月5日、米国の2020年の年間エネルギー消費量が前年比で7%減少したと発表した。主に新型コロナの影響を受けたものであり、同局が1949年にデータ収集を開始して以来、過去最大の前年比下落率となる。部門別では、商業用:7%、工業用:5%、家庭用1%と軒並みの下落であった。また、暖冬の影響で暖房用エネルギー消費が減少したため、燃料はバイオマス:16%、石油:11%、天然ガス:7%の低下となった他、旅行規制が強化されたことによって運輸部門の石油使用量も減少し、この分野でもジェット燃料:38%、自動車用ガソリン:13%、ディーゼル:7%の下落を記録した。

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