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2013 年度

海外電力調査会が収集した世界各地の電気事業情報を、エリア別、項目別にフィルタリングできます。各年度毎の表示となります。

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2013年度

2014.03.27
米国:NRG 社が家庭用太陽光導入コンサル事業者を買収
大手 IPP 事業者である NRG 社は 2014 年 3 月 27 日、家庭用太陽光導入コンサルをてがけ「各地で、電力小売価格と太陽光発電コストが近づきつつあり、2~3 年の間に家庭用太陽光の導入が急速に進むと考えている。今回の買収は、RDS 社の事業内容や(米国北東部を中心とした)営業基盤が、この分野における我が社の成長戦略と一致したためである」とし、同じく成長を見込む米国北東部の家庭用電力小売市場におけるシナジー効果を狙う構えを見せた。なお、RDS 社は本社をニュージャージー州に残し、2014 年 4 月中に NRG Residential SolarSolutions というブランドの下で営業を開始する予定である。 印刷用PDF
2014.03.27
中国:陽江原子力発電所 1 号機、商業運転開始
2014 年 3 月 27 日付の報道によると、中国広核集団有限公司と陽江核電有限公司は広東省に建設している陽江原子力発電所の 1 号機が 2014 年 3 月 25 日に営業運転を開始したと発表した。これは、中国で運転される原子炉では 18 基目となる。同機は 3 月 18 日から全出力運転試験が行われていた。陽江1 号機は、2008 年 12 月に着工、2013 年 12 月 23 日に初臨界、12 月 31 日に系統に初連系された。中国広核集団有限公司によると、機器の国産化率は 83%としている。計画では、最終的に原子炉 6基が建設されることになっており、1~4 号機は CPR- 1000 加圧水型原子炉(単機容量 108 万 kW)、5、6 号機は ACPR -1000 加圧水型原子炉で、2018 年までに全機が運開することになっている。 印刷用PDF
2014.03.24
インドネシア:発電分野にオープンアクセス制度
エネルギー鉱物資源省(MEMR)は 2014 年 3 月 24 日、発電部門への民間資本の参入を加速するため、オープンアクセス制度を導入し、国営電力会社(PLN)の送電網を IPP など発電事業者に開放すると発表した。現在、制度設計が行っており、早ければ 2015 年初旬に導入するとしている。 印刷用PDF
2014.03.19
チリ:再エネ発電、2014 年末までに 150~180 万 kW
チリの再エネセンター(CER、エネルギー省所管)は 2014 年 3 月 19 日、再エネ発電について、2013年の導入実績と 2014 年の見通しを発表した。それによると、2014 年末時点の発電設備容量は 150~180kW になるとされている。2014 年年初の時点で稼働している発電設備容量は 135 万 kW(バイオマス 44 万 kW、風力 42 万 kW、小水力 34 万 kW、太陽光 15 万 kW)である。建設中のものは、計93 万 kW(風力 59 万 kW、太陽光 23 万 kW など)である。なお、2014 年 1~2 月の再エネによる発電電力量は 7 億 9,300 万 kWh で、主要系統区域における総発電電力量の約 7.1%を占めた。再エネ電源のエネルギー別比率は、バイオマス 50%、小水力 29%、風力 18%、太陽光 3%。 印刷用PDF
2014.03.18
米国:需要家を失いつつある小売事業者
2014 年 3 月 18 日付現地新聞報道によれば、コネチカット州の小売事業者(competitivepower suppliers)が、需要家を失いつつある。小売事業者から電力を購入する需要家は、過去 12 カ月で 8%の減少となった。規制当局(PURA)のデータによれば、小売事業者は、業界が最初に勢いを見せ始めた 2007 年の 4 万 9,521 軒から、コネチカット州のすべての電力需要家の半分に当たる 2013 年 2 月の 73 万 500 軒まで、その需要家基盤を大きく拡大した。今日では、64 社がコネチカット州の小売事業者として競っている。しかしその価格優位性は、卸電力価格が急騰するにしたがって過去数年で減少し、一方で小売事業者が需要家に加入時の安い料金でサインさせ、その後、電力価格高騰時に高い変動料金を適用するという小売事業者の戦術が明らかとなった。小売事業者から供給を受ける需要家は現在、消費者擁護局の報告によると、電気事業者料金に加えてプレミアムを支払っている。コネチカット・ライト&パワー社の管内の小売事業者の需要家は、9 月にデフォルト料金よりも3.19 セント/kWh 多く支払っており、ユナイテッド・イルミネイティング社の管内の小売事業者の需要家は 12 月に 3.41 セント/kWh 多く支払っていた。 印刷用PDF
2014.03.17
スペイン:欧州委員会、スペインの 2020 年再エネ目標(20%)達成を疑問視
2014 年 3 月 17 日付の現地紙は、EU のエッティンガー・エネルギー担当委員は「スペインは現行のままでは一次消費エネルギーに占める再エネ比率を 2020 年に 20%に引き上げるという EU の義務的目標を達成できないと思われ、欧州委員会はこうした問題を是正するための諸措置を講ずる権利を留保している」と指摘した、と報じている。欧州統計局のデータによれば 2012 年のスペインの再エネ比率は 14.3%であった。エッチンガー委員の指摘のきっかけとなったのはトレモサ欧州議会議員の質問で、同議員はコジェネ設備による電力の買取価格を過去に遡って 40%値下げし、300 万ユーロの売電収入の払い戻しを求めるとするソリア産業相の意図によってカタルーニャ州のコジェネ設備が全廃されることは問題として、政府の措置の合法性、およびそれによる再エネ比率達成への影響を問うた。これに対し、エッチンガー委員は「委員会はスペイン当局との対話を通じて同国の電力部門の改革を近くから見守っており、それによるコジェネと再エネの展開に対する影響を分析している」と文書で回答した。 印刷用PDF
2014.03.17
フランス:パリ市、大気汚染対策に公共交通機関無料化とマイカー規制実施
フランスは 2014 年 3 月 9 日から大西洋高気圧に安定的に覆われ、快晴無風状態が続いたため、大気の汚染が進み、同 13 日にはディーゼル車や暖房の排気ガスから大気に放出される粒子状物質 PM10 がパリ市を含む 30 を上回る県で危険とされる 1m3当りの浮遊量 80?(百万分の一グラム)を超えた。対策としてパリ市では緊急的に同 14 日~16 日の 3 日間、地下鉄、バスなどの公共交通機関を無料にしてマイカーの利用自粛を呼びかけたが、14 日も大気汚染は改善されなかったため、パリ市とパリ警察庁は、公共交通機関の無料化を 17 日も続けるとともに、新たに車の登録ナンバーによるパリ市内とその周辺市での運転とそれら地域への乗り入れ規制を発動した。具体的には 17 日が奇数日に当たるために、登録ナンバーの数字部分の 1 の桁が奇数の車のみが走行を許可され、市内に入る主要な道路には検問所が設けられ、違反車には 22 ユーロ(約 3,300 円)の罰金が科された。公共交通機関、緊急車両、タクシー、配達業務の車、電気およびハイブリッド車、3 人以上搭乗している車は対象外とされた。こうした規制は 1997 年に 2 日間連続で行われて以来である。普段の朝に比べて渋滞が少ないなどの効果を道路交通情報センターは伝えたが、16日より高気圧が移動して風が吹くなど天候の変化が見られたため、今後今回の運転・乗り入れ規制がどの程度大気汚染の改善に貢献したか、環境・エネルギー管理公社(Ademe)などが分析を行うことになる。 印刷用PDF
2014.03.12
中南米:エンデサ、2014 年に中南米地域で 14 億ユーロの設備投資を計画
スペインの大手エネルギー事業者エンデサ(イタリア・エネルの子会社)は 2014 年 3 月 12 日、2014~2018 年の経営戦略計画を発表した。この中で、中南米での設備投資額は 2014 年 14 億ユーロ、2016年 15 億ユーロとなっている。これはスペインとポルトガルでの投資額(2014 年:6 億ユーロ、2016年:8 億ユーロ)の 2 倍以上となる。需要電力については、2018 年まで年平均増加率を 4.2%と想定している。発電部門では、天然ガス発電所を建設し、発電コストを 2018 年までに 2013 年比 15%引き下げるとしており、チリとコロンビアに新たにガス火力発電所(計 83 万 kW)の建設が計画されている。配電部門では、ブラジルを重点国として中南米全体で顧客を年間約 40 万軒増やすとともに、1軒当たりの配電コストを 2018 年までに 2013 年比 6%引き下げるとしている。なお、エンデサは、チリ、ブラジル、コロンビア、ペルー、アルゼンチンの南米 5 カ国と中米諸国で事業を展開している。2013 年末時点で所有・運転する発電設備は約 1,600 万kW(スペイン・ポルトガルには 2,230 万kW)、2013 年の年間発電電力量は 619 億 kWh である(スペインとポルトガルでは、年間発電電力量 705億 kWh) 印刷用PDF
2014.03.12
インド:ジャンムー・カシミール州、超大型ソーラー発電所の開発に合意
2014 年 3 月 12 日付の報道によると、ジャンムー・カシミール州政府は、同州のラダックに総出力 500万 kW、カルギルに同 250 万 kW のソーラー発電所の建設計画について、中央政府の再生可能エネルギー省との間で合意に達し、覚書を結んだ。このような超大型のソーラー発電プロジェクトは「ソー」と呼ばれ、先行事例として、ラジャスタン州サンバール湖での総出力 400 万 kW の太陽光発電プロジェクト(2020 年までに運開予定)がある。 印刷用PDF
2014.03.11
ドイツ:暖冬などの影響で石炭火力発電量が激減
2014 年 3 月 11 日付の現地紙は、暖冬の影響で今冬のドイツの火力発電量は大幅に減少していると報じている。フラウエンホファー・ソーラーエネルギーシステム研究所がドイツ電力取引所(EEX)のデータをもとに算定した数値によると、暖冬による暖房需要の低下や風況・日照などの天候条件に恵まれて再エネ発電量が増加したことにより、昨年 12 月から今年 2 月までの褐炭火力、石炭火力、ガス火力の発電量は前年同期に比べそれぞれ 21億 kWh(-2.1%)、48 億 kWh(-15.2%)、42 億 kWh(-20.6%)減少した。これに対し、風力は 60 億 kWh(+43.5%)、太陽光は 17 億 kWh(+121.4%)の増加となった。卸電力価格の低下、脱原子力、洪水のように押し寄せる再エネ電力が原因でドイツの電力会社は創業以来最大の危機に見舞われているが、そうした逆境の中、これまで発電量をほぼ従来の水準に維持し、多少なりとも経営の支えとなってきた石炭火力発電量が今回後退したことは、再エネの追加的な導入が電力会社にとって新たな強い痛みをもたらすものであることを示唆している、と現地紙はコメントしている。 印刷用PDF
2014.03.10
欧州:2012 年における EU 最終エネルギー消費に占める再エネの割合は 14.1%
欧州統計局は 2014 年 3 月 10 日、2012 年における EU 加盟各国の再生可能エネルギー導入状況を公表した。EU は 2020 年までに、EU28 カ国全体の最終エネルギー消費量に占める再生可能エネルギーの割合を 20%に引き上げる目標を掲げている。今回の欧州統計局の発表によると、2012 年におけるその割合は 14.1%となり、2011 年実績の 13.0%から 1.1ポイント増大した。また、28 カ国のうち、2020 年までの国別目標を既に達成している加盟国は、ブルガリア(2020 年目標 16%に対し 2012 年実績は 16.3%)、エストニア(同25%に対し 25.2%)、スウェーデン(同 49%に対し 51.0%)の 3 カ国であった。 印刷用PDF
2014.03.07
米国:FERC が電力系統への物理的攻撃に関する対策を NERC に指示
連邦エネルギー規制委員会(FERC)は 2014 年 3 月 7 日、北米電力信頼度協会(NERC)に対して電力系統の重要設備に対する物理的攻撃の対策立案を求めるオーダーを発令し、90 日以内に電力系統の物理的攻撃リスクおよび脆弱性に関する信頼度基準を提出するよう求めた。発端となったのは昨年 4 月のカリフォルニア州サンノゼに位置する PG&E 社の変電所が銃撃を受けた事件であり、民主党上院議員のグループが新たな対策の立案を FERCに求めていた。FERC はこれを受けた形でオーダーを発令するとともに、議会に対しては電力系統情報に関して情報公開法(Freedom of Information Act)の限定的な免除を検討するよう求めている。対象となる設備は、変電所、制御所、その他万一の場合に系統運用に支障を来したり大停電を引き起こしたりする可能性のある設備であり、設備所有者、運用者は、リスク評価および防御策の開発・導入を求められている。 印刷用PDF
2014.03.06
中国:風力発電、2013 年の運用状況
国家能源局は 2014 年 3 月 6 日、2013 年度の風力発電に関するデータを発表した。2013 年に新規運開した発電設備容量は前年比 23%増の 1,449 万 kW、累計では 7,716 万 kW となった(系統に連系されたもの)。年間発電電力量は前年比 34%増の 1,349 億 kWh、平均利用時間は 2,074 時間で前年より184 時間多くなった。2013 年の平均棄風率(系統側の理由により送電できなかった電力量が全風力発電電力量に占める割合)は 2012 年より 6 ポイント低下した。風力発電設備の輸出については、米国、イタリア、オーストラリア等 21 の国・地区に 338 基(発電設備容量 65 万 kW)が輸出された。また、2014 年の予測値を、発電電力量 1,750 億 kWh、発電設備容量 9,000 万 kW としている。 印刷用PDF
2014.03.06
スペイン:マドリード市、NOx 排出量などに応じた駐車料金を導入
2014 年 3 月 6 日付報道によると、スペインのマドリード市は、持続可能な社会作りの一環として、公共駐車場のサービスを規定した「駐車サービス規制(SER)」を修正した。これにより 2014 年 6 月から、青線や緑線で区分された SER 指定の駐車スペースには、スマートメーターを利用した世界でもユニークな駐車料金が設けられることになった。青線の駐車スペースの料金は、車両の NOx 排出量と、駐車メーターでリアルタイムに計測される駐車スペースの混み具合によって変わることになる。ただし、カーシェアリングに利用されている車は固定料金で時間無制限に駐車でき、また、ユーロタクシー(非営利企業が運営する障害者用タクシー)は、メーターがついている駐車スペースに無料で駐車でき、運転手は乗客介助のためにタクシーを止めたまま車輛を離れることができる。さらに、環状線の首都高速である M30 号線の内側のエリアに、交通渋滞解消のため、遠方からマドリードに来た長距離用車両専門の青線駐車スペースが 1,354 創設され、そこでは割引料金で 12 時間まで駐車できる。マドリード以外の住民が駐車できる時間は、緑線の駐車スペースでは従来の 1 時間から 3 時間に、青線の駐車スペースでは従来の 2 時間から 4 時間に延長される。さらに 12 月 24~31 日の間に駐車料金が無料となる時間帯は、従来の 21 時以降から 15 時以降に拡大される。 印刷用PDF
2014.03.04
米国:オバマ大統領、2015 年度予算教書を発表
オバマ大統領は 2014 年 3 月 4 日、経済成長、雇用創出、財務責任を掲げ、総額 3.9 兆ドルとなる 2015 年度予算教書(Budget Request)を発表した(2015 会計年度は 2014 年 10 月~2015 年 9 月)。エネルギー関連予算については、エネルギー省(DOE)が総額 270.9 億ドル(2014 年度比で 7.1 億ドル、2.6%増)を予算要求しており、同政権の「all-of-the-above(あらゆるエネルギー資源を活用する)エネルギー戦略」を反映した形となっている。要求額を部局別にみると、エネルギー効率化・再生可能エネルギー局の要求額が 23.1 億ドル(同比 4.1 億ドル、22%増)と大幅に増額されている。また、送配電・信頼度局も 1.8 億ドル(同比 0.3 億ドル、22.3%増)と増額要求になっている。 印刷用PDF
2014.02.28
ドイツ:ドイツ連邦政府、再エネ賦課金の減免措置をめぐり EU を提訴
ドイツ連邦政府は 2014 年 2 月 28 日、欧州委員会が再生可能エネルギー法(EEG)は EU競争法に抵触しているとして審査手続きを開始したことを不服とし、欧州司法裁判所に提訴した。ドイツ連邦政府は EEG に基づき、再エネ普及促進のために電気料金に上乗せしている賦課金を、一部の大口電力需要家については減免している。欧州委員会はこの減免措置が公的補助に当たるとして、2013 年 12 月に審査手続きを開始していた。連邦経済エネルギー省のバーケ事務次官は今回の提訴の意図を「必ずしも法廷での決着を求めるものではなく、欧州委員会との建設的な協議を通じて問題解決を図るため」と説明している。しかし、欧州委員会は全加盟国に統一した基準で問題解決を図りたいとしているのに対して、ドイツ連邦政府は賦課金が他の加盟国に比べものにならないほど高いことなど、特別な事情を配慮するよう求めており、両者の意見には隔たりが大きい。 印刷用PDF
2014.02.26
パキスタン:原子力委員会議長、原子炉 32 基の導入を表明
パキスタン原子力委員会 Parvez 議長は 2014 年 2 月 26 日、原子力発電所を建設する 8 サイトについて現在選定作業を進めていると語った。それによると、将来的に必要な発電設備容量の 4 分の 1 を原子力にするため、各サイトに原子炉(110 万 kW)4 基ずつ計 32 基、発電設備容量を 4,000 万 kW にするとしている。2013 年内に着工したカラチ原子力発電所 2、3 号機については、中国は建設工事と運転期間中の燃料供給を保証するとともに、総費用の 82%にあたる 65 億ドルも融資するという契約をパキスタンと締結している。この契約は、原子力貿易を規制する原子力供給国グループ(NSG)の異議にもかかわらず進められていることから、NSG は中国を召喚している。しかし、中国は、パキスタンとの原子力貿易はグループ憲章ができる前に始めているとし、これを拒否している。 印刷用PDF
2014.02.24
台湾:卸電力市場、2021 年までに開設
経済部(MOEA)は 2014 年 2 月 24 日、電力自由化計画の一環として、台湾電力公司(TAIPOWER)が保有する主要発電所を株式会社化して民営化し、「電力調度中心」(ISO:独立送電系統運用会社)を設立して、2021 年までに卸電力市場を開設すると発表した。現在、「電業法」(電気事業法)の改定作業が進められており、改定案は年内に国会に提出されることになっている。同部は、電力自由化の次のステップとして「小売自由化」を計画している。 印刷用PDF
2014.02.24
欧州:EU-ETS 改善策(バックローディング)、近日中に実施の見通し
関連法令の整備によって、欧州排出量取引(EU-ETS)の短期的改善策である「バックローディング」と呼ばれる措置が、近日中に開始される見通しとなった。バックローディングとは、排出枠の市場への放出を一部保留・先送りすることで、低迷する排出枠価格を下支えすることを狙った措置である。2014 年 2 月 24 日、欧州閣僚理事会はバックローディングの実施スケジュールを定める欧州委員会規則案について、審査手続きの結果、これに反対しないことを決定した。欧州議会も既に、同様の決定を 2014 年 2 月 6 日に行っている。これを受けて、欧州委員会は同規則を 2014 年 2 月 25 日に正式に採択し、26 日に EU官報へ掲示する予定と伝えた。同規則では、まず 2014 年中に 4 億 t の排出枠を保留することを定めている。 印刷用PDF
2014.02.21
ドイツ:電力多消費産業への再エネ支援優遇策の縮小、EU 委員会と合意
2014 年 2 月 21 日付専門誌によると、ドイツの電力多消費産業への再エネ支援費用(サーチャージ料金)の優遇について、ガブリエル連邦経済技術相は EU 競争総局メンバーと 20日に合意したことを明らかにした。内容は明らかにされていないが、再エネサーチャージ料金減免の優遇の対象となる企業数が絞り込まれることになる。2014 年の再エネサーチャージ料金は一般需要家の場合、6.24 ユーロ・セント/kWh であるが、現行の制度では年間消費電力量が 1 億 kWh 以上で電力費用が総付加生産額に占める割合が 20%超の製造企業は、消費電力の全量についてサーチャージ料金が一律 0.05 ユーロ・セント/kWh と設定されている。また、その他の電力多消費産業は年間消費電力量に応じてサーチャージ料金負担額が通常の 1~10%程度と優遇されている。2014 年に優遇策の対象となる企業数は2,098 社、国内の年間消費電力量の約 18%(約 1,070 億 kWh)を占めており、年間約 51億ユーロの再エネサーチャージ料金が免除されている試算となる。2014 年 8 月に予定されている再生可能エネルギー法の改正法までには対象事業者の詳細について明らかになる見込み。 印刷用PDF
2014.02.20
米国:ボーグル増設計画の債務保証内容合意へ
2014 年 2 月 20 日付のプレス発表によれば、エネルギー省(DOE)とサザン社は、ジョージアパワー社(サザン社子会社)らが進めるボーグル原子力発電所 3,4 号機増設計画の債務保証内容に合意した。既に内定していた 83.3 億ドルのうち、ジョージアパワー社への 34.6億ドル、オグレソープパワー社への 30.5 億ドルについての債務保証内容が決まった。残るジョージア州電力公社への約 18 億ドルは、まだ行政手続きなどが終わっておらず、2014年 7 月頃までに合意される予定。DOE とサザン社らはこれまで債務保証条件の交渉を進めてきたが、保証料などの交渉が難航し、当初 2012 年 6 月頃とされていた交渉期限は 5 度にわたり延期され、ようやく今回決着した。 印刷用PDF
2014.02.19
フィンランド:Fortum のスポット価格連動料金メニューが好調
2014 年 2 月 19 日付業界誌の報道によると、フィンランドの大手エネルギー事業者 Fortumが提供する前日取引市場のスポット価格と連動した小売料金メニューの契約が順調に増加している。フィンランドでは、2013 年末までに 80%以上の需要家へスマートメーターを導入済みである。そのスマートメーターの機能を利用して Fortum は、北欧の卸電力市場ノルドプールの前日取引市場における 1 時間ごとのスポット価格が、家庭用需要家の 1 時間ごとの使用電力量に対して適用される料金メニューの提供を始めた。Fortum によると、この料金メニューを導入後数週間しか経ていないにもかかわらず、加入申込みは順調に増加しており、既に数万世帯が加入したという。今後は、他の小売事業者も同様の料金メニューを導入していくとみられている。 印刷用PDF
2014.02.18
オーストラリア:NSW 州の AGL、ガス価格 20%値上げを申請
現地メディアは 2014 年 2 月 18 日、ニューサウスウェールズ(NSW)州のガス小売り最大手 AGLが同州の独立価格規制裁定委員会(IPART)に 20.3%の値上げを申請したことを報じた。承認された場合、同州の一般世帯のガス料金は 2014 年度に年間平均 132 豪ドル(1 万 2,200 円)上昇し、2015年度には同 100 豪ドル(9,200 円)上昇する見通し。一般世帯のガス料金値上げ幅が最大となるのは同州の州都であるシドニーで、年間平均 240 豪ドル上昇し、2015 年度の一般世帯の年間ガス料金は1,080 豪ドル(9 万 9,400 円)になる見込み。次いで大きな値上げ幅となるのは首都圏特別区(ACT)との州境とショールヘイブン地域で、年間平均 239 豪ドル(2 万 2,000 円)上昇し、2015 年度の一般世帯の年間ガス料金は 1,522 豪ドル(14 万円)に達する見込み。また、ショールヘイブン地域の法人需要家の場合、年間平均 869 豪ドル(8 万円)上昇し 2015 年度の年間ガス料金は 5,534 豪ドル(51万円)となる見込み。ロバーツ資源・エネルギー相によると、料金上昇の主な原因はガスの卸売価格の上昇にあるとしている。NSW 州内で生産されるガスは同州の需要の 5%を占めるとされている。 印刷用PDF
2014.02.17
米国:Duke エナジー社が自由化市場からの撤退を明言
大手電気事業者 Duke エナジー社(本社ノースカロライナ州)のグッド CEO は 2014 年 2月 17 日、米国中部における競争市場での発電事業を安定的な利益を得られないとして今後の成長戦略構想から外す考えを示した。主にオハイオ州内の石炭・ガス火力を中心とした13 の発電設備(660 万 kW、同社発電設備の約 13%)は、1~2 年内をめどに売却するとしている。同社管内で唯一、小売自由化制度を採用しているオハイオ州は、政府が Duke エナジー社を含む電気事業者に発送電分離を促すなど、近年、小売自由化推進に向けた動きが著しい。報道によれば同社は、制度移行期間中の供給保障に関するコスト回収を求める訴えを同州公益事業委員会に提出していたものの、前日にこれが棄却されたことが今回の発表につながったとしている。 印刷用PDF
2014.02.17
シンガポール:電力先物取引制度、4 月から試験運用
エネルギー市場監督庁(EMA)は 2014 年 2 月 17 日、10 月に卸電力市場への電力先物取引制度の導入を目指して、試験運用(午後 2 時~5 時の運用)を 4 月から始めると発表した。試験運用には YTLPower Seraya や Senoko Power、Tuas Power など主要な発電事業者が参加する。同制度の運用・管理は、シンガポール株式取引所(SGX:Singapore Exchange)が担う。電力先物取引制の導入目的は、燃料価格の変動の影響を受けにくい市場を構築することにある。 印刷用PDF
2014.02.13
IAEA:今後 5 年で 4 カ国以上が原子力発電所建設に着手か
国際原子力機関(IAEA)高官は 2014 年 2 月 13 日、福島事故による原子力開発のスローダウンにもかかわらず、今後 5 年間に、4 カ国以上が初めての原子力発電所の建設を開始するだろう、と語った。また、この 2 年間でアラブ首長国連邦とベラルーシで初の原子力発電所の建設が始まっていること、バングラデシュ、ヨルダン、トルコ、ポーランドの計画について触れた。IAEA は 2013 年、原子力発電の長期見通しを 3 年連続で下方修正している。ベネズエラのように福島事故後に断念した国もあるが、原子力に関心を示している国は 30 カ国以上に上るという。 印刷用PDF
2014.02.13
中国:2013 年の電源の投資額は前年並み
電力関係メディアは 2014 年 2 月 13 日、2013 年末の総発電設備容量は前年比 9.2%増の 12 億 4,738万 kW になったと報じた。水力発電設備容量は前年比 12.3%増の 2 億 8,002 万 kW、火力は同 5.7%増の 8 億 6,238 万 kW であった。新規に運開した発電設備容量は 9,400 万 kW で、そのうち、水力2,993 万 kW、火力 3,650 万 kW。電源開発の投資額は前年度比 0.4%減の 3,717 億元。発電設備の平均利用時間は、4,511 時間で前年より 68 時間減少した。そのうち、水力は同 273 時間減の 3,318 時間、火力は同 30 時間増加の 5,012 時間。 印刷用PDF
2014.02.11
中国:2013 年の新規運開容量 9,400 万 kW
2014 年 2 月 11 日付の報道によると、中国電力企業連合会は 2013 年の 1 年間に新規運開した発電設備容量は 9,400 万 kW(速報値)と発表した。内訳は、水力 2,993 万 kW、火力 3,650 万 kW、原子力 221 万 kW、風力(系統に連系)1,406 万 kW、太陽光(系統に連系)1,130 万 kW。その結果、2013年末時点の全国の総発電設備容量は前年比 9.3%増の 12 億 4,700 万 kW で、水力は前年比 12.3%増の2.8 億 kW、火力は同 5.7%増の 8.6 億 kW、原子力は同 16.2%の 1,461 万 kW、風力は同 24.5%増の7,548 万 kW、太陽光は同 340%増の 1,479 万 kW となった。原子力と再エネの発電設備容量が全体に占める割合は 31%と、前年より 5.7 ポイント拡大した。 印刷用PDF
2014.02.06
オーストラリア:エネルギー業界のシンクタンク、原子力に関する提言
2014 年 2 月 6 日付の報道によると、オーストラリアのエネルギー業界のシンクタンクである EnergyPolicy Institute of Australia(EPI)は、政府が発行するエネルギー白書について 26 項目の提言を公表した。この中で EPI は、オーストラリアのエネルギー政策は過剰に政治問題化しており、投資者にとっては信頼性がなく将来の予想もできないものとなっており、発電においては石炭への依存度が高すぎると指摘している。オーストラリアにはウラン鉱山が多くあり、原子力技術には長い歴史があるものの、原子力発電所はなく、州によっては禁止されている。今回の提言では、原子力発電の禁止をいつまでも続けるべきではないとしている。 印刷用PDF
2014.02.05
米国:イリノイ州で初めての変動小売料金メニューの提供開始
小売事業者 MC スクエアエナジー社は 2014 年 2 月 5 日、イリノイ州では初めてとなる低圧需要家向け変動料金メニューを提供すると報じた。同社の提供する「Smart Value PowerProgram」は、昼時間帯(7~19 時)までとその他の時間帯の 2 時間帯の時間帯別料金を採用し、契約期間(12 カ月)の電気料金の合計が、コムエド社の提供する標準料金を適用した場合と比較して、高額となった場合には差額を返金するという特典を付与する。なお、イリノイ州のコムエド社管内では、2013 年よりスマートメーターの本格的な設置を開始したばかりで、同メニューはスマートメーターが設置された低圧需要家から順次、利用可能となる。 印刷用PDF
2014.02.05
インドネシア:年内に地熱発電所 3 カ所が運開
国営電力会社(PLN)は 2014 年 2 月 5 日、年内に地熱発電所 3 カ所が運開すると発表した。西ジャワ州の Patuha 発電所(5 万 5,000kW:6 月運開)と Cibuni 発電所(2,000kW:8 月運開)、東ヌサトゥンガラ州の Ulumbu 発電所(7,000kW:9 月運開)である。 印刷用PDF
2014.02.05
欧州:欧州議会、2030 年のエネルギー政策に強制的な目標設定を要求
欧州議会は 2014 年 2 月 5 日の本会議における票決で、EU のエネルギー気候変動政策に関する 2030 年の目標値について、温室効果ガス排出削減を 1990 年比 40%、再生可能エネルギー導入を最終エネルギー消費の少なくとも 30%、エネルギー効率化目標を 40%とする提案を採択した(賛成 341、反対 263、棄権 26)。また、これらの目標には法的拘束力を持たせ、加盟国ごとの目標を定めることで、目標達成を図るべきとする意見も出されている。欧州委員会が 1 月に発表した政策提案では、2030 年の再生可能エネルギー導入目標を 27%(加盟国ごとの目標は定めない)としていたが、今回の欧州議会の決定はこれを大きく上回るものとなった。今回の欧州議会の採決は直接、法的拘束力を持つものではないが、EU が 2030 年目標を最終的に決定するためには、欧州議会と欧州委員会、加盟各国の合意が必要となる。 印刷用PDF
2014.02.03
欧州:EU28 カ国における 2013 年の風力導入量は対前年比 8%減
欧州風力エネルギー協会(EWEA)は 2014 年 2 月 3 日、2013 年に連系接続された風力発電設備が 1,116 万 kW となり、2013 年末時点の累積導入量が 1 億 1,729 万 kW(うち洋上風力が 660 万 kW)になったと報告した。2013 年の実績は、累積導入量では前年比 10.2%増となったものの、新規導入量は前年比 8%減となった。国別の新規導入量では、ドイツが前年比 41%増であったが、スペインが 84%減、イタリアが 65%減、フランスが 24%減となるなど、多くの国で前年実績を下回る結果となった。EWEA はこうした減速の要因として、欧州地域における市場や規制、政治的な不確実性、風力発電のための法的フレームワークの不安定性が、投資の拡大はもとより再エネの導入や雇用の創出を阻害したとしている。さらに、今後の風力発電事業の安定的な成長には、欧州委員会が 1 月に発表した 2030年向けた気候変動・エネルギーフレームワークでは不十分であり、具体的な再エネ達成目標を設定すべく、3 月に行われる欧州理事会(首脳会議)で再検討されることが重要になるとしている。 印刷用PDF
2014.02.02
ドイツ:一般家庭が 2014 年に負担する再エネ支援負担額は 300 ユーロへ
地元紙は 2014 年 2 月 2 日、ラインヴェストファーレン経済研究所(RWI)による試算を引用し、年間消費電力量が 4,000kWh の一般家庭が 2014 年に支払う再エネ支援負担額(付加価値税を含む)が 297 ユーロに上ると報道した。負担額の軽減を図るため、ガブリエル連邦経済・エネルギー相は 2014 年 1 月 22 日に再エネ法(EEG)の改正法案の骨子を発表したが、これまでエネルギー多消費産業需要家に認められてきた再エネ支援負担額の減免措置を見直すとしているため、経済界には不評。ドイツ産業連盟(日本の経団連に相当)のグリロ会長は、90 万の雇用喪失に繋がる企業の海外移転を招くとし、同相の提案を非難している。 印刷用PDF
2014.01.28
米国:ミシガン州ジャクソン市議会が小売全面自由化に反対
ミシガン州南部に位置するジャクソン市は 2014 年 1 月 28 日、シャーキー州議会議員がミシガン州議会に提出している小売全面自由化に関するエネルギー法(HB5184)改正案に対して、市議会の満場一致で反対を表明した。ミシガン州は、既存電気事業者の前年の販売電力量の 10%を小売自由化の上限とする特殊な部分自由化制度を有しており、同議員は、2013 年 12 月にこの上限を撤廃する小売全面自由化策を提案していた。ジャクソン市議会は、「小売全面自由化は一部の大企業にとっては有利かもしれないが、一般市民や中小企業には不利益をもたらす制度だ」としている。州最大の電気事業者でジャクソン市に本社を置くコンシューマー・エナジー社は「本改正案は州に利益をもたらさないというジャクソン市議会の正しい認識と反対表明に感謝の意を表する」と述べている。 印刷用PDF
2014.01.28
ブラジル:夏季ピーク時間帯が夕方から日中に
ブラジル一般紙は 2014 年 1 月 28 日、夏季における電力需要のピークが、従来の 18~20 時から 14時半~15 時半に移っていると報じた。全国系統運用者(ONS)によると、夏季の最大電力は 1 月 23日 15 時 21 分~15 時 24 分に 8,331 万 kW を記録した。ブラジル気象庁(INMET)は、サンパウロでの 2014 年 1 月の月平均最高気温は 2010 年の 29.9 度を大きく上回るとしている。記事では、ピーク時間帯が変化した最も大きな要因として、厳しい暑さによってエアコンの利用が増加したことを挙げている。それを裏付けるように、気温が比較的低い日のピーク時間帯は従来と同じ 18~20 時となっている。リオデジャネイロ・カトリック大学のソウザ教授は「暑い時間帯には、一般市民は自宅よりもショッピングセンターやレストランにいることを好む傾向にあり、エアコンがフル稼働する」とし、商業用の夏季電力需要の約 8 割がエアコンによるものと分析している。一方、国内経済の構造変化も関係しているとの指摘もある。電力規制機関Aneelのドゥトラ前長官は「暑さもさることながら、国民の消費水準が高まりサービス分野の比率が上昇したことも要因として挙げられる」と指摘している。エネルギー調査公社 EPE は、2014 年の商業用の消費電力量は 2013 年比増となり、家庭用や産業用のそれを上回る 4.4%と予想している。 印刷用PDF
2014.01.27
米国:2013 年新設発電設備の 37%は再エネ電源
2014 年 1 月 27 日付記事の連邦エネルギー規制委員会(FERC)エネルギー・プロジェクト局「エネルギー・インフラ最新情報」によれば、2013 年に新規に建設された発電設備のうち、再生可能エネルギー電源(バイオマス、地熱、水力、風力、ソーラー)は 527.9 万 kW 、37.2%を占めた。これは同年に建設された石炭火力(154.3 万 kW-10.9%)、石油火力(3.8万 kW-0.3%)、原子力(0%)を合わせた設備容量の 3 倍以上に相当する。しかし、天然ガス火力は断トツの 727 万 kW と 51.2%を占め、残りは廃熱発電の 7.6 万 kW、0.5%であった。再エネ電源の中ではソーラーがトップの 293.6 万 kW で、続いて風力 112.9 万 kW、バイオマス 77.7 万 kW、水力 37.8 万 kW、地熱 5.9 万 kW であった。 印刷用PDF
2014.01.25
アラブ首長国連邦:UAE で 3 基目の原子炉、年内に着工
2014 年 1 月 25 日付の報道によると、アラブ首長国連邦(UAE)の原子力公社(ENEC)は、同国で 3 基目となる原子炉の設置工事を 2014 年後半に着工すると発表した。UAE は 2020 年までに、国内のエネルギー需要の 4 分の 1 を満たす、4 基(発電設備容量計 560 万 kW)の商業用原子炉を保有しようとしている。1 基目は 2017 年に、2 基目は 2018 年に運開する予定になっている。これら原子炉の建設工事については、韓国電力公社が 2009 年に UAE と契約を締結している。 印刷用PDF
2014.01.23
シンガポール:2013 年の電力卸売市場の価格、前年比 22%下落
電力卸売市場を運営・管理する Energy Market Co.(EMC)は 2014 年 1 月 23 日、2013 年に発電所の増設が相次いで供給予備率が上昇したことから、同年の電力卸売市場の平均価格が前年比 22%減の0.173 シンガポールドル/kWh(約 13.7 円/kWh)になったと発表した。 印刷用PDF
2014.01.20
欧州:欧州委員会、海洋エネルギー開発のアクションプランを発表
欧州委員会は 2014 年 1 月 20 日、欧州地域における海洋エネルギーの開発を促進するためのアクションプランを発表した。同委員会は、海洋エネルギー開発が雇用の拡大や経済成長、エネルギーセキュリティや再エネの拡大に寄与することに期待を寄せている。同プランでは、2020 年までの政策支援のスケジュールとして、第 1 フェーズ(2014~2016 年)と第 2 フェーズ(2017~2020 年)に分け、第 1 フェーズでは利害関係者の連携を強化する「海洋エネルギーフォーラム」の設立と「戦略的ロードマップ」の策定、第 2 フェーズでは「海洋エネルギーフォーラム」の成果を踏まえ、海洋エネルギーが欧州産業イニシアティブ(EIIs:現在、太陽光や風力、バイオマスなど 6 分野が対象)に加えられること、などを挙げている。なお、欧州委員会の指す海洋エネルギーには、洋上風力の他、潮力、波力、海洋温度差など利用可能なすべての技術が含まれる。 印刷用PDF
2014.01.18
台湾:太陽光発電の導入目標、上方修正
経済部・能源局(MOEA・BOE)は 2014 年 1 月 18 日、太陽光発電の建設コストが低下していることから、2030 年までの太陽光発電の導入目標を 310 万 kW から 620 万 kW に上方修正すると発表した。これに伴い、2030 年の再エネ全体の目標は 1,375 万 kW になる。 印刷用PDF
2014.01.17
米国:コネチカット州で小売メニューの急激な値上りが問題に
コネチカット州司法長官と消費者保護団体が 2014 年 1 月 17 日、小売事業者の提供する電力メニューの急激な値上りに注意を呼びかけた。調査結果によると、自由化している発電部分の料金について、標準的な価格(配電事業者が小売事業者を選択しない需要家向けに提供する標準供給価格)の約 2 倍に相当する額を支払っている需要家が相当数いるとされる。これは、価格変動型の料金メニューにおいて、冬季の市場価格高騰に応じた単価が設定されたのが原因であるが、中には、価格固定型メニューを選択していたのにも関わらず、更新時期経過後、変動型料金メニューへ自動的に移行され、その結果、高額請求を受けるケースもあった。公益事業委員会では、詳細調査と必要なガイドラインの設置を急ぐ考えを示している。 印刷用PDF
2014.01.15
欧州:欧州のエネルギー多消費型企業が欧州委員会に要望書を提出
2030 年の目標を定めるエネルギー環境パッケージ案が発表される 1 週間前の 2014 年 1 月15 日、欧州のエネルギー多消費型産業 14 社の首脳が EU のバローソ委員長宛に 2030 年の環境目標設定に対する懸念を表明した。温室効果ガスの削減目標は現実的であるべきだとして、削減目標は工業生産の伸びを考慮したものでなければならないとした。エネルギー転換の費用は、欧州経済の屋台骨である産業需要家が負担するべきではないとした上で、欧州の電力価格は既に企業の競争力を阻害しているとし、こうした再エネ支援政策の在り方は EU 委員会が現在見直しを進めている再エネに対する国家支援に関するガイドラインの中に含まれるべきだとしている。また低炭素経済に貢献できる費用対効果のあるエネルギー源はシェールガスなどを含めてすべて活用するべきだとしている他、EU-ETS の排出枠についても 2020 年までは変更を加えるべきではないと主張している。 印刷用PDF
2014.01.14
中国:2013 年の電力需給データ発表
国家能源局は 2014 年 1 月 14 日、2013 年の電力需給データを発表した。消費電力量は前年比 7.5%増の 5 兆 3,223 億 kWh で、第一次産業用は同 0.7%増の 1,014 億 kWh、第二次産業用は同 7.0%増の 3 兆 9,143 億 kWh、第三次産業用は同 10.3%増の 6,273 億 kWh、生活用は同 9.2%増の 6,793 億kWh であった。発電設備の利用時間は平均 4,511 時間と、前年より 68 時間減少した。そのうち、水力については前年より 273 時間少ない平均 3,318 時間、火力は前年より 50 時間多い 5,012 時間となった。新規運開した発電設備容量は 9,400 万 kW(水力 2,993 万 kW、火力 3,650 万 kW)であった。 印刷用PDF
2014.01.14
フランス:フランス大統領、仏独による再エネ関連企業の設立を提案
フランスのオランド大統領は 2014 年 1 月 14 日に所信表明会見を行った。その中で、同大統領は、経済の立て直し、雇用機会の増大のため、大企業に対する優遇政策などを発表するとともに、地方自治体の統廃合などによる減税、政策コスト削減などを打ち出し、これまでの 2 年余りの政策を修正し、より中道寄りの社会民主主義的政策を押し進めると自ら強調した。また欧州連合の基軸となるドイツとの連携の重要性を強調し、経済、エネルギー、防衛の分野で協働することを提案、エネルギー分野では欧州企業のエアバスが最近順調であることを例に、再エネ分野での仏独企業の設立を示唆した。大統領はまた、フランスの特徴としてエネルギー貯蔵とネットワークに強みがあると発言した。その後、翌 2014年 1 月 15 日付フランス経済紙は、ドイツのフラウンホーファー研究所の話しとして、ドイツ、フランス、スイス三か国の研究所が共同で、欧州と比べ 30%安い中国製パネルに対抗する X-GW プロジェクトの立ち上げを紹介した。太陽光パネルに関しては世界的な生産設備過剰が問題となっているが、同研究所は今年のパネル需要を 4,500 万 kW さらに 2020年には 1 億 kW に達すると見ている。 印刷用PDF
2014.01.09
米国:オバマ大統領が包括的エネルギー・レビューの実施を指示
オバマ大統領は 2014 年 1 月 9 日、包括的な国家エネルギー・レビューを四年ごとに実施することを指示した。レビューはエネルギー政策の施行状況および技術開発の現状に関する評価に加え、経済成長、環境保護、エネルギーセキュリティといった、あらゆる側面の国家的課題を勘案した政策提言を含むとされる。なお、第一回は 2014 年 1 月末までの実施が求められており、特に、電力およびガスの輸送系統の課題についてまとめるよう指示されている。レビューの実施にあたって、科学技術政策局および国民政策審議会を中心に、20を超える連邦機関が参加するタスクフォースの結成が指示されており、独立規制体である連邦エネルギー規制委員会および原子力規制委員会に加え、州政府をはじめとする利害関係者の招集も予定されている。なお、このような包括的レビューの実施は、予てより、一部の民主党議員が法制化に向けた動きを見せていた。 印刷用PDF
2014.01.08
オーストラリア:電気料金が最大 12%上昇、炭素税導入の影響
現地メディアは 2014 年 1 月 8 日、2012/13 年度の電気料金が前年度比 12%上昇したと報じた。オーストラリアエネルギー規制局(AER)は、前労働党政権が 2012 年 7 月に導入した炭素価格制度(炭素税)の影響としている。それによると、電気料金が最も上昇したのは首都圏特別区(ACT)で平均料金は前年度比 12%増、以下クイーンズランド州が同 9%増、ビクトリア州が同 8%増、ニューサウスウェールズ州が同 7%増、となった。一方、南オーストラリア州は同 4%増、タスマニア州が同 3%増など、再生可能エネルギーによる発電の割合が大きい地域は炭素税の影響が小さく、値上げ幅も小さかった。 印刷用PDF
2014.01.08
タイ:首都圏の水がめ、貯水率 50%以下に
大手経済紙は 2014 年 1 月 8 日、タイ発電公社(EGAT)の Bhumibol 水力発電所(77 万 9,200kW)と Sirikit 水力発電所(50 万 kW)のダムの貯水率が 50%以下になり、中部や南部の下流域で水不足が発生する可能性があると報じた。現在の貯水率は、Bhumibol ダム 35.9%、Sirikit ダム 50.0%で、1 カ月以内にダム上流で降雨がなければ、水不足のおそれがあるとしている。記事は「近年、異常気象でダム管理が難しくなっている。両ダムは中部地域や首都圏の水がめであるので、対策を講じる必要がある」と結んでいる。 印刷用PDF
2014.01.08
フランス:卸電力市場におけるデマンドレスポンス取引が開始
フランスのエネルギー規制委員会(CRE)およびデマンドレスポンス(DR)のアグリゲーター事業者 Smart Grid Energy 社は 2014 年 1 月 8 日、卸電力市場における電力需要家による DR 取引が初めて行われたことを発表した。ノルウェーの製紙会社 Norske SkogGolbey のフランス・ボージュ県内の工場が、1 月 8 日の午前 8 時~午前 10 時の間に電力消費を見合わせ、節減最大電力 3 万 3,600kW、節減電力量 6 万 3,000kWh を卸電力市場で売却した。この取引は、送電事業者 RTE が 2013 年 12 月 18 日から 1 年間の予定で試験的に導入した新制度 NEBEF(Notifications d’Echanges de Blocs d’Effacement)を利用して行われた初の取引となった。従来、需要家によるピークカット・ピークシフトなどの DR は、電力の需給調整が必要になった場合にのみ取引の対象となっていた。NEBEFの下では、こうした制約を受けることなく節電電力を卸電力市場で自由に取引することができる。今後は、NEBEF の試験運用結果に基づき本格導入の是非が判断されることになる。 印刷用PDF
2014.01.07
米国:PJM でも低温が原因の需給ひっ迫、輪番停電の可能性も示唆
報道筋によれば、記録的な低温が続く地域送電機関 PJM 管内では 2013 年 1 月 7 日朝に、冬季の最大電力(1 億 3,860 万 kW)を記録した。前日夕方から続く低温に伴い、管内では、想定外の需要増加と一部発電所の停止による需給ひっ迫が発生。1 月 6 日夕方には、瞬動予備力の出動要請に加え、5%の電圧抑制により急場を凌いだ。さらに、1 月 7 日朝には、デマンドレスポンス 190 万 kW の出動要請に加え、隣接する送電機関から、110 万 kW の緊急電力調達を実施したと報じている。PJM は、各州電気事業者を介して、需要家に節電を呼びかけており、節電の実施状況、地域外からの電力調達次第で、短時間の輪番停電実施の可能性もあり得るとした。 印刷用PDF
2014.01.06
ドイツ:新連立政権、自家発増加の傾向に歯止めをかける見通し
ドイツの有力経済紙の 2014 年 1 月 6 日付報道によると、昨年暮れに発足した大連立政権は自家発の特権を廃止することで自家発増加の傾向に近く終止符を打つものと見られている。ドイツの政策では、自家発電は再エネ法(EEG)に基づく支援費用の負担を免除されるとともに、発生した電力をその場で消費することで送電利用料金を支払う必要がないことから、経済的な電力の調達方法として人気があり、従来のように化学や紙パ業界などの電力多消費産業だけではなく、食料品ディスカウントショップや自動車メーカーなどの企業にも自家発設備導入の動きが広がっている。ドイツ商工会議所(DIHK)の最近の調査によると、調査した企業の 27%が自家発設備を建設中、ないしは既に建設済と答え、さらに 21%が自家発の計画を持っていると回答している。経済環境省の報告書によると、2011年は国内消費電力量の 8.5%が自家発によってまかなわれたが、ここ 2 年間で自家発比率はさらに大幅に上昇していると専門家は推測している。多くの場合、自家発は単に発電するだけではなく、同時に熱を製造工程に活用することによりエネルギー利用の高効率化に役立つというプラスの面がある一方で、再エネ支援費用や系統利用料金を支払わないため、その分の負担を他の電力消費者が肩代わりせざるを得ないという問題がある。昨年、自家発電部門が免除された再エネ支援費用は約 15 億ユーロとなっている。こうした自家発の特権が継続されるならば、自分で発電をすることのできない借家人や生活保護受給者に再エネ支援費や送電線の建設・維持費がますます重くのしかかることになるとして、新連立政権は自家発の特権を見直すことで合意した。連立協定では「われわれはすべての自家発電力が再エネ支援費用に関与するよう努力する。そのため、すべての新設自家発設備は最低限の賦課金をもって再エネ支援費用の基本的調達に貢献しなければならないが、その際特にコジェネ設備と高炉ガス利用の経済性を認める。小規模設備に関しては足切り値が設けられるべきである」と規定されており、現在自家発が享受している経済性は失われることになると経済紙では予想している。 印刷用PDF
2013.12.30
サウジアラビア:フランスと原子力に関する協力協定
仏オランド大統領がサウジを訪問した 2013 年 12 月 30 日に、フランスのアレバと EDF はサウジアラビアの企業・組織は、サウジの原子力計画を支援するための一連の協力協定に署名した。一つは、国内サプライチェーン形成に向けて地元産業の技術開発を目指すためにサウジ企業 5 社と、もう一つは、サウジの原子力専門家の育成を目的としてサウジの4大学と、それぞれ協定を締結した。EDFは、エネルギー関連事業への投資のため、最初の EPR 原子炉導入のためのフィジビリティー調査などの実施主体となる JV 設立のための契約を、サウジの GEHC 社(2011 年設立)と締結した。 印刷用PDF
2013.12.20
中国:オーストラリア政府、国家電網公司による電力会社の買収を承認
オーストラリア財務大臣は 2013 年 12 月 20 日、シンガポールパワー社(Singapore Power)のオーストラリア子会社である SPIAA の 60%の株式と SP AusNet の 19.9%の株式を、国家電網公司が買収することを承認したと発表した。SPIAA と SP AusNet はオーストラリア東南部地区で送配電事業を展開している。SPIAA はシンガポールパワー社の 100%子会社で、配電、ガス輸送とガス販売等を行っており、供給エリアはビクトリア州、クイーンズランド州、ニューサウスウェールズ州と首都等である。SP AusNet は、主にビクトリア州で送配電とガス販売等の事業を展開しおり、シンガポールパワー社が同社の 51%の株式を保有している。 印刷用PDF
2013.12.18
欧州:欧州委員会、エネルギー分野の国家補助ガイドライン改定案を公表
欧州委員会は 2013 年 12 月 18 日、エネルギー・環境分野における国家補助のガイドライン改定案(2014~2020 年に適用)を公表し、幅広い利害関係者からの意見を求めた。同案では、加盟国が導入する国家補助施策の合法性が認められるための、EU による基準・条件が示されており、対象範囲は、安定供給確保の目的で発電設備に与えられる特別な報酬制度(キャパシティ・メカニズムなど)や、再生可能エネルギー普及、エネルギー・ネットワークインフラ整備、エネルギー効率化を推進するための助成など多岐にわたる。また、欧州委員会は同日、英国の FIT-CFD(ヒンクリーポイント原子力プラント新設に当たって適用される 35 年間の固定価格買取制度)と、ドイツの再生可能エネルギー法の規定(電力多消費企業などに再エネ課徴金負担の軽減を認める制度)についても、EU の国家補助の基準に照らして認められるか、詳細調査を開始したことを明らかにしている。 印刷用PDF
2013.12.05
米国:小売供給事業者の選択条件は、価格以外に契約条件も重要
2013 年 12 月 5 日付業界紙によれば、小売供給事業者のグループによって今年初めに形成された組織、エネルギー研究評議会(ERC)によって 4 月に実施された調査では、小売供給事業者を選択する際の重要な要素として、多くの企業が契約条件を考慮しており、需要家サービスよりも重要性がはるかに高いことをランク付けている。中規模の企業 1,254 社を調査したこのアンケートでは、当然、価格は、競争力のある小売供給事業者の選定に最も重要な考慮事項と考えられ、85%が非常に重要だとした。対照的に、56%の回答者が契約条件を非常に重要であるとし、42%が、需要家サービスを非常に重要として見ている。 印刷用PDF
2013.12.04
オーストラリア:地方の市長、原子力発電を要望
現地メディアは 2013 年 12 月 4 日、クイーンズランド(QLD)州北西部マウント・アイザのマクグレイディー市長が、電力不足の解消と新たな鉱山開発を目的に、同州北部地域に原子力発電所を建設すべきとの考えを明らかにしたと報じた。QLD 州政府は 2012 年、約 30 年ぶりにウラン鉱山の新規開発を解禁した。同市長によると、原子力発電所は、同州北西部にある豊富なウランの活用とともに、ベース電源確保による供給力の底上げにつながるとしている。一方、ノース QLD 保全審議会(NQCC)は、環境や人体へのリスクを理由に、QLD 州エネルギー相も石炭・ガス火力発電などの低コスト・エネルギーが豊富にあることなどを理由に、それぞれ反対の姿勢を示している。 印刷用PDF
2013.12.04
フィリピン:再エネの発電設備容量を 1,600 万 kW に
エネルギー省(DOE)は 2013 年 12 月 4 日、2014 年中に再エネ・固定価格買取制度(FIT)の導入や事業申請手続きの簡素化によって、再エネの発電設備容量を現在の 560 万kW から 2030 年に 1,600万 kW にすると発表した。同省は、年内に FIT を導入する予定であったが、価格に関する関係機関との調整が遅れているため、2014 年にずれ込むと見込まれている。 印刷用PDF
2013.11.27
フランス:フランス政府、負荷平準化対策を強化する方針
2013 年 11 月 27 日付フランス経済紙によると、フランス政府は冬期における電力消費の増加を抑制するために、負荷平準化を促す「Tempo」や「EJP」などの電気料金メニューの利用促進を検討している。Tempo は、電力需要の高い日時と低い日時とで料金水準に差異を設けることにより、負荷平準化を促すメニュー。EJP も同様の内容のメニューであるが、新規加入は既に打ち切られている。現在の契約者数は、Tempo が 40 万 8,000 口、EJPが 63 万口。Tempo と EJP によるピークカット効果は、2000 年には 600 万 kW に達していたが、現在は 200 万 kW へと減少している。送電事業者の RTE によると、2016 年には100 万 kW にまで低下する見通し。今後は、類似の料金メニューを EDF 以外の小売事業者にも許可することが検討されている。他方でフランス政府は、アグリゲーターと大口需要家などによるピークカットにも取り組んでいる。Energy Pool や Smart Grid Energy などのアグリゲーターに加え、大口需要家である Rhodia(化学大手)や発電事業者の Alpiqなども、RTE との契約により自社系列企業や顧客企業でのピークシフト・ピークカットに応じている。RTE は、ピークシフト・ピークカットの合計容量は、2018 年には 150 万 kW以上に達すると見込んでいる。 印刷用PDF
2013.11.27
EU・英国:EU、ヒンクリーポイントへの国家補助問題で調査手続き開始か
英国政府は 2013 年 10 月、2023 年の運開が計画されているヒンクリーポイント C 原子力発電所からの発生電力を固定価格で買取ることを保証する契約を EDF エナジー社が率いるコンソーシアムと締結し、その詳細を欧州委員会に提出した。2013 年 11 月 27 日付の記事によると、同委員会競争総局は現在、契約の中身が EU 法に定める国家補助の規定に抵触するかどうか予備的な審査を実施している。12 月 18 日以降遅くとも 2014 年 1 月中には委員会の最初の見解が示される予定であるが、消息筋によれば、競争総局は続いて正式な調査手続きに入る公算が大きいと見られる。調査のポイントは、(1)予定されている補助がプロジェクトの有効性のために本当に必要なのか、(2)補助は厳密に目的相応か、の 2 点である。その際、原子力の電力が市場に投入されることによって発生するおそれのある競争の歪みの規模とそれがどれだけの期間となるかが判断の基準となろう。競争総局が特に注目しているのは、買取価格が 35 年の長期にわたり現在の市場価格の約 2 倍の92.50 ポンド/MWh(物価スライド付き)に設定された点である。低利の公的融資や英国政府による債務保証の可能性も調査される。一方で、原子力プロジェクトによってもたらされる安定供給、温室効果ガス削減などといった経済的な便益や全体的な利益も斟酌されることになる。調査の行方について、国家補助の専門家は「結果はわかっている。わかっていないのは、補助が競争規則に抵触しないと宣言するために委員会がどのような条件を課してくるかである。競争総局を納得させるために、EDF が譲歩をせざるを得ない場合も排除し切れない」と論評している。 印刷用PDF
2013.11.26
米国:PJM が容量市場の改善策として DR の落札制限を提案
地域送電機関のひとつである PJM は 2013 年 11 月 26 日、同機関の運営する先渡し容量市場制度(RPM)における需要反応(DR)容量の落札方法に関する変更を連邦エネルギー規制委員会(FERC)に申請した。今回の提案は 2011 年実施のオークション(2014 年度供給分)で追加された、「Limited DR」と呼ばれる、運用回数と運用時間を限定した特別入札枠を制限するというものである。2011 年以降のオークションでは比較的入札価格の低い「Limited DR」の落札が相次ぎ、結果として、年間を通して運用できる電源等の供給容量が減るとともに、落札価格が低く設定されるという事象が問題視されてきた。この「LimitedDR」は、参加需要家を募り易くする目的で設置されたものであるため、今回の提案には主に DR プログラム実施側から反対の声が上げられ、規定される PJM会員の 2/3 の承認を得られなかった。そのため今回の提案は「 PJM Staff Proposal」という形式をとることで、FERC に判断を委ねる格好をとっている。本件の他にも RPM 制度の改善に係る提案として、管外からの容量入札を制限する案が FERC に提案された。 印刷用PDF
2013.11.26
スペイン:140 万軒の需要家が料金不払いで供給停止(2012 年実績)
2013 年 11 月 26 日付報道によると、2012 年に電気料金の不払いにより電力供給を停止されたスペインの需要家軒数は、2006 年実績の 2 倍以上に相当する 140 万軒にのぼった。そのうち家庭用需要家の 8 割に電力を供給するイベルドローラとエンデサが電力供給を停止した軒数はそれぞれ 588,120 軒と 524,814 軒であった。これらの不払い需要家は、料金を支払えば 48 時間以内に供給停止が解除される。不払い需要家の軒数が増加した原因として、同報道は 26%と高い失業率を挙げており、同国の不景気により近年 5 年間で世帯平均収入が 8.5%減ったのに対し、電気料金は 60%上がったことを指摘している。 印刷用PDF
2013.11.22
ドイツ:キリスト教民主社会同盟と社民党、洋上風力の買取優遇措置延長で合意
地元有力紙は 2013 年 11 月 22 日、連立政権樹立に向けて協議を続けているキリスト教民主社会同盟(CDU/CSU)と社民党(SPD)が洋上風力に適用している買取優遇措置を 2年間延長することで合意したと伝えた。現行の再生可能エネルギー法(EEG)に定められる買取制度では、2017 年末までに運開する洋上風力については、最初の 8 年間の買取価格を 19 ユーロ・セント/kWh、9~20 年目の間は 3.5 ユーロ・セント/kWh とする制度が施行されている。2018 年の運開になると、最初の 12 年間の買取価格が 13.95 ユーロ・セント/kWh、13~20 年目の価格が 3.26 ユーロ・セント/kWh となる。さらに 2019 年以降の買取価格は毎年 7%引き下げられることになっている。今回の合意では、最初の 8年間を 19 ユーロ/kWh で買い取る制度を延長し、2019 年末までの運開分まで適用することとなった。この背景には、洋上風力発電の設置が 52 万 kW(2013 年 9 月現在)にとどまっている点がある。今回の報道では、新政権が引き続き洋上風力に手厚い政策を施すものと読み取れるが、2013 年 11 月 12 日の報道では再エネ導入による電力価格の上昇を抑制するために 2020 年までに導入する洋上風力の設置目標をこれまでの 1,000 万 kW から 650 万 kW へと下方修正することが合意されたとも伝えられている。メルケル首相もある会合で洋上風力の導入を制限するとの発言をしている。相反する動きが今後どのように調整されるのかは現時点では明らかとなっていない。 印刷用PDF
2013.11.21
米国:FERC が卸各市場での不正行為取り締まりに関するレポートを公表
卸電力市場の監視と取り締まりを行う連邦エネルギー規制委員会の市場規制執行局(OE)は 2013 年 11 月 21 日、 2013 年の活動報告を公表した。OE は(1)意図的な市場操作( 2)深刻な信頼性の低下につながる市場活動、(3)非競争的な入札、(4)市場の透明性を損なう行為についての調査を担当し、結果に応じた是正勧告・制裁金および不正利得の返還を命じることができる。OE 内の 4 つの分室の内、包括的な調査を担当する調査室(office ofinvestigation)が 2013 年に開始した調査案件は 24 件で、前年からの継続案件を含む 29件が調査の結果、処分無しとして調査を終了した。また、バークレー銀行の市場操作に対し、2.85 億ドルの制裁金(および、1.24 億ドルの不正利得返還)が課されたのをはじめ、2013 年中の制裁案件は 19 件(制裁金確定総額:4.50 億ドル、不正利得返還:3.49 億ドル)に上ると報告された。 印刷用PDF
2013.11.21
英国:ヒンクリー・ポイント原子力の系統接続および系統増強に 1,600 億円
英国の系統運用者である National Grid は 2013 年 11 月 21 日、EDF エナジー(仏 EDF 子会社)が計画しているヒンクリー・ポイント C 原子力発電所(2 原子炉の合計容量 320 万kW)の系統接続および関連する基幹系統増強に対して、1,600 億円を投資する計画であると発表した。同社の計画では、工事期間は 5~6 年、鉄塔には景観を配慮し、新型の T 字高圧送電鉄塔を採用するほか、必要に応じて地中化を進めるとしている。EDF エナジーでは同原子力を 2023 年に運開させる予定であるが、このスケジュールは英国で予定している原子力に対する FIT-CfD(固定価格買取制度)が欧州委員会から承認されることを前提とする。 印刷用PDF
2013.11.21
南アフリカ:原子炉新設計画を一時延期か
エネルギー省(DOE)は 2013 年 11 月 21 日、2011 年 3 月に公表された電源開発計画(IRP 2010-30)の改定案を同省ホームページに掲載した。IRP 2010-30 は 2 年ごとに見直されることになっており、DOE は、南アフリカ地域のエネルギー開発動向や、2010 年頃から大きく変化した電力需要の見通しなどを勘案し、改定案を作成した。これによると、2030 年の需要電力を 4,540 億 kWh から 3,450 億~4,160 億 kWh に、最大需要電力を 6,780 万 kW から 6,120 万 kW にそれぞれ下方修正されている。このため、原子力発電所の新設計画は遅らせることが可能とされ、基本ケースでは 2025 年以降、低需要ケースの場合は 2030 年代まで、原子炉の新設は必要ではなく、水力やシェールガスなどの地元にある資源による電力で賄うことが可能とされている。改定案については、来年 2 月までパブリックコメントを募集、それらを反映した最終案が 2014 年 3 月に内閣の承認を受ける予定になっている。 印刷用PDF
2013.11.20
フランス:EDF、初のグリーンボンドを起債
フランスの大手エネルギー会社 EDF は 2013 年 11 月 20 日、同社で初めてとなるグリーンボンドを発行した。発行総額 14 億ユーロ(1,900 億円)、年利 2.25%の 7.5 年債である。グリーンボンドは調達した資金を地球環境に配慮した事業に利用することを前提とした債券で、同社は EDF Energies Nouvelles(同社 100%子会社)が行う再生可能エネルギー事業への投資に資金を活用する。今回の起債に対する機関投資家の申込みは募集額の2倍に達しており、同社はグリーンボンドの発行が水力発電など他事業での資金調達に新たな道を拓くと述べている。 印刷用PDF
2013.11.18
中国:「分散型太陽光発電案件管理暫定条例」を施行
国家能源局は 2013 年 11 月 18 日「分散型太陽光発電案件管理暫定条例」を施行した。この条例では、分散型太陽光発電の管理、案件届け出、建設条件、系統への併入と運用、計量と決算、違約責任等を詳細に定められている。主な内容は次のとおり(1)補助金と余剰電力の卸売電気料金は毎月決算し、送電会社は国の補助金を事業者に毎月支払わなければならない。(2)開発区内での転売が可能になった。つまり、経済開発区等、独立している配電網区域内で、分散型太陽光発電の余剰電力を区内の需要家に直接販売することができる。 印刷用PDF
2013.11.16
ベトナム:電気料金、段階的に値上げへ
政府は 2013 年 11 月 16 日、国営電力グループ(EVN)の赤字を解消するため、電気料金を現在の平均 1,509 ドン/kWh(約 6.9 円/kWh)から段階的に引き上げ、2015 年末に平均 1,840 ドン/kWh(約 8.5 円/kWh)にすると発表した。政府は、今後、関係機関と値上げ回数、時期などについて協議するとしている。 印刷用PDF
2013.11.15
中国:太陽光発電、2014 年の新規開発 1,180 万 kW
2013 年 11 月 15 日付の報道によると、国家能源局は 2014 年度の各省における太陽光発電の開発規模案を発表した。それによると、2014 年の年間開発量は約 1,180 万 kW で、その内、分散型太陽光発電を約 760 万 kW である。各省別に見ると、分散型と大規模の比率は、江蘇省で 12:1、山東省と浙江省、広東省では、10:1となっている。これについて、専門家は、東部地区では電気料金が高いため、太陽光発電の開発意欲はあるが、土地の手当てが困難であるため、分散型を選択せざるを得ないのではないかと見ている。一方、広大な土地が比較的容易に手当てできる、青海省と新疆ウイグル自治区、寧夏回族自治区、甘粛省、内蒙古自治区、陝西省、河北省などでは、大規模容量の開発意欲が高く、来年の新規開発容量は 310 万 kW とされている。 印刷用PDF
2013.11.14
エジプト:国内初の原子力発電所建設、年明けに国際入札
エジプト電力省は 2013 年 11 月 14 日、国内初となる原子力発電所の建設に向け、来年 1 月に国際入札を実施するとロシアとの協力協議の前に明らかにした。エジプトは、1986 年のチェルノブイリ事故後に原子力開発計画を一旦凍結したが、2006 年に復活させた。ムバラク大統領が解任された 2011 年2 月には、この入札が計画されていた。同省の広報担当者は、「原子力発電所機関(Nuclear PowerPlants Authority)は、地中海近くの Dabaa 地点に計画されている出力 95 万~165 万 kW の加圧水型原子炉 2 基の建設について、1 回目の国際入札を計画している」と述べた。同国は、政情不安から経済活動が停滞しているが、モルシ前大統領が追放されたことから、クウェート、サウジアラビア、アラブ首長国連邦から建設資金として 120 億ドルを提供したいという申し出があるという。 印刷用PDF
2013.11.12
米国:バーモント州下院議員が部分自由化の必要性を示唆
地方紙の報道によると、米国ニューイングランド地方唯一の非自由化州であるバーモント州下院エネルギー委員会のクレイン委員長(民主党)は 2013 年 11 月 12 日、産業界が主催した州内エネルギー供給に関する会議において、大口需要家向けの部分自由化導入の必要性を示唆した。同氏は、今回の提案について、製造業を中心とした一部需要家からの要望を受けたものとした上で、競争導入が電力価格の引き下げにつながるかは不透明としながらも、国内天然ガス増産等のエネルギー供給環境の変化への対応として検討する価値があると主張した。一方、同席した州公益事業委員会の委員は、検討の必要性に同意しながらも、価格変動のリスク等を慎重に分析する必要があるとの考えを示した。クレイン氏は部分自由化について、早ければ議会が再招集される 2014 年 1 月に下院委員会に提案する意向を示している。 印刷用PDF
2013.11.11
オーストラリア:再生エネ目標見直し
連邦政府は 2013 年 11 月 11 日、2014 年に「再生可能エネルギー目標(RET)」を見直す方針を明らかにした。RET では 2020 年までに国内電力供給の 20%を再生可能エネルギーの発電で賄うとされている。アボット首相は、再生可能エネルギーはコストが高いので、電力価格に与える影響を特に考慮しながら RET を見直すとしている。炭素価格制度(炭素税)の導入後の一般家庭の電気料金は、約 9%引き上げられ、その背景には RET による影響もあるとされている。 印刷用PDF
2013.11.07
豪州:ニューサウスウェールズ州の発電公社の売却先候補に神華集団も
2013 年 11 月 7 日付の現地報道は、ニューサウスウェールズ(NSW)州政府が売却を進める発電公社のマッコーリー・ジェネレーション(MG)の売却先候補リストとして、中国の大手石炭会社の神華集団が残っていると報じた。この他に、売却先候補リストには AGL エナジーとクイーンズランド州の ERM パワーが残っている模様。入札は、2014 年 1 月 28 日に締め切られる。MG は、NSW 州のハンターバレーにベイウォーター発電所(1985 年運開:66 万 kW×4 基)とリドル発電所(1971年運開:50 万 kW×4 基)の 2 つの石炭火力を保有しており、NSW 州への電力供給量の約 3 割を担っている。 印刷用PDF
2013.11.07
ベトナム:第 1 原発の着工が遅延の見込み
科学技術環境省(MOSTE)傘下の科学技術研究所(VAST:Vietnam Academy of Science andTechnology)は 2013 年 11 月 7 日、ロシアの支援により建設する第 1 原発(200 万 kW:2020 年完成予定)について、当初計画では 2014 年に着工することになっていたが、ロシアの事業化調査(F/S 調査)が年内に完了しても、ベトナム側の審査に時間がかかるため、着工が約 3 年ほど遅延する見込みであると発表した。それによると、国家審査評議会(NEC:National Examination Council)が F/S 調査報告書を審査するのに 12 カ月、ロシア側が詳細設計(D/D)を完成させるのに 18 カ月、ベトナム側が D/D を審査するのに 8 カ月かかり、最低でも 38 カ月間が必要になるとされる。この予測結果は MOSTE 経由で国会に提出される。 印刷用PDF
2013.11.07
中国:年末時点、発電設備総容量は 12.3 億 kW に
中国電力企業聯合会は 2013 年 11 月 7 日、1~9 月の電力需給状況を発表した。それによると、新規運開した発電設備容量は約 5,457 万 kW で、その内、火力は対前年同期比 7.2%増の 2,402 万 kW、水力は同 12.4%増の 1,867 万 kW、風力は同 23.6%増の 647 万 kW、原子力は同 16.7%増の 221 万kW となった。また年間の新規運開容量は 9,100 万 kW となり、2013 年末には総発電設備容量は 12.3億 kW になるとしている。1~9 月の消費電力量の対前年増加率は 7.2%と、前年比べ 2.4 ポイント高くなり、2013 年の年間消費電力量は、対前年比 7.0%増の 5.31 兆 kWh になるとしている。 印刷用PDF
2013.11.06
米国:北米が世界のマイクログリッド市場をリード
2013 年 11 月 6 日付業界紙によれば、市場調査会社ナビガント・リサーチ社は最新報告において、北米が依然として世界最大のマイクログリッド市場であり、計画中、提案段階、配置済みプロジェクトの設備容量は 270 万 kW にのぼると報告している。マイクログリッドは様々な環境問題や経済問題に対する最善の解決策となり得る場合もあり、世界的な展開を見せているが、プロジェクトへの投資、開発状況、配置は地域によって大きく異なる。ナビガント社のアナリストは、現在 600 件以上のマイクログリッド・プロジェクトが確認されており、分散型エネルギー資源への依存が高まるなか電気事業のビジネスモデルもそうした状況に対応していく必要があると指摘している。2013 年第 4 四半期現在、世界の稼働中マイクログリッドは 230 万 kW となっている。 印刷用PDF
2013.11.05
ロシア:ソチ五輪開催時のピーク対応のガスタービン発電所が運開
冬季五輪が開催されるソチの北方、クラスノダール州ツアプセ地区で 2013 年 11 月 5 日、ジュブガ火力発電所(18 万 kW:9 万 kW×2 基)が運開した。発電所は、2 基のガスタービン(GT)で構成され、ソチ五輪開催時のピーク対応設備として、政府決定(2007 年 12月)に基づき国有発電会社 Intel RAO EES(インテル社)によって建設された。GT はいずれも米国 GE 製で、工期は 2 年半、総工費は 170 億ルーブル(約 510 億円)とされている。五輪後は、黒海沿岸の住宅への電力供給用設備として利用される。なお、五輪用の新設電源には 2013 年 1 月に運開したアドレル火力発電所(36 万 kW)がある。 印刷用PDF
2013.10.30
米国:電気事業者の M&A は今後も堅調に継続とムーディーズ社が予測
2013 年 10 月 30 日付の業界誌によると、信用格付け機関のムーディーズ社は、米国電気事業者の合併買収(M&A)について、大手および中小事業者とも今後数年間、堅調なペースで継続すると予測している。省エネやエネルギー消費効率の向上、分散型電源の増大、リーマンショックに端を発した景気低迷などにより電力需要の伸びは鈍化傾向にあり、その打開策として一部電気事業者は全米平均を上回るペースで需要が伸びている地域の電気事業者を対象に M&A の可能性をさぐっている。多くの電気事業者は規制事業を拡大してキャッシュフローの安定性と予見可能性を高めるとともに、運営効率を最大化し、運転保守費用をより広い需要家ベースに拡散しようとしている。ミッドアメリカン・エナジー・ホールディングス、デューク・エナジー、エクセロンといった大手事業者は買収によって事業の拡張、多様化といった目標を達成する可能性が高いが、中小事業者は“食うか食われるか”の戦略を採用している。中小事業者の M&A 候補としては、ベクトレン・ユーティリティ・ホールディングス、クレコ・パワー、エンパイア・ディストリクト・エレクトリック、UNSエナジーなどを挙げている。 印刷用PDF
2013.10.29
ヨルダン:国内初の原子力発電所にロシア製原子炉
ヨルダンの原子力委員会(JAEC)委員長は 2013 年 10 月 29 日、国内初の原子力発電所はロシアの国営原子力企業ロスアトムが建設することになったと発表した。100 億ドルと伝えられる総費用については、ロシアが 49%、ヨルダン政府が 51%を負担するとされている。JAEC は 2010 年 5 月、アレバ・三菱重工の ATMEA1、ロシアのアトムストロイエクスポルト(ASE)の VVER -1000 (AES-92)、カナダの SNC ラバリン社の改良型 CANDU -6 を最終候補とし、2012 年 4 月には、VVER -1000と ATMEA1 に絞り込んだ。原子炉 2 基が建設される地点は未定で、JAEC 委員長は「アムラ地域のザルカ市の東約 60 キロ付近」と語ったが、ロスアトムは、「建設地点はイルビド市近傍で、アンマンから北へ約 70 キロの地点」としている。ヨルダンは以前、出力 75~100 万 kW の原子炉の建設工事を 2013 年に着工、2020 年頃に 1 基目、2025 年頃に 2 基目をそれぞれ運開することを目指していた。 印刷用PDF
2013.10.29
英国・フランス:CRE が英国とフランスの電力市場の統合開始を承認
フランスのエネルギー規制委員会(CRE)は 2013 年 10 月 29 日、英国とフランスの電力市場の統合開始を承認した。2013 年 11 月 26 日から開始の予定。北西欧(NWE)地域の電力市場の統合開始は、2013 年 10 月 2 日に CRE が承認済みである。NWE 地域の電力市場統合は欧州 15 カ国まで拡大される予定で、欧州全体の電力消費量の 75%をカバーすることになる。電力市場統合により、最も経済的で効率的な取引に基づき、国際連系線の容量が割り当てられることになり、より価格の安い電力が供給できるようになると期待される。また CRE は、英国とフランスの電力市場統合により、年平均で 5,000 万ユーロ(約70 億円)の供給コストが削減されると試算している。 印刷用PDF
2013.10.29
欧州:RWE 社長、欧州全域への火力発電所停止の広がりによる大規模停電を懸念
エネルギー大手 RWE のテリウム社長は、独有力紙とのインタビュー(2013 年 10 月 29日掲載)の中で、欧州全体で火力発電所の運転停止が広がり、大規模な停電が発生する可能性があると述べた。この背景には、再エネの増加に伴う卸電力価格が低下や火力発電所の運転時間の減少で、火力発電所の採算が取りにくくなっていることがある。RWE では、ドイツとオランダで 197 万 kW に及ぶ火力発電所を 2015 年までに閉鎖する計画を 2013年 8 月に発表している。 印刷用PDF
2013.10.25
アラブ首長国連邦:照明規制により年間 1.4 億米ドルの省エネ効果
現地報道は 2013 年 10 月 25 日、首長国規格・検量協会(ESMA)が起草した照明規制が来月に内閣承認されれば、非効率な電球や照明器具が段階的に廃止されると報じた。この規制では、効率性能から安全規格や廃棄方法まで網羅され、3 年ごとに仕様が改訂されることになっている。ESMA 幹部は取材に対し、非効率な照明機器類は同規制施行から 6 ヵ月以内に段階的に廃止され、これが達成されれば、年間電気料金で年間約 1.4 億米ドル、年間消費電力で 200 百万 kW の削減効果が期待できるとしている。また、環境負荷軽減のため、電球や蛍光管等の水銀含有量も規制対象とされている。 印刷用PDF
2013.10.24
フィリピン:中国企業、南沙諸島近郊の資源開発に参入
エネルギー省(DOE)は 2013 年 10 月 24 日、中国海洋石油総公司(CNOOC:China National OffshoreOil Co.)が Forum Energy Philippines Co.(FEPC:英国の Forum Energy Plc.の子会社)に対して、南沙諸島(Spratly Islands:フィリピン名 Kalayaan Islands)近郊のフィリピン領海内(Reed Bank)における石油・ガス共同開発を申し出たと発表した。同省の関係者は「CNOOC が Reed Bank の開発に参入すれば、南沙諸島の領土問題解決に向けた新たな局面を迎えるが、フィリピンの法律に従うことが大前提となる」とコメントしている。 印刷用PDF
2013.10.24
中国:電気自動車リース、学生に人気
2013 年 10 月 24 日付の報道によると、北京では大学生を対象とする電気自動車のリースが 9 月 19日から北京理工大学で試験的に導入されており、人気が上昇している。リースに使われている電気自動車は北京自動車製の E150 型車で、1 回の充電による走行距離は 110km であるが、冬季にヒーターを使うと約 90km となっている。現在、リース料金については、昼間は 159 元、18 時~翌日 8 時までは 99 元、2 時間では 59 元に設定されている。夜間の料金が低いため、遅くまで研究する学生や、通学距離の長い学生に歓迎されている。彼らの話によると、電気自動車のリース料金は、軽自動車の219 元より安く、ガソリン代もかからないので、遠距離を通う場合にはタクシー料金より安い。 印刷用PDF
2013.10.23
欧州:各国の大臣が産業界の負担軽減を求める
英国、フランス、イタリア、スペイン等の欧州 9 カ国(ドイツは含まれない)の産業大臣は 2013 年 10 月 23 日、再生可能エネルギーの導入および温室効果ガス削減目標の設定等による産業界への影響を軽減するための措置を講ずるよう、欧州委員会に求める共同声明を発表した。同声明では、欧州各国とその他先進国との間で生じている、エネルギー価格、温室効果ガスの削減目標および再生可能エネルギーの導入目標の格差により、欧州の産業が競争上不利に置かれていることを指摘し、2014 年 2 月に開催予定の欧州首脳会議までに、その格差を埋めるための措置を提案することを欧州委員会に求めている。全世界のGDP に占める EU の GDP の割合は、2012 年の 15.5%から 2013 年の 15.2%へと減少しており、各大臣は、鉄鋼、造船等の従来型産業への対応とあわせて、グリーン技術等の成長産業への対応の必要性を指摘、また、国家補助に係る EU 大の枠組みについても、EU 外で認められている補助との整合性を求めること等の必要性を指摘している。 印刷用PDF
2013.10.22
英国:GDF スエズが英国でのシェールガス開発に参入
フランスの大手エネルギー事業者 GDF スエズは 2013 年 10 月 22 日、豪州系ガス探査会社ダートエナジー(本社:シンガポール)が所有する英国北西部のシェールガス開発の権益の 25%を取得すると発表した。GDF スエズが同国でシェールガス開発に参入するのはこれが初めてとなる。対象はチェシャー州からミッドランズ東部におよぶ 13 鉱区(1,378?)で、英国地質調査所(BGS)の調査で約 40 兆?のシェールガス埋蔵量があるとされる Bowland 区域も含まれる。GDF スエズは権益の購入費の 1,200 万ドルを支払うほか、探査費用として 2,700 万ドル支払うことになっている。同社は英国エネルギー気候変動省(DECC)の認可を得た後、ダートエナジーと共同で同地域の掘削を進めていく意向である。GDF スエズ副社長ジャンマリ-・ドジェ氏は「英国にはシェールガスのポテンシャルがあり、我々の開発が同国のエネルギーセキュリティに貢献すると信じている」と述べている。英国内では、シェールガス開発を政府が推進する一方で、環境保護団体等がシェールガス開発に反対の意を唱えており、ダートエナジーのジョン・マックゴールドリック社長は「われわれが開発するシェールガスは英国の 4 年分のガス需要を賄い、国内の雇用にも貢献するものであり、開発への反対はその可能性を失わせる可能性がある」と述べて、反対行動を危惧するコメントを出している。 印刷用PDF
2013.10.21
英国:ヒンクリーポイント新規建設プロジェクトの買取価格が決定
英国政府は 2013 年 10 月 21 日、フランス EDF の子会社 EDF エナジーがヒンクリーポイントに新規建設予定の EPR(2 基で約 320 万 kW)の固定価格買取制度における買取価格(ストライクプライス)について、もう 1 つの建設予定地であるサイズウェルでも新規建設を決定した場合は 8.95 ペンス(約 14.1 円)/kWh、そうでない場合は 9.25 ペンス(約14.6 円)/kWh とすることで、EDF と合意したことを明らかにした。保証期間は運転開始から 35 年間。総工費は 160 億ポンド(約 2 兆 5,000 億円)、期待される雇用創出は 2 万5,000 人、2014 年 7 月までに投資に関する最終決定が下され、2023 年から運転開始予定、英国内電力需要の 7%を賄う見通し。EDF は同日、本プロジェクトの共同出資者について、中国広核集団(CGN、中国広東核電集団(CGNPC)が 2013 年 5 月に社名変更)と中国核工業集団(CNNC)が合わせて 30~40%程度出資、仏原子力大手のアレバが 10%程度出資することに加え、さらに、協議中の他企業が最大 15%出資する可能性があることを明らかにした。英国のオズボーン財務相は、今回の発表に先立ち、2013 年 10 月 17 日、本プロジェクトへの中国企業の出資を受け入れる方針を明らかにしていた。 印刷用PDF
2013.10.18
米国:FERC、エクセロン子会社の架空取引に対して罰則を適用
連邦エネルギー規制委員会(FERC)は 2013 年 10 月 18 日、エクセロン社の子会社であるコンステレーション・エネルギー・コモディティーズ・グループ社(CECG)が 2010 年にカリフォルニア ISO(CAISO)に虚偽の情報を提供し、不正な利益を得ていたことに関し、エクセロン社に約 64 万 5,000 ドルの罰金を科した。CECG はウィーリング・スルー(CAISO地域をまたいだ電力託送)と申請しながら、輸入地点と輸出地点の電力価格差を利用し、不法な利益を得ていた。CAISO の規則によると、ウィーリング・スルーを行う場合、CAISOの制御地域外に電源および負荷が存在することを前提としている。しかし CECG が電源と負荷を有していなかったことから、FERC は CECG の行為を規則違反とした。 印刷用PDF
2013.10.16
米国:FERC 委員長が小売市場を通じた柔軟な料金設計の導入促進を奨励
専門誌の 2013 年 10 月 16 日の報道によると、既に退任の意思を表明している連邦エネルギー規制委員会(FERC)のウェリンホフ委員長は、ワシントン市内で開催されたスマートグリッド関連の会議の席上で、需要家の選択を通してこそ、柔軟な料金設計が普及する可能性があると述べた。同氏は、卸電力市場価格が一日を通じて 50%以上変動する点を指摘し、「電力の利用パターンが需要家ごとに異なる以上、平滑化された電力価格が一律に適用される理由は無い」とし、電力メニュー選択の必要性を主張した。また同氏は、テキサス州の一部小売事業者が週末発電料金無料メニュー等を提供している事例を示し、今後、需要家個人が電気料金の変動を詳細に調整可能なメニューが提供されるだろうと見通した。 印刷用PDF
2013.10.15
ドイツ:2014 年の再エネサーチャージは kWh 当たり 6 ユーロ台へ
2013 年 10 月 15 日、ドイツの送電系統運用者 4 社は共同で 2014 年の再エネ導入に伴うサーチャージが 6.24 ユーロ・セント/kWh になると発表した。2013 年のサーチャージは5.28 ユーロ・セント/kWh であり、約 1 ユーロ・セントの増加となる。これにより年間消費電力量が 3,500kWh の一般的な家庭の年間負担額は 218 ユーロ(約 28,000 円)となる。サーチャージは、固定価格買取制度(FIT)による買取価格と卸電力価格の差額等から算定される。今回のサーチャージの増加は卸電力価格の低下によりこの差額分が大きくなったことが主な要因とされている。 印刷用PDF
2013.10.14
米国:テキサス州最大の電気事業者の破産申請間近との報道
2013 年 10 月 14 日付専門誌の報道によると、テキサス州のエナジーフューチャーホールディング社が、2013 年 11 月の一部債権の支払期限を前に、破産申請後の運用資金調達に本格的に取り組むなど、破産申請に向けた動きを本格化している。同社の債権総額は 400 億ドルに上り、予てより債権者より破産計画が提案されながら、これまでのところ申請に向けた見通しはたっていない。同社は現在も 20 万軒以上の小売需要家を抱えるテキサス州最大の電気事業者であり、事業再編を含む今後の動向が注目されている。 印刷用PDF
2013.10.14
中国:9 月の電力需給状況
国家能源局は 2013 年 10 月 14 日、9 月の電力需給状況を発表した。9 月単月の消費電力量は 4,448億 kWh で前年比 10.4%増となった。1~9 月の累計消費電力量は前年比 7.2%増の 3 兆 9,452 億 kWhで、産業別では、第一次産業用は同 0.1%増の 776 億 kWh、第二次産業用は同 6.5%増の 2 兆 8,689億 kWh、第三次産業用は同 10.9%増の 4,758 億 kWh、生活用は同 8.9%増の 5,230 億 kWh であった。発電設備の 1~9 月の平均利用時間の累計は 3,385 時間で前年に比べ 55 時間減少した。そのうち、水力については前年より 150 時間少ない 2,638 時間、火力については前年より 6 時間少ない 3,703 時間となった。1~9 月に新規運開した発電設備容量は 5,457 万 kW で、水力 1,867 万 kW、火力 2,402万 kW であった。 印刷用PDF
2013.10.14
韓国:原発計画を見直し
政府は 2013 年 10 月 14 日、「第 2 次国家エネルギー基本計画」(2013~2035 年)を策定中の官民ワーキング・グループ(政府、学会、産業界、市民団体などの関係者 59 人)は、発電設備容量に占める原発の比率を第 1 次計画(2008~2030 年)の 41%(2030 年)から 2035 年に 20%台に引き下げる案を取りまとめたと発表した。現在の比率は 26.4%である。原案では、新規開発分を廃炉と同程度とし、石炭と天然ガス(LNG)による発電を増やすとされ、国会で審議される。関係者は、「原発への国民の不信感を反映した。原案の目標を達成するには、エネルギーの効率利用、とりわけ節電を促進する必要がある」とコメントしている。 印刷用PDF
2013.10.10
トルコ:再エネ電力固定買取を 5 年間延長
ユルドゥズ・エネルギー相は 2013 年 10 月 10 日、記者団の質問に答える形で、水力、太陽光、風力、地熱、バイオマスなどの再エネを利用して発電された電力を固定価格で買い取る制度(FIT 制度)を2020 年まで延長するため、閣議に提出すべき法案の改正提案書をすでに起草済みであることを明らかにした。トルコでは再エネ発電法の 2010 年改正に基づいて FIT 制度が 2015 年 12 月 31 日を期限として実施されているが、国の中期計画検証の一環としてエネルギー分野において今後 3 年間をかけて行うことになっている作業との関連で副首相、経済相、エネルギー相の間で行われたいずれの会談でもエネルギー支援策に積極的な評価が示されたとユルドゥズ大臣は語った。 印刷用PDF
2013.10.10
台湾:FIT 価格、2014 年に改訂
経済部・能源局(MOEA・EOB)は 2013 年 10 月 10 日、再エネをバランス良く導入するため、再エネの固定価格買取制度(FIT)の価格を 2014 年に改訂すると発表した。それによると、太陽光発電については現行価格を 16~19%引き下げ、風力発電については同じく 11~15%引き上げられる。離島に再エネ発電設備を設置する場合は、再エネの種類に関係なく、FIT 価格に一律 15%加算される。現在の FIT 価格は、地上設置型の太陽光 6.65 元/kWh(約 21.8 円/kWh)、屋上設置型の太陽光 8.25元/kWh(約 27.0 円/kWh)、陸上風力 2.61 元/kWh(約 8.55 円/kWh)、洋上風力 5.56 元/kWh(約 18.2 円/kWh)である。 印刷用PDF
2013.10.10
英国:自由民主党、原子力エネルギー支持に政策変更
2013 年 10 月 10 日の報道によると、英国の自由民主党(Liberal Democratic Party)は、先月行われた党大会において、これまでの原子力エネルギー反対の姿勢から、公的補助がなく環境統制できる原子力発電を今後進めていくという政策に方針転換した。この決議により、野党労働党を含む英国の主要政党 3 党すべてが、原子力エネルギーを支持することになった。エド?デイビー エネルギー気候変動大臣は同党の党員に対し、気候変動により彼の考え方を変えたことを話し、大規模低炭素電源を拒否するのは"無謀"であろうと原子力エネルギー支持を訴えた。保守党?自由民主党の連立政権が 2010 年に結成されたとき、両党は、原子力発電所の新設計画は進めるものの自由民主党の当時の原子力反対との方針維持は認めることに合意しており、同党広報担当者は計画反対の談話が許され、同党議員は議会での投票で棄権が認められていた。 印刷用PDF
2013.10.08
ドイツ:連邦系統規制庁に 674 万 kW に及ぶ発電所閉鎖計画が提出される
地元経済紙は 2013 年 10 月 8 日、連邦系統規制庁に届いている発電所の閉鎖計画が 673万 5,000kW(26 発電所)に上っていると報じた。このうちの 19 の発電所は 2013 年 9 月上旬に申請されたもの。この背景には、再エネの大量導入により卸電力価格が低い水準で推移しているため、電源を稼働しても利潤を出しにくい状況がある。他方、出力が不安定な再エネの需給調整を担う役割は今後も従来電源に期待されるため、連邦系統規制庁が発電事業者側の申請通りには発電所の閉鎖を認めない可能性もある。ドイツでは、1 万 kW以上を保有している発電事業者は、発電所の閉鎖計画を閉鎖の 1 年前までに連邦系統規制庁へ届け出ることがエネルギー事業法により義務付けられているが、同庁の判断で閉鎖を禁じられ、冬場のピーク時等に稼働できるよう発電所を維持、管理することを命じられた場合には、当該発電所の事業者には、運転時にかかる費用に加えて、維持管理のための費用や再稼働のための修繕費用も支払われることが省令で定められている。これらの費用は最終的には需要家の負担となる。 印刷用PDF
2013.10.06
米国:またしても電力系統設備への攻撃が発生
連邦捜査局(FBI)の 2013 年 10 月 6 日の発表によると、アーカンソー州において系統設備に対する外部からの攻撃が相次いで発生した。犯人はいまだ特定されておらず、現在、捜索中とさている。まず、標的とされたのはエンタジー社が所有する変電所(500kV)で、2013 年 9 月 29 日に発生した火災を検証したところ、現場に「You should have expectedU.S.」(「思い知れ!」ハッカー等が使用する文言)と書き残されていたことから、FBI は放火と断定した。2 件目の被害は組合営電気事業者が所有する送電柱 2 本が、2013 年 10月 6 日に意図的に切り倒されたもので、停電被害は約 1 万軒におよんだ。同州では 2013 年8 月に、何者かが送電鉄塔に上り、支線を切断する事件が発生しており、今回の 2 件との関連性についても検証するとしている。 印刷用PDF
2013.10.02
バングラデシュ:国内初の原子炉の建設工事を着工
2013 年 10 月 2 日の報道によると、バングラデシュ首都ダッカの北 120km にあるルーパーにおいて、ロシアの協力を得た同国初となる原子力発電所(100 万 kW ×2 基)の 1 基目の建設工事が始まった。同機は 60 年間の運転が期待されており、さらに 20 年間の延長も可能という。同国のハシナ首相は「安全を最優先に、国際原子力機関(IAEA)のガイドラインにしたがって設計されており、自然災害によって損傷や破壊は受けない」と述べた。プロジェクトの費用は約 20 億ドルで、ロシアから 5 億ドルの資金援助を受け、2022 年までに運開する予定である。ロシアのロスアトム社が、契約に基づき、建設、運転、燃料の供給とその処理を行う。 印刷用PDF
2013.09.30
インドネシア:電気料金の算定方式を見直しか
国営電力会社(PLN)は 2013 年 9 月 30 日、電気料金の算定方式を一部見直すと発表した。それによると、大規模工業用(契約容量 200kVA 以上:料金種別 I-3 および I-4)の電気料金を対象に、為替変動と物価変動を自動的に反映できるようにするとしている。同社は、電力補助金を約 2 兆ルピア(約2,000 億円)削減できると見込んでいる。政府の予算委員会において 2014 年度の電力補助金予算の削減(89 兆 8,000 億ルピアから 71 兆 3,600 億ルピアへ削減)が決定したことから、PLN は電気料金の見直し作業を行っている。 印刷用PDF
2013.09.26
タイ:「国内カーボン・オフセット・クレジット取引」を 2014 年に導入
天然資源・環境省(MONRE)は 2013 年 9 月 26 日、「国内カーボン・オフセット・クレジット制度」(T-VER:Thailand-Voluntary Emission Reduction)を 2014 年に導入すると発表した。現在、タイ温室効果ガス機関(TGO:Thailand Greenhouse Gas Management Organization:京都議定書のクリーン開発メカニズム(CDM)事業などを担当する機関)は、温室効果ガスの測定方法と認証基準を作成している。 印刷用PDF
2013.09.26
韓国:8 月の販売電力量、前年比 1.9%増
韓国電力公社(KEPCO)は 2013 年 9 月 26 日、8 月の販売電力量が前年比 1.9%増の 406 億 4,700万 kWh と発表した。用途別では、工業用は同 2.0%増の 218 億 1,900 万 kWh、商業用は同 3.2%増の 99 億 4,900 万 kWh、家庭用は同 1.3%減の 63 億 7,600 万 kWh となった。最大電力は 19 日午後 3時の 7,402 万 kW。 印刷用PDF
2013.09.23
米国:スマートグリッドの時代になっても、検針員は解雇せず
2013 年 9 月 23 日付地元紙によれば、メーター自体が検針を行い、本社に即座に通信することができる時代は、検針員にとって先行き不透明な時代とされているが、イリノイ工科大学で開催された「スマートグリッドと新エネルギー経済に関する五大湖シンポジウム(The Great Lakes Symposium on Smart Grid and the New Energy Economy)」において Ameren 社と Commonwealth Edison(ComEd)社が、今後の検針員の活用について発表した。ComEd 社は、シカゴ地域で 6,000 人の検針員を雇用しており、何人かの検針員はAMI(高度メーター設置施設)で訓練を受けるだろし、その他の何人かは、既に電線路エンジニアや変電所エンジニアとしての仕事へ移行しつつある方向にある。また Ameren 社の代表は、検針員は解雇されないと述べた。イリノイ州の大部分とミズーリ州の一部にも供給するアメレン社は、検針員として約 9,000 人を雇用しており、「私たちは、検針員を強制的に辞めさせたりはしない。今後 6 から 8 年間で彼らの多くは、定年に達すると自然に引退し、引退しない人達は、私たちはどこかに仕事を見つけることができる。」とした。同社は、スマートグリッドが雇用を創出するであろうとする 4 つの分野を挙げている。(1)スマートグリッドの設置は、技術者に雇用を創出(2)コミュニケーションの分野に多くの技術を投入しているため、リレー技術、通信技術の分野で雇用の増大が期待される(3)スマートグリッドは、サイバーセキュリティ分野における仕事の新しいカテゴリを創出(4)スマートグリッドは、家庭やビジネスの場でのビジネス・チャンスに対応しようとする太陽光や風力の設置業者、系統技術者や他の労働者に多くの「スマートグリッドの二次側」の雇用を創出する。また、電気事業者は直接に関与しない「メーターの二次側」に多くの仕事があると考えられる。 印刷用PDF
2013.09.23
インド:天然ガスの需要量、2030 年までに現在の 3 倍以上か
2013 年 9 月 23 日付の報道によると、インドの天然ガス国内需要量は供給量を上回るペースで増えており、2012 年度の日量 2 億 4,260 万?から、2030 年には同 7 億 4,690 万?になると見込まれている。他方、2030 年時点の供給量は、輸入分を加えても日量 4 億 7,400 万?に止まるとみられる。2012 年度に国内天然ガスの総消費量の 28%を占めた電力分野の需要量は、2013 年度には日量 8,650 万?、2017 年には同 1 億 5,880 万?、2022 年には同 2 億 3,880 万?、2027 年には同 3 億 880 万?、2030年には 3 億 5,380 万?になると見られている。 印刷用PDF
2013.09.18
米国:インディアナ州で小売自由化に向けた議論開始
インディアナ州の下院特別委員会は 2013 年 9 月 18 日、州内電力自由化に関する公聴会を開き、利害関係者からの意見聴取を行った。自由化を求める参加者からは、石炭依存が大きい同州では、環境保護局の排出規制による将来的な電力価格高騰の懸念があり、自由化導入による影響の軽減が必要と主張した。一方、反対派からは、周囲の自由化州についての分析結果から、自由化制度に電力価格を引き下げる効果はみられないとの反対意見が述べられ、意見は真っ向から対立した格好となった。同州では 2013 年 4 月に成立した州法(S.B.0560)で州内電力自由化の検討が求められており、同委員会には、制度導入に関する影響調査結果を 2013 年 11 月 1 日までに提出することが義務付けられている。 印刷用PDF
2013.09.17
フランス:フランス政府が潮流発電プロジェクトの入札を計画
2013 年 9 月 17 日の仏経済紙が伝えたところによると、フランス政府は 2013 年 9 月中にノルマンディー半島沖の潮流発電実証プロジェクトの入札(関心表明による一次選考)を実施する。3~4サイトに各 10 基程度の発電機が設置される計画で 2015 年には試験運用に入れる。ノルマンディー半島沖は欧州でも最も潮流が強い海域と言われ、エネルギー省によれば、潮流発電は洋上風力や波力発電より効率が良く、同海域で 2016 年までに商用向けに 300~500 万 kW の開発が期待できる。フランスは海洋エネルギーからの電力買取を 1.63 ユーロ・セント(約 2.12 円)/kWh と定めているが、買取価格の見直しに加えて1 サイトあたり 5,000 万ユーロ(約 65 億円)程度の補助金が出ると見込まれている。EDF、GDF Suez、アルストム、DCNS(仏軍用船舶建造)などが参加を予定している。近くのシェルブール港にはシーメンスなどによるタービン製造工場の建設計画もあり、潮流発電事業はフランス全体で 8,000 人の雇用をもたらすと試算されている。 印刷用PDF
2013.09.13
フランス:EDF、スマートグリッド研究所を開設
フランスの大手エネルギー事業者 EDF は 2013 年 9 月 13 日、スマートグリッド研究所「Concept Grid」を開設したことを発表した。同研究所は、パリ南東部に位置するルナルディエール研究開発センター構内にあり、現実の環境を模した 5 つの家屋が建設され、スマートメーター、遠隔操作可能な家電製品、ヒートポンプ、小規模風力発電、太陽光発電、電気自動車の充電施設、蓄電システムなどを備え、様々な条件下でスマートグリッドに関する試験が行われる。投資額は 1,000 万ユーロ(約 13 億円)で、他の産業界や大学などの研究機関と共同研究を行っていく。 印刷用PDF
2013.09.05
ドイツ:4 分の 1 の産業需要家が電気料金高で生産拠点移転を検討
ドイツ商工会議所(DIHK)のシュバイツァー会頭は 2013 年 9 月 5 日、政府が進めるエネルギー転換政策(脱原子力と再エネの大量導入)についてのアンケート調査の結果を公表した。DIHK が 2013 年 6 月 5 日~25 日の間に実施した同調査には 2,394 社が参加。その約 6 割がエネルギー転換は産業競争力に悪影響を与えていると回答。そのため、調査参加企業の約 4 分の 1 が生産拠点の国外移転や国内での生産量の引き下げを検討しており、さらにその割合はエネルギー集約型産業(売上高に対する電気料金支払額の割合が 14%以上)に限ってみると、約 5 割に及ぶことが明らかとなった。移転を考える理由には、エネルギー料金(特に電気料金)が諸外国に比べて高い点が指摘され、その具体例として、ある産業需要家が米国で支払う電気料金はドイツの約 6 割である点が挙げられた。 印刷用PDF
2013.09.05
米国:eBay 社が燃料電池を介した電力販売の許可を得る
連邦エネルギー規制委員会(FERC)は 2013 年 9 月 5 日、インターネット通信販売・オークション大手の eBay 社がユタ州内の自社データセンターに設置している燃料電池(固体酸化物型)からの余剰電力の販売を許可した。eBay 社は 2009 年に Bloom Energy 社製の燃料電池ユニット(Bloom Box)5 基をデータセンターへの電力供給を目的に導入したが、今回、これらの設備からの余剰電力最大 6,000kW を、パシフィコープ社の系統設備を経由して、市場価格で卸販売することが許可された。eBay 社の他にも分散型電源からの余剰電力の卸販売許可を得た例は、ウォルマート社(2005 年)、Google 社(2010 年)等がある。 印刷用PDF
2013.09.05
ベネズエラ:70%以上の州で停電発生
2013 年 9 月 5 日付の報道によると、2013 年 9 月 3 日の午後 1 時頃、ベネスエラ全 23 州のうち首都カラカスを含む中西部 18 州で停電が発生した。停電は、発生後 5 時間後から翌日正午までに復旧したもよう。石油精製所は停電を免れたものの、各地で信号や水道が使用不能になるなどの混乱が生じた。停電の原因は送電線の鉄塔 6 基の不具合によるものとされたが、この送電線は昨年 4 月に検査が実施されていた。この停電を受けて、同送電線の鉄塔全基の検査が行われることになった。マドゥロ大統領は、反政府勢力により引き起こされた可能性を指摘しており、停電が意図的なものか、安定供給上の問題なものか、調査が行われる。 印刷用PDF
2013.09.05
英国:英国がロシア型軽水炉 VVER の導入可能性調査を開始
英ロールスロイスは 2013 年 9 月 5 日、ロシア国営企業ロスアトムとロシア型軽水炉 VVERを英国に導入する実現可能性調査を実施する契約を結んだ。ロールスロイスはフィンランドで VVER を運転している電気事業者フォルトゥムとも同調査について別途契約する予定である。3 社は VVER の一般設計評価(GDA: General Design Assessment)とサイトライセンスに向けた準備作業を開始する。ファロン英エネルギー担当大臣とロスアトムのキリエンコ総裁は同日モスクワでこれを促進するための覚書を結んだ。GDA は、アレバの EPR が 2012 年 12 月に審査を終了し、今年初め日立-GE の ABWR の審査が開始された。 印刷用PDF
2013.09.02
UAE:GCC 諸国で太陽エネルギー事業が活況
地元紙は 2013 年 9 月 2 日、ドバイ首長国で開催されている太陽エネルギー技術に関する展示会「GulfSol 2013」の主催者の話として、GCC 諸国全体で、2017 年までに開発される 8,400 万 kW の太陽エネルギー事業が認可を受けていると報じた。総事業費は 1,550 億米ドルとされる。これに関連して、UAE の連邦太陽エネルギー産業協会は、中国企業が湾岸地域での太陽エネルギー事業に関心を示していると述べている。太陽光パネルの原材料である珪素はエジプトからの輸入に頼っているため、国内メーカーは珪素の安定的な供給確保に腐心している 印刷用PDF
2013.09.02
中国:2020 年、運転中原発 6,000 万 kW に
2013 年 9 月 2 日に開幕した「2013 年中国国際原発設備展示会および原子力発電の持続可能な発展に関するフォーラム」において、国家核電技術公司の関係者は、「今後 7 年間に、原子力発電の設備容量は年間 10 基程度のペースで増えていく。国の計画では、2030 年に原子炉 200 基が稼働することになっている。そのためには、2015 年までに年間 4~6 基、2016 年~2020 年には年間 6 基~8 基、2020年以降は年間 10 基を運開する必要がある」と発言した。中国工程院アカデミー委員の葉氏は、「原発開発は加速され、2020 年には運転中の設備容量は約 6,000 万 kW と、現在の 1,500 万 kW の 4 倍になる」という見方を示した。 印刷用PDF
2013.08.30
米国:電気事業運営の変革迫る低廉ガス、分散型再エネ、規制緩和
IPP 大手の NRG 社(本社ニュージャージーおよびテキサス)のデビッド・クレイン CEOは、2013 年 8 月 30 日付業界誌のインタビューに応え次のように語った。「電力業界が直面している様々な変革のなかでも、低廉な天然ガス、分散型再エネ、規制緩和は、電気事業の運営を絶え間なく変えていくことになる。需要家が小規模風力や屋根置きソーラーなどの再エネ電源を採用するようになると、グリッドを離脱する需要家が増え、電力会社は残った需要家の電気料金を引き上げるので、グリッドを離脱する需要家がさらに増えるという悪循環を生み出す。電気という製品を需要家に送り届ける事業モデルは 1930 年代に開発された。1930 年代のやり方がいまだに機能している産業がほかにあるだろうか。いま電力産業に必要なのは 25 年前の電話産業のように、もっと情報技術をベースとした産業に一躍変身することだと思う。電力業界を近代化するためには、エンドユーザーがどのように電力を得るのか、だれから購入するのか、それをどう利用するのか、業界としてもっと管理できるようにしていかなければならない。」 印刷用PDF
2013.08.30
ドイツ:連邦系統規制庁、2024 年の電力供給シナリオを承認
連邦系統規制庁は 2013 年 8 月 30 日、送電系統運用者(TSO)4 社が作成した 2024 年に向けた系統開発計画のための電力供給シナリオを承認したことを公表した。TSO は毎年、電力供給の安定化と投資費用の効率化のために、TSO 間で相互に調整の上、10 年後と 20年後の電力供給の予測シナリオを作成することが義務付けられている。連邦系統規制庁の承認を受けた同シナリオは、TSO が作成する系統計画の土台となり、作成された系統開発計画は翌年の 3 月 3 日に連邦系統規制庁へ提出することがエネルギー事業法で定められている。今回発表されたシナリオでは、2024 年時点の陸上風力の設備容量を前年の 2023 年向けシナリオの 4,930 万 kW から 5,500 万 kW まで増加させる一方、太陽光は 6,130 万 kWから減少して 5,600 万 kW、洋上風力も 1,410 万 kW から 1,270 万 kW に抑えられた想定となっている。 印刷用PDF
2013.08.28
台湾:10 月から電気料金値上げ
経済部(MOEA)は 2013 年 8 月 28 日、台湾電力公司(TAIPOWER)の赤字を削減するため、10月 1 日から電気料金を平均 8.49%値上げし、平均 2.87 元/kWh(約 9.4 円/kWh)にすると発表した。月間使用量 500kWh 以下の家庭用と 1,500kWh 以下の小規模・商業用は据え置かれる。用途別の値上げ率は、家庭用 3.87%、小規模・商工業用(中圧電力供給)7.6%、大規模・商工業用(高圧電力供給)10.05%である。燃料調整制度の導入は見送られる。台湾電力の関係者は「燃料調整制度の導入が見送られたので、10 月から値上げしても今年の赤字額は 441 億元(約 1,444 億円)、累積赤字は 2,372 億元(約 7,767 億円)になると見込まれる。早急に燃料調整制度を導入して欲しい」とコメントしている。 印刷用PDF
2013.08.28
ポーランド:米石油大手の子会社、ポーランドでシェールガス生産を開始
2013 年 8 月 28 日付ウクライナ紙によると、ポーランドの Lane Energy Poland(LEP、米国コノコフィリップス社の子会社)は、同国北部のレボルク(Lebork)近くにある試掘井においてシェールガス生産を開始した。産出量は日産 8,000 ?で、商業規模とは言い難いが、EU 諸国ではどの国も達成していない規模であるという。LEP は 2013 年 7 月に採掘作業に着手した。ポーランドのシェールガス埋蔵量は 8,000 億~3 兆?と評価されている。同国の天然ガスの年間消費量は 140~150 億?で、その大部分はロシアからの輸入である。 印刷用PDF
2013.08.27
ナイジェリア:PHCN 傘下の 15 電力会社の所有権移転を承認
ナイジェリア政府は 2013 年 8 月 27 日、発電会社 5 社と配電会社 10 社を民間事業者に売却することについて、15 事業者(コンソーシアム)に所有権を与えることを明らかにした。政府は 2005 年から電気事業の分割・民営化を進めており、ナイジェリア電力ホールディングス(PHCN:Power HoldingCompany of Nigeria)傘下の発電会社と配電会社の売却について、2013 年 6 月に公募を行った。同年 7 月、15 事業者が決定し、同年 8 月 21 日までに落札価格の 75%の支払いを落札の条件としていたが、同日午後 5 時になっても 2 つの事業者が支払わなかったため、落札権のはく奪が検討された。これに対し、民営化委員会(NPC:National Council on Privatisation)が事業者に、速やかに支払うよう警告した結果、同日 24 時までに全事業者が支払いを完了し、電力相は所有権移転を承認した。 印刷用PDF
2013.08.21
米国:2015 年の前半に地磁気嵐のリスク
2013 年 8 月 21 日付業界紙によれば、7 月 20 日発表された英国に本拠を置く保険会社ロイズ社による報告書「北米電力系統への太陽嵐のリスク」では、ワシントン D.C.からニューヨーク市を結ぶ地域が地磁気嵐によるトランスの損傷による停電のリスクが最も高いとされ、危険性の高い他の地域は、中西部北部からミシガン州、ウィスコンシン州、他はメキシコ湾沿岸地域とされている。この報告書によると、現在の太陽周期では、地磁気嵐のリスクは 2015 年の前半にピークを迎えると予測されている。北米のリスクのある地域で 16日間から 2 年間にわたって、2000~4000 万人の人々に対して、停電がおこる可能性がある。記録上で最も強烈な太陽嵐は、キャリントン・イベント(the Carrington Event)と言われ、1859 年 8 月 28 日から 9 月 2 日の間に発生した。その当時、電気は広く使用されなかったものの、最近では 1989 年 3 月、ケベック磁気嵐として知られる地磁気現象が、2 分未満ではあるが、ハイドロ?ケベック社の電力網を停電させた。結果として地磁気誘導電流は、ハイドロ・ケベック社の電力系統の保護システムに支障を与えるのに十分であり、9 時間 600万人以上が停電を被った。ロイズ社はこの経済コストを数百億ドルと推定している。 印刷用PDF
2013.08.19
欧州:北・西欧の電力市場統合、11 月からの運用開始に向け準備
ドイツ、オーストリア、フランス、スイスの電力取引所を運営する Epex Spot は 2013 年8 月 19 日、北・西欧(NWE)地域における電力市場統合プロジェクトは、今年 11 月の運用開始に向けて順調に進んでおり、現在はシミュレーション試験が行われているところであると述べた。この NWE 地域の市場統合プロジェクトは、スウェーデンとポーランド間の連系線 SwePol を通して、ベルギー、デンマーク、エストニア、フィンランド、フランス、ドイツ・オーストリア、英国、ラトビア、リトアニア、ルクセンブルク、オランダ、ノルウェー、スウェーデン、ポーランドにおける前日市場を間接競売方式により統合するものである。 印刷用PDF
2013.08.14
オーストラリア:州政府、FIT 価格引き下げを撤回
現地メディアは 2013 年 8 月 14 日、西オーストラリア州政府は太陽光発電固定価格買取(FIT)制度における買い取り額の引き下げ案を撤回したと報じた。FIT 制度は 2009 年に導入され、現時点で 7万 5,000 世帯と契約が締結されている。当初計画より 4,600 万豪ドル(40 億円)の追加費用が発生していることなどを受け、同州財務省による 2013 年度予算案では、一般世帯が太陽光パネル設置した場合の余剰電力の買取価格を、これまでの 1kWh 当たり 0.4 豪ドル(36 円)から 0.2 豪ドル(18 円)に引き下げるとされていた。10 年間の余剰電力売却の契約を結んでいる住宅所有者らは訴訟する考えを表明、与党からも反対の声が上がったことから、バーネット同州首相は 8 月 11 日に撤回を発表した。 印刷用PDF
2013.08.14
中国:7 月の消費電力量前年比 8.8%増
国家能源局は 2013 年 8 月 14 日、7 月の電力需給状況を発表した。消費電力量は前年同月比 8.8%増の 4,950 億 kWh で、第一次産業は同 1.7%増の 574 億 kWh、第二次産業は同 5.4%増の 2 兆 2,073億 kWh、第三次産業は同 9.9%増の 3,509 億 kWh、生活用は同 5.1%増の 3,741 億 kWh であった。1~7 月の消費電力量は前年同期比 5.7%増の 2 兆 9,901 億 kWh となった。発電設備の平均利用時間は 2,591 時間で、前年同期間より 65 時間減少した。水力発電設備の利用時間は前年同期間より 17 時間少ない 1,883 時間、火力発電設備については同じく 67 時間少ない 2,856 時間であった。1~7 月に新規運開した発電設備容量は 3,933 万 kW で、水力 1,267 万 kW、火力 1,751 万 kW となっている。 印刷用PDF
2013.08.14
欧州:中西欧地域の卸電力価格下落続く
欧州委員会が 2013 年 8 月 14 日に発表した「欧州電力市場四半期報」2013 年第 2 四半期報告によると、中西欧(CWE)地域におけるベース電力の平均スポット価格は 3 月の 46ユーロ/MWhから 6 月には 30 ユーロ/MWhにまで低下した。同地域に属するフランス、ドイツ、オーストラリア、スイスなどでは第 2 四半期末の価格が 30 ユーロ/MWh を割り込んだ。価格下落の原因は経済危機と再エネ電力の影響によるものと指摘されている。特に 6 月 16 日(日曜)には需要の低下とドイツにおける太陽光、風力などの再エネ電力の増加(全発電量の約 60%)により市場価格がマイナスとなった。この他、CWE 地域の市場価格が第 2 四半期に再び収斂してきていることが指摘されている。原子力と水力発電の増加によってフランスの卸価格が、高い再エネ発電水準、低い石炭価格、CO2 排出枠価格の低迷により低水準を維持しているドイツの卸価格に 4 月以来鞘寄せするようになった。ベルギーの卸価格も原子炉 2 基の復帰によって時期的には遅れたものの価格が低下し、6月にドイツの価格と肩を並べるまでになった。ただオランダだけは、依然として 3 カ国とは足並みが揃わず、6 月の卸売価格で 50 ユーロ/MWh と突出した値動きを示している。その原因として価格の高いガス発電に依存していることと、英国への電力輸出が伸びていることを欧州委員会は指摘している。発電面では、卸電力価格の低下、石炭や排出枠の値動きを反映してドイツの石炭火力発電の利益マージンは減少してきているとされるが、ドイツ市場でのガス火力の採算割れ状態が依然続いていることから(-19.5 ユーロ/MWh)、ドイツにおける 2013 年上期の石炭火力発電のシェアは、2011 年の 43%、2012 年の 45%に対して 50%を超えている。 印刷用PDF
2013.08.13
欧州:E.ON と RWE、大量の発電所閉鎖計画を発表
E.ON 社は 2013 年 8 月 13 日、2012 年から 2015 年にかけて欧州域内で閉鎖される同社の発電所は計 1,100 万 kW(内、647 万 kW はすでに閉鎖済み)に上ると発表。その翌日の8 月 14 日には RWE 社がドイツとオランダで 310 万 kW に及ぶ発電所を 3 年以内に閉鎖する計画を発表した。計画の対象となる発電所の大半は火力発電所。両社がこうした見通しを明らかにした背景には、再生可能エネルギーが大量に導入されたことによる卸電力価格の低迷がある。RWE 社によれば、発電事業で利益を確保するためには卸電力価格が 5.5~6 ユーロセント/kWh の水準で推移することが必要とされるが、2013 年 8 月 20 日現在ではドイツ・オーストリア、フランスの卸電力価格は平均約 4 ユーロセント/kWh。こうした現状を踏まえて、両社はともに今回の計画を超える発電所の閉鎖も検討中。E.ON 社のタイセン社長は「欧州の中核となる電力市場で根底からその枠組みが変わらなければ、さらなる発電所の閉鎖は不可避となろう」と語っている。 印刷用PDF
2013.08.12
米国:テキサス州公益事業委員会委員長が先渡し容量市場導入を支持
2013 年 8 月 12 日付の報道によると、テキサス州公益事業委員会のネルソン委員長は、独立系統運用者(ISO)であるテキサス電力信頼度協議会(ERCOT)への先渡し容量市場導入を支持している。ERCOT は現在、電力量市場のみであり目標供給予備率とする 13.75%を下回る状況が続くと予想されている。その解決策の 1 つとして、委員長は容量市場導入を視野に入れている模様。しかし、アンデルソン委員は導入に反対しており、また、現在委員長を含む全 3 議席うち、1 議席が空白状況であり、膠着状態が続いている。 印刷用PDF
2013.08.03
ベトナム:EVN、電気料金を値上げ
国営電力グループ(EVN)は 2013 年 8 月 3 日、小売り電気料金を 8 月 1 日から平均 5%値上げし、平均 1,508.85 ドン/kWh(約 7.1 円/kWh)にしたと発表した。家庭用(逓増制)の第 1 段階(50kWh/月以下)の料金は据え置かれた。 印刷用PDF
2013.08.01
英国:セントリカ、スマートメーターを使った家庭用時間帯別料金の導入検討
英電力小売大手セントリカは 2013 年 8 月 1 日、家庭用需要家に従来とは異なる様々な種類の「時間帯別(TOU)料金」の導入を検討していることを発表した。既に一部需要家を対象に試験適用がなされている。同社の子会社 Direct Energy は、既に米国でスマートメーターを使った様々な時間帯別料金(土日が平日の半額、午後7時~11 時までが無料、など)を提供しており、このノウハウを活用する。こうした料金の適用に必要となるスマートメーターについて、同社は英国で既に 100 万軒の家庭用需要家に設置済であるが、今後更に設置を進める予定という。 印刷用PDF
2013.07.31
中国:中電投、原子力発電設備を 1,400 万 kW に
2013 年 7 月 31 日付けの地元紙によると、中国電力投資集団公司は 2020 年に自社の原子力発電設備容量を 1,400 万 kW に、建設中のものを 1,000 万 kW とする計画を立てた。中国電力投資集団公司が現在保有している運転中の原子力発電設備容量は計220 万kW、建設中のものは計689万kWである。その内、6 月に運開した遼寧省紅沿河原発 1 号機の累計発電電力量は 7 月 25 日までで 21.87 億 kWhとなった。 印刷用PDF
2013.07.31
ドイツ:太陽光発電の累積導入量が 3,420 万 kW に
連邦系統規制庁は 2013 年 7 月 31 日、太陽光発電設備の累積設備容量(2013 年 6 月末実績)が 3,420 万 kW に達したと発表。依然として導入が好調なため、2013 年 8 月以降は買取価格を毎月 1.8%引き下げることになった。ドイツの太陽光発電の買取制度では、原則、買取価格を毎月 1%引き下げることになっているが、至近の導入実績(2012 年 7 月~2013 年 6 月末の導入実績:499 万 kW)が計画値(250 万~350 万 kW)を上回る場合には引き下げ率を拡大することになっている。今回の買取価格引き下げ率の改定により 2013年 10 月には、1,000kW 超~1 万 kW 以下の設備からの買取価格は 10 ユーロセント/kWh(約 13 円)を割ることになった(1 万 kW 超の設備については買い取りの対象外)。 印刷用PDF
2013.07.30
米国:アリゾナ州の小売自由化に対し州下院議長が検討中止を要請
アリゾナ州のトービン州下院議長と先住民自治区のネイズ議長は 2013 年 7 月 30 日、州商業委員会が進めている小売自由化に向けた検討に対し、連名での抗議文を公表した。抗議文では、州内の低廉かつ安定した電力供給は先住民居住区との共存関係と石炭を中心とした長期的な電源投資を可能とする規制体制によってもたらされたものである。自由化に向けた検討が始まって以降、計画中の石炭火力計画が中断されるなど、すでに州内の電力供給体制に悪影響が出始めている。特に、発電所等やその関連産業に就業し生計をたてている先住民たちへの影響は深刻であり、検討を中止すべきとの考えを示している。 印刷用PDF
2013.07.30
米国:EDF、米国原子力発電所運営から撤退
2013 年 7 月 30 日付の報道によれば、フランス電力会社(EDF)はシェールガスの低価格を受けて、コンステレーション・エナジー・ニュークリア・グループ(CENG)への出資を段階的に引き揚げることで共同出資者のエクセロンと合意した。EDF は、保有する CENG株(49.99%)を 2016 年から 2022 年までに市場適正価格でエクセロンに売却する権利(プット・オプション)を得る。CENG は 3 発電所(ギネー、ナインマイル・ポイント、カルバート・クリフス:合計 392.5 万 kW)を運転しているが、運転ライセンスは今後エクセロンに移され、EDF は 4 億ドルの特別配当を受け取る。CENG は 2009 年に EDF とコンステレーション・エナジー社が共同で設立した企業だが、2012 年にエクセロンがコンステレーション・エナジー社を買収したため、EDF の現在のパートナーはエクセロンとなっている。 印刷用PDF
2013.07.30
英国:インバランス決済制度の見直し案を発表
英国のガス・電力市場局(OFGEM)は 2013 年 7 月 30 日、現行のインバランス価格が需給調整設備(電源、需要反応サービス、蓄電技術など)への投資に対して適切な価格シグナルを与えていなことなどを理由に、インバランス決済制度の見直し案を発表した。同案によると、見直しは(1)限界価格費用をもとにインバランス価格を算定すること、(2)インバランス価格算定の際に停電の社会的損失費用(VoLL:Value of Loss Load)を考慮すること、(3)待機設備(リザーブ設備)の価値をインバランス価格算定に反映すること、(4)現在のデュアル価格制からシングル価格制へ変更することの 4 点が挙げられている。英国ではインバランス決済制度に関する見直し作業が 2007 年から本格的に実施されていた。OFGEM は 2013 年 10 月 22 日まで見直し案に対するコンサルテーションを受け付け、最終案を 2014 年春に発表する予定である。 印刷用PDF
2013.07.29
マレーシア:再エネなどでフランスとの協力強化
マレーシア外務省(MOFA)は 2013 年 7 月 29 日、ナジブ首相が首都機能移転先の Putrajaya 市(クアラルンプール市の南方 25km)でフランスのジャンマルク・エロー首相と今後の経済協力について協議し、再エネやバイオ技術、運輸、教育部門で協力を強化することに合意したと発表した。 印刷用PDF
2013.07.29
フィリピン:バイオ・ディーゼルに関する公聴会開催
エネルギー省(DOE)・国家バイオ燃料局(NBB:National Bio-Fuel Board)は 2013 年 7 月 29 日、軽油へのココメチル・エステル(CME:Coconut Methyl Ester)混合率を 5%に引き上げるため、8月に全国 3 カ所で公聴会を開催し、石油の販売会社や需要家などから意見を徴収すると発表した。CMEの混合率は、2009 年から 2%に義務付けられている。8 月 1~2 日にミンダナオ地域のダバオ市、15~16 日にビザヤス地域のレイテ島、22~23 日にマニラ市でそれぞれ公聴会が開催される。 印刷用PDF
2013.07.29
米国:水圧破砕と飲料水汚染は無関係との連邦政府調査報告
2013 年 7 月 29 日付の現地報道によると、エネルギー省(DOE)はペンシルベニア州西部のシェールガス掘削地点で 1 年間にわたり実施してきた調査に基づき、水圧破砕で使用される化学物質が掘削地点近隣の飲料水用帯水層を汚染している証拠はないと結論づけた。DOE の地質学者であるリチャード・ハマック氏によれば、トレーサーを使用した調査により水圧破砕の流体は帯水層浅部より数千フィート下部に残留していたことが判明した。調査はグリーン郡掘削サイトにおいて DOE 国立エネルギー技術研究所により実施された。なお、DOE によれば調査結果は暫定的なものであり、調査は継続中とのこと。 印刷用PDF
2013.07.26
中国:発電設備容量が 12.3 億 kW に
中国電力企業連合会は 2013 年 7 月 26 日、上半期全国電力需給報告書を発表した。それによると、1~6 月の消費電力量は前年同期間比 5.1%増の 2.5 兆 kWh。下半期については、需給の均衡が維持でき、年間消費電力量の対前年増加率は 5~7%と予測されている。2013 年の新規運開発電設備容量は9,000 万 kW 前後で、そのうち再エネ発電設備容量は約 4,700 万 kW と見込まれている。2013 年末には、全国の総発電設備容量は 12.3 億 kW 前後になると予測されている。 印刷用PDF
2013.07.25
チェコ:政府、新規再エネ電源への支援打ち切りに関する法案を策定
チェコ政府は 2013 年 7 月 25 日、再生可能エネルギー導入に伴う電力需要家の費用負担軽減を目的に、新たな法案を策定した。法案では、2014 年 1 月 1 日以降に運開する新規再エネ電源に対する支援を原則的に行わないこと、ただし、2013 年中に認可を取得し、2014年中に運開する風力、水力、バイオマス電源については支援を継続すること、などが謳われている。既存の再エネ設備については従来通り、支援が継続される。チェコでは、固定価格買取やプレミアム価格買取を中心とした再エネ支援制度が導入されているが、報道によると、年間の再エネ支援総額 444 億コルナ(1 コルナ=約 5 円)のうち、国による補助は 117 億コルナで、残りは電力需要家の負担となっている。需要家の再エネ負担は年々増加しており、2013 年には 583 コルナ/MWh となったが、法案では、その水準に 495 コルナ/MWh の上限を設けることも謳われている。法案策定の理由について、ルシュノク首相は「再エネ支援により電力需要家の負担が増大し、産業競争力が脅かされ、今後の電力価格水準の予測がつかなくなっている」と説明している。今後、議会で同法案をめぐる審議が開始される。 印刷用PDF
2013.07.23
インド・米国:インド首相、民生用原子力協力について米国副大統領と協議
シン首相は 2013 年 7 月 23 日、副大統領として初めてインドを訪問した米国バイデン氏と、米印民生用原子力協力協定の商業的進展を図る方法について協議した。ケリー国務長官が先月明らかにしたように、グジャラート州の原子炉新設に関しインド原子力発電公社(NPCIL)とウェスチングハウスの間で商業契約について詰めの協議を行っている。また、バイデン氏はムカジー大統領との会談において、「インドと米国との関係は、単に両国だけの問題ではなく、地域全体にとって重要である」と述べた。 印刷用PDF
2013.07.23
ベトナム:中部高原の地方政府、水力開発計画の中止を要請
2013 年 7 月 23 日付の大手経済新聞は、中部高原での新規水力建設計画について、地元の各省が商工省(MOIT)に開発認可を差し止めるよう要請したと報じた。各省の関係者は「中部高原で水力開発によって環境破壊が深刻化している。また、ダム崩落事故 3 件が発生していることから、今後の開発を中止してもらいたい」とコメントしている。現在、中部高原には水力発電所 118 カ所(総発電設備容量 579 万 8,000kW)があり、これらの建設のために 2 万 2,770 ヘクタールの森林が伐採されたが、植林面積は 757 ヘクタールに留まっている。また、施行管理ミスや不適切な建材の使用により、2012年 10 月に Dak Nong 第 3 水力(7,500kW)、2012 年 11 月に Dak Mek 第 3 水力(7,500kW)、2013年 6 月に La Krel 第 2 水力(5,500kW)でダムの崩落事故が発生している。 印刷用PDF
2013.07.18
インド:2013 年度の電力需給予測
2013 年 7 月 18 日付の報道によると、中央電力庁(CEA)は、2013 年度の電力需給について、発電電力量は前年度比 6.9%増の 975TWh で需要想定値 1,048TWh と比べて 6.7%の不足(2012 年度は8.7%の不足)、ピーク電力は需要想定値 1 億 4,422.5 万 kW と比べて 2.3%の不足(2012 年度は 9%の不足)になると予測している。前年度に比べて緩和する理由について、CEA は、「経済成長の減速によって電力需要が減退するため」としている。 印刷用PDF
2013.07.18
ケニア:2016 年までに発電容量を 230 万 kW 以上に
エネルギー規制委員会(ERC)は 2013 年 7 月 18 日、全国の電力需要について、人口増加と経済成長により、年率 11%以上の増加を見込んでいると発表した。ERC の関係者は、全国の総発電容量は計画中の 27 カ所の発電所を含めると、2016 年までには 237 万 kW に達すると述べている。世界銀行によると、東アフリカ地域では世帯電化率は 15%程度で、未電化の世帯数では、ケニアは 620 万世帯と、タンザニア 720 万世帯に次いで多い。 印刷用PDF
2013.07.16
米国:FERC が卸電力市場における不正価格操作に 4.5 億ドルの制裁金
連邦エネルギー規制委員会は 2013 年 7 月 16 日、バークレー銀行とそのトレーダー4 人に対し、電力市場での価格操作を禁じた連邦動力法の規定に抵触するとして、4 億 5,300 万ドルの制裁金の支払いを命じるとともに、同行に対し、不正利得 3,490 万ドルの返還を命じた。問題とされたのは、2006 年 11 月から 2008 年 12 月の期間の取引で、同行のトレーダーは、西海岸の特定の取引地点の取引指標価格について、電力派生商品からの利益が出るよう操作した疑いが持たれていた。 印刷用PDF
2013.07.16
ドイツ:石炭火力、ガス火力の閉鎖による安定供給の危機を懸念
2013 年 7 月 16 日付の現地新聞は、石炭火力およびガス火力の閉鎖リスクが高まっており、安定供給に支障が出る可能性が懸念されると伝えている。同紙によると、再エネブームにより火力発電所の収益性が悪化し、事業者が火力発電所の閉鎖を望んでいるとされ、約9,000 万 kW ある火力・原子力設備容量のうち、最大で 20%が今後数年以内に閉鎖される可能性がある。しかし、ドイツにおいては、原子力 8 基が閉鎖された現在、電力供給の 44.8%(2012 年)が石炭火力であり、火力が重要な役割を担っているため、火力発電所の閉鎖は安定供給に重大な支障を来す恐れがあると述べている。同紙は、連邦系統規制庁の報道官が 2013 年 7 月 15 日、ドイツ南部におけるいかなる発電所の閉鎖も受け入れらない、とコメントしたことを引用し、この問題に対する規制当局の介入の可能性を示唆している。 印刷用PDF
2013.07.12
ロシア:ロシア、石油・天然ガス埋蔵量の国家機密を解除
ロシアのドンスコイ・天然資源エコロジー相は 2013 年 7 月 12 日、これまで国家機密とされていた、ロシアの石油と天然ガスの埋蔵量を明らかにした。同相によると、2012 年 1月 1 日現在、石油の埋蔵量は ABC1 カテゴリー(確認埋蔵量)で 178 億トン、C2 カテゴリー(予想埋蔵量)で 109 億トン、同じく天然ガスについては ABC1 カテゴリーで 48.9兆 m3、C2 カテゴリーで 19.6 兆 m3 である。同相は、今後これらの資料は印刷、公開されるが、こうした資料公開が、石油・ガス燃料の生産分野への投資を後押しすることを期待する、と述べた。こうした資源情報の国家機密の解除は、2 月のプーチン大統領の指示に基づくものであり、メドベージェフ首相が 7 月 9 日に署名した政府決定では、戦略的資源リストから石油などが除外された。公表された埋蔵量はロシア式分類になっているが、今後、国際的な分類方式に従った資料も公表される予定。 印刷用PDF
2013.07.09
米国:コムエド社、GE 社と 2 億ドルのスマートメーター契約締結
2013 年 7 月 9 日付の記事によると、コムエド社(イリノイ州)はこのほど、2013 年から2021 年にかけて約 400 万台のスマートメーターを購入する契約を GE 社と締結した。契約金額は 2 億ドル。イリノイ州の 2011 年スマートグリッド法に拠り、コムエド社は 10 年間で 26 億ドル余を配電グリッドの近代化に投資することを公約しており、そのうち 13 億ドル以上がスマートグリッド・ネットワークの構築と 400 万需要家へのスマートメーターの設置に充当されることになっている。GE 社はシカゴでメーターを製造するとしており、約50 人の雇用が創出されると期待されている。 印刷用PDF
2013.07.05
インド:電力輸入の許可制を廃止
インド商工省の外国貿易部長官は 2013 年 7 月 5 日、電力を輸入許可制を廃止すると発表した。これまで、1992 年に制定された外国貿易法により電力を輸入する場合は許可が必要とされていた。電力不足の深刻なインドでは隣国のブータンから電力が輸入されているが、2012 年度の輸入量は発電電力量全体の 0.5%(48 億 kWh)に留まっていた。 印刷用PDF
2013.07.05
中国:大気汚染対策に 1.7 兆元投入
2013 年 7 月 5 日付報道によると、国務院が公布した「大気汚染対策 10 条措置」に基づいて、今後 5年間の「全国大気汚染対策行動計画(以下計画)が、近々公布されると見られる「計画」では、PM2.5の削減と「煤改気」(石炭のガス化)が重点項目として掲げられ、必要な資金は約 1.7 兆元(日本円27 兆円)と見込まれている。 印刷用PDF
2013.07.02
英国:今冬の予備力は約 6%まで減少する見込み
英国の系統運用者である National Grid は 2013 年 7 月 2 日、2013 年度冬季の予備力が約6%まで減少するとする見通しを示した。この予備率は、今冬が平均的な需要であり、かつ風力発電所が過去実績程度の利用率で発電するとした場合の見込みである。同社は、風力発電の発電量が想定よりも低い場合には更に予備力がタイト化し、予備力は 3%程度になると想定している。また、英国では、EU の大規模燃焼施設指令(LCPD)によって、1,000万 kW 超の老朽火力が(1)2015 年末まで、もしくは(2)2008 年以降の運転時間が 20,000時間に到達の場合(いずれか早い方)に閉鎖することとなっている。至近の石炭価格と排出枠価格の低迷を受けて、石炭火力発電所の利用時間が伸びており、National Grid は今冬前にはいくつかの対象発電所が閉鎖されると見ている。 印刷用PDF
2013.06.28
ドイツ:再エネの急増と原子力の閉鎖で系統運用が困難化
ドイツの電気事業規制を担当する連邦系統規制庁は 2013 年 6 月 28 日、昨冬の電力需給状況をとりまとめた報告書を公表した。ドイツでは、福島原発事故後の原子力発電所(8 基)の閉鎖によって、冬季需給のひっ迫が続いており、同庁はその状況を説明する年次報告書をとりまとめている。同庁では今回の報告書の公表に際して「昨年は暖冬であったため緊迫した状況は少なかったが、決して安心して良い状況にはない」と語っている。報告書は、2012 年 12 月に風力発電量の増加で最大 850 万 kW の余剰電力が発生した事例と 2013 年2 月に太陽光発電の出力予測の誤りから大量の余剰電力が発生した事例を取り上げ、出力変動が激しい再生可能エネルギーが増加する中で、系統運用がますます難しくなっている状況を語っている。特に南部は閉鎖された 8 基の原子力発電所が立地していた地域であり、その需給調整は非常に厳しい状況にある。同地域の電源は 2013~15 年の間にはさらに減少するとみられており、その影響はドイツ南部にとどまらず、全土に及ぶ可能性がある 印刷用PDF
2013.06.27
フィリピン:電力の小売自由化が始動
エネルギー規制委員会(ERC)は 2013 年 6 月 27 日、ルソン島で電力小売自由化制度(1,000kW 以上の大口需要家を対象にしたオープン・アクセス制度)が 26 日からスタートしたと発表した。同委員会は、小売事業者(RES:Retail Electricity Supplier)免許を 10 社以上に交付している。電力産業改革法(EPIRA:Electric Power Industry Restructuring Act:2001 年制定)では、電力小売自由化制度の導入後、2 年以内に適用対象を 1,000kW 以上から 750kW に引き下げ、最終的には家庭用を対象にすると規定されている。 印刷用PDF
2013.06.27
英国:イングランド北部のシェールガス埋蔵量の調査結果を公表
英国の気候変動省(DECC)と英国地質調査所(BGS:British Geological Survey)は 2013年 6 月 27 日、Bowland 地域や Hodder 地域などイングランド北部に約 800~2,200 兆立法フィートのシェールガス埋蔵量があるとした調査報告書を発表した。今回の調査は今後のシェールガス開発に向けての基礎的な調査報告であり、実際の技術的可採埋蔵量はこれよりも少ないと見込まれている。同報告書では、セントラルシナリオとして約 1,300 兆立方フィートの埋蔵量が見込んでおり、仮に 10%の生産が可能であれば、英国の年間ガス消費量の 40~50 年分に相当する規模である。英国政府は、シェールガス開発が英国のエネルギーセキュリティを確保する手段の一つと位置付け、2013 年 3 月に DECC 内に非在来型ガス石油局(OUGO:Office of Unconventional Gas and Oil)を設置しており、安全で、環境に適合した非在来型燃料の開発に力を入れている。 印刷用PDF
2013.06.25
米国:オバマ大統領の石炭火力への CO2 排出規制強化方針への反響
オバマ大統領が 2013 年 6 月 25 日に公表した気候変動アクションプランの中で最も注目を集める、石炭火力への CO2 排出規制強化の方針に対し、利害関係者が反応を見せた。全米で 2 番目の石炭火力設備保有量を誇る AEP 社は「老朽火力の廃止がピークを迎える今後数年間に利用可能な技術を勘案し、規制に柔軟性を持たせることが重要。」と慎重な対応を求めた。同様に、私営電気事業者の業界団体エジソン電気協会(EEI)専務理事のトム・キューン氏は、「新たな規制では、現行の電気事業者の取り組みを考慮し、電気料金への影響を最小限とするような達成可能な目標・期限が設定されるべきである。」との考えを示した。一方、石炭産出州であるウェスト・ヴァージニア州選出の議員が「石炭産業への宣戦布告である」とするなど、一部の連邦議会議員からは改めて反意が示されている。このような対抗勢力に対し、エネルギー省のモニツ長官は、「今後も石炭火力は重要な役割を担う」との考えを示し、最新技術の導入などの面での官民の協力の必要性を示した。 印刷用PDF
2013.06.25
韓国:海藻から純度 99.5%のバイオエタノールを抽出
バイオエタノールメーカーの Biol Systems Co.(BSC)は 2013 年 6 月 25 日、海藻から純度 99.5%のエタノールを抽出することに成功したと発表した。これは、政府から(3 年間で総額 104 億ウォン(約 9 億 1,000 万円の支援)の支援を受けて、BSC は 2010 年から「海藻バイオエタノール事業」(Seaweed Based Bio-Ethanol Project)を進めていた。同社は、今後も研究・開発を続け、商業化を図るとしている。現在の海藻バイオエタノールの 1 リットルあたりの生産コストは約 0.48 ドルとされる。 印刷用PDF
2013.06.21
ジンバブエ:エネルギー相、供給力増強の必要性を主張
ジンバブエ発電会社(ZPC:Zimbabwe Power Company)は 2013 年 6 月 21 日、太陽光発電所の建設プロジェクトのパートナーを募集すると明らかにした。このプロジェクトは、ジンバブエ南部の北マタベレランド州グワンダに、アフリカでは最大級となる総出力 10 万 kW の太陽光発電所を建設するものである。公募期間は 2013 年 7 月 5~23 日で、資金や技術者、建設事業者など建設に係る様々な分野のパートナーを募集する方針。同国では、エネルギー問題は最優先課題とされており、電源開発が急ピッチで進められている。最近では、出力 30 万 kW 水力発電増設プロジェクトを 3 億 6,8000万ドル(361 億円)、China Machinery Engineering Company と 60 万 kW の火力発電所増設プロジェクトを 13 億ドル(1,275 億円)で、中華系企業の SHINOHYDORO とそれぞれ契約締結している。 印刷用PDF
2013.06.18
米国:エネルギー省長官が LNG 輸出承認手続きの迅速化を明言
2013 年 6 月 18 日付の報道によると、エネルギー省(DOE)のモニツ長官は LNG 輸出に関し、現在受領している申請を迅速に進めると明言した。米国では、非 FTA 締結国向け(日本を含む)の LNG 輸出計画に関して DOE の許可が必要になるが、現時点で許可された輸出基地は、サビン・パス LNG 輸出基地と 5 月に許可されたフリーポート LNG 輸出基地の2 カ所のみである。現在複数の案件が申請され、DOE にて審査中である。 印刷用PDF
2013.06.18
タイ:電力開発計画を見直し
エネルギー省(DOE)は 2013 年 6 月 18 日、2030 年までの中期・電力開発計画(PDP・2012~2030)を 10 月までに見直すと発表した。それによると、現状のままで電力需要が増加すると最大電力が現在の 3,300 万 kW から年率 4~5%で増加し、2030 年には 7,000 万 kW 以上になり、電源開発の加速と共に、輸入電力量の割合を現在の 10%から 19%に引き上げる必要があるとしている。同省は、発電設備容量に占める天然ガス火力の割合を現行の 54%から 2030 年には 32%に引き下げ、石炭火力を13%から 18%に、再エネを 14%から 22%とする方針を打ち出している。 印刷用PDF
2013.06.17
インドネシア:11 年後に石油が枯渇
英国の大手石油会社である BP 社は 2013 年 6 月 17 日、インドネシアのエネルギー資源について、新規開発が進まない場合、石油が 2024 年に枯渇すると発表した。インドネシアは、2003 年に石油の純輸入国に転じ、2008 年には石油輸出国機構(OPEC)から脱退している。 印刷用PDF
2013.06.17
欧州:中西欧電力取引市場、6 月 16 日(日)の卸電力価格がマイナスに
フランス・ドイツ・オーストリア・スイスで電力スポット市場を運営する EPEX SPOT は2013 年 6 月 17 日、中西欧(CWE)電力取引市場における 6 月 16 日(日)の卸電力価格がマイナスになったことを、APX(オランダの電力取引所)および Belpex(同ベルギー)と共同で公表した。フランスとベルギーのベースロード価格がマイナス 4.099 ユーロセント(約 5.2 円)/kWh、ドイツのベースロード価格がマイナス 0.333 ユーロセント(約 0.4円)/kWh となった。一時的にはマイナス 20 ユーロセント(約 25.6 円)/kWh まで下落したという。16 日は気温が穏やかで電力需要が低下したが、出力調整の難しい電源(原子力、水力、風力、太陽光)による発電が需要を上回るという状況が発生。短時間の発電停止が困難なため、マイナス価格となっても発電を継続せざるを得なかったとしている。 印刷用PDF
2013.06.14
ドイツ:送電線建設プロジェクト、沿線住民から資金調達
2013 年 6 月 14 日付のドイツ紙によると、ドイツの送電系統運用者 TenneT TSO がシュレスビッヒ・ホルシュタイン州政府と協力し、地域住民から建設費用を調達するという送電線建設の試験プロジェクトの詳細が明らかになった。本プロジェクトではドイツ北西部シュレスヴィヒ・ホルシュタイン州西側の北海沿岸地域のニービュルからブルンスビュッテルまでの約 150km の区間に 380kV 高圧送電線を建設する計画で、この送電線は 2018 年までに系統連系される見込み。TenneT TSO は、建設にかかる総費用 2 億 1,000 万ユーロの 15%にあたる約 3,150 万ユーロ分について、一口 1,000 ユーロから出資可能となるハイブリッド証券という形で地域住民や地権者に限定して発行し、資金調達する予定である。証券は計画段階で年率 3%、建設開始段階で年率 5%の利回りとなっており、通常の社債よりも利回りが高い。ハイブリッド証券とは、株式と社債の中間のような資本かつ債権の性質を持つ形態で、償還期限が極めて長く、高い利回りを提供する一方で、法的弁済順位が低いというリスクを持っている。また、ハイブリッド証券は、格付け会社から一定の資本性が認められており、自己資本比率を高めたい企業にとっては財務の安定性を高めるメリットがある。 印刷用PDF
2013.06.13
ドイツ:E.ON、水素ガスによる“Power-to-gas”の実証試験を実施
ドイツのエネルギー大手 E.ON は 2013 年 6 月 13 日、余剰電力を水素ガスに転換してガス導管に送り込み、ガス導管から水素ガスを供給する「Power to Gas」実証試験を初めて実施したと発表した。この施設はブランデンブルク州ファルケンハーゲンに立地しており、今回の試験では 1 時間で約 160 ?の水素ガスを生産した。同社は今回の実証試験で、風力発電所から電力を受け取り、ガス導管で水素ガスを供給するまでの一連の工程の試験を無事に終了した。同施設は今年 8 月末から稼働を開始する予定で、1 時間あたり 360 ?の水素ガスを供給することになる。同施設は隣接するウインドファームの余剰電力を活用することを目的としており、生成された水素ガスは発電燃料としても利用できるため、今後の利用拡大に期待が寄せられている。 印刷用PDF
2013.06.11
ブラジル:ロスアトム社、ブラジルの原子力発電所開発に積極姿勢
2013 年 6 月 11 日付の現地報道によると、リオデジャネイロ市でロスアトム社が主催したワークショップで、同社副総裁のキリル・コマロフ氏は、ブラジルの鉱物エネルギー相、科学技術相らに、「ロスアトム社はブラジルに対して様々な形で協力することができ、原子力発電所の建設が計画されれば参画する用意がある」と積極的な協力姿勢を示した。これについてブラジル中央電力公社傘下のエレクトロニュークリア社は、「2030 年までに 4~8基の原子炉建設を予定しており、ロスアトム社はパートナーとしての十分な資質を備えている」と応じた。 印刷用PDF
2013.06.10
世界:2012 年の二酸化炭素排出量、過去最高値の 316 億トンに
国際エネルギー機関(IEA)は 2013 年 6 月 10 日、エネルギー生産における世界の二酸化炭素排出量は 2011 年比 1.4%増の 316 億トンとなったと発表した。米国ではシェールガス革命により石炭からガスへの燃料転換の影響で 2011 年に比べて 2 億トン削減した。また、中国の二酸化炭素排出量は 3 億トン増加したものの、再生可能エネルギーの増加とエネルギー効率の上昇によって、増加幅は過去 10 年で最も少ない。欧州では一部の国で石炭使用量が増えたが 2011 年に比べ 5,000 万トン少ない。日本では福島第一原子力発電所事故の影響で火力発電の割合が増えたため、2011 年に比べて 7,000 万トン増加した。 印刷用PDF
2013.06.10
ドイツ:電気料金に占める公租公課、記録的額に
ドイツエネルギー・水道事業連合会(BDEW)は 2013 年 6 月 10 日、ドイツの電気料金に占める公租公課の合計額が過去最高の 316 億ユーロに達したことを明らかにした。これは電気料金負担額の約 50%に相当する。2012 年と比較すると 77 億ユーロの増加となっている。全体の 3 分の 2 にあたる 204 億ユーロ分は再生可能エネルギー導入のためのサーチャージ料金である。ドイツの標準家庭(3 人家族、年間電力使用量 3,500kWh の場合)の一カ月あたりの電気料金は約 83.80 ユーロ(約 10,900 円)となり、1998 年時点の約 49.90ユーロ(約 5,500 円)と比較すると約 7 割増えている。この間、発送配電費用は 11%の上昇にとどまっているのに対し、公租公課は 243%増加している。BDEW のミュラー専務理事は、2014 年の再生可能エネルギー賦課金はさらに上昇する可能性があるため、再生可能エネルギー法の見直しが必要だとしている。 印刷用PDF
2013.06.10
米国:カリフォルニア州で電力貯蔵設備導入目標が提案される
カリフォルニア州公益事業委員会(CPUC)のピーターマン委員は 2013 年 6 月 10 日、州内の私営電気事業者 3 社に対し、2020 年までに合計 132.5 万 kW の電力貯蔵設備の導入目標を設定する規制案を公表した。案は、2014 年以降、私営電気事業者が 2 年ごとに電力貯蔵設備に関する入札を実施し、導入量を段階的に上昇させるというもの。導入目標は、送電系統接続、配電系統接続、および、需要家の受電設備の一部として接続するケースそれぞれについて目標が設定される。州電力貯蔵法(AB2514)は 2013 年 10 月までに私営電気事業者に対する、電力貯蔵設備の導入目標を設定することをCPUCに義務付けており、今回の提案は同法に基づくものである。 印刷用PDF
2013.06.09
中国:小売り電気料金の種別を 3 種類に
国家発展改革委員会は 2013 年 6 月 9 日、小売り電気料金の種別を電力消費負荷の特徴に基づいて、3 種別にすると発表した。現行は、生活用、非生活照明用、商業用、非工業用、一般工業用、大口工業用と農業生産用等 8 種類に分けられているが、これを生活用、農業生産用、商工業用・その他の 3 種別にするとしている。なお、農村部の飲料水の安全工事の水供給については、生活用あるいは農業生産用電気料金のいずれを適用するかは、省政府の価格主管部門に決定が委ねられる。国家発展改革委員会は、料金の種別変更を 5 年間程度の時間をかけて全国に展開するとしている。これにより、電気料金支出額は年間約 30 億元減少すると試算している。 印刷用PDF
2013.06.07
台湾:台湾電力、毎年 10 月に電気料金改訂か
台湾電力公司(TAIPOWER)は 2013 年 6 月 7 日、近年の燃料価格や為替の著しい変動を受け、2014年以降、毎年 10 月に電気料金を改訂することを検討していると発表した。同社は、提案書を作成し、監督官庁である経済部(MOEA)と協議することにしている。 印刷用PDF
2013.06.07
欧州:EU エネルギー閣僚理事会で各国の供給力確保策の協調が合意
2013 年 6 月 7 日に開催された EU のエネルギー閣僚理事会で、国際連系容量の不足などで市場が効果的に機能しない状況下では、供給力確保策(Capacity Mechanism)の導入が安定供給を達成するための 1 つのオプションであることが確認され、各国の供給力確保策の協調を図っていくことが合意された。その中では、供給力確保策の協調を図るために、(1)供給力確保策を導入する条件、(2)供給力確保策の制度設計、(3)各国間の電力取引などへの影響を含めた潜在的な影響、(4)今後、統合市場の進展や供給力セキュリティを改善する技術革新がある場合、導入した供給力確保策を適切に廃止する方法について検証すべきであるとしている。また、供給力確保策が必要な要因は各国によって異なるため、このことを十分に考慮することとしている。これを受け、EU は、2013 年 7 月に供給力確保策に関するガイドライン(法的拘束力はなし)を発表する予定である。 印刷用PDF
2013.06.06
米国:FERC が PJM 市場における不適切な行為を指摘
連邦エネルギー規制委員会(FERC)は 2013 年 6 月 6 日、デマンドレスポンス(DR)アグリゲーターであるエネワイズ社による、2009 年および 2010 年の PJM 市場における不正行為を指摘した。行為の内容は、抑制量算定のベースとなる常時の電力使用量(ベースライン)が高く設定されるよう、需要抑制を実施する契約先の電力の利用を操作し、実際に抑制可能な使用量を越えた報酬を得ていたというものである。本件について、現時点は容疑がかけられた段階であり、今後、事実認定の手続きが行なわれる。 印刷用PDF
2013.05.31
米国:GM の元副会長、電気自動車の将来は間違いなく来る
ゼネラル・モーターズの元副会長ボブ・ルッツ氏は、2013 年 5 月 31 日 CNBC のインタビューに答えて、「より充電容量が大きくなり、充電池のコストが下がり、充電時間が短縮されれば、電気自動車の将来は間違いなく来る」と語った。しかし、この全てが達成できるのは、5?10 年先であり、それには、「1 回の充電で少なくとも 300 マイル走ることができる車であること。急速充電機能があること。そして、手頃な価格設定であること。」とし、「これまでのところ、テスラ・モーター社は、この 3 つのうち 2 つを達成したが、大衆市場向けの価格設定からは、かけ離れている。」と語っている。 印刷用PDF
2013.05.30
イタリア:家庭用スマートメーターの普及率が 90%に達する
2013 年 5 月 30 日付報道によると、イタリアで家庭用のスマートメーターの普及率が 90%を超え、他の欧州諸国をリードしている。スマートメーターはデジタル計測機能や通信機能を備え、各家庭で使用されるガスや電力の情報をリアルタイムで表示することが可能である。スウェーデンの調査会社 Berg Insight によると、欧州全体では 2017 年までに約 1億 1,000 万台が設置される見通しで、投資額は 158 億ユーロ(約 2 兆 540 億円)前後に達するとみられている。フランスでは 2020 年までに 3,500 万台、スペインでは 2018 年までに 1,300 万台を導入する計画である。 印刷用PDF
2013.05.28
インド:洋上風力政策の草案公表
新・再生可能エネルギー省(MNRE)は 2013 年 5 月 28 日、洋上風力政策の草案を公表、洋上風力開発を今後更に進めるとしている。なお、政府は 2008 年に発表した包括的な気候変動政策である国家気候変動行動計画(NAPCC)の中で洋上風力の活用を謳っている。草案では、初期評価として、デカン高原西岸の 3 州(ケララ、カルナタカ、ゴア)の沖合が洋上風力の最適地としており、次いで南部タミルナド州と西部グジャラート州沖合でそれぞれ 100 万kWのポテンシャルがあるとしている。そして、今後の課題として、風力資源の特定と評価、系統接続と運用、適切な送電インフラの配備、系統の信頼性向上を挙げている。MNRE は、新たに洋上風力を管轄する組織として「全国洋上風力エネルギー局(NOWA)」を設立するとしている。 印刷用PDF
2013.05.28
アラブ首長国連邦:国内 2 基目の原子炉建設工事着工
連邦原子力公社(ENEC)は 2013 年 5 月 28 日、国内 2 基目となる原子炉の建設工事に着工し、2018年の商業運転開始を目指していると発表した。この工事は、2009 年に韓国電力公社(KEPCO)を主体とする企業連合が UAE から受注し、発電所の 1 基目は 2012 年半ばに工事が着工されている。最終的には、4 基が建設される。UAE とサウジアラビアでは、急増するエネルギー需要に対して十分なガスが供給されていないことから、エネルギー多様化を図るものとして原子力に注目が集まっている。原子力発電所の建設工事を請け負う海外企業は、福島第一原子力発電所の事故の影響で大きな打撃を受けており、OPEC に加盟する湾岸諸国での原子力発電所建設工事の受注は業績を向上させるための重要なビジネスとなっている。 印刷用PDF
2013.05.22
欧州:今後 3 年以内に 1 億 3,000 万 kW のガス火力発電所が閉鎖の危機
2013 年 5 月 22 日付の業界紙によると、コンサル会社の HIS は、欧州では今後 3 年以内に 1 億 3,000 万 kW のガス火力が再エネ電源の伸びと需要の低下により固定費を回収できず、閉鎖される可能性があるとの報告書をまとめた。これは、現在欧州地域にあるガス火力発電設備の半分以上の容量である。同報告書では、これらの発電所が閉鎖された場合、欧州地域で供給力が不足することとなり、十分な予備力を確保するためには供給力確保策を含む電力市場改革が差し迫った課題であるとしている。また、将来的には中間負荷運用の発電所は、収益の 40%以上を供給力確保策に関する制度から得るだろうと分析している。 印刷用PDF
2013.05.21
欧州:EU 首脳が連系線における計画外潮流への対策を求める
欧州連合(EU)の外交筋は 2013 年 5 月 21 日、EU 首脳が、2013 年 5 月 22 日にブリュッセルで開催される欧州理事会において、近年増加している風力や太陽光が原因となって発生する計画外潮流への対策を正式な結論の中に含めるだろうと述べた。EU 首脳は、当日は計画外潮流について直接議論は行わない見込みであるが、計画外潮流の議論を今回の結論へ含めることにより、今後、EU 各国のエネルギー担当閣僚会議において対応策が取り上げられる可能性がある。欧州理事会の結論は、法的拘束力はないが、EU 首脳が欧州委員会や各国政府に対して対策を求めていることを示すものである。 印刷用PDF
2013.05.20
台湾:第 4 原発の建設中止を求めるデモ
大手経済紙は 2013 年 5 月 20 日、8 月に実施される第 4 原発(龍門原発:135 万 kW×2 基:ABWR)の稼働の是非を問う住民投票を前に、市民団体などが 19 日に台北市で建設中止を求めるデモ(参加者は約 3,000 人)を決行したと報じた。第 4 原発は、1998 年に建設工事を着工して以来、政治的な理由や工事トラブルにより工期が 10 年以上遅延しているが、住民投票で稼働が容認されれば工事が再開され、完成は 2014 年となる。 印刷用PDF
2013.05.16
米国: FERC、夏の需要予測を発表
連邦エネルギー規制委員会(FERC)は、2013 年 5 月 16 日「Summer 2013 Energy Marketand Reliability Assessment」として、今夏の需給見通しを発表した。一般的には、ほとんどの地域で十分な予備力があるとしながらも、テキサス州(テキサス電力信頼度協議会)は、予備率を 12.9%と想定しており、目標予備率 13.75%を下回っている、と報告している。またカリフォルニア州については、西部電力協調協議会が予備率を約 19%と想定しており、目標予備率 15%を 4 ポイント上回っているが、天気は重要ではあるが予測できない要因であるとして、南部オレンジ郡およびサンディエゴ地区など、地域限定的な価格の急上昇があるかもしれない、としている。 印刷用PDF
2013.05.16
米国:2012 年の ERCOT 管内の再エネ発電量は 7%増加
テキサス電力信頼度協議会(ERCOT)は 2013 年 5 月 16 日、2012 年の管内の再エネ発電量は 2011 年から 7%増加し、339 億 kWh であったと発表した。また、再エネの発電設備容量の割合は 16%に達したとも述べている。再エネ発電量のうち、風力が 96.0%を占めるが、増加率でみると太陽光が 265%(発電量シェアでは 0.4%)と大きく増加している。 印刷用PDF
2013.05.16
カンボジア:渇水で電力不足が拡大
カンボジア電力公社(EDC)は 2013 年 5 月 16 日、Kamchay 水力発電所(19 万 3,000kW)と Kirirom水力発電所(10 万 kW)の発電量が渇水の影響で低下し、電力不足が拡大していると発表した。同社は、大口需要家に自家発の活用を要請すると共に、全需要家に節電への協力を呼び掛けている。同社の関係者は「電力不足を解消するため、ベトナム国営電力グループ(EVN)と融通電力量の拡大について協議している。シアヌークビルに建設している石炭火力(5 万 kW)を 7 月までに完成させる」とコメントしている。EDC は現在、20 万 kW の電力融通契約を EVN と締結している。 印刷用PDF
2013.05.14
中国:4 月の電力需給状況
国家能源局は 2013 年 5 月 14 日、4 月の月間電力需給データーを発表した。4 月の消費電力量は、前年同月比 6.8%増の 4,165 億 kWh であった。1~4 月の累計消費電力量は前年同期比 4.9%増の 1 兆6,303 億 kWh で、第一次産業用は同 1.5%増の 270 億 kWh、第二次産業用は同 4.7%増の 1 兆 1,823億 kWh、第三次産業用は同 9.1%増の 1,985 億 kWh、生活用は同 2.4%増の 2,225 億 kWh であった。1~4 月の発電所の平均利用時間は前年同期間より 51 時間減少し 1,430 時間で、水力は同 99 時間増の828 時間、火力は同74 時間減の1,633 時間となった。1~4 月に新たに運開した発電設備容量は1,820万 kW で、内訳は水力 379 万 kW 、火力 1,100 万 kW であった。 印刷用PDF
2013.05.14
ドイツ:ラストリゾートサービスで救済されない需要家が発生か
ドイツ国内の経済紙や主要各誌は 2013 年 5 月 14 日、新たなビジネスモデルにより相場より 4 割も安く電力を供給する Care Energy グループ(需要家数 25 万軒)が廃業になる可能性があると報じた。同グループは、複雑な電力取引形態を形成することで、すべての小売事業者が負う再エネサーチャージの支払いを 2012 年秋から停止、これが同社の価格競争力の源泉のひとつとなっていた。しかし、サーチャージの回収に当たっている送電事業者が、同社にはサーチャージの支払い義務があるとして提訴、連邦系統規制庁も脱法行為の可能性があるとして秩序違反手続きを開始した。今後の裁判の行方によっては、CareEnergy グループが経営破たんする可能性もある。通常の電力供給契約では、小売電気事業者が経営破たんした場合には、各地域で最大手事業者が一時的に電力供給を引き継ぐラストリゾートサービスが適用されるため、供給が途絶える事態には発展しない。しかし、Care Energy グループの取引形態は特殊であるために、ラストリゾートサービスの対象とはならず、場合によっては 25 万軒の需要家に対する電力供給が停止される可能性もある。 印刷用PDF
2013.05.07
ウガンダ共和国:政府、地熱発電所を計画
2013 年 5 月 7 日付の報道によると AAE systems は、総額 12 億ドル(1,220 億円)を投資し、西部に地熱発電所(最大出力 15 万 kW)の建設を計画している。同社はすでにウガンダ政府と電力購入契約(PPA)を締結し、発電所完成後、US8 セント/kWh で電力を販売することになっている。同国送電会社(UETCL)によると、政府の中長期計画では、全発電電力量のうち地熱の占める割合を 30%にするとされている。 印刷用PDF
2013.05.06
米国:CAISO は今夏の南部カリフォルニアでの供給信頼度に警告
2013 年 5 月 6 日付のカリフォルニア ISO(CAISO)の発表によれば、同州の今夏のシステム全体のピーク需要は、4,741.3 万 kW に達すると予想している。2012 年の実績は 4,667.5万 kW であり、過去最大は 2006 年の 5,027 万 kW であった。カリフォルニア州全体としては十分な電力の供給を予測しているものの、サンオノフレ原子力発電所(SONGS)の 2号機および 3 号機の両ユニットは、使用不能であるとみなされ、ハンティントン・ビーチ火力発電所の 3 号機と 4 号機の廃止に伴い、同火力からの電力は全く南カリフォルニアには来ておらず、更に経済成長により、昨年に比べ電力需要のピーク予想は 2%以上増加している。こういった理由で、この夏南部オレンジ郡とサンディエゴ郡での供給信頼度リスクについて、「ぎりぎり挑戦」的な夏であるが、計画の範囲内であるとしている。CAISO は、上記の両郡では SONGS の停止による停電よりも、熱波や予想を上回る発電所事故の多発、あるいは山火事やその他の理由によって引き起こされる送電線制約の方が、系統の供給信頼度上の課題となることを警告している。 印刷用PDF
2013.05.02
アラブ首長国連邦:日本と原子力協力協定を締結
アラブ首長国連邦と日本は 2013 年 5 月 2 日、安倍首相とムハンマド副大統領兼首相の立会いの下、原子力協力協定を締結した。UAE は同様の協力協定を米国、韓国、フランス、カナダ、ロシア、アルゼンチンと、原子力協力覚書を英国とそれぞれ締結している。UEA では、韓国企業連合が 2017 年と 2018 年の完成を目指して 2 基を建設している。また、2013 年 3 月には 2 基の建設申請が UAE の原子力規制機関に提出されている。 印刷用PDF
2013.05.01
米国:不正な営業手法が小売自由化制度普及の最大の阻害要因
ペンシルベニア州公益事業委員会のガードナー委員は 2013 年 5 月 1 日、自由化市場の発展と拡大を目指すロビー団体であるエネルギー市場協会(NEM)が主催する会議の席上で、ペンシルベニア州における、小売自由化制度普及の最大の阻害要因として、不適切な営業行為を挙げた。同州では、ロボコールと呼ばれる自動音声システム(電話)や訪問販売を通じた、誤解を生む恐れのある営業手法が利用されており、市場制度自体への不信を招いているとした。これに対し、小売事業者からは、委託先の監視体制の強化等の事業者側の努力も必要であるが、正当な営業手法を取る事業者が損をしないよう、不適切な行為に対する厳罰化も視野に入れた規制強化が必要との意見が出された。 印刷用PDF
2013.04.26
欧州:EU27 カ国の最終エネルギー消費に占める再エネのシェアが 13.0%へ
欧州統計局は 2013 年 4 月 26 日、EU 加盟国の 2011 年における再生可能エネルギー導入状況を公表した。それによると、EU27 カ国全体の最終エネルギー消費に占める再生可能エネルギーの割合は、2011 年において 13.0%となり、前年実績(12.1%)より 0.9 ポイント増大した。EU では、2020 年までに、この割合を 20%まで引き上げる目標が掲げられている。また、これを達成するため、それぞれの加盟国に対し、個別の導入目標が定められている。 印刷用PDF
2013.04.25
フランス:消費者団体が停電時間の地域格差を批判
フランスの消費者団体である UFC クショワジールは 2013 年 4 月 25 日、国内の停電時間について地域格差が目立ち、一部の地域では状況が悪化していると批判した。全国の年間平均停電時間は、2002 年の 50 分から 2009 年に 200 分に大幅に増えた。2011 年には 73分に減ったが、パリの年間平均停電時間が 20 分であるのに対し、最も停電時間の長いブルターニュ地方のモルビアン県では 195 分と約 20 倍の格差があり、また、停電時間の長い地域ではこの 4 年間で状況悪化しているとしている。UFC クショワジールは、フランスの大手エネルギー事業者 EDF の配電子会社 ERDF が、年間で 20 億ユーロの設備投資が必要であるにもかかわらず 2012 年の投資額は 8 億 2,600 万ユーロ(約 940 億円)であったとし、設備投資が不十分であることを指摘している。 印刷用PDF
2013.04.23
インド:再エネ発電目標を達成できず
環境 NGO のグリーンピースインディアは 2013 年 4 月 23 日、2012 年度(2012 年 4 月-2013 年 3月)の発電電力量に占める再生可能エネルギーの割合を 7%とする目標について、実際は 5%に留まったという調査結果を明らかにした。インド政府は 2008 年に策定した国家気候変動行動計画(NAPCC)に基づき、再生可能エネルギー発電の割合を 2010 年時点の 5%から毎年 1%ずつ上昇引き上げ、2020 年までに 15%とする目標を掲げている。これを達成するため、各州の規制機関が配電会社による再生可能エネルギーの調達義務量を設定したが、29 州のうち 22 州で未達成となった。目標が達成できなかった要因として、州ごとに再生可能エネルギーの調達義務制度が整備されたが、目標未達成の場合の罰則が設定されていないものが大半であること、州の設定目標が実現不可能なものが多いこと、調達義務制度と同時に導入された再生可能エネルギー証書取引が発電所の新設を促すのに有効に機能しなかったこと等が挙げられている。 印刷用PDF
2013.04.22
フランス・スペイン:連系線敷設のためのトンネル工事が完了
フランスとスペインの系統運用者である RTE と Red Electrica は 2013 年 4 月 22 日、両国間に 100 万 kW の送電ケーブルを 2 本敷設するために必要なトンネルの工事を完了したと発表した。このトンネルは、ピレネー山脈の下を通過している。この 7 億ユーロの連系線は、2014 年 1 月に運開する予定であり、スペインで発電された再生可能エネルギー電力がフランスに送電されることになろうと RTE は述べている。また、この連系線により、両国間の取引容量が 140 万 kW から 280 万 kW に増加し、1 年あたり 230 万トンの二酸化炭素の排出が削減されることになろうとも述べている。本連系線の建設は、RTE と RedElectrica の共同事業で、これに係る費用は両者で折半される。 印刷用PDF
2013.04.09
インドネシア:電気料金値上げにより不動産価格が上昇
不動産協会(REI:Real Estate Indonesia)は 2013 年 4 月 9 日、国営電力会社(PLN)が年内に 4回の電気料金値上げ(1 年間に平均 15%の値上げ)を予定していることから、鉄鋼など建材価格が上がり、商業ビルや高級住宅など新築の不動産価格が上昇していると発表した。同協会の関係者は「建材生産には大量の電力が消費されるため、電気料金が値上げされると新築の不動産価格が上昇する。便乗値上げも相次ぎ、新築物件以外の家賃も上昇している」とコメントしている。 印刷用PDF
2013.04.08
中国:2012 年風力運転状況
国家能源局は 2013 年 4 月 8 日、2012 年風力運転状況を発表した。風力の平均利用時間は 1,890 時間で、2011 年に比べ 30 時間減となった。地域別では、華中地区 1,844 時間、華東地区 2.292 時間、華南地区 2,265 時間であった。内蒙古東部と吉林省の稼働規制問題が目立ち、冬季暖房供給期間中に規制された風力は 50%を超えた。内蒙古西部、甘粛省の酒泉、張家口?上地区では、規制率が 20%、黒竜江省、遼寧省では、規制率が 10%を超えた。なお、2012 年末まで運開した系統併入洋上風力の発電設備容量は 30 万 kW であった。 印刷用PDF
2013.04.04
トルコ:エネルギー大臣、第二原子力発電所の発注先決定の報道を否定
トルコのユルドゥズ エネルギー大臣は 2013 年 4 月 4 日、計画中の第二原子力発電所について、発注先が決定したとの報道を否定し、まだ日本と中国の 2 カ国と協議が継続中であると発表した。日本経済新聞は、三菱重工とアレバの企業連合が、建設総額 220 億ドルと見られるプロジェクトを受注したと報道していた。この記事によると、トルコの黒海沿岸のシノップにおける 4 基の PWR(出力合計約 450 万kW)の発注が、同大臣から日本政府や企業関係者に伝えられたとなっていた。企業連合には、伊藤忠商事と GDF スエズも参加しており、アレバの Atmea 炉の設置が提案されている。 印刷用PDF
2013.04.04
フランス:2012 年 LNG 輸入量は、前年比 32%減
フランス経済紙は 2013 年 4 月 4 日、2012 年のフランスにおける LNG 輸入量が前年比 32%減の 90 億?となり、ガス消費量に占める LNG 比率は 2011 年の 30%から 2012 年には20%に下落した。このような傾向は他の欧州諸国でも見られ、欧州域内のガス消費量は2011 年に前年比 11%減、2012 年に前年比 3.7%減となった。米国でのシェールガス生産の拡大を受けて、米国産の石炭が低価格で欧州市場に流入し、ガス火力の競争力が低下していること、また、日本をはじめとするアジア地域で LNG 輸入が拡大していることで、アジア市場での LNG 価格が上昇し、世界の LNG がアジアに流れていることなどが要因となっている。こうした状況から、欧州地域の LNG 受入基地の稼働率は 2012 年に平均31%まで低下している。フランス国内には Elengy(GDF スエズ子会社)が運営する LNG受入基地が 3 カ所あるが、そのうち Montoir de Bretagne 基地では 2 月後半からガス導管による供給を止めている。既存の受入基地は需要家と長期契約があるため、経営は比較的安定しているが、現在進行中のプロジェクトについては、今後、計画が見直しされる可能性もある。 印刷用PDF
2013.04.03
米国:大手石油会社の BP 社が米国の風力市場から撤退
2013 年 4 月 3 日付の報道によると、大手石油会社の BP 社(本社:イギリス)は米国の風力市場から撤退する。報道によると、同社は石油・ガス事業に集中するため、現在操業中の 16 カ所のウィンドファーム(合計出力約 260 万 kW)だけでなく、現在建設中のプロジェクト(合計出力約 200 万 kW)も売却する。一方、同社の資産購入に関して、中国系企業や韓国系企業が動いている模様である。 印刷用PDF
2013.04.03
英国:SSE、不適切な販売を行ったとして 1,050 万ポンドの罰金を科される
英国の規制機関であるガス・電力市場局(OFGEM)は 2013 年 4 月 3 日、英国の大手エネルギー会社 SSE が不適切な販売を広範に行っていたとして、1,050 万ポンド(約 15 億円)の罰金を科したと発表した。エネルギー企業に科される罰金としては過去最高額となる。SSE は訪問販売や店頭販売、電話勧誘などで不十分または誤った情報を提示し、顧客に不利益を与えていたことが判明した。また、同社の経営幹部が今回確定した問題行為に関する監督義務を怠ったことも問題視している。訪問販売は 2011 年 7 月に廃止されたが、店頭販売と電話勧誘における不適切な行為はその後も継続されたという。具体的には、SSEと契約すれば競合他社よりも安くなると契約させるも実際は高い料金を請求したケースや、競合他社の値上げ率を実際の率より高く伝えるケースなどを挙げた。 印刷用PDF
2013.04.01
ルワンダ:エネルギー分野に民間投資を呼びかけ
ルワンダ政府は 2013 年 4 月 1 日、同国内で開催されたナショナル?リーダーシップ?リトリート会議の中で、エネルギー分野における民間投資を促進する方針を明らかにした。公共事業省は分野を問わずあらゆる方面からの投資を促進する意向で、地熱発電や水力発電、太陽光発電を積極的に導入したいと考えている。同国の供給力増強計画では、2017 年までに供給力を 100 万 kW とする目標が定められており、少なくとも 56 万 3,000kW まで引き上げる方針である。しかし、2014 年 6 月までの単年度目標である供給力 8 万 kW 増強の達成が見込めないなど、開発が進まない状況を受け、政府は民間を含めた投資を呼びかけたもの。この会議において財務省は、エネルギーの開発が最重要課題で、確実に進めるには技術・技能の発展が必要不可欠であるとの意向を明らかにしている。 印刷用PDF

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