各国の電気事業(アジア)
インドネシア
2018年9月時点
主要指標
首 都 | ジャカルタ |
面 積 | 191万km2 |
人 口 | 2億6,058万人(2016年推定) |
GDP | 9,322億米ドル(2017年) |
エネルギー資源 | 石炭、天然ガス、石油、水力、地熱 |
企業形態 | 国有(インドネシア国有電力会社:PLN) |
発電設備容量 | (PLN,子会社,IPP,自家発)5,466万kW(2016年) |
発電電力量 | (PLN,子会社,IPP,自家発)2,486億kWh(2016年) |
販売電力量 | (PLN,子会社,IPP,自家発)2,160億kWh(2016年) |
電化率 | 91.2%(2016年) 88.3%(2015年) |
電気事業の企業形態
1961年: | 電力・ガス局が発送配一貫体制の国営企業(BPU PLN)となる。 |
1972年: | 国営企業(BPU PLN)が電力公社となる。 |
1992年: | 大統領令(1992年第37号)によりIPP参入を認可。PLN電気事業の補完として、PLN送電系統から受給されない地域で村落共同組合(KUD)が電化を推進。 |
1994年: | PLNが政府100%保有の株式会社(PT PLN)に移行。経営効率化のため、競争地域と非競争地域に分離し、競争地域(ジャワ・バリ)では発送配の各部門の事業部制(独立採算制;ビジネス・ユニット化)を推進。 |
1995年: | ジャワ・バリの発電部門を独立させ、PJB I及びPJB IIの2つの発電会社を設立。2000年にインドネシア・パワー社、ジャワ・バリ発電会社に改名。 |
2002年: | 新電力法が制定されるが、2004年違憲判決により無効となる。2009年法令第30号により電力に関する法律(新電力法)が改めて制定された。 |
2009年9月: | 「新・新電力法」が国会で可決。新たに中央・州政府に電気事業の許認可権を付与することが盛り込まれた。 |
2016年1月: | PLN独占の送配電部門について、「35GWプログラム」(設備開発計画)における送配電網の開発を効率的に推進するため、PLN送電・給電センター(P3B)を、給電センター(P2B)と送電保守事務所に組織分割。 |
<PLNにおける電気事業体制の概要>
ジャワ島・バリ島 | スマトラ島 | その他の地域 および特定地域 |
|
発 電 | インドネシア・パワー社 ジャワ・バリ発電会社 |
北スマトラ発電事業所 南スマトラ発電事業所 |
・7地域支店 ※発送配垂直統合 ・PT PLN Batam 保税地域バタム島 ・PT PLN Tarakan 東カリマンタン州タラカン島 |
送 電 | 3つの送電保守事務所 (東部・中部・西部) |
送電保守事務所 (事業所数・担当エリア不明) |
|
給 電 | ジャワ・バリ送電・給電センター (P3B Jawa Bali) |
スマトラ送電・給電センター (P3B Sumatra) |
|
配電・ 顧客 サービス |
5配電事務所 | 7地域支店 |
電力需給・電源開発動向
1.発電設備
PLN(発電子会社を含む)の発電設備容量(2016年):3,979万kW
IPPと自家発の発電設備容量(2016年):1,487万kW
<PLNの発電設備容量:2016年> 単位:万kW
水力 | 火力 | 地熱 | その他 | 合計 | |||
汽力 | コンバインドサイクル | ディーゼル | ガスタービン | ||||
357 (9.0%) |
1,986 (49.9%) |
920 (23.1%) |
335 (8.4%) |
321 (8.1%) |
58 (1.5%) |
1 (0.0%) |
3,979 |
2.発電電力量
PLNの発電電力量(2016年、発電端):1,838億kWh。IPPと自家発からの購入電力量は648億kWh、燃料は、汽力は石炭、コンバインドサイクルはガスが中心。
3.販売電力量
PLNの販売電力量(2016年):2,160億kWhで、対前年比6.5%の伸び。需要家種別内訳は、工業用32%、家庭用43%、商業用19%、その他7%。部門別の前年実績に対する伸び率は、工業用-6%、家庭用6%、商業用8%。
<PLNの需給バランスの推移> 単位:億kWh
年 | 発電電力量 | 購入電力量 | 販売電力量 |
2000 | 842 | 91 | 72 |
2005 | 1,013 | 261 | 1,070 |
2009 | 1,206 | 36 | 1,346 |
2010 | 1,235 | 381 | 1,473 |
2011 | 1,289 | 407 | 1,580 |
2012 | 1,317 | 506 | 1,740 |
2013 | 1,442 | 522 | 1,875 |
2014 | 1,529 | 533 | 1,986 |
2015 | 1,765 | 575 | 2,028 |
2016 | 1,838 | 648 | 2,160 |
4.電源開発動向
現ジョコ・ウィドド政権では「35GW発電所建設計画」や電化率の向上(2019年:97.4%)が謳われている。
<35GW発電所建設計画の概要>
PLN | IPP | |
計画年 | 2015~2019年 | 同左 |
電源開発容量 | 10.23GW | 25.3GW |
流通設備開発 | 送電線延長42,000km 変電所数996か所 |
送電線延長360km |
電源種別 | 石炭56%、CC36%、地熱2%、水力4%、その他2% |
環境問題への取組み等
○ | 1994年:国連の気候変動枠組み条約(UNFCCC)を非付属書Ⅰ国として批准し、1999年10月には国別報告書を提出。 |
○ | 1998年:「京都議定書」に署名。 |
○ | 2003年:環境大臣令により「気候変動対策委員会」が設置され、2005年には「CDM国家委員会」がCDMの指定機関となった。 |
○ | CDM国家委員会は、専門家グループと技術グループから構成され、技術グループには、各省のワーキングチームが参加。 |
再生可能エネルギー開発動向
○ | 2006年:「国家エネルギー政策に関する大統領令第5号」を制定。2025年の再生可能エネルギーの比率を15%(バイオ燃料5%、地熱5%、その他5%)に増加させる計画。 |
○ | 再生可能エネルギーによって発電された電力は、エネルギー鉱物資源大臣令(2012年第4号)に基づき、PLNが買い取ることになっている。 |
○ | 2017年1月:エネルギー鉱物資源省(MEMR)は、「再エネ発電からの買電に関する新基準」を発行。再生可能エネルギー(太陽光、風力、水力、地熱、バイオマス/バイオガス、廃棄物)発電の買電に関し、発電供給コスト(BPP)をベースとしたコスト基準を採用。 |
<再生可能エネルギーの開発状況(2015年)> 単位:万kW
エネルギー種別 | 賦存量 | 既開発量 |
水力発電 | 9,448 | 502.4 |
地熱発電 | 2,954 | 143.9 |
バイオマス発電 | 3,265 | 167.1 |
太陽光発電 | 20,790 | 7.9 |
風力発電 | 6,065 | 0.3 |