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ごあいさつ

会長からのご挨拶

当調査会は、海外の電気事業に関する調査研究、電気事業に関する海外の関係機関、団体との交流及び協力等を行うことにより、我が国電気事業の健全な運営と発展に資するとともに、我が国の経済発展と国民生活の向上並びに国際協力の推進に寄与することをミッションとして、66年の長きにわたり活動を続けてきております。これは会員会社の継続的なご支援と、職員のたゆまない努力の賜物であり、関係各位に心から感謝申し上げます。
さて、世界の電気事業を取り巻く情勢は大きな変革期の中にあります。気候変動問題の解決に不可欠な「脱炭素化」は、洋の東西を問わず、人類共通の最重要 課題となっており、電力を含むエネルギー事業者は、その実現に向けて、上流から下流までさまざまな技術と方策を注ぎ込み、大きな役割を発揮しています。中でも、再生可能エネルギーや原子力発電の一層の利用拡大、水素エネルギーの開発と利用、化石燃料の脱炭素利用や、それらを可能とするネットワークの整備拡充、そして変化に応じた電力市場の整備が世界各地で急速に進められていることは、注目すべきことです。
一方、世界の分断の深刻化と地政学リスクの下で、国際情勢は混迷の度合いを強めています。そして、現下の米国と中国の相克、長期化するロシア=ウクライナ戦争、中東情勢のさらなる複雑化、グローバルサウスと呼ばれる新興国・途上国の存在感の拡大などの要因が、エネルギー安全保障(Security)や気候変動問題への対応(Sustainability)、ひいてはあらゆる人々の持続可能なエネルギーへの公平なアクセス確保(Affordability)という、世界のエネルギー・電気事業者が共通に直面し解決を模索している課題に対してどのように影響していくのかについて、とりわけ大きな関心が集まっています。
当調査会は、ファクトに基づき海外電気事業に関する最新の情報を、特にこの混迷の時代において海外事業者がいかに諸課題に立ち向かい、乗り越えようとしているかを調査・分析し、ニーズに即した情報をタイムリーに発信することを通じて、会員各社の戦略立案や事業展開の一助となれるよう努力と研鑽を続けてまいります。それとともに、国際協力事業においては、これまで積み上げてきた友好関係や人脈を駆使し、アジアをはじめとする諸国の発展に向けて関係の更なる深化を目指してまいります。
当調査会にとっては、職員一人一人が意気軒高に活躍し成長することが、組織の価値を高めることに直結することから、人財を大切にする組織運営を行ってまいります。
2024年4月01日
海外電力調査会 会長
壹岐 素巳

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