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ごあいさつ

会長からのご挨拶

当調査会は、海外の電気事業に関する調査研究、電気事業に関する海外の関係機関、団体との交流及び協力等を行うことにより、我が国電気事業の健全な運営と発展に資するとともに、我が国の経済発展と国民生活の向上並びに国際協力の推進に寄与することをミッションとして、67年の長きにわたり活動を続けてきております。これは会員会社の継続的なご支援と、職員のたゆまぬ努力の賜物であり、関係各位に心から感謝申し上げます。
さて、世界の電気事業を取り巻く情勢ですが、米国第二次トランプ政権における化石燃料産業保護や前政権の脱炭素政策の見直し、欧州におけるエネルギー安全保障及び産業競争力強化の再認識や脱炭素への減速感があるものの、気候変動問題の解決に向けた「脱炭素化」の大きな流れは続いています。電力を含むエネルギー事業者は、脱炭素化の実現に向けて上流から下流までさまざまな技術と方策を注ぎ込み、大きな役割を発揮しています。中でも再生可能エネルギーや原子力発電の一層の利用拡大、化石燃料の脱炭素利用や、それらを可能とするネットワークの整備拡充、これらの変化に応じた電力市場の整備が世界各地で進められています。
一方、世界の分断の深刻化と地政学リスクの下で国際情勢は混沌としています。米国の高関税政策、安全保障政策の見直しの動き及び中国との対立の激化、長期化するロシア=ウクライナ戦争、中東情勢の一層の不安定化、グローバルサウスと呼ばれる新興国・途上国の存在感の拡大など枚挙にいとまがありません。これらの情勢変化がエネルギー安全保障(Security)や気候変動問題への対応(Sustainability)、ひいてはあらゆる人々の持続可能なエネルギーへの公平なアクセス確保(Affordability)という、世界のエネルギー・電気事業者が共通に直面し解決を模索している課題に対してどのように影響していくのかについて大きな関心が集まっています。
こうした中、当調査会は、調査研究事業において、会員会社が置かれている事業環境や相対している課題を念頭にファクトに基づいた海外電気事業に関する最新の情報を、特にこの混迷の時代に海外事業者がいかに諸課題に立ち向かい乗り越えようとしているかを調査・分析し、タイムリーに発信していくことで会員会社の戦略立案や事業展開に貢献してまいります。また、国際協力事業においては、これまで積み上げてきた友好関係や人脈を駆使し、途上国への人材育成・技術ノウハウ分野における協力活動のハブとなって、会員会社の国際貢献に協力し、我が国電気事業者の存在感を高めてまいります。こうした活動には職員一人ひとりの活躍や成長が不可欠であり、有為な人材の育成・確保、モチベーションの向上を通じて業務品質を不断に高めていく組織運営を行ってまいります。
2025年6月20日
海外電力調査会 会長
森下 義人

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