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EU:欧州委員会、電力市場の緊急策延長は必要なしとの報告書を公表

2023-06-05
  • 欧州
  • 環境・再エネ

欧州委員会は2023年6月5日、2022年10月に施行された規則に基づきEUが導入した電力市場への緊急介入策を評価する、欧州議会およびEU理事会宛の報告書を公表した。同報告書は、電力需要の削減施策(そのうち努力目標としての過去5年の総電力消費量平均からの10%削減は2022年12月1日~2023年12月31日適用)、再エネ、原子力および褐炭などの発電事業者の収入上限(インフラマージナルキャップ:2022年12月1日~2023年6月30日適用)、および一般家庭に加えて中小企業への小売価格規制の適用拡大(2022年10月8日~2023年12月31日適用)は、2022年を通じて高騰が続いた欧州電力市場の状況を鎮静化するのに貢献したと評価した。一方、現時点の卸電力市場の需給および価格水準は2022年と比較し大幅に改善したこと、これらの方策の一部は欧州委員会が2023年3月にとりまとめたEU電力市場改革案に含まれることから、現時点ではこれら緊急策の延長は必要ないと結論づけた。同報告書では、現状の卸電力価格やガス価格が安定していることを踏まえ、2023/2024年冬季において卸電力価格が極端に上昇する事態となる可能性は低いとの見通しも示している。