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EU:欧州議会、EU-ETS改革やCBAM導入などに関する法案を承認
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- 2023-04-18
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- 欧州
- エネルギー一般・政策
欧州議会は2023年4月18日、欧州排出量取引制度(EU-ETS)の改革や炭素国境調整メカニズム(CBAM)の創設など、2022年末にEU理事会と暫定的に合意していた法案を正式に承認した。今回承認された一連の法案は、2030年までの温室効果ガス排出削減に向けたEUの政策パッケージ「Fit for 55」の一環であり、EU-ETSの改革に関しては、対象部門のGHG排出量削減目標の引き上げ(2030年までに2005年比62%削減。現行目標は43%)、海運業のEU-ETSへの組み込み(2024年から)、航空業の排出枠無償割当の廃止(2026年まで)、一部の産業を対象とした無償割当の段階的な廃止(2026~2034年)、自動車燃料や建物の暖房設備の燃料を対象にしたETSⅡの新設(2027年)などが含まれている。なお、ETSⅡの収入などを原資に、エネルギー貧困層や零細企業の支援などを目的とした社会気候基金(SCF)の創設(2026年)も今回承認された。また、排出規制の緩いEU域外製品に対してEU-ETSの炭素価格に応じた支払いを輸入業者に義務付けるCBAMについては、2023年10月から3年間は移行期間として、対象事業者に対して輸入製品の炭素含有量などの報告が義務付けられ、2026年10月からは実際に炭素価格の支払いを義務付ける本格運用が開始される。一連の法案は今後EU理事会で承認された後、施行される予定である。
