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EU:モロッコ、オーストラリア、チリからの輸入水素に競争力、調査会社が分析

2023-01-24
  • 欧州
  • エネルギー一般・政策

調査会社Aurora Energy Researchは2023年1月24日、欧州の水素市場に関する調査結果を発表し、モロッコ、オーストラリア、チリからの輸入水素が安価で競争力を有すると発表した。EUはロシアからの化石燃料依存から脱却するため水素の活用を拡大する方針で、域内製造分に加えて2030年に1,000万tのグリーン水素を輸入する計画である。Aurora Energy Researchは2030年に想定される再生可能エネルギーが豊富な国からの輸入コストを分析し、モロッコから輸入する液化水素が4.58ユーロ/kgH2(約640円/kgH2)となり最も安価となった。液体有機水素キャリア(LOHC)やアンモニアで輸入した場合はそれぞれ4.68ユーロ/kgH2(約655円/kgH2)、4.72ユーロ/kgH2(約660円/kgH2)(水素に戻すためのクラッキング費用含む)となった。オーストラリアとチリからの輸入はアンモニアとして輸入することで競争力を持ち、それぞれのアンモニア輸入コストは4.84 ユーロ/kgH2(約680円/kgH2)、4.86ユーロ/kgH2(約680円/kgH2)と分析されている。また、船舶ではなくパイプラインによる輸入によりさらに安価になると同社は説明する。スペインからドイツまで水素輸送のためのパイプラインの設置が検討されており、これを利用して太陽光の豊富なスペインで製造するグリーン水素をドイツへ輸出するケースでは2030年に3.46ユーロ/kgH2(約480円/kgH2)になるとしている。