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ドイツ:ショルツ首相、原子炉3基の2023年4月半ばまでの維持を決定
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- 2022-10-17
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- 欧州
- エネルギー一般・政策
ドイツのショルツ首相は2022年10月17日、同国で運転中の原子炉3基の最長2023年4月15日までの運転継続を可能にするため、必要な法整備を行うことを決定した。同決定は書簡にて、レムケ連邦環境・自然保護・原子力安全・消費者保護大臣、ハーベック連邦経済・気候保護大臣、リントナー連邦財務大臣に通知された。同首相はドイツ基本法(日本国憲法に相当)65条に規定される基本方針決定権限を行使することで、連立政権内での原子力をめぐる対立に終止符を打ったとされる。ハーベック大臣(緑の党)は2022年9月、ドイツ南部に立地する2基の原子力発電所、イザール2号機(PWR、148万5,000kW)とネッカー2号機(PWR、140万kW)を運転リザーブとして2023年4月15日まで維持し、北西部のエムスラント原子力発電所(PWR、140万6,000kW)は2022年12月末に閉鎖する方針を発表した。これに対して、産業重視の政策を掲げる自由民主党(FDP)のリントナー大臣は、原子炉3基の2024年までの運転継続や2021年末に閉鎖された3基のうち2基の再稼働を主張し、同氏の反対でハーベック大臣の方針を実行に移すための法律案は10月5日の閣議で否決された。イザール2号機の加圧器バルブ修繕作業(2023年1月以降の運転継続に必須)の開始が10月21日に迫り、政権内で合意が成立しない場合、同号機の2023年1月以降の運転が不可能になるとも報じられていた。なお、ショルツ首相は3大臣に宛てた書簡において、エネルギー効率向上のための法律制定や西部ライン地方における脱石炭期限の前倒し(2038年から2030年)の法制化も明らかにしている。
