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EU:EU、エネルギー価格高騰に対処するための緊急介入措置を採択

2022-09-30
  • 欧州
  • 原子力

EUエネルギー閣僚理事会は2022年9月30日、「エネルギー価格高騰に対処するための緊急介入に関する規則案」について合意に達したと発表した。同規則案は同年10月上旬に書面手続きにより正式に採択される予定で、EU官報での公布後、緊急時の時限措置として2022年12月1日から施行される。同規則案に盛り込まれた3つの主要な措置のうち1つ目は、原子力発電と再生可能エネルギー(風力、太陽光、水力)発電事業者に関わる収入上限の設定である。上限は1MWh当たり180ユーロとし、各国政府はこの水準と卸電力市場価格の差額を徴収して家庭や企業に再分配する(この措置は2023年6月30日まで適用)。2つ目は、ガス、石炭、石油の生産・供給事業者への「一時的連帯拠出金」の適用で、2022~2023年の会計年度に計上された税引き前利益が過去4年の平均値を20%以上上回る場合、その超過分の一部を「特別利益」として各国政府が徴収する。この「一時的連帯拠出金」からの収入も、電力価格高騰に苦しむ企業や世帯への支援に回される。欧州委員会によれば、これら2つの措置による徴収額は約1,400億ユーロとなる見通しである。3つ目は、電力消費量の削減に関する合意であり、ピーク時の削減量を5%とする強制力のある目標と総消費量の削減量を10%とする努力目標が設定された。なお、もう一つの焦点であった輸入ガス価格に対する上限設定については、フランス、ベルギー、イタリア、スペインを含む15カ国が、ロシアからだけでなくすべての輸入ガスに対する価格上限の設定を主張するのに対し、ドイツやエストニアなど数カ国は、価格上限を設けるとノルウェーや米国といった「信頼できるパートナー」が他の供給先を優先しEUにガス供給がなされない可能性があると、意見が分かれたため検討継続とされ、同年10月7日にプラハで開催されるEU首脳会議と、10月11日から12日にかけて開催されるエネルギー相会合で再度、協議されることとなった。