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ドイツ・ロシア:Gazprom、Shell子会社とØrstedへのガス供給を停止
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- 2022-05-31
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- 欧州
- エネルギー一般・政策
ロシアの国営天然ガス企業Gazpromは2022年5月31日、Shell Energy Europe(英エネルギー大手Shellの子会社)のドイツ向けガス供給、およびデンマークのØrstedへのガス供給を2022年6月1日より停止すると発表した。Gazpromは、Shell Energy Europeとの契約により年間最大12億m3のガスをドイツに供給していた。ドイツの連邦系統規制庁(BNetzA)は、国内ガス供給に占めるShell Energy Europeの割合はわずかであり、調達先の変更は可能としている。Ørstedもまた、ロシアからのガス供給が途絶するシナリオに備えてきたため、需要家への供給に支障はないとしている。供給停止の理由は、Shell Energy EuropeとØrstedが天然ガスの輸入代金をルーブル建てで支払うのを拒否したためとされる。プーチン大統領は2022年3月31日付の大統領令で、「非友好国」に指定した国の企業に対してパイプラインガス代金のルーブル決済を義務付けていた。ただし、天然ガスの輸入企業がGazprom傘下のガスプロムバンクに決済口座を開設し、代金を外貨で支払うことにより、ガスの購入継続が可能となる。外貨のルーブルへの両替、Gazpromへの送金はガスプロムバンクが行う。欧州各国はロシア側のルーブル決済要求に対して、ユーロ建て決済を定めた契約に違反すると反発していたが、イタリアの石油・ガス大手Eniを始めとする多くの事業者は、ガスプロムバンクに外貨建てとルーブル建ての口座を開設したと報じられている。ドイツの大手エネルギー事業者RWE、Uniperも、「新たな決済メカニズム」により2022年5月末を期限とするGazpromへの支払いを完了した旨を明らかにしている。両者は、今回の支払いにロシア中央銀行は関与しておらず、EUの制裁措置に反するものではないと主張している。
