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EU:イラン紛争に伴いガス発電コスト50%上昇、再エネなどの拡大が重要
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- 2026-03-13
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- 欧州
- 火力
環境シンクタンクEmberが2026年3月13日に発表した報告書によれば、イラン紛争に伴うガス価格上昇を受け、ガス火力の発電コストは紛争発生後10日間で50%超上昇し、EUの化石燃料輸入額も同期間に25億ユーロ増加した。電力価格への影響は各国のガス火力依存度で大きく異なる。2026年1~3月にガス価格が電力価格へ影響した時間は、イタリアでは89%、オランダ42%、ドイツ40%であった一方、スペインは15%にとどまった。スペインでは太陽光・風力の導入拡大により、ガス価格が電力市場に与える影響が弱まっている。足下では限界価格制度の是非が論じられているが、排出量取引制度(ETS)コストは家庭向け電気料金の最大でも約10%にすぎず、ETS停止や電力市場制度の再改変は本質的な解決策にならないと指摘。再エネ、蓄電池、デマンドフレキシビリティ、電化の拡大が、化石燃料価格の急騰に対する耐性になると結論づけている。
