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EU:独首相のEU-ETS見直し示唆で炭素価格が急落

2026-02-11
  • 欧州
  • 環境・再エネ

ドイツのメルツ首相は2026年2月11日、ベルギーで開催された欧州産業サミットで、「欧州排出量取引制度(EU-ETS)は新たな収入を生むためではなく、CO2排出量を削減すると同時に、企業がカーボンフリーな生産ラインに移行可能にするための制度である」とし、「EU-ETSが達成不可能で適切な手段でないのであれば、改訂するか、少なくともEU-ETS2(建物・運輸部門を主な対象。2028年完全実施へ1年延期)のように、延期も積極的に検討すべき」と述べ、欧州排出枠(EUA)価格高騰と無償排出枠の段階的廃止による産業部門への負担増を懸念した。EUA価格は2010年代の約10ユーロから、現在は約80ユーロに上昇している。同首相の発言を受け、12日0時11分(CET)時点でICE指数は最大8%下落して72.18ユーロ/tとなり、2022年5月以来の大幅な下げとなった。なお、同首相は翌日のEU首脳会合で、「EU-ETSは適切な手段ではあるが、効果を維持するには継続的な調整が必要」と発言を修正した。