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EU:欧州委員会、天然ガスと原子力のタクソノミー技術基準案を承認
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- 2022-02-02
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- 欧州
- エネルギー一般・政策
欧州委員会は2022年2月2日、2022年1月に施行された、持続可能な事業分類(タクソノミー)に関する技術基準に、2050年カーボンニュートラル達成のための過渡的な活動として、天然ガス火力発電と原子力発電を含める補完的委任法案(CDA)を承認した。天然ガス発電に関しては(1)ライフサイクルの温室効果ガス(GHG)排出量が100gCO2/kWh未満、または(2)2030年末までに建設許可を取得したものに限り、石炭等のGHG排出量の多い発電設備の代替設備であること、直接GHG排出量270gCO2/kWh未満(あるいは設備容量当たりの年間平均GHG排出量550kgCO2/kW以下)、2035年末までに再エネ起源のガスあるいは低炭素排出ガスへ100%切り替えること等を条件にタクソノミー適合を認めるとした。原子力発電については、核燃料サイクルからの廃棄物を最小限に抑えた新型炉の研究開発・実証・実用化、水素製造を含む電力または熱供給のための原子力施設の新設と運転、既存炉の運転期間延長に係る設備改造が対象となった。ただし、放射性廃棄物最終処分および廃炉に必要な費用を賄うための基金の設置、低・中レベル廃棄物最終処分場の稼働、2050年までに高レベル廃棄物最終処分場を稼働するための詳細な計画等が共通して条件となっている。さらに、原子力施設の新設と運転、既存炉の運転期間延長に係る設備改造に関しては、それぞれ2045年までに建設許可、2040年までに運転期間延長に関する許認可を取得したものに限られており、加えて2025年から事故耐性燃料(ATF)を採用すること等が条件となっているが、原子力産業界からは高レベル廃棄物処分場の稼働期限や2025年までのATF採用について、達成が困難との意見も出ている。CDAは今後、欧州議会と閣僚理事会によって4カ月(必要に応じて6カ月)にわたる審議が実施される。同期間に異議申し立てが行われ、欧州議会の過半数の反対あるいは閣僚理事会でEU域内人口の65%以上に相当する20カ国以上の反対があった場合否決される。異議申し立てがない、あるいは、否決されなかった場合には、2023年1月1日に施行される。
