海外電気事業短信
英国:規制機関、小売市場の財務基盤強化に向けた新たな規制枠組みを発表
- 海外電力調査会 トップ
- 世界の電気事業の動き
- 海外電気事業短信
- 英国:規制機関、小売市場の財務基盤強化に向けた新たな規制枠組みを発表
- 2021-12-15
-
- 欧州
- エネルギー一般・政策
規制機関のガス・電力市場局(OFGEM)は2021年12月15日、小売市場の財務基盤を強化し、需要家に転嫁され得るリスクを低減するための新たな規制枠組みを発表した。OFGEMによると、小売事業者の財務基盤をチェックするストレステストを2022年1月から実施するほか、小売各社が自社の経営・リスク管理に関して自己評定を作成する枠組みも2022年初頭に導入する。財務基盤のストレスチェックに関しては、複数のシナリオの下で対象の小売会社が事業を継続することが可能かをOFGEMがテストし、問題があった場合には是正を求めていくとしているが、具体的な実施の流れについては業界団体のEnergy UKと連携を取りながら決定していくとしている。また、小売事業者が財務健全性を証明できるまで一定数以上の需要家(5万軒以上や20万軒以上など)を獲得・保有することを制限する案や、需要家による標準料金など一部料金メニューの解約に解約料を設ける案などについて、1月中旬まで意見公募を実施している。さらにOFGEMは2021年10月、小売事業者の倒産や市場撤退の増加に対する緊急措置として、小売市場への新規参入を希望する事業者を評定する期間を6カ月間と設定し、一時的に新規参入受け入れを「停止」する措置を取っているが、今回の規制枠組みでは、まずは市場を整備し安定させる必要があるとしてこれを9カ月間に拡大すること、さらに、事業実績のない事業者に付与されている小売ライセンスの取り消しを行っていくことを決定している。このほか、料金の前払い制による需要家からの預かり金を保護する方策や、事業者が倒産した際の再エネ証書制度(RO)の未納金再分配時における負担低減策などについて意見公募を実施している。なお英国では、2021年8月から12月15日までにかけ、エネルギー価格の高騰を背景に26社が小売事業から撤退し需要家400万軒以上に影響が及んでいる。
