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ドイツ
2021年8月時点
1.エネルギー供給
(2018年、石油換算100万トン)
 石 炭石 油ガ ス原子力水 力その他自給率
国内生産37.63.54.719.81.644.5111.637%
国内供給67.197.971.519.81.640.4298.3
2.電力供給
(2018年、発電端)
発電電力量
(10億kWh)
構成比(%)
石 炭石 油ガ ス原子力水 力その他
643.73811312334
(2018年)
年負荷率熱効率送配電
損失率
CO2SO2
排出量
NOX
排出量
(%)(%)(%)原単位
(g/kWh)
総排出量
(百万トン)
(g/kWh)(g/kWh)
57.740.54.8491.0303.90.190.37
(注)熱効率、送配電損失率、CO2排出原単位・総排出量は2017年
(2018年)
電気料金水準
(日本=100)
停電時間
産業用家庭用分/年間
9114813.32016
3.電気事業体制
発電事業 RWE、E.ON、EnBW、バッテンファル(4大電力)、およびLEAGの5社で卸電力取引量の70.1%(2019年)を発電。
電力取引所 パリの欧州電力取引所(EPEX)でスポット取引、ライプチヒの欧州エネルギー取引所(EEX)で先物取引を実施。
送 電 4社の送電系統運用者が超高圧送電線を所有・運用。配電系統運用者は846社(2019年)。主に大手電力グループと自治体営。
小 売 事業者は1,400社以上。大手電力グループ、自治体営電力、マーケター等。

発 電 4大電力会社、IPP 卸 売 相対取引 取引所取引(EPEX、EEX) 送 電 Amprion、TransnetBW、 50Hertz Transmission、TenneT TSO 配 電 4大電力会社、地方公営 小 売 4大電力会社、地方公営 需 要 家
4.気候変動対策(目標)

〇 EUの温室効果ガス(GHG)排出削減目標(2050年:カーボンニュートラル、2030年:1990年比55%削減)を加盟国として共有し、具体的な方策はEUが発表した包括的政策(Fit for 55)などに基づき今後具体化する予定

〇 中期目標(気候保護プログラム):2020年までに1990年比40%削減。連邦環境省は2021年3月、1990年比40.8%削減となり目標達成したことを発表。

〇 2019年12月に施行された「気候保護法」の改正案が2021年6月に閣議決定され、連邦議会で可決された。改正案では2030年までのGHG排出削減目標が55%から65%に引き上げられた。2040年までにGHG排出量88%削減という新しい目標も設定された。カーボンニュートラル達成目標は2050年から2045年へと前倒しされた。

〇 再エネ導入目標(2021年改正再エネ法):総消費電力量に占める再エネの割合を2030年に65%。

5.最近の動向と課題

(1)自由化・事業体制

〇 自由化・規制:1998年の新エネルギー事業法施行で全面自由化実施。

〇 事業再編:自由化開始(1998年)時に大手電力会社は8社。その後の合併で、RWE、E.ON、EnBW、バッテンファル・ヨーロッパの4大電力体制に移行。

〇 4大電力の送電部門:2009年EU第三次電力自由化指令では、ドイツは所有分離に反対し法的分離(ITO)を維持。しかし、その後、欧州委員会の圧力、債務削減などから送電子会社を売却。E.ONがオランダの送電会社TenneT社へ、バッテンファル・ヨーロッパがベルギーの送電会社Elia社へそれぞれ子会社を売却 。RWEは送電子会社の7割の株式をコメルツ銀行グループのコメルツリアル社へ売却。現在、EnBWのみ送電子会社維持。

〇 小売市場:競争が活発化。4大事業者のシェアは2010年の54%から2019年には大口で24.5%、家庭用などの小口で37.7%にまで低下。

〇 事業再編:2018年、E.ONとRWEは相互の資産交換による事業再編計画で合意。RWEは発電(再エネ等)中心、E.ONは配電・小売を中心に自社の事業を特定。欧州委員会(競争当局)の承認を経て、2020年までに資産交換完了。

(2)原子力政策・開発

〇 脱原子力:2002年に社民党と緑の党の連立政権は運転期間を32年に限定する改正「原子力法」を制定。

〇 脱原子力の見直し:2010年12月、CDU・CSUと原子力推進派の自民党(FDP)の連立政権は、運転期間を平均12年延長する内容を盛り込んだ原子力法改正を実施。

〇 脱原子力への回帰:福島事故を受けて、2011年7月、議会が脱原子力回帰の改正原子力法案を採択。同改正により、1980年以前運開の7基および停止中1基は即時閉鎖。残りの9基は2022年までに漸次閉鎖を決定。

(3)地球温暖化対策

〇 2020年6月に「国家水素戦略」を発表、2030年までに水電解装置500万kWの導入を目指す。

〇 政府の諮問委員会である石炭委員会の提言を受け、2038年までに石炭火力発電を廃止するため2020年1月に脱石炭法案を閣議決定、同年7月に施行。

〇 EU-ETS対象外の運輸・建物部門でカーボンプライシングを2021年1月より導入。

〇 開発状況(2020年):陸上風力は5,442万kW 、洋上風力は777万7,000kW、太陽光は5,384万8,000kW。全体で1億3,205万3,000kWにまで拡大。

〇 再エネ促進策

1991年:「電力買取法」制定。固定価格買取制度(FIT)開始。
2000年:「再エネ法 (EEG)」制定で本格化。再エネ買取義務を拡充・強化。
2014年:買取コストの負担過大化で、政府は8月にEEGを改正。新規の500kW超の再エネにはFITの適用を中止、卸市場での売却方式へ。
2017年:新規の750kW超の再エネ(バイオマスは150kW超)は、入札により補助を受ける事業者を選定する方式に移行。競争により補助水準が下がることを期待。
2021年:1月にEEG改正。再エネ導入目標達成に向けて競争入札募集容量を拡大。さらに2020年代にFITの買取期間が終了する再エネ発電設備の補助を継続。

〇 再エネ大量導入における課題

風力などの再エネが北部に集中する一方、需要が集中する南部で原子力が閉鎖されたことで、北から南への重潮流が発生し、送電線整備の遅れから国外への予想外の潮流が発生。さらには南部諸州では冬季における供給力不足などの懸念。


※ 2021年8月時点の情報。
※ 数値の一部に四捨五入等を原因とする不突合がある。
※ 供給体制図はあくまで大まかな様子を表すもので、細部まで正確ではない場合がある。
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