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フランス
2021年8月時点
1.エネルギー供給
(2018年、石油換算100万トン)
 石 炭石 油ガ ス原子力水 力その他自給率
国内生産-0.90.01107.65.621.1135.255%
国内供給9.170.036.7107.65.616.3245.3
2.電力供給
(2018年、発電端)
発電電力量
(10億kWh)
構成比(%)
石 炭石 油ガ ス原子力水 力その他
575.721672119
(2018年)
年負荷率熱効率送配電
損失率
CO2SO2
排出量
NOX
排出量
(%)(%)(%)原単位
(g/kWh)
総排出量
(百万トン)
(g/kWh)(g/kWh)
56.444.27.985.045.80.010.05
(注)熱効率、送配電損失率、CO2排出原単位・総排出量は2017年
(2018年)
電気料金水準
(日本=100)
停電時間
産業用家庭用分/年間
728552.62016
3.電気事業体制
国有企業EDF 発電・小売部門で圧倒的なシェア(発電及び販売シェアは共に約80%)。
送電・配電部門は同社子会社が所有・運用。
電力取引所EPEX
(旧Powernext)
2001年にスポット取引、2004年に先物取引も開始。
卸電力市場 相対取引が約8割。発電大手10社が卸市場シェア約7割を占める。
送 電 EDFの送電子会社RTEが所有・運用。
配 電 主にEDFの配電子会社Enedis(旧eRDF)が所有・運用。他に公営配電会社も存在。
小売供給 EDFの他に地方配電事業者約160社、国外事業者及び独立系新規参入者が存在。

発 電 発電事業者(EDF、ENGIE、CNR等) 卸 売 相対取引 EPEX(取引所) 送 電 RTE(EDF子会社) 配 電 Enedis(EDF子会社) 地方公営 小 売 E D F 需 要 家
4.気候変動対策(目標)

〇 EUの温室効果ガス(GHG)排出削減目標(2050年:カーボンニュートラル、2030年:1990年比55%削減)を加盟国として共有し、具体的な方策はEUが発表した包括的政策(Fit for 55)などに基づき今後具体化する予定。

〇 GHG削減目標: 2020年までに1990年比20%削減、2030年までに1990年比40%削減、2050年までにカーボンニュートラル達成。

〇 再生可能エネルギー開発目標:2020年までに最終エネルギー消費の23%、2030年までに33%(発電量ベースでは40%)に引き上げ。

〇 2020年4月発表の「エネルギー多年度計画」(PPE、2019~2023年および2024~2028年のエネルギー開発計画)における再エネ電源開発計画は、2023年に7,350万kW、2028年に1億100万~1億1,300万kW(2019年末時点で5,361万kW)。

5.最近の動向と課題

(1)自由化・事業体制

〇 自由化:1999年から段階的に自由化範囲を拡大し、2007年7月に全面自由化を実施。

〇 事業再編:段階的に自由化と事業再編を実施。

2000年「電力自由化法」:

発電市場の自由化、小売市場の段階的自由化のほかに、独立規制機関の設置、送電部門の経営・会計分離などを規定。

2003年「電力・ガス市場およびエネルギー公共サービス法」、2004年「EDF・GDF株式会社化法」:

送電部門の法的分離(別会社化)、EDFの株式会社化と部分民営化、兼業規制の撤廃などを規定。送電子会社RTEを設立。EDFは一部の株式(約13%)を上場。

2006年「エネルギー部門法」:

小売市場の全面自由化に加えて、配電部門の別会社化などを規定。配電子会社「eRDF社(現Enedis社)」を設立。

〇 需要家保護策

「エネルギー部門法」:

自由化後もEDFに留まる需要家に規制料金を提供。戻り需要家料金は規制料金より10~23%高いレベルに設定。

〇 競争促進策

2010年「電力市場新組織法(NOME)」:

政府が定めた公定価格(ARENH価格)で、EDFの原子力発電電力のうち年間最大1,000億kWh(EDFの原子力発電電力量の最大25%に相当)を国内競合他社に売電することを義務付け。ARENH価格は42ユーロ/MWh。2016年は、化石燃料価格の低下や卸電力価格の低下によって、ARENHによる売電量は低迷したが、その後の卸市場価格の上昇に伴い再びARENH需要が増加。2021年分の申込量は年間上限を上回る1,462億kWhとなった。

〇 EDF再編

2010年「電力市場新組織法(NOME)」:

2018年末、政府はEDFに対し、原子力発電事業の長期的な継続のために組織見直しを要請。EDFから提示された組織再編案について政府と欧州委員会の間で協議が続けられてきたが、難航。加えて労働組合からの反発が非常に強い。2021年7月時点で、再編の実施は、2022年の次期大統領選以降となる見込みと報じられている。

(2)原子力政策・開発

〇 1970年代の石油危機以降、再処理前提に原子力発電を大規模開発。2020年末時点で56基6,137万kW、総発電量の約7割シェア。EDFが建設・運転。90万kW級原子炉約20基でプルサーマル実施中。

〇 2019年「エネルギー移行改正法」で2035年までに原子力発電比率50%へ引き下げ。同年までに計14基の90万kW級炉を閉鎖(44基へ減少)。今後は130万kW級炉でもプルサーマル開始予定。高速炉導入前の2040~50年代に軽水炉マルチリサイクルを目指す。

〇 EDFはフラマンビル3号機(EPR、165万kW)を建設中も、度重なる技術的不具合等で運開予定が2012年から23年以降へ遅延。建設費も当初想定約4,100億円から1.5兆円以上へ大幅増。

(3)地球温暖化対策

〇 CO2排出量取引:2005年から欧州排出量取引(EU-ETS)を開始。

〇 CO2排出権下限価格制度については、政府は2016年10月に「EU全体で検討すべき問題」との見解を示し、国内での導入見送りを決定した。マクロン現大統領もこのスタンスを引き継ぎ、欧州大でのCO2排出権下限価格導入に向け、各国と交渉を行っている。

〇 2022年までに国内4カ所の石炭火力発電所を閉鎖する方針。

〇 再エネ開発状況:2020年の発電比率は25.3%(水力含む)。

〇 再エネ奨励策:2000年「電力自由化法」で固定価格買取制度(FIT)を導入。家庭ゴミ、1.2万kW以下の再エネ、コージェネ電力が買取対象(風力は上限撤廃)。また洋上風力などには入札制も実施。

〇 2020年9月に水素戦略を発表。2030年までに650万kWの水電解装置導入を目指すとともに、水素産業を創出するために70億ユーロを投じる計画。


※ 2021年8月時点の情報。
※ 数値の一部に四捨五入等を原因とする不突合がある。
※ 供給体制図はあくまで大まかな様子を表すもので、細部まで正確ではない場合がある。
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