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2021年8月時点
1.エネルギー供給
(2018年、石油換算100万トン)
 石 炭石 油ガ ス原子力水 力その他自給率
国内生産1.652.934.917.00.517.9124.570%
国内供給8.060.767.917.00.522.9176.9
2.電力供給
(2018年、発電端)
発電電力量
(10億kWh)
構成比(%)
石 炭石 油ガ ス原子力水 力その他
331.4514020233
(2018年)
年負荷率熱効率送配電
損失率
CO2SO2
排出量
NOX
排出量
(%)(%)(%)原単位
(g/kWh)
総排出量
(百万トン)
(g/kWh)(g/kWh)
68.845.17.827288.00.070.29
(注)熱効率、送配電損失率、CO2排出原単位・総排出量は2017年
(2018年)
電気料金水準
(日本=100)
停電時間
産業用家庭用分/年間
879746.52016
3.電気事業体制
送配電部門 発電や小売部門と分離
発 電 ライセンス供与は約300社。
卸電力市場 相対取引が約8割。発電大手10社が卸市場シェア約7割を占める。
送 電 所有はナショナル・グリッド・グループの送電子会社(NGET)、スコティッシュパワー社、スコティッシュ・ハイドロ・エレクトリック社の3社。この3系統の運用はナショナル・グリッド・グループの系統運用子会社(NGESO)がISOとして一括実施。
国際連系 フランス、ベルギー、オランダ、アイルランドと連系済み。ノルウェーとの連系線は2021年内に運開予定。デンマークとの連系線が建設中。その他計画も多数。
洋上系統 洋上風力発電設備から陸上系統までの送電設備は、洋上風力開発事業者が一括建設後、競争入札を経て別事業者が管理・運用。ライセンス供与は現在21社。
配 電 地域毎に14社が独占。
小 売 ライセンス供与は約170社。家庭用で事業実績があるのは約50社。

発 電 発電事業者 卸 売 相対取引 取引所取引 送 電 NGESO(運用) 配 電 配電事業者(14社) 小 売 小売事業者 需 要 家
4.気候変動対策(目標)

〇 温室効果ガス削減目標:2019年6月、2050年までに排出実質ゼロとすることを法制化。

〇 カーボン・バジェット:5年間ごとで総排出量に上限を設定。2025年までに1990年比51%減、2030年までに68%減、2035年までに78%減。

5.最近の動向と課題

(1)Brexitの影響

〇 エネルギー全般:通商協力協定に合意し、2020年末をもってEU離脱後の移行期間を終了。同協定のエネルギーに関する章では、気候変動対策とエネルギーセキュリティ強化のため、新たな協力関係構築に向け協議を行っていくことで合意。

〇 電力取引:EUの単一卸電力市場から離脱。市場結合が解かれ、国際連系線を通じた電力取引は卸価格差に応じた潮流とならず非効率化。新たな市場結合方法について協議中。

〇 排出量取引:欧州の制度(EU-ETS)から離脱し独自の制度(UK-ETS)を導入。制度自体はEU-ETSとほぼ同等。排出枠を削減しながら、取引の流動性を確保することが課題。

〇 その他機関:欧州原子力共同体(ユーラトム)から脱退、英国自らユーラトムやその他関係国と個別に原子力協定を締結。英国のエネルギー規制当局は欧州エネルギー規制者協力機関(ACER)、ナショナル・グリッドは欧州系統運用者ネットワーク(ENTSO-E、ENTSO-G)から脱退。新たな協力関係構築に向け協議を継続。

(2)自由化・事業体制

〇 自由化:発電は1990年、小売は1999年に全面自由化。

〇 業再編:1990年に発送電公社が分割・民営化。14の地方配電局もそのまま民営化され、英国の他、米国、ドイツ、中国、スペイン資本などの所有に系列化。発電・小売では2000年代前半までに垂直統合が進み、Centrica系(英)、SSE系(英)、EDF系(仏)、E.ON系(独)、RWE系(独)、Iberdrola系(スペイン)の6大グループ(ビッグ6)に集約。近年はE.ONとRWEの大型資産交換やSSEの小売事業売却など、再編が進む。

〇 電気料金:2003年以降、北海ガス(国産)の生産量低下を受け上昇。以降も国際的なガス価格の上昇や再エネ賦課金で上昇傾向が続く。大手小売からスイッチングしない需要家の保護を目的として、2019年から価格上限規制を導入。一方、ビッグ6以外の新規小売事業者の小売市場シェアは、2012年末の1%から2020年末までに約40%に拡大。スマートメーターの設置は小売事業者が担い、普及率は44%(2021年第一四半期)に留まる。

(3)原子力政策・開発

〇 2008年に政府が新規建設積極策に転換。仏系EDFエナジーがヒンクリーポイントCでEPR2基を建設中。差額支払契約・固定価格買取制度(FIT-CFD)の適用、中国CGNの資本参加が特徴。EDFはさらにサイズウエルC(EPR×2)、またCGNはブラッドウエルB(中国国産の「華龍1号」×2)で建設を計画。なお、英中対立を背景に原子力プロジェクトから中国企業を排除する動きも一部で伝えられる。

〇 NuGen社(東芝100%)は建設を計画していたが、2018年11月に同社の解散を決定。Horizon社(日立100%)は2020年9月にウィルファ・ネーウィズとオールドベリーBでのABWR建設計画からの撤退を発表。

〇 老朽化した既設炉の閉鎖に加え、ヒンクリーポイント以降の建設計画が不透明なことから、原子力の電源比率は低下傾向。議会の超党派議員が2021年6月、政府に原子力発電能力を少なくとも1,000万kWに回復させるために必要な行動を求める報告書を公表。

(4)地球温暖化対策

〇 石炭火力:国内の石炭火力発電所を2024年10月までに全廃(CCS付きを除く)。

〇 再エネ:2030年までに洋上風力の総設備量を4,000万kWに引き上げ(うち100万kWは浮体式)。2020年現在の洋上風力の設備量は約1,000万kW。導入支援策として、卸市場価格との差額を差し引きする固定価格買取制度(FIT-CFD)を採用(その他低炭素電源も対象)。

〇 CCUS:国内4カ所で大規模整備を推進。うち1カ所は2030年までの商業運転開始を目標。

〇 運輸:2030年以降、ガソリン・ディーゼルの新車販売を禁止(ハイブリッドは2035年以降)。

〇 暖房:2025年以降、新築一般家屋にガス給湯器を設置することを禁止。2028年までに家庭用ヒートポンプの年間導入台数を現在の3万台から60万台に引き上げ。

〇 水素:2025年までに100万kW、2030年までに500万kWの水素製造能力を確保。政府は2021年内に水素開発促進に向けた具体的な戦略を公表予定。


※ 2021年8月時点の情報。
※ 数値の一部に四捨五入等を原因とする不突合がある。
※ 供給体制図はあくまで大まかな様子を表すもので、細部まで正確ではない場合がある。
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