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カナダ
2021年8月時点
1.エネルギー供給
(2018年、石油換算100万トン)
 石 炭石 油ガ ス原子力水 力その他自給率
国内生産27.8264.0159.426.333.016.2526.6176%
国内供給14.899.9113.526.333.012.2299.6
2.電力供給
(2018年、発電端)
発電電力量
(10億kWh)
構成比(%)
石 炭石 油ガ ス原子力水 力その他
650.7811015596
(2018年)
年負荷率熱効率送配電
損失率
CO2SO2
排出量
NOX
排出量
(%)(%)(%)原単位
(g/kWh)
総排出量
(百万トン)
(g/kWh)(g/kWh)
65.034.813.014994.80.340.20
(注)熱効率、送配電損失率、CO2排出原単位・総排出量は2017年
(2018年)
電気料金水準
(日本=100)
停電時間
産業用家庭用分/年間
52474.752016
3.電気事業体制
電気事業者 (2017年時点)州・公営(発電設備容量64%)、私営(同30%)、産業自家発(同6%)
多くの州で州営電気事業者が発送配電一貫運営。1990年代からの事業再編に伴い、従来の大規模事業者は発送配電事業の分離を実施。
規 制 卸電力市場と小売電力市場は州政府の規制管轄。各州が独自の判断で自由化を推進。
小売自由化 アルバータ州、オンタリオ州では全面自由化実施。ニューブランズウィック州、ケベック州、ブリティッシュ・コロンビア州では大口産業需要家のみを対象として自由化実施。ノバスコシア州で小売自由化を検討中。

オンタリオ州の例
発 電 オンタリオ発電会社、地方公営発電会社等4 卸 売 相対取引 電力取引所 (IESOが運用) 送 電 系統運用:IESO 設備所有:ハイドロ・ワン・ネットワーク社 配 電 ハイドロ・ワン・ネットワーク社 小 売 ハイドロ・ワン社 等 需 要 家
4.気候変動対策(目標)

〇 温室効果ガス削減目標:パリ協定により2030年までに2005年比30%削減を公約。その後、カナダ政府は2021年4月、米国主催の気候サミットにおいて2030年までに2005年比で40~50%削減すると目標の引き上げを発表。同7月、正式に国連に同目標を提出。

〇 再エネ導入目標:2030年までに発電電力の90%をゼロエミッション電源とする。2019年時点で、水力・原子力を中心に8割がゼロエミッション電源、カナダ全体のGHG排出量に占める電力部門の割合は9%。

5.最近の動向と課題

(1)自由化・事業体制

〇 アルバータ州:1996年電気事業法(EUA)により卸市場・パワープール創設。発電部門自由化、送電線開放、機能分離などの組織再編を実施。1998年に卸市場での競争の促進や小売市場自由化を規定した改正電気事業法(EUAA)を施行。2001年から全面自由化へ移行。2003年には独立系統運用者とパワープール運用者をアルバータ・システムオペレーター(AESO)に統合。

〇 オンタリオ州:1998年にエネルギー競争法制定。1999年に州営オンタリオ・ハイドロ社はオンタリオ発電会社とハイドロ・ワン社(送配電等、持株会社)へ分割し、独立電力市場運用機関(IMO)を設立。2002年から卸・小売市場の全面自由化を実施。2004年には電力再編法によりIMOはオンタリオ・システムオペレーター(IESO)と改称。

(2)原子力政策・開発

〇 原子力政策:連邦政府はエネルギーの多様化の一つ、サステーナブルなエネルギー源と位置付け。

〇 原子力発電比率約15%(2018年)。原子炉19基、約1,362万kW運転中(2018年)。ほとんどがオンタリオ州に集中(18基、約1,296万kW)。

〇 既存大型炉改修:オンタリオ州で稼働中の18基のうち、ダーリントン原子力発電所全4基(各88万kW)とブルース原子力発電所全8基中6基(各77~82万kW)の合計10基で運転延長のため順次大型改修工事を実施中(2016年~2033年)。各基30~35年運転延長し、最後に改修する原子炉は2064年まで運転する計画。

〇 大型炉新設:オンタリオ、ニューブランズウィック、アルバータ3州の新・増設計画は、延期または現在失効中。

〇 小型炉新設:2018年11月に小型モジュール炉(SMR)可能性調査の「ロードマップ」、2020年12月に具体的な「SMR行動計画」を発表。
(1)2028年までに系統接続地域におけるSMR展開、(2)2030年初頭に第4世代炉開発、(3)2026年までに系統未接続地域への電力供給、の3つの目標を掲げ、連邦政府、州政府、電力会社、国内外のベンダーが官民を挙げて開発を推進中。

〇 放射性廃棄物処分:放射性廃棄物管理機構(NWMO)は、使用済燃料5万7,000tを地下約500mの地層へ処分するサイト選定に取り組み、現在オンタリオ州北部イグナス地区および同州南部サウスブルース地区で試験掘削を実施中。2023年にはこの2候補地からサイトを決定する計画。

(3)地球温暖化対策

〇 トルドー首相は2020年11月、2050年までに温室効果ガス排出ネットゼロを目標とすることを発表。2021年6月に「ネットゼロ・エミッション・アカウンタビリティ法」が成立し、「2030年40~50%削減」ならびに「2050年ネットゼロ」が法制化。

〇 連邦政府と州政府の間で取り組みに温度差あり。COP21・パリ協定を受け、連邦として炭素税未導入州に対して炭素税を2019年強制的に導入。州が訴訟を起こすケースも。

〇 カナダ政府は2021年6月、国内で新車販売される乗用車と小型トラックを2035年までに100%ゼロエミッション車(ZEV)とすると発表(2040年からの前倒し)。
2019年時点で、カナダ全体のGHG排出量に占める運輸部門の割合は25%。

〇 2030年までに石炭火力を段階的に廃止することを目指し、CO2排出基準を強化。
2019年時点で、石炭火力の発電シェアは8%。

(4)再生可能エネルギー政策・開発

〇 再エネ発電電力量(2019年):水力60%、水力以外の再エネ(主に風力)6%。太陽光も増加傾向。ノバスコシア州等で潮力発電の開発が進展。同州ファンディ湾の干満差は世界最大級。

〇 再エネ導入支援策はこれまで州政府が主導してきたが、2050年ネットゼロの目標に向け、連邦政府の動きが活発化。カナダ政府は2021年6月、再エネ導入促進・送電網近代化のため、9.6億カナダドル(約816億円)を投資することを発表。

〇 州レベルでは、再エネ利用基準(RPS)制度をニューブランズウィック州とノバスコシア州で実施、FIT制度をオンタリオ州とノバスコシア州で実施。


※ 2021年8月時点の情報。
※ 数値の一部に四捨五入等を原因とする不突合がある。
※ 供給体制図はあくまで大まかな様子を表すもので、細部まで正確ではない場合がある。
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