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米 国
2021年8月時点
1.エネルギー供給
(2018年、石油換算100万トン)
 石 炭石 油ガ ス原子力水 力その他自給率
国内生産367.9692.7716.0219.225.3155.62,176.698%
国内供給316.9805.6705.4219.225.3156.02,228.3
2.電力供給
(2018年、発電端)
発電電力量
(10億kWh)
構成比(%)
石 炭石 油ガ ス原子力水 力その他
4,413.42813419711
(2018年)
年負荷率熱効率送配電
損失率
CO2SO2
排出量
NOX
排出量
(%)(%)(%)原単位
(g/kWh)
総排出量
(百万トン)
(g/kWh)(g/kWh)
60.040.05.94461,822.80.350.33
(注)熱効率、送配電損失率、CO2排出原単位・総排出量は2017年
(2018年)
電気料金水準
(日本=100)
停電時間
産業用家庭用分/年間
4354N/A-
3.電気事業体制
電気事業者(utilities) 全米で3,000社以上。内訳は私営180程度(販売電力量シェア5割)、公営2,000程度、協同組合営900程度、連邦営10社。私営は伝統的に発送配電一貫体制、自由化州では発送分離が進展。地方公営・協同組合営は配電が主。連邦営は卸発電が主。
発 電 「1992年エネルギー政策法」により卸電力市場が全米大で自由化。「1996年オーダー888」により送電線を第三者へ開放。IPPなどの非電気事業者(non-utilities)の参入が増加。
送 電 発送配一貫維持の州、ISO/RTO化した州・地域(運用制御機能を移管)が混在。2021年現在7つのISO/RTOが存在(ISONE、NYISO、PJM、MISO、SPP、ERCOT、CAISO)。
配 電 私営、地方公営、協同組合営が設備所有および運用。
小売供給 規制州と小売自由化州が混在。

地域送電機関(RTO)を設置している地域の例 垂直統合体制を維持している地域の例
発 電 電気事業者(発電部門)・IPP 卸 売 相対取引 取引所取引 (運営:ISO/RTO) 送 電 系統運用:ISO/RTO 設備所有:電気事業者(送電部門) 配 電 電気事業者(配電部門) 小 売 電気事業者(小売部門)・小売事業者 需 要 家 発 電 発電部門 IPP 送 電 送電部門(所有・運用) 配 電 配電部門 小 売 小売部門 電気事業者 需 要 家
4.気候変動対策:目標

〇 トランプ政権下で2020年11月にパリ協定から離脱。バイデン政権により2021年2月に復帰。

〇 バイデン政権は、電力部門の温室効果ガス排出量を2035年までにネットゼロ、社会全体の排出量を2050年までにネットゼロとすることを公約。

〇 バイデン大統領は2021年4月22日、2030年までに温室効果ガスを2005年比で50~52%削減すると発表(オバマ政権の目標は2025年2005年比26~28%削減)。

〇 再生可能エネルギー開発目標:連邦大の目標なし。再エネ/クリーンエネルギー利用基準(RPS/CES)導入州の中には、野心的な目標も(ニューヨーク州は2040年クリーンエネルギー100%、カリフォルニア州は2045年クリーンエネルギー100%、ハワイ州は2045年再エネ100%)。

5.最近の動向と課題

(1)自由化・事業体制(事業再編の動き)

〇 1990年代後半から州単位で事業再編が進み、最大24州およびワシントンDCで自由化法が成立。しかし、2000年カリフォルニア電力危機の発生を機に見直しが行われ、自由化法の廃止や自由化の無期延期・中止を決定する州も。
2021年現在、全面自由化しているのは13州とワシントンDC、7州で大口需要家を対象にした部分自由化を実施。

〇 分散型電源、電力貯蔵、スマートメーター、EV、デジタル技術が需要家側で普及。州政府はこれらの技術が需要家にもたらす利益を最大化するため、規則整備に着手。
一方、電気事業者は事業環境の変化に適応すべく、新たなビジネスモデルを模索中。

(2)原子力政策・開発

〇 近年、卸電力価格の低下に伴い経済性の悪化した原子力発電所が相次ぎ閉鎖を発表。多くのプラントの早期閉鎖危機を背景に、州政府が原子力発電所の炭素ゼロの価値を見直す施策を実施。
ニューヨーク州、イリノイ州およびニュージャージー州は、原子力支援策としてゼロエミッション・クレジット(ZEC:Zero Emission Credit)プログラムを導入。コネチカット州およびオハイオ州でも独自の支援策。これらの州で複数のプラントが廃止予定を撤回し運転継続。

〇 80年運転へ向け、2回目の運転認可更新の動きが活発化。2019年12月にターキーポイント3,4号機(ネクスト・エラ社)、2020年3月にピーチボトム2,3号機(エクセロン社)、2021年5月にはサリー1,2号機(ドミニオン社)の6基が80年運転のライセンスを取得済み。ノースアナ1,2号機(ドミニオン社)、ポイントビーチ1,2号機(ネクスト・エラ社)、オコニー1~3号機(デューク・エナジー社)の7基についてNRC審査中。

〇 国内34年振りの新規計画であるジョージア州のボーグル3,4号機(サザン社)の建設は、ウェスチングハウス(WH)社倒産後、継続が危ぶまれたが続行決定。サザン社の子会社ジョージア・パワー社は2021年7月、運開時期について3号機は2022年第2四半期、4号機は2023年第1四半期になると発表。もう一つの新規計画V.C.サマー2,3号機は中止。

〇 他方、従来型原子炉に比べ固有安全性などを向上させた先進型原子炉の実用化に向けた開発が進行。

(3)地球温暖化対策

〇 バイデン政権は、トランプ前政権の政策を転換するため、大統領令を相次いで発動。パリ協定への復帰の他、自動車燃費基準、発電所の大気汚染物質排出規制、家電・建物のエネルギー効率化基準などが見直しに。
さらに、2兆ドル超のインフラ計画「American Jobs Plan」を発表。しかし巨額な財政支出に共和党等の反発があり、政権と議会の間で調整中。

〇 州政府の気候変動対策は一様ではなく、積極的な州、消極的な州が混在。

〇 排出量取引制度を実施しているのは、カリフォルニア州と北東部州10州で構成される「地域温室効果ガス・イニシアチブ(RGGI)」。かつては連邦大での導入議論もあったが実現せず。

〇 トランプ政権に対抗して、ニューヨーク州やカリフォルニア州の州知事らが「U.S. Climate Alliance」を2017年に設立。パリ協定の目標順守を目指し、2021年現在、24州が参加。

〇 2020年米国総発電電力量に占める再エネ(水力を除く)の割合は13%。再エネのうち、風力が67%、太陽光が18%を占める。

〇 連邦支援策は税制優遇(PTC/ITC)、州支援策はRPS/CESやネットメータリングが中心。

〇 PTCは発電電力1kWh当たりの所定額を法人税から減免。2021年控除額は1.50c/kWh。風力開発を牽引してきたが、事実上の補助金であり、市場を歪めるとの批判も。2021年末で失効予定。

〇 ITCは風力、燃料電池、太陽光、地熱等が対象。設備投資額の一定割合を法人税から減免。2021年控除率は、陸上風力18%、洋上風力30%、燃料電池26%、太陽光26%、地熱10%。太陽光はITC効果と開発コストの低下で、今後も堅調な伸びが期待。

〇 RPS/CESは30州とワシントンDCで導入(2021年1月現在)。CESは再エネの他、原子力、蓄電池、CCS付火力なども対象。

〇 太陽光に蓄電池を併設したハイブリッド型発電所がテキサス州、カリフォルニア州等で増加。

〇 近年では米北東部沿岸で洋上風力開発が増加。バイデン政権も2030年までに3,000万kWの洋上風力発電を導入すると宣言。

〇 ネットメータリングはルーフトップ太陽光の普及を促したが、配電設備の維持費負担について設置需要家と非設置需要家の公平性が問題に。他の支援策へ移行する州も。


※ 2021年8月時点の情報。
※ 数値の一部に四捨五入等を原因とする不突合がある。
※ 供給体制図はあくまで大まかな様子を表すもので、細部まで正確ではない場合がある。
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